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JR九州、2020年7月1日から激安フリーパス「みんなの九州きっぷ」発売-JR各社に先駆けて

JR九州(本社:福岡県福岡市)は、2020年7月1日から格安のフリーパス「みんなの九州きっぷ」を期間限定で発売する。

JR博多駅。

コロナ禍後のフリーパス、JR各社に先駆けて発売

「みんなの九州きっぷ」は、土日祝日の2日間(男性60歳・女性50歳以上を中心とした「ハロー自由時間クラブ」会員は平日も利用可能)に、指定エリアの九州新幹線・特急列車の普通車自由席が乗り放題となるフリーきっぷ。普通車指定席も6回利用できる。
販売されるのは以下の2種類。
(熊本地震で不通となっているJR豊肥本線は8月8日に再開通予定)

  • みんなの九州きっぷ全九州エリア版
    :大人10,000円・こども2,000円
    :JR九州全線(在来線・九州新幹線)で利用可能
  • みんなの九州きっぷ北部九州エリア版
    :大人5,000円・こども1,000円
    :大分・熊本駅以北/豊肥線・三角線含む(在来線・九州新幹線)で利用可能

利用期間は2020年7月11日(土)から9月27日(日)の土日祝日、発売期間は2020年7月1日(水)から9月23日(水)まで。
切符はおもにネット販売限定で、「JR九州インターネット列車予約」のほか、JR西日本「e5489(イーゴヨヤク)」でも販売する。
このほか、JR九州旅行の窓口や主な旅行会社(九州・西日本エリア)では、宿泊旅行商品などとセットでの販売もおこなうとしている。
なお、いずれも利用日の1カ月前から3日前の23時までに予約・決済を行わなければならない。

JRホテルブラッサム大分。

JR各社は新型コロナウイルスの感染拡大により利用者が大幅に減っているが、こうした本格的な利用促進策は各社に先駆けたものとなる。
感染者が減った地域では、今後もこうした格安きっぷの発売による地用促進が行われることになろう。

九州新幹線800系(自由席)。

追記:12月まで延長発売される。

追記:JR四国も「四国満喫きっぷ」割引へ

JR四国も7月1日より従来の「四国満喫きっぷ」より安い「四国満喫きっぷスペシャル」を発売する。
こちらはみどりの窓口販売8,000円、WEB販売8,500円。
土休日を1日以上含む連続した3日間、JR四国全線の特急・普通列車自由席が利用できるフリーきっぷ。土佐くろしお鉄道、阿佐海岸鉄道、一部のJR四国バスも利用可能となる。
発売期間は2020年7月1日から9月27日まで、利用は9月29日までとなる。

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イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館、2020年7月1日開業-名取市閖上初のショッピングセンターに

宮城県名取市閖上地区まちなか再生計画区域に、アークスグループの「伊藤チェーン」が運営・開発する地域密着型ショッピングセンター「イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館」が2020年7月1日午前9時に開業する。

伊藤チェーン、アークス傘下入り後初となる新規出店

イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館は、東日本大震災復興整備計画の一環として「閖上地区まちなか再生計画区域」内に出店するもので、建物は平屋建、売場面積は4,313㎡(直営3,033㎡、テナント1,280㎡)。
同社食彩館業態としては玉浦に次ぎ2店舗目、アークスグループ傘下となってから初の新規出店となる。

イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館。

フーズガーデンゆりあげ食彩館は「生鮮食品強化型スーパー」として、直営食品売場では宮城県南地域最大級となる農産コーナー(330㎡)や同社初となる地元漁師持ち込みの魚介類を展示するスカイタンクコーナー(生け簀)を導入する。

農産コーナー。

また、店内フードコート「閖上マリンキッチン」では、海鮮マグロ丼や天ぷらうどん・そば、牛タンカレーなどを販売するほか、地域のコミュニティ会場としての貸出しも実施。「名取市PRコーナー」では、行政・イベント情報発信に加え、社会福祉施設入所者による手作りクッキーや工芸品などの販売も行うなど、食材のテーマパークをめざすとしている。

