台湾台北市大安区の忠孝敦化駅近くにある台湾流通大手「遠東零售集團(遠東リテールグループ/FERG)」系百貨店「遠東そごう台北店敦化館」が、2025年12月14日午後9時30分をもって閉店し31年の歴史に幕をおろした。

そごう台北店敦化館。
遠東SOGO台北店敦化館、114年12月14日熄燈。
原永琦東急百貨在擁有37年歷史後將關門歇業。
永琦東急を引き継ぐ「そごう」、31年の歴史に幕
遠東そごう台北店敦化館は1988年12月に(当時)台湾の地場百貨店「永琦百貨敦南店」として開業。1989年12月の東急百貨店の資本業務提携にともない日系百貨店「永琦東急百貨敦南店」に改称した。地階には「サミット(住友善美超市)」、高層階には文化ホール「萬象庁」が入居したほか、30歳前後の比較的若い世代(新ヤッピー族/新雅痞族)をターゲットにした店舗が多く出店した。
しかし、競合日系百貨店の相次ぐ開業や賃貸借契約を背景に同店を売却、1994年9月に同業日系百貨店「太平洋そごう台北敦化館」として新装開業した。既存のそごう忠孝館と差別化すべく、ティファニーの台湾1号店を目玉として多数の高級ブランドが出店するラグジュアリィデパートとなった。
その後、太平洋そごう台北店敦化館は、2000年のそごう本体の経営再建によるフランチャイズ化や2002年の遠東グループによる経営権取得を経て、2017年9月に現名称に改称した。
2025年12月時点では遠東グループの周辺店舗との相互送客に向けた取り組みも行っていた。
敦化そごう、台北ドームの百貨店出店に合わせ店舗統合へ
遠東そごう台北店敦化館の閉店は、2024年春以降段階的に開業中の旗艦店「遠東そごう台北ガーデンシティ店(遠東GardenCity/台北ドーム併設)」への事実上の移転と賃貸借契約期間満了にともなうもの。また、遠東そごうは今後も同じ大安区内にある「遠東そごう台北店忠孝館(本店)」、「遠東そごう台北店復興館」の営業を継続する。

遠東そごう台北店復興館と新光三越ダイヤモンドタワーズ。
遠東そごう台北店敦化館が長年営業を続けてきた東區商圏(大安區)では、2023年9月の三越伊勢丹系百貨店「新光三越DiamondTowers」開業といった明るい話題もある一方、発展著しい信義区との地域間競争激化にともなうの地盤沈下を懸念する声も大きく、台北随一のブティックデパートとして親しまれた敦化館所有企業による早期の再開発が期待される。

遠東そごう台北GardenCity店。
ラグジュアリーに強い台北店敦化館の後継となる。
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