アスモ大和郡山跡地複合施設、2026年以降開業-2025年10月22日に大和リースが優先交渉権取得、公民連携「近鉄郡山駅前店舗等公共駐車場共同開発事業」再始動

奈良県大和郡山市が近鉄橿原線近鉄郡山駅前の複合商業施設「asmo大和郡山(アスモ大和郡山)」跡地一帯で進める公民連携再開発事業「近鉄郡山駅前店舗等公共駐車場共同開発事業」の優先交渉権者(代表企業)に、大和ハウス系商業不動産ディベロッパー「大和リース株式会社奈良支店」を2025年10月22日に決定した。

日本アシストが運営する「asmo大和郡山」。
当初は市との公民連携で同施設を建替新装開業予定だった。

大和郡山市と大和リース株式会社奈良支店は同年12月の市議会で正式契約を締結し、2026年に新施設を着工する予定としている。

近鉄郡山駅前の象徴だった「SEIYU」「asmo」

asmo大和郡山の前身となる旧西武セゾングループ系大型総合スーパー「西友大和郡山店」は1980年11月に開店。建物は地上5階地下1階建で店舗面積は8,024㎡。
西友大和郡山店は開店以来、西武セゾンが有する百貨店や文化催事運営ノウハウを活かした店舗として営業していたが、運営会社のウォルマート傘下入りにともなう事業再編やイオンモール大和郡山という競合施設の存在もあり、2015年4月30日をもって閉店。関西地場不動産会社「日本アシスト」が西友から土地建物取得及び大店法承継届出を行い、2015年11月25日に同社asmo事業1号店「アスモ大和郡山」が開業した

西友大和郡山店。
2000年代まで景観配慮型の黒色の塔屋を採用していた。

asmo大和郡山再開発、一時は暗礁に乗りあげていた

asmo大和郡山は営業フロアを地上3階~地下1階に集約したもの、和歌山地場大手系食品スーパー「マツゲン大和郡山店」(奈良県内1号店)を核に専門店15店舗が入居するなど、近鉄郡山駅前再開発の中核施設として高い集客力を維持した。
一方、西友大和郡山店開店から半世紀近く経過するなど老朽化が進んでいたことに加え、2023年2月に奈良県・大和郡山市・近鉄の3者間で「近鉄郡山駅移設に関する基本協定」がなされたため、近鉄郡山駅周辺一帯を再々開発する方針が決まった。
asmo大和郡山を運営する日本アシストは、同年10月に大和郡山市と「近鉄郡山駅周辺整備事業に係る基本協定」を締結、2028年度までに土地建物を大和郡山市に売却し「店舗付公共駐車場」を建替再整備、日本アシストがテナント事業を継続する官民協働の手法で営業継続をめざしていた。

asmo大和郡山。

しかしその後、2025年初頭に日本アシストが建築資材高騰などを背景として近鉄郡山駅周辺整備事業より撤退する方針を発表、2025年10月31日をもって現施設を全館閉館することとなった。

大和リース主導で食品スーパー核の新施設整備へ

大和郡山市は2025年4月に日本アシストの代替となる新施設の設計/建設/運営/維持管理事業者の選定を目的とした公募型プロポーザルを開始、同年6月に事業者2社が参加申込みを行ったが1社が撤退したことで、同年10月22日に大和ハウス系商業不動産ディベロッパー「大和リース株式会社奈良支店」が優先交渉権者(代表企業)となった。
大和リースは、公民連携を強みとする不動産事業者としては業界屈指であり、自社ブランドの商業施設「Frespo」「BiVi」「BRANCH」を全国展開するなど、自治体が要求する必須施設「生鮮3品を扱う物販=スーパーマーケット」提案施設「周辺地区の活性化に寄与する施設」の整備に豊富な実績を有している。
日本アシストの新施設撤退で暗礁に乗りあげることとなった駅周辺整備事業は、大和リース主導のもと再始動することとなる。

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