カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

Aコープパネス、2025年9月30日閉店-滋賀県高島市のモール「エスパ」核になうJAレーク滋賀系スーパー、運営者「元気な仲間」も運営撤退で新事業者へ

滋賀県高島市のJR湖西線新旭駅前にある複合商業施設「新旭駅西ショッピングセンターエスパ」の核店舗「Aコープパネス」が2025年9月30日をもって閉店した。

新旭町駅前唯一の食品スーパー

新旭駅西ショッピングセンターエスパは、1989年7月にJA新旭町直営農協直営食品スーパー「Aコープ新旭町店」を核とする協同組合主導の商業施設として開業。店舗面積は1,421㎡。
Aコープ新旭町店は2010年12月のリニューアルにあわせ「Aコープパネス」に店名変更、2021年3月の滋賀県内8農協経営統合「JAレーク滋賀」発足にともない同農協直営食品スーパーとなった。
同店閉店によりJAレーク滋賀はAコープ事業より撤退、新旭町駅前より食品スーパーが消滅することとなった。また、同店閉店にあわせて商業施設運営母体である社会福祉系NPO法人「元気な仲間」が撤退することとなった。

Aコープパネス(エスパ運営公式より)。

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スーパーのアオキ山形三川店、2025年10月1日開店-マルホンカウボーイ三川店跡、東北初「クスリのアオキ」食品スーパー業態に

山形県東田川郡三川町の大和ハウス系商業施設「アクロスプラザ三川」に、クスリのアオキHD系食品スーパー「スーパーのアオキ山形三川店」が2025年10月1日に開店した。

カウボーイ閉店以来、食品核不在だったアクロスプラザ

アクロスプラザ三川は2005年11月に開業。建物は平屋建で店舗面積は13,511㎡。
開業当初の開発/運営主体は大和ハウス系商業不動産ディベロッパー「大和情報サービス(現大和ハウスリアルティマネジメント)」、核店舗は山形県庄内地方を本拠とする大豪商を前身とする本間物産運営の東北地場大手系食品スーパー「マルホンカウボーイ三川店」だった。
マルホンカウボーイ三川店は開店以来長らく、北海道地場大手総合ディスカウント「カウボーイ(現トライアルHD)」との業務提携を活かした低価格志向の店舗として営業しており、2008年2月の秋田地場酒販店「伏見屋」傘下入り、2024年12月の伏見屋による「クスリのアオキHD」へのマルホンカウボーイ含む食品スーパー46店舗を対象とする事業譲渡契約締結2025年2月24日の閉店まで同様の業態を維持していた。

マルホンカウボーイ三川店。

生鮮食品をフルラインで取扱う看板通りの「スーパー」に

スーパーのアオキ山形三川店は、2025年2月閉店のマルホンカウボーイ三川店跡を全面リニューアルするかたちで開店するもので、同業態としては2020年12月のみずき店(石川県金沢市/ナルックス転換)、2025年3月の千葉さつきが丘店(千葉市/トップマート転換)、9月の沢津店(愛媛県新居浜市/フレッシュバリュー転換)に次ぎ4店舗目、東北初となる。
スーパーのアオキは、クスリのアオキHDが得意とする医薬品などを取扱わない、フルラインの生鮮食品スーパーとしての営業を実施する。
クスリのアオキHDは東北地方全域に閉鎖状態にある旧伏見屋系食品スーパー跡を抱え込んでいるが、山形県酒田市の「マルホンプラスエスモール店」(2025年3月暫定営業再開/同年6月再閉店/10月中旬新装開店見込み)など一部店舗がスーパーのアオキとして営業再開する方針を明らかにしている。

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ブルーゾーンHD、2025年10月1日設立-首都圏地場大手「ヤオコー」持株会社体制に移行、東証プライム市場に上場

埼玉地盤の首都圏地場大手食品スーパー「ヤオコー」(本社:埼玉県川越市)は、完全親会社となる持株会社「ブルーゾーンホールディングス」(ブルーゾーンHD/本社:同上)を2025年10月1日に設立した。
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ヤオコー本社(中央左)のある川越駅前。

