クスリのアオキHD、ミワ商店「ピカソ」を2025年6月2日完全子会社化-瀬戸内流通大手「マルナカ」旧有力FC、ブランドは当面存続

大手ドラッグストア「クスリのアオキHD」(本社:石川県白山市)は、香川地場食品スーパー「PICASO(旧マルナカFC)」運営会社の「ミワ商店」(本社:香川県三豊市詫間町)全株式を取得することを2025年4月3日開催の取締役会で決議したことを同年5月8日に発表した。
取締役会決議により、クスリのアオキHDはミワ商店を2025年6月2日付で完全子会社化する。

多度津本拠の旧マルナカ有力フランチャイジー

ミワ商店は1948年3月に香川県仲多度郡多度津町で「ミワ洋服店」として創業。1961年1月に現法人を設立し、1972年5月にスーパーマーケット1号店「スーパーミワ」を開店、1974年12月に瀬戸内流通大手「マルナカ」とFC契約を締結し、食品スーパーの多店舗化を図った。
一方、2011年11月に業務提携関係にあったマルナカ(現フジ)が流通大手「イオン」傘下となったため、2013年2月に同社とのFC契約を終了、同年3月に自社ブランド「ピカソ(PiCASO)」として新創業するに至った。

2024年4月30日に建替新装した発祥店「ピカソ多度津店」。
テーマに「あしたは、もっとおいしく」を掲げる食品スーパー。

ピカソ新創業当初はマルナカ時代の店舗や営業施策を踏襲していたが、同年12月に創業店である多度津店裏手の住宅跡を用地取得するかたちで増床リニューアル、2017年3月には三野店北西側の空地を用地取得するかたちで増床リニューアルするなど大型化を推進。2020年11月には新創業後初の新店舗「ピカソこんぴら街道店」を開店、2024年4月には発祥店「ピカソ多度津店」を建替新装開店するなど、積極的な設備投資による競争力強化を図っていた。同社の2025年2月期売上高は52億9600万円(営業利益は未発表)。

四国で影響力拡大図るクスリのアオキ

クスリのアオキHDは2020年6月のナルックス(本社:石川県金沢市)完全子会社化を皮切りに、生鮮強化と空白地域解消を目的に全国各地の地場食品スーパーを傘下に収めている。
同社によるM&A本格化当初は、買収企業各社の店舗を自社ドラッグストア「クスリのアオキ」に全面転換し、競合食品スーパー不在地域においても一部店舗では生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)の取扱いを大幅に縮小していた。
一方、2024年9月の愛媛地場大手「ママイ(フレッシュバリュー)」吸収合併及び香川地場中堅「四季食彩館ムーミー」店舗取得同年12月の伏見屋系4社(トップマート・マルホンカウボーイなど)事業譲渡契約では、地域で長年親しまれた業態や屋号を維持する軟化姿勢に移行。クスリのアオキHDの基幹システムや仕入調達網、有力取引先の惣菜大手「MHホールディングス(むすんでひらいて)」導入を進めつつ、従来と変わらない売場づくりを図っている。

マルナカFCの流れを汲む「ピカソ」当面存続の見通し

マルナカのFC店舗は最盛期には東四国(香川県・徳島県)全域に存在したが、FC加盟店の経営悪化や競争激化により、大多数がマルナカ直営店への移行や廃業により姿を消すに至った。
マルナカFC唯一の生き残りとして存続したミワ商店の法人格とピカソの屋号、食品スーパー業態は、クスリのアオキHDによる完全子会社化後も当面存続する見通しとなっている。

(写真は同社公式より)
関連記事:クスリのアオキHD、伏見屋系4社と事業譲渡契約を2024年12月5日締結-本間物産マルホンカウボーイ・トップマート・モリヤなど首都圏・東北46店舗、同社最大規模のM&Aでドラッグストアに
関連記事:
ムーミー、2024年9月23日から全店休業-クスリのアオキへの経営譲渡に伴うリニューアルで
関連記事:クスリのアオキHD、木村屋を2024年8月21日吸収合併-千葉内房地場食品スーパー「スーパーガッツ」4店舗、ドラッグストアに
関連記事:クスリのアオキHD、四季食彩館ムーミーと事業譲渡契約を2024年7月4日締結-香川地場中堅スーパー、アオキ香川初のドラッグストアに

このエントリーをはてなブックマークに追加