在京民放キー局を傘下とする認定放送持株会社「TBSホールディングス」(本社:東京都港区)は、連結子会社「スタイリングライフ・ホールディングス」(本社:東京都新宿区)を株式追加取得により完全子会社化する方針を2025年2月5日に取締役会決議した。

PLAZA心斎橋パルコ店(プラザスタイルカンパニー)。
TBSHDは同取締役会決議に基づき、スタイリングライフHDを2026年3月27日を目処に完全子会社化する。
2006年にソニーから独立した大手生活雑貨グループ
スタイリングライフHDは、2006年5月17日にエンターテイメント・テクノロジー複合企業「ソニー」の非中核企業(リテール事業群6社)を引継ぐかたちで設立。
スタイリングライフHD設立当初は日興コーディアル系MBO支援会社「日興プリンシパル・インベストメンツ」完全子会社「アジアリテールHD」が株式の51%、ソニーが株式の49%を出資する経営体制であったが、2006年12月にソニーが株式の26%を「三井物産」「東急電鉄」「千趣会」に売却したことで、ソニーグループ色を薄めることとなった。また、同社は三井物産とのノウハウの融合と相互補完、東急電鉄との沿線リテール関連事業強化、千趣会との顧客基盤を活かしたマーケティング支援といった取組みを進めることで、事業拡大をめざしていた。
2008年にTBSが資本参加、大丸松坂屋との連携は不振に
スタイリングライフHDは、2007年3月に同社主力事業となる輸入雑貨店「ソニープラザ」の屋号を「プラザ」に変更することで、実店舗におけるソニー色を一掃。2008年7月に東京放送HD(現TBSHD)が日興系から株式の51%を取得、2011年3月に大丸松坂屋百貨店親会社「Jフロントリテイリング」がソニー由来の株式48.5%を取得したことで、TBSHDが株式の51%、Jフロントが株式の48.5%を出資する経営体制となった。
PLAZA羽田空港第1ターミナル店(プラザスタイルカンパニー)。
スタイリングライフHDは、TBSとJフロントによる共同経営体制下で、Jフロント系百貨店「大丸」「松坂屋」や都市型商業不動産ディベロッパー「パルコ」との連携強化をめざしたが、2020年代初頭の感染症拡大や業界の構造変化もあり、相乗効果を発揮できず不振に終わった。

HONEY ROA心斎橋パルコ店(BCLカンパニー)。
2023年9月にはJフロントが日本政策投資銀行系ファンド「SLHパートナーズ投資事業有限責任組合」に株式の半数を売却、残る半分をスタイリングライフHDが自己株式取得したことで、2026年2月現在に至るまでTBSが株式の69.9%、日本政策投資銀行系が株式の30.1%を保有する体制となっている。
TBS主導でIP(知的財産)ビジネス強化
TBSHDは2021年5月公表の「TBS グループ VISION2030」において「コンテンツ価値の最大化を目指すEDGE戦略」を掲げ、「デジタル分野」「海外市場」「エクスペリエンス(ライブ&ライフスタイルなどを体験するリアル事業)」の3分野をコンテンツ拡張の最重点領域とし拡張戦略を進めている。同社はスタイリングライフHDを「ライフスタイル事業の中核」と位置付け、コンテンツIPのマーチャンダイズ戦略の強化やリテールメディア戦略を推進、エクスペリエンス(ライフスタイル)領域の事業拡大を図るとしている。
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