閖上マリンキッチン。

そのほか、テナントとしてドラッグストア「マツモトキヨシ」や100円ショップ「Seria」、「東園生花」といった専門店も出店する。

閖上地区の復興、大型食品スーパー出店で加速なるか

フーズガーデンゆりあげ食彩館が出店する閖上地区は、2011年3月に発生した東日本大震災で甚大な津波被害を受けたため、復興計画策定に向けた合意形成が難航するなど、都市基盤整備の遅れが目立っていた。
2013年12月にはカナダ政府からの寄付により建設された「ゆりあげ港朝市メイプル館」が開業、2019年4月には地元主導の商業施設「かわまちてらす閖上」が開業するなど、各種物販店舗や飲食店が入居する施設が相次ぎ開業したが、生鮮3品をフルラインで取扱う食品スーパーが震災を機に消滅したため、スーパーの誘致がを求める声が根強くあった。
ゆりあげ食彩館の開業によって地区内でのワンストップショッピングが可能となり、復興への弾みがつくことが期待される。

イトーチェーンフーズガーデンゆりあげ食彩館

住所:宮城県名取市閖上字昭和33番地(E-37-1街区1画地)
営業時間:9時30分~21時

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高島屋、岡山高島屋を2020年7月1日に完全子会社化-両備グループとの合弁解消へ

大手百貨店「高島屋」は、岡山地盤の公共交通・流通グループ「両備ホールディングス」との合弁会社「岡山高島屋」(岡山県岡山市北区)を2020年7月1日付で完全子会社化する方針を2020年6月26日に正式決定した。

岡山高島屋。

岡山高島屋、高島屋完全子会社に

岡山高島屋は1973年5月に「高島屋岡山店」として開業。本館は地上8階地下2階建、東館は地上4階地下2階建で、売場面積は21,575㎡。本館(日本生命岡山駅前ビル)は高島屋日本橋店増築部やそごう大阪店(現在は解体)を手掛けた村野藤吾が設計に携わっており、現在に至るまで高島屋と縁が深い日本生命が建物を所有している。
岡山高島屋は2004年4月に会社分割で現法人が設立、2010年に両備HDが株式の33.4%を取得する合弁会社となった。
両備グループ系百貨店となった翌年の2011年4月には両備グループ共通ポイントカード「たまルン」を導入、2012年からは全館リニューアルを実施、2014年12月には至近距離に開業したイオンモール岡山に食品を中心とした「高島屋フードメゾン」を出店するなど“攻めの経営”を続けている。

高島屋フードメゾンイオンモール岡山店。

なお、両備グループは高島屋岡山店開業初期から8階レストラン「ファミリーローズ」の委託運営を行うなど、子会社(サルボ両備)を通じて資本業務提携以前から結びつきがあった。

高島屋と両備、今後も“友好関係”を維持

高島屋は、岡山高島屋完全子会社化の目的を「両備HDとの友好を維持しながら、新たなステージでグループシナジーを追求し、さらなる成長につなげていくため」としており、今後も両備HDとは施設運営・サービス事業や店舗売上確保に向けた相互連携から、物流業務をはじめとする後方業務の委託まで提携を引き続き強化すると述べている。また、たまルンについても今後も利用することができる。

協力関係は維持される(写真は公式サイトより)。

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イズミヤカナートモール浜田町、2020年6月30日閉店-まるとく市場核のショッピングセンター、19年で営業終了

兵庫県尼崎市の地域密着型ショッピングセンター「イズミヤカナートモール浜田町」が、2020年6月30日をもって閉店する。

まるとく市場浜田町店。(公式サイトより)

新形態のカナートモールとして開業した浜田町店

イズミヤカナートモール浜田町は2000年12月に開業。建物は地上2階建、店舗面積は1,498㎡。
開業当初は、同社初となるデイリーカナート屋号の総合スーパー「デイリーカナートイズミヤ浜田町店」を核に、マクドナルドやクリニックモール、美容院、保育園、クリーニング店といったテナントが出店していたが、2008年には1階を食品ディスカウント「まるとく市場浜田町店」に業態転換、2階に音通の100円ショップ「フレッツ 尼崎浜田店」を導入するなど、低価格路線の商業施設として大規模リニューアルを実施していた。
カナートモールでは、2020年3月にフレッツが閉店しているため、イズミヤ直営売場の閉店により施設の大部分が空き床となる。

イズミヤは2020年6月現在、跡地の活用方法を発表していないが、築年数が20年未満と比較的浅いため、新たな食品スーパーが後継店舗として出店する可能性がある。

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ミトワみしま、2020年6月30日開業-三島駅前再開発、東急グループの複合商業施設に

