大阪府大阪市東淀川区に本社及び本店を置く関西地場中堅食品スーパー2店舗「アカシヤ淡路店」「アカシヤ枚方長尾店」が2025年5月7日をもって全店閉店した。
運営会社「NEXTINNOVATION」は同年5月9日現在、帝国データバンク(TDB)によると破産申請準備にあるという。
阪神間の地場中堅、25年1月には旧法人を廃業していた
アカシヤは1781年に兵庫県出身の明石屋惣兵衛により「明石屋」として創業。1947年4月にスポーツ衣料品店として新創業し、1952年9月に「株式会社アカシヤ」を設立した。
同社は1963年の総合スーパー1号店「アカシヤ淡路店」開店を機に阪神間で多店舗化を開始、最盛期には100億円近い売上高と12店舗体制を敷いたが、新店出店の失敗や競争激化を背景に深刻な経営不振に陥った。その後は経営再建の一環として、既存店の段階的なリニューアルや全日食チェーン加盟による仕入調達の強化、不採算店舗の縮小を進めたもの、2024年12月に兵庫県全面撤退と自社電子マネー「a-ca」のサービス終了を発表。
2025年1月20日をもって兵庫県内2店舗「アカシヤJR西宮駅前店」「アカシヤ尼崎大庄店」を閉店し、法人化から72年の歴史に幕をおろした。
アカシヤJR西宮駅前店。
新体制移行後も機能不全継続、アカシヤ再建ならず
アカシヤは同年1月21日に京都地場青果店「株式会社GreenSmile」傘下の新会社「株式会社NEXTINNOVATION」に対し、優良店2店舗(淡路店・枚方長尾店)を運営移行、同年3月には京都生コンクリート製造「宝ヶ池建材グループ」傘下の投資会社「Jigsaw Holdings株式会社」と業務提携を締結するなど経営基盤の強化を図った。一方、アカシヤ2店舗は新体制移行後も生鮮事業者の休業や撤退、仕入停止といった課題解決に至らず、依然として食品スーパーとしての機能不全に陥っていた。
総合スーパー創業以来の本店である淡路店では、4月30日に2階フロアを閉鎖しており、閉店は秒読みといえる状況であった。
アカシヤ淡路店。
アカシヤは自社電子マネー「a-ca」を展開していたが、2022年9月に自己破産手続きを開始した京阪沿線地盤の地場大手「ツジトミ」同様、運営店舗の全店閉店により使用不可能となった。
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