長崎県佐世保市栄町の地場老舗百貨店「佐世保玉屋」本館が、万津町の関連会社「玉屋商事」社屋への仮店舗開業まで、自社直営サンドイッチ専門店「ラビアンローズ」に特化した「仮・仮店舗」として2026年2月2日に新装開業した。
2026年1月31日に百貨店営業終えたばかりの佐世保玉屋
佐世保玉屋は1894年に佐賀県小城市牛津町を発祥とする卸問屋「⽥中丸善蔵商店佐世保出張所」として開業。1905年に「田中丸呉服店佐世保支店」に改称、1918年10月に現法人「田中丸呉服店」を設立した。
田中丸呉服店は1920年10月に現在地(佐世保市栄町)に鉄筋造地上4階建の建物を新築したことで、グループ初となる百貨店業態に転換。1941年の分社化を機に現屋号となり、1965年4月に鉄筋造地上9階建の現店舗(全館店舗面積13,363㎡)を増改築により開業した。

佐世保玉屋本館営業終了当日2026年1月31日の三ヶ町商店街。
佐世保玉屋は最盛期には三ヶ町/四ヶ町商店街とともに直線距離日本一のアーケード商店街「さるくシティ403(よんまるさん/四ヶ町+田中丸+三ヶ町)」を形成、商店街一帯に路面店を展開するなど、佐世保市中心部を代表する老舗として確固たる地位を築いた。一方、2010年代に入ると建替再開発計画の相次ぐ延期や耐震診断問題にともなう百貨店事業縮小、関連事業撤退が加速。2024年9月に本館1階への売場集約と生鮮食品売場(ジョイフルサン)廃止、2025年6月18日に「栄・湊地区市街地再開発準備組合」解散と閉店撤回を発表したのち、2026年1月31日をもって現在地での百貨店事業106年の歴史に幕をおろすこととなった。

佐世保玉屋本館営業終了を記念した「閉店セレモニー」。
翌々日2月2日に再びシャッターが開かれることとなる。
百貨店閉店翌々日、2月2日再び開かれたシャッター
佐世保玉屋本館の新装開業は、2026年3月を目処に佐世保朝市/させぼ五番街付近の万津町にある関連会社事務所「玉屋商事」社屋を活用するかたちで移転新装開業する予定の仮店舗の「仮・仮店舗」となるもので、売場面積は5~10㎡程度。
佐世保玉屋の百貨店営業最終日時点において、田中丸弘子代表取締役社長が「こちらの玄関で玉屋のサンドイッチ、のの字のケーキも販売を続けてまいります」とコメントしていた通り、正面玄関風除室を活用するかたちで、自社直営サンドイッチ専門店「ラビアンローズ(ラヴィアンローズ)」を催事形式で展開。読売テレビ系地域情報番組「秘密のケンミンSHOW極」同店特集シーンの放映や休憩所を併設するなど、百貨店営業末期と変わらないスタイルの店舗となった。
タマヤサンドはこの先生きのこれるのか?
ラビアンローズのサンドイッチは1970年代に佐世保玉屋子会社「栄食品」が製造販売を開始。在京/在阪系メディアで取扱われる機会も増加するなど、佐世保を代表する御当地グルメとして知名度を急速に高めた。2010年代には福岡県福岡市中央区浄水通に「佐世保玉屋ローズエッセンスタマヤ浄水店/タマヤサンドのお店ラヴィアンローズ」を長崎県外初となる支店を開店、福岡県北九州市小倉北区の都市型複合商業施設「リバーウォーク北九州」内ゼンリン系博物館「ゼンリンミュージアム(旧ゼンリン地図の資料館)」に商品供給を行うなど取扱店舗を拡大。
都商研による関係者への取材によると、旧玉屋グループ系各社との連携再強化に加え、ローズエッセンスタマヤ浄水店を拠点に旧高島屋ハイランドグループ幹事系百貨店「高島屋横浜店」や玉屋グループと縁の深い「福岡空港国内線ターミナル」での催事に取組むなど、サンドイッチ事業の強化で生き残りを図っていた。
一方、2025年8月には同時期の再開発計画見直しや従業員削減の影響で浄水店を完全閉店しており、2026年1月時点では佐世保玉屋内1店舗体制となっていた。

再びシャッターを開いた佐世保玉屋。
サンドイッチを求める客は多く、ロールは売り切れとなった。
佐世保玉屋は2026年3月を目処に万津町仮店舗への移転方針を発表しているが、玉屋商事社屋では既出の通り新装開業に向けた動きが表面化しておらず、サンドイッチ製造拠点の移設など時間を要するとみられる。そのため、当面は佐世保玉屋本館正面玄関の風除室でのサンドイッチ専門百貨店としての営業が続くとみられる。。

明るい正面玄関の佐世保玉屋。
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