佐世保玉屋本館、2026年1月31日閉店-100年以上の歴史に幕、佐世保朝市前の玉屋商事に小型店開設へ

長崎県佐世保市にある小型百貨店「佐世保玉屋」本館が、2026年1月31日に閉店する。
今後は佐世保朝市前の玉屋商事事務所に小型店を開設するという。

佐世保玉屋。(2024年7月)

131年の歴史がある百貨店・玉屋、現店舗は106年

佐世保玉屋は1894年に佐賀県小城市牛津町を発祥とする卸問屋「⽥中丸善蔵商店佐世保出張所」として開業。1905年に「田中丸呉服店佐世保支店」に改称、大正時代の1920年に現在地に建物を新築してグループ初となる百貨店「玉屋」に業態転換、1941年の分社化を機に現在の「佐世保玉屋」となった。
現在の建物は1964年に改築された地上9階建てのものとなっている。
佐世保玉屋・ここまでの経緯はこちら。

佐世保玉屋、最近は1階の一部のみ営業だった

佐世保玉屋は建物が老朽化しており耐震性が不足しているとみられるため、佐世保市から何らかの対応を行うように求められていた。
そのため、将来の建て替えを目標としつつ売場を縮小。2023年12月より1階食品館の大部分を穴吹系の地場スーパー「ジョイフルサン」の運営へと転換し、改装リニューアルをおこなっていた。

かつての佐世保玉屋・館内。

その後、2024年7月末を以て殆どのテナントに閉店を通知したため、多くのメディアで「建て替えのため2024年7月末で閉店」と報じられたものの、玉屋側はそれを否定していた

佐世保玉屋は閉店せず営業を続ける。

2024年9月からは売場を「1階のみ」に集約、これに伴い、殆どのアパレル・ホームファニシングなどのテナントは撤退した。
都商研が関係者に取材したところ、佐世保玉屋は営業規模の縮小にともない、縮小前に在籍していた正社員の殆どが退職・もしくは退職予定になっており、来たる再開発に向けて人員整理を推し進めているということだった。
さらに2024年9月には食品売場のジョイフルサンが閉店。これにより、1階の一部でラヴィアンローズのサンドイッチ(1000円)や一部化粧品などを売るのみとなっていた。実際の店舗面積は、全て合わせてもコンビニ程度になっていた。
改正耐震改修促進法では、学校・病院・百貨店など、不特定多数の人が利用する建築物で、一定規模以上のものを対象としている。そのため、佐世保玉屋は基準の面積を下回る面積で営業を続けることで、当面の耐震補強を回避したい考えだったとみられる。
2025年4月には、再開発の目途が付きつつあるとして「2025年6月30日での閉店・近隣で仮営業実施方針」を発表したが、その後、2025年6月18日には「栄・湊地区市街地再開発準備組合」解散・再開発延期と閉店の撤回を発表。再開発は中止となっていた。

佐世保玉屋から佐世保市中心部を望む。ジャスコ再開発前。

2025年12月時点では、佐世保玉屋は現在1階の一部でラヴィアンローズのサンドイッチ(1000円)や一部化粧品などを売るのみとなっていた。それゆえ、危険な建物であっても「小型店」であるとみなされ、耐震改修をしなくてもいい状態となっている。

朝市・五番街ちかく「玉屋商事」内に小型店として存続へ

佐世保玉屋本館の閉店は、店頭にて発表されたもの。
2月以降は、佐世保朝市近くの玉屋商事の事務所で佐世保玉屋の営業を継続するという。
また、佐世保玉屋本館の建物は今後商業施設を核とした新たな建物に建て替えるとしている。
近年、佐世保玉屋グループで建て替え・再開発した百貨店「長崎玉屋」、スーパー「マルタマ住吉店」はいずれもディスカウントスーパー「ダイレックス」になっている。

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