埼玉県地盤の首都圏地場大手「ヤオコー」

ヤオコーは1890年に現在の埼玉県比企郡小川町で「八百幸商店」として創業、1957年7月に法人化した食品スーパーに業態転換、1974年3月に現社名に変更した。
1978年6月に同社初となる本格的近隣商圏型商業施設「小川ショッピングセンター」(本社併設店)を増床新装開店、1986年3月に本社を川越市に移転、1988年2月に店頭登録により株式公開した。
その後も1994年12月の千葉県1号店「ヤオコーみつわ台店」開店を機に県外進出を本格化、2007年4月には同社設立50周年事業として現行CI「YAOKO MARKETPLACE」を導入、2010年10月には近隣商圏型商業施設新ブランド1号店「the market place佐倉」を開業、2017年4月に神奈川地場ディスカウント食品スーパー「エイヴイ」を完全子会社化するなど、コンセプトに「食生活提案型スーパーマーケット」を掲げる埼玉地盤の首都圏地場大手食品スーパーとしての地位を確立した。

「それぞれの地域で長く愛される企業の集団」めざす

ヤオコーの持株会社「ブルーゾーンHD」設立は2025年5月に発表したもので「健康で長寿な方が多く暮らしている世界の5つの地域(=Blue Zones)」「地域にお住いのすべての方々が、人生を楽しみながら健康で長生きできるコミュニティづくりに貢献したいという想い」を社名の由来としている。
ヤオコーは単独株式移転により同年9月29日に東証プライム上場廃止、10月1日に新発足した持株会社が新たに同市場に上場する。
同社の持株会社体制移行は「画一的な店舗形態・企業運営ではなく、独自の強みを持った個性的な企業が、それぞれの地域で長く愛される企業の集団を目指すこと」を目的としたもので、グループの経営管理機能・業務執行機能の分離や事業会社の意思決定迅速化・事業責任明確化といったガバナンス・競争力強化を実現するとしている。

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ヤマザワ、食品スーパー「よねや」を同業「ナイス」に2025年12月1日売却-山形地場流通最大手、事業構造改革で秋田撤退

山形地場流通最大手「ヤマザワ」は、同社が秋田県内で展開する食品スーパー「よねや」関連事業を、秋田地場大手食品スーパー「ナイス」が新設した完全子会社/承継会社「東北ナイス」に2025年12月1日を目処に事業譲渡する。

2014年にヤマザワ完全子会社となった秋田よねや

ヤマザワよねや事業の前身「よねや商事」は1956年8月に秋田県横手市で創業、1962年4月に法人化した。
よねやは創業初期より長らく、秋田県南/内陸部地域で食品スーパー事業を展開していたが、2012年9月に共同仕入機構「オール日本スーパーマーケット協会(AJS)」加盟企業同士結び付きの深いヤマザワと資本業務提携(株式10%譲渡)を締結、2014年3月にヤマザワ完全子会社となり、山形地場流通最大手であるヤマザワのノウハウ移植(店舗看板や売場構造のヤマザワ標準店舗化)による経営基盤/競争力強化を図った。
その後、2023年3月のグループ再編(吸収合併)にあわせてヤマザワ直営店となったが、2024年8月29日には大曲中央店を閉店2025年9月30日には稲川店を閉店するなど、店舗数/売上高ともに減少傾向にあった。

不健康状態だった「よねや」、健康・元気になれるか?

ヤマザワによるナイスへの秋田よねや事業売却は「選択と集中による事業構造改革」「筋肉質な財務体質を作り上げ、今後の成長と競争力を確保すること」を目的としたもので、2025年9月29日の同社取締役会により決議、同年9月30日の吸収分割契約締結により正式決定した。

ヤマザワは山形宮城の2県に経営資源を集中する。

ヤマザワは吸収分割契約に基づき、ナイスの新設完全子会社「東北ナイス」(2025年9月18日設立)に「よねや事業、その周辺事業であるフィットネス事業及び不動産事業等」(売上高58億9400万円/非監査参考値/社内管理数値)を会社分割(簡易吸収分割)の方法を用い承継する。
よねやはヤマザワ資本業務提携以来長らく、売上高100億円規模を維持していたが、ナイス傘下で再び健康・元気になれるか注目があつまる。

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ハロー!プロジェクト オフィシャルショップ秋葉原店、2025年10月31日閉店-「ハロショ」東京から完全撤退、移転再出店めざす

東京都中央区外神田の末広町駅前にあるハロー!プロジェクト オフィシャルショップハロショ)の旗艦店「ハロー!プロジェクト オフィシャルショップ秋葉原店」が、2025年10月31日に閉店する。

