福岡パルコ、2027年2月閉店-旧岩田屋本館から90年超の歴史に幕、新天町商店街との複合再開発でライブハウスやギャラリーの整備も視野に

福岡県福岡市中央区天神の西鉄福岡(天神)駅/福岡市営地下鉄天神駅に直結するJフロントリテイリング系都市型商業施設「福岡パルコ(福岡PARCO)」が2027年2月をもって閉店する方針を2026年1月29日に正式発表した。

福岡パルコ

九州初のターミナルデパートとして開業した旧岩田屋本館

福岡パルコの建物は、1936年10月に地場老舗呉服店を前身にもつ百貨店「岩田屋」本店として開業。2026年1月現時点での本館の建物は地上8階地下1階建で延床面積は23,873㎡、新館の建物は地上6階地下3階建で延床面積は13,895㎡。
岩田屋は現在の西鉄福岡(天神)駅と一体的に「九州初のターミナルデパート」として開業した経緯もあり、西鉄とともに九州有数の繁華街の形成に大きな役割を担った。また、1976年3月には隣接地に新館(現福岡パルコ新館/地上12階建地下3階建)を開業し、立体駐車場を備える駅直結の都市型百貨店として、地域一番店としての確固たる地位を築いた。

旧岩田屋本店本館

一方、岩田屋は1991年9月に西鉄と締結した「ソラリアターミナルビル(ソラリアステージ)」への出店合意を1992年12月に白紙撤回したことで、両社間の関係性が一時悪化。1996年9月にはソラリアへの増床の代替として、セゾングループ(西武百貨店/ロフト)との共同出店を検討していたNTT福岡中央支店跡地に百貨店新業態「岩田屋Z-SIDE」を開業したが、Z-SIDEへの過剰投資が災いとなり私的整理ガイドラインに基づく再建を余儀なくされた。
その後、1999年8月には百貨店創業の地である本館(岩田屋A-SIDE)と隣接する新館(岩田屋A-LIVE)の建物を再建の一環として地場大手学校法人「都築学園グループ」に売却し、2004年2月をもって同地での営業を終了した。(岩田屋本館は旧Z-SIDEに移転)

旧岩田屋Z-SIDEに移転した岩田屋本店本館

都築学園グループは2004年2月の岩田屋本店全面移転後、岩田屋旧本館を隣接する旧新館(都築学園ビル/天神ハッチェリービル)同様に専門学校とする構想を掲げたが、地元の反対の声や学園の不祥事が重なり断念。2005年の大手雑貨店「ロフト」進出も福岡西方沖地震を背景に断念となるなど長期間空きビル状態となった。その後、都築学園グループは2008年2月に大手ファッションビル「パルコ」(当時は森トラスト系)と賃貸借予約契約を締結。両社間による賃貸借契約締結にあわせ、岩田屋時代の建物を全面改修したことで、2010年3月に福岡初となるパルコが開業した。

好調な業績背景に拡大続けてたパルコ

福岡パルコは競合施設も数多いなかでの開業であったが、開業1年間(2010年3月19日~2011年3月18日)の売上高は当初目標110億円を25.4%上回る約138億円、入館客数は当初目標1,000万人を40%上回る約1,400万人を記録するなど好調な業績と集客を維持。2013年3月には都築学園グループから岩田屋旧本館/旧新館の建物を取得したうえで同年5月に旧新館の減築を開始、2014年11月に「福岡パルコ新館」を開業した。

開業当日の福岡パルコ

その後も2015年3月に西鉄から「西鉄福岡駅ビル(ソラリアステージの一部/コトブキヤ福岡天神跡)」を賃借し「福岡PARCO本館増床部」を開業。店舗面積42,200㎡で専門店222店舗を擁する「ハイブリッドMD型コンフォータブルストア」となった。
福岡パルコは2017年12月に新館一部フロア(フタバ図書跡)をシェアオフィス「The Company(現Zero-Ten Park)」 に転換したもの、天神ビッグバンによる施設の相次ぐ閉店も重なり、2024年度実績の売上高(テナント取扱高)は272億7400万円、2026年1月現在は天神地区最大のファッションビル(店舗面積42,000㎡)となっている。

新天町との複合再開発も視野に

福岡パルコの閉店は「所有する建物の老朽化」「今後想定される投資負担や天神二丁目南ブロック駅前東街区における開発計画の進行状況などを中長期視点にて慎重に検討した結果」によるもの。
福岡パルコ本館は1936年10月に開業した岩田屋旧本館の建物一式、新館は1976年3月に開業した岩田屋旧新館の地下構造を引継いでおり、本館は戦前の百貨店建築に由来する天井の低さやエスカレーターホールをはじめとするフロア間の段差といったバリアフリー対応も課題となっていた。
パルコは2022年10月に建替再開発の方針を先行発表、2023年10月には新天町商店街との複合再開発を視野に入れた「天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト」を発表したが、閉店時期の正式発表は初となる。

パルコは新天町商店街(天神二丁目南ブロック駅前西街区)との複合再開発により「建物の耐震性や防災性の向上」に加えて、同社の持つコンテンツを活かした「ライブハウス、ギャラリー、ミュージアムなど新たな文化・情報発信機能の導入」を図るとしている。また、西街区においては「新天町の歴史(商店街通路、メルヘンチャイム等)を承継した商店街の未来に向けた開発計画」とも連携することで、「若者からお年寄りまで天神に行きたいと思っていただけるまちづくり」「天神ビッグバンの更なる推進や福岡市の発展に協力」をめざすとしている。

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