静岡県三島市のJR東海・伊豆箱根鉄道三島駅前に、東急グループの複合施設「東急三島駅前ビル・ミトワみしま」が2020年6月30日に開業する。

東急三島駅前ビル。

三島駅前にショッピングとホテルの複合施設

東急三島駅前ビルは、三島市が主導する「三島駅南口西街区再開発事業(西街区・広域観光交流拠点)」の一環として整備が行われていたもので、建物は地上14階建、商業フロアは1~2階、敷地面積は約3,400㎡、店舗面積は約900㎡。
ミトワみしまの施設名称は、三島の湧水をモチーフに「み(水の都)」と「わ(和・輪)」をつなげた造語で、コンセプトに「三島周辺のいいもの・美味しいものでおもてなしする」を掲げ、沼津市に本社を構える地場飲食大手・セントリングスの「ワイン食堂VINSENT」や沼津市の鰻問屋・京丸うなぎが手掛ける「日本料理寿司・うなぎ処 京丸」、沼津市の老舗水産グループ・サスヨの特産品販売店「ふじのくにさすよ」、スペシャリティコーヒーショップ「タリーズコーヒー」といった沼津の人気店が出店。東急グループの会員制サテライトシェアオフィス「New Work 三島」も併設する。
ミトワみしま。

また、高層階には東急ホテルズの「富士山三島東急ホテル」(客室195室、ホテル面積10,563㎡)が出店。伊豆箱根鉄道三島駅と連絡通路を新たに設置するなど、地域商店街までのアクセスを整備し、地域にさらなる賑わいを創出するとしている。
富士山三島東急ホテルの展望温浴施設。

ミトワみしま

住所:静岡県三島市一番町17-1
営業時間:7時~24時

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ジュンク堂書店福岡本店、2020年6月30日閉店ーMMT再開発で、西通りに仮店舗開設

福岡県福岡市中央区天神の西鉄福岡(天神)駅、地下鉄天神駅近くにある複合商業ビル「メディアモール天神」(MMT)が再開発のため近く閉鎖されることにともない「ジュンク堂書店福岡本店」(淳久堂書店)が2020年6月30日に閉店する。

MMTビル。

かつては数年おきに店舗が変わっていたMMT

メディアモール天神は1979年に東急不動産グループの複合商業施設として開業。建物は地上9階地下3階建。開業当初は低層階(地階~地上4階)に東急不動産の「天神東急プラザ」が、高層階(5~9階)に東急ホテルチェーンの「天神東急ホテル」が出店したが、東急プラザは数年で閉店。その後は「ソロンコーポレーション」により「マルチマート天神(MMT)」として営業再開するもこちらも数年で閉店、その後は「ベスト電器」が福岡本店建替え期間中の仮店舗として使用したのち1997年からはマイカルグループのファッションビル「天神ビブレ」の女子中高大生をターゲットとした別館「天神ビブレ2」となったが同社の経営破綻を受けて2001年2月に閉店、さらに同時期に東急ホテルチェーンが撤退したことで建物全館が閉館状態となった。
その後、2001年11月には低層階が関西地盤の大手書店「ジュンク堂書店(淳久堂書店)」に、高層階に専門学校「ヒューマン・アカデミー」などが入居する「メディアモール天神(MMT)」となった。ジュンク堂書店は、当時日本最大級の面積の書店であった。2016年にはキャナルシティ博多などを運営するディベロッパー「福岡地所」が建物を取得していた。

天神ビブレとMMTビル。

数年おきに核テナントが変わったMMTであったが、ジュンク堂書店はこれらの核テナントのなかで最も長く営業することとなった。
サイゼリヤなどMMTビルの他のテナントは当面営業を続けるものの、夏ごろまでに順次閉店するものと思われる。

閉店のお知らせ。

再開発で建替えへ-ジュンク堂書店は再出店予定

天神エリアでは、福岡市が「天神ビッグバン」と称して高さ制限や容積率の規制緩和による民間再開発促進事業を推進しており、2024年を目処に天神ビブレと同じ区画内にある「福岡ビル」(2019年3月閉館)及び「天神コア」「天神ビブレ」(2020年3月)の跡地にオフィスやハイクオリティホテルを備えた西鉄グループの複合商業施設(地上19階地下4階建、延床面積約100,000㎡、高さ約96m)が開業を予定している。