ハロー!プロジェクト オフィシャルショップ秋葉原店。

全国各地に店舗があった日本最大のタレントショップ

ハロープロジェクト!オフィシャルショップ」はモーニング娘。をはじめとするハロプロメンバーのグッズを売る店舗として2000年11月に1号店となる原宿店を出店。
その後、札幌ファクトリー、上野、渋谷109-2(旗艦店)、名古屋駅前、大阪心斎橋(旗艦店)、福岡西新など全国各地へと店舗網を拡大。一時は全国各地と米国に10数店舗を構えたほか臨時ショップも頻繁に設けられており、渋谷109-2店には衣装などを展示する「プッチミューアジム」も併設された。
当時はグッズに加えて生写真の販売が主体であり、とくに2005年ごろの東海・関西地方の一部では枚数制限いっぱいまで写真を購入し、段ボール箱に写真を詰めてその重さを競うファンの様子が名物となっていた。
なお、ハロショ1号店の原宿店は移転後に「原宿本店」と改称し2010年まで営業を継続した。

ハロショ旗艦店があった旧・109-2。

「ハロー!プロジェクトオフィシャルショップ秋葉原店」は都内にあった各店を事実上統合したかたちで2013年3月に開店。末広町駅前にあるサカイ末広ビルの6階に出店しており、移転前の渋谷店より大幅に増床。ハロプロショップの事実上の本店であった。
2025年時点では、ハロショはこのほかに名古屋大須、大阪日本橋に店舗を構えている。

ハロショ、25年続く東京から撤退-移転・再出店めざす

ハロー!プロジェクト オフィシャルショップ秋葉原店の閉店は、ハロプロの公式サイトで発表されたもの。
これによりハロショは東日本から完全撤退となるものの、ハロー!プロジェクトによると、今後は新たな場所での移転・再開業を計画しているとしている。
新店舗の詳しい概要や場所などについては、2025年10月時点で発表されていない。

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ダイエー和泉店、2025年9月30日閉店-閉店相次ぐ旧山陽マルナカ承継店、19年の歴史に幕

大阪府和泉市の府道226号父鬼和気線沿いにあるイオン系大型総合スーパー「ダイエー和泉店」が2025年9月30日午後6時をもって閉店した。

マルナカ和泉店、2021年9月ダイエー屋号に

ダイエー和泉店は、2006年4月に瀬戸内地場流通大手系総合スーパー「山陽マルナカ和泉店」として開店。建物は平屋建で店舗面積は2,678㎡。
山陽マルナカ和泉店は2000年9月の大阪府内1号店「山陽マルナカ泉大津店」に次ぐ同地域ドミナント強化の足がかりとなる店舗であったが、2011年9月にマルナカグループがイオンと資本業務提携を締結、同年11月にイオンの子会社に移行したため、トップバリュやWAON導入を始めとするイオン流リニューアルを実施。
山陽マルナカ和泉店開店以来の運営会社である山陽マルナカが、2019年3月にマックスバリュ西日本と経営統合する際、近畿エリアにおけるスーパーマーケット事業(和泉店を含む14店舗)がダイエーへの承継対象となったため、その後の経営合理化の一環として、2021年9月に現在の店舗名称に改称した。

ダイエー和泉店。

閉店相次ぐ旧山陽マルナカ承継店、1年で14店→10店に

ダイエーは2024年10月の三国店完全閉店を皮切りに、2025年1月には東大阪店をイオンリテールへの承継(イオンスタイル化)のため閉店同年2月に新在家店を建替えのため閉店近畿旗艦店の西宮店をイオンリテールへの承継(そよら化)のため閉店するなど、旧山陽マルナカ承継店舗の整理を進めている。
旧山陽マルナカ承継店舗はいずれも築年数/店歴とも浅く、運営会社の度重なる変更にあわせて大規模なリニューアルが行われたが、1年間で14店舗中4店舗がダイエーとしての営業を終了することとなった。
同社はダイエー和泉店の代替店舗として、和泉市内の同社大型総合スーパー「ダイエー光明池店」や泉大津市ながら商圏も近い旧山陽マルナカ承継店舗「ダイエー泉大津店」、堺市南区の同社食品スーパー「ダイエーイオンフードスタイル 栂・美木多店」を提示しており、店頭にて代替店舗で利用可能なクーポンの配布も行われた。

徒歩圏内では2025年7月にジャパンも閉店、買物不便に

ダイエー和泉店徒歩圏内では、2025年7月にスギ薬局系ディスカウント食品スーパー「ジャパン和泉店(さわやか和泉ジャパン)」も閉店しており、和泉府中から和泉中央にかけて府道226号線沿いから大型スーパーが消滅することとなった。

