埼玉県さいたま市のイオン系大型総合スーパー「イオン北浦和店」が2025年8月31日をもって大部分を閉鎖、同年秋をもって閉店する。
浦和市内最大の大型総合スーパー「ニチイ」として開店
イオン北浦和店は1980年10月に関西本拠の大手流通系大型総合スーパー「ニチイ北浦和ショッピングデパート」として開店。建物は地上5階建で営業フロアは1~3階、店舗面積は15,533㎡。
ニチイ浦和ショッピングデパートは開店当初、伊勢丹浦和店に次ぐ浦和市内(当時)有数の規模を誇る大型店であった。同店は1995年3月にニチイの生活百貨店業態「北浦和サティ」への転換を実施し、吹き抜けホールや飲食店街、系列複合スポーツ施設「エグザス北浦和(現コナミスポーツクラブ北浦和/3~4階)」を展開するなど、同社を中核企業とするマイカルグループ(当時)が提唱する時間消費型商業施設への刷新を図った。
浦和区内最大の「生活百貨店」45年の歴史に一旦幕
北浦和サティの運営会社「マイカル」は、2001年9月に民事再生法を申請、同年11月に同業流通大手「イオン」を支援企業とする会社更生法を申請したことで、イオン傘下の生活百貨店として再出発。2004年3月には再建の一環として1階食品フロアの24時間営業を開始、他直営フロアに関しても長時間営業を実施するなど意欲的な試みを打ち出した。同年12月には埼玉ドン・キホーテ連続放火事件の犯人による3度にわたる放火が生じたが、被害者を出さずに鎮火した。
イオン北浦和店(埼玉工業第3ビル)。
北浦和サティはその後、2011年3月の運営会社再編にあわせて現在の店名に改称、2025年8月現在も開店当初からの競合店である伊勢丹やパルコ、ビバホームに次ぐ浦和区内屈指の大型店として営業している。
不動産大手による大規模マンション整備も再開長期化か?
イオン北浦和店の閉店は、将来的な営業再開を見据えた「一時閉店休業」にともなうもの。店舗隣接地ではJR東日本都市開発系「ビアレ北浦和」や明和地所系「クリオ北浦和グレイスコート」といった新ブランドを含む新築分譲マンションの整備が進んでおり、地域の商業核として半世紀近い歴史を誇る大型店の今後に注目が集まっている。
イオン北浦和店の現在の運営会社「イオンリテール」は、2024年10月に同様の理由(一時閉店休業)で「イオン大宮西店」を閉店し、同年秋より大宮西店の解体工事を進めているが、後継施設の建替再出店計画の詳細を明らかにしておらず、北浦和店に関しても新施設の開店に時間を要するものとみられる。
イオン北浦和店南口・埼大通り玄関と閉店案内。
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