福岡ビル・天神コア跡地に建設予定の建物イメージ。

MMTビルの建て替えもこれに伴うもので、建物隣接地(新生飯店・楽天地など)を含めてMMTビルを所有する福岡地所が再開発をおこなう。また、2021年に閉館する予定の、隣接する福岡市役所北別館との一体開発も検討されている。

手前から福岡市役所北別館・MMT・ビブレ。

新ビルは福岡ビル・天神コア跡と同様に19階建て規模となる予定で、2024年ごろの竣工を見込む。下層階には核テナントっとして「ジュンク堂書店」が再出店し、高層階はオフィスなどとする計画だという。

ジュンク堂書店、西通りに仮店舗

ジュンク堂書店は、天神西通りにある「天神西通りスクエア」にあった経営破綻したファストファッション店「フォーエバー21福岡天神店」跡に仮店舗を出店する。
店舗面積は現在の3分の1程度になるという。
ジュンク堂書店が出店した当時、福岡市天神エリアには紀伊國屋書店、福家書店、丸善、リブロなど多くの大手書店が軒を連ねており「日本有数の大型書店激戦区」となっていたが、近年は撤退が相次いでおり、仮店舗の開設を望む声が多くあった。
仮店舗は2020年8月上旬に開業する予定であるという。

FOREVER21跡。

ジュンク堂書店福岡本店(仮店舗)

住所:福岡県福岡市中央区大名1丁目15−1
営業時間:未定

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ジョイポリスVR渋谷、2020年6月30日閉店-SHIBUYA109のVR特化JOYPOLIS、突然の閉幕

香港企業「華夏文化科技集団有限公司」(CA Cultural Technology Group/CAカルチュラル・テクノロジー・グループ)傘下の「CAセガジョイポリス」は、東京都渋谷区の「JOYPOLIS VR SHIBUYA(ジョイポリスVR渋谷)」を2020年6月30日午後9時をもって閉店する。

JOYPOLIS VR SHIBUYA.

一世風靡した屋内アミューズメント「ジョイポリス」

ジョイポリスは、1994年7月に大手ゲーム会社「セガ」直営の大規模屋内型アミューズメント施設として誕生。最盛期となる1998年には国内7店舗を展開していたが、遊具の開発・維持・管理に多額の費用が必要なため、2000年代の業績悪化時に国内施設の大半を閉鎖していた。
その後、ジョイポリスは、2015年4月にセガ完全子会社の「セガ・ライブクリエイション」に運営会社を移行、同年7月からは中国に拠点を置く香港企業「華夏動漫形象有限公司」(China Theme Park/チャイナ・テーマパーク)(2020年に社名変更)との合弁により、上海・青島への出店を開始。2017年1月には合弁相手であった華夏社に株式の85.1%を譲渡し、2020年6月現在は華夏社傘下のアミューズメント施設ブランドとなっている。
なお、華夏社は日本の総合玩具メーカー「イマ・グループ」(傘下にスタジオディーンなど)が設立に携わっており、2015年3月の上場後も同社の関連会社としてグループに属している。

新体制・新ブランド1号店だった渋谷ジョイポリス

ジョイポリスVR渋谷は、コト消費強化型ファッションビル「MAGNET by SHIBUYA109」(2018年4月開業)の一部先行リニューアルに合わせて、同年10月25日に開店した。

MAGNET by SHIBUYA109。

ジョイポリスの国内店舗としては1998年11月の梅田ジョイポリス(2018年閉店)以来約20年ぶり、新体制(CAセガジョイポリス)としては初となる新規出店であった。
VRコンテンツに特化した新業態「JOYPOLIS VR」の1号店として、日本初となる映画・ターミネーターがテーマのVRゲーム「TERMINATOR SALVATION VR」を始め、対戦型VRガンシューティング「TOWER TAG」、定期的に内容が変わる「VR脱出ゲーム」といったコンテンツを導入。
小規模ながら、近隣で営業する東急レクリエーションの体験型VRテーマパーク「TYFFONIUM SHIBUYA」やアドアーズの「VR PARK TOKYO」と共同プロモーションを打ち出し、地域一体で“VRの聖地”をめざした。