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神辺ロフト、2025年9月19日開店-瀬戸内地場大手百貨店「天満屋」、イオン系「フジグラン神辺」にセブン&アイ系「ロフト」FC初出店

広島県福山市のイオン系大型総合スーパー「フジグラン神辺」に、瀬戸内地場大手百貨店「天満屋」FCによるセブン&アイHD/ヨークHD系大型雑貨店「神辺ロフト」が2025年9月19日に開店した。
フジグラン神辺。

フジ広島県内最大の2核2モール型商業施設として開業

フジグラン神辺は2005年4月に組合施行「神辺町道上土地区画整理事業」(23.7ha)の商業核として開業。建物は2004年10月着工/2005年7月竣工で鉄骨造地上4階建、敷地面積は69,429㎡、店舗面積は29,380㎡、延床面積は65,332㎡。開業当初の総投資額は74.4億円、年商予定は133.1億円だった。
フジグラン神辺では直営総合スーパー「グランヴェスタ神辺店(現食品館)」「グランフジ神辺店(現生活館)」を核に専門店約80店舗が入居、2005年7月に地場独立系複合映画館「福山エーガル8シネマズ」、同年12月に直営温浴施設「神辺天然温泉 ぐらんの湯」(2025年8月現在はアクアジャパン東京運営)が開店したことで、同社広島県内最大となる2核2モール型商業施設となった。

神辺ロフト。

セブン&アイと親密な天満屋、イオンに初のロフト展開

神辺ロフトの売場面積は約665㎡。天満屋FCとしては10店舗体制、福山市内3店舗体制となる。
天満屋は2023年9月に旧大丸松坂屋系鳥取地場老舗百貨店「丸由百貨店」に鳥取市内1号店「鳥取ロフト」を開店2024年9月には高松駅併設のJR四国系商業施設「TAKAMATSU ORNE」に香川県内2号店「高松オルネロフト」を開店するなど、セブン&アイHDや天満屋と資本関係をもたない施設への店舗展開を図っているが、競合関係にあるイオン系への店舗展開は初となる。
ロフトは親会社の資本移動や出店戦略見直しの一環として地方での小型店多店舗化に取組んでおり、天満屋FCによるロフトのさらなる拡大も期待される。

イズミヤ・阪急オアシス、関西スーパーマーケットを2026年4月1日合併-関西フードマーケットに社名変更、H2O系食品スーパー各社ブランドは維持

阪急阪神東宝グループ系流通事業持株会社「エイチ・ツー・オーリテイリング」(H2O/本社:大阪市北区)は、中間持株会社「関西フードマーケット」(本社:兵庫県伊丹市)傘下の食品スーパー運営会社「イズミヤ・阪急オアシス」(本社:大阪市淀川区)及び「関西スーパーマーケット」(本社:兵庫県伊丹市)を2026年4月1日を目処に合併する契約を2025年9月25日の取締役会で決議した。
阪急オアシス茨木駅前店。(大阪府茨木市)

H2O系食品スーパー事業再編にあわせて中間持株会社は「十三フードマーケット」、食品スーパー事業会社は「関西フードマーケット(2代目)」に社名変更する。

2024年にH2O完全子会社となった関西フードマーケット

関西フードマーケット(初代)は1959年7月に大阪市東淀川区で「相互産業」として設立。同年11月に兵庫県伊丹市で食品スーパー1号店「関西スーパーマーケット伊丹店(現中央店)」を開店。1974年8月に「関西スーパーマーケット(初代)」に社名変更した。
同社は創業当初、食品スーパーの共同仕入機構「オール日本スーパーマーケット協会(AJS)」立ち上げに参画したこともあり、AJSの中核企業としてPB商品「くらし良好」(生活良好)を販売、自社指定牧場「720牧場グループ」ブランド牛の全国展開に大きな役割を担っていた。

関西スーパー南江口店。(大阪市東淀川区)

同社は2016年10月にH2Oリテイリングと資本業務提携を締結し、H2O子会社商品(阪急阪神百貨店中元・歳暮商品など)や阪急阪神グループ共通ポイント「Sポイント(旧STACIA)」取扱開始、レジスター共同開発に取組んでいた。
2021年12月にはH2O系食品スーパー「イズミヤ(食品販売事業)」「阪急オアシス」との経営統合を実施し、2022年2月1日には現社名への変更にあわせ持株会社化。
2023年4月に旧H2O系食品スーパー2社を「イズミヤ・阪急オアシス」として完全統合し、2024年7月にH2Oの完全子会社となるなど、小売市場縮小や競合進出といった「事業環境の変化に対する迅速な対応」「親子上場関係によるコーポレートガバナンス(利益相反)の課題から困難だった人材設備共有・物流統合」を目的とした再編を相次ぎ打ち出していた。