新型コロナで長期休業・突然の閉店に

ジョイポリスVR渋谷は、新型コロナによる感染拡大を受けて2020年3月から営業時間の短縮、小中高生のみでの来店規制を開始。4月8日からは緊急事態宣言の発令を受けて長期休業状態となった。
度重なる再開延期や営業体制の見直しを経て、6月13日から段階的に営業再開したもの、6月24日に急遽閉店が決定した。
ジョイポリスVR渋谷の後継店舗は現時点で決まっておらず、ジョイポリスは再び国内1店舗(東京ジョイポリス)のみとなる。

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PIAGOプラス妙興寺店、2020年6月27日開店-アピタ・ユーストア・ピアゴ跡、ドンキ流「個店経営」新業態1号店に

愛知県一宮市の名鉄本線妙興寺店前に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)グループの総合スーパー「PIAGOプラス妙興寺店」が2020年6月27日午前9時に開店する。

ピアゴプラス妙興寺店。

アピタ・ユーストア・ピアゴを経て新業態1号店に

PIAGOプラス妙興寺店の前身となる「ピアゴ妙興寺店」は、ユニーの高級総合スーパー「アピタ一宮店」として1986年6月に開店。2003年6月にユニーグループのディスカウント「ユーストア妙興寺店」として業態転換、2009年2月にはグループの運営会社及び店舗ブランド再編に伴い店舗名を「ピアゴ妙興寺店」に改称していたが、2020年6月12日午後6時をもって業態転換のため一時閉店、ダイソーなど一部専門店のみ営業を継続していた。

ピアゴにアピタやドンキのタピオカ・焼き芋店も導入

PIAGOプラス妙興寺店の建物は地上5階建、直営フロアは1~3階、店舗面積は7,790㎡、直営売場面積は5,573㎡。一宮市内の不動産会社である東洋繊維が所有する。
PIAGOプラス妙興寺店は「個店経営を本格導入したNewピアゴ1号店」として、ストアコンセプトに「すべては顧客の『楽しさ』につながる」」を掲げ、3フロアにユニー直営の食品・衣料・生活用品専門店を導入する。
1階にはユニー直営の生鮮食品スーパー「PIAGOプラス(ピアゴプラス)」が出店。
従来通り、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)を取扱うほか、冷凍食品・アイス・ドリンク・酒・お菓子の品揃えを2割から5割に拡充。毎週金曜日に行われる5%割引デー(5%OFF感謝デー)を廃止するなど、EDLP型の店舗となる。

PIAGOプラス ロゴマーク。

2階にはユニー直営の大型衣料品店「APITA CLOTHING(アピタクロージング)」が出店。同業態としては鈴鹿美濃加茂に次ぐ3店舗目で、MEGAドン・キホーテUNY(UDリテール運営)以外の店舗への出店は初となる。
アピタクロージングでは、30代から40代の女性を対象としたナショナルブランドの衣料品やインポートバッグ、ブランドスニーカーに加え、PPIHグループが強みとする低価格コスメやアクセサリーを新たに展開。メンズ衣料も品揃えすることで、地域のお客さまのニーズにお応えできる店舗を目指すとしている。

APITA CLOTHING ロゴマーク。

3階にはユニー直営の医薬品・家電・雑貨専門店「デイリードラッグ」が出店。医薬品・家電・雑貨の上手な組み合わせや使い方を提案する「ソリューション型ドラッグストア」の創造に挑戦するとしている。

デイリードラッグ ロゴマーク。

PIAGOプラス妙興寺店には、業態転換前から引続き100円ショップ「ダイソー」や一宮市内に本社を構える珈琲店「MGコーヒー」、パン工房「ブーランコ」、カネ美食品の総合惣菜店「Kanemi」などのテナントが引続き営業を継続するほか、PPIHグループのタピオカ・焼き芋スイーツ店「tapi-mo」やピザ店「PIZZA ALBA」、生花店「HANACHAN LAND」も新たに出店する。

ユニーへの「ドンキ流個店経営」移植成功なるか?

PPIHグループ(旧・ドン・キホーテHD)は、業績不振が続くユニー運営店舗の再生を目的として、2017年11月にドンキとユニーの合弁会社「UDリテール」(現在はPPPH完全子会社)を設立。
2018年2月には双方の屋号を冠したダブルネーム店舗「MEGAドン・キホーテUNY」への業態転換を開始し、2019年6月にはユニー直営衣料品部門を「APITA CLOTHING(アピタクロージング)」として、MEGAドンキUNY旗艦店(2万㎡前後)向けに専門店パッケージ化するなど、UDリテールへの経営資源移行、総合ディスカウントストアへの移行による事業再建を進めている。

MEGAドンキUNY。

その一方、PPIHグループは、ユニーの主要顧客であった高齢層や贈答品需要への対応、グループ系列店舗との競合対策として、ダブルネーム店舗とは異なる“従来型の総合スーパー”という業態を維持した新業態の開発を行う必要に迫られていた。
ユニーでは、上記課題解決の一環として、2019年7月にドン・キホーテが成長戦略の柱としてきた「個店経営(個店主義経営)」への完全移行を実施、現場スタッフへの権限委譲を進めていたが、今回業態転換したPIAGOプラスと同様な売場の抜本的リニューアルはこれまで行われてこなかった。
PPIHグループは、妙興寺店と同様の業態転換を複数の既存店で行い効果検証する方針を示しており、第一号店の「個店主義」の手法が成功するかどうか注目される。

PIAGOプラス妙興寺店

住所:愛知県一宮市大和町妙興寺字白山西3番地2 
営業時間:午前9時~午後11時

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イオン伏見店、2020年冬閉店-旧・サティ、建替え再出店の方針示すも縮小か

京都府京都市伏見区の伏見大手筋商店街横にある総合スーパー「イオン伏見店」が、建物の老朽化により2020年冬に閉店する。
イオンリテールは、現店舗を建替えて再出店する方針を示している。

イオン伏見店。

旧ニチイ・サティから42年の歴史に幕

イオン伏見店はニチイ伏見店として1978年11月開店。2020年現在の売場は1階から4階で、店舗面積は8,656㎡。建物はイオングループが所有する。
ニチイ伏見店から伏見サティに業態転換したのち、運営者のマイカルの経営破綻・2011年のイオンリテールとの合併によってイオン伏見店となった。

テナント・フロア案内。

2020年現在、イオンの調剤薬局、関西の大手喫茶店「ホリーズカフェ」、100円ショップ「キャンドゥ」など10店舗ほどのテナントが出店している。

建替え・再出店めざすも縮小か

閉店は建物の老朽化によるもの。近隣では、2019年に「プラザ大手筋」(旧西友)が同じく老朽化のために閉店したばかりであった。
イオンは跡地に新店舗を建設する方針を示しており、地元紙・京都新聞の報道によると近隣に仮店舗も設けるとしている。
一方で、現在のイオン伏見店は敷地面積の都合などから直営の駐車場が設置されていない(契約駐車場は2000円以上購入で1時間無料)。
新店舗には駐車場が併設されると思われ、現店舗よりも売場面積が大きく縮小されることはほぼ確実であろう。

追記:建て替え中は近隣のプラザ大手筋に仮店舗を出店する。

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イオン上越寺店、2020年6月25日開店-新潟撤退のバロー跡「イオン化」2号店に

新潟県上越市の国道18号線(上新バイパス)近くに、イオンリテールの食品スーパー「イオン上越寺店」が2020年6月25日午前9時に開店する。

イオン上越寺店。

イオン、今年4月閉店のバロー跡を引継ぎ出店

イオン上越寺店の前身となる「スーパーマーケットバロー上越寺店」は2016年7月に開店。建物は平屋建、敷地面積は12,065㎡、店舗面積は1,945㎡。
バロー上越寺店は、2012年11月に開店したバロー下門前店に次ぐ新潟県内3号店、県内最新の店舗であったが、バローの食品スーパー新潟県内撤退に伴い2020年4月5日をもって閉店していた。

イオン下門前店。(旧・バロー下門前店)

イオン上越寺店は、6月11日に開店した「イオン下門前店」と同様にバローから店舗を引継ぎ開店するもので、イオンリテールとしては新潟県内27店舗目、上越市内3店舗目となる。
コンセプトに「ファミリー世代とアクティブシニアの健康な生活を応援。いつ来ても快適で安心・安全・便利なFood Store」を掲げ、バロー時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、イオンのグローサラント型売場「ここdeデリ」やインストアベーカリーを導入。日用品や家事用品などの充実を図り、ワンストップショッピングの実現に努めるとしている。

イオン上越寺店

住所:新潟県上越市寺158-1
営業時間:午前9時~午後9時

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