H2Oによる完全子会社化で連携強化

H2Oリテイリングによる食品スーパー事業会社再編は「経営の意思決定の迅速化」「分散した経営資源を集中すること」「合併による人材の有効活用」「グループ内の製造子会社との製販連携」を目的としたもので、イズミヤ・阪急オアシス(存続会社)を関西スーパーマーケット(消滅会社)に統合するかたちを採る。
なお、食品スーパー事業再編後も各社各業態「イズミヤ」「デイリーカナート」「阪急オアシス」「関西スーパー」は存続する。

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マックスバリュエクスプレス福岡空港店、2025年10月5日閉店-エレデ博多寿屋新館予定地の旧レッドキャベツ本社併設狭小店舗、16年の歴史に幕

福岡県福岡市博多区の福岡市地下鉄空港線福岡空港駅近くにあるイオングループ系小型食品スーパー「マックスバリュエクスプレス福岡空港店」が2025年10月5日をもって閉店する。

エレデ新館予定地に開店した「レッドキャベツ」

マックスバリュエクスプレス福岡空港店の前身となる関門地場大手系大型食品スーパー「レッドキャベツ福岡空港店」は、2002年1月閉店の旧ラララグループ系大型総合スーパー「エレデ博多寿屋空港店」新館予定地を活用するかたちで2006年7月に開店。
福岡県内では2005年11月開店のホークスタウン店に次ぐ同社新業態「ホールフーズマーケット」として、アミューズメント性の高い装飾を施した売場で業務用食品・高級食品・輸入食品を一体的に展開するなど差別化を図った。

レッドキャベツ本社併設店、同社最小「130㎡」だった

レッドキャベツ福岡空港店は2009年6月にディスカウント新業態「レッドキャベツ得鮮市場空港店」として新装開店したもの、2014年9月のイオンとの資本業務提携締結にともなう事業再編を背景として2015年4月をもって閉店。同年5月には山口県下関市の創業店「レッドキャベツ山の田店」(2017年8月閉店)より本社移転し、コンビニ型食品スーパー「レッドキャベツ福岡空港店」(店舗面積130㎡)と訪日外国人観光客向け免税店「A-Connection」の複合店舗となったが、2020年3月17日にレッドキャベツがマックスバリュ九州(MV九州)に店舗固定資産を売却するかたちで同社に運営移行したため、同年3月21日よりMV九州運営店舗となった。

レッドキャベツ福岡空港店と同社本社。

イオン九州最小「116㎡」の食品スーパーに

レッドキャベツ福岡空港店は、2020年9月にイオン九州がマックスバリュ九州を吸収合併したことで現在の店名「マックスバリュエクスプレス福岡空港店」に改称となった。
イオン九州は福岡市中心部で「マックスバリュエクスプレス」を冠する都市型食品スーパー(200㎡~500㎡程度)を積極展開しているが、福岡空港店は生鮮4品(青果・精肉・鮮魚・惣菜)を展開するもの、他店舗を大きく下回る「店舗面積116㎡」であった。

マックスバリュエクスプレス福岡空港店。

敷地内の系列外専門店「西海岸」「クワノ」など営業継続

マックスバリュエクスプレス福岡空港店敷地内では、大手ユーズドセレクトショップ「古着屋西海岸」やキッチン用品店「食器のクワノ」といった専門店が営業するが、食品核が撤退することでショッピングセンターとしての地位が大きく低下することとなる。

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マルエイ近見店、2025年9月30日閉店-鮮ど市場跡、とくし丸はマルショク近見店とリブホール白藤店に移籍

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熊本県熊本市南区のJR鹿児島本線西熊本駅近くにある地場系食品スーパー「マルエイ近見店」が2025年9月30日をもって閉店する。

西熊本駅近くのマルエイ、14年で営業終了

マルエイ近見店は、2011年11月に熊本地場大手系生鮮ディスカウント食品スーパー「鮮ど市場近見店(旧ABCフード新鮮市場近見店)」を居抜くかたちで開店。
マルエイが加盟する移動スーパー「とくし丸」の熊本市内における運行拠点としての役割を担う店舗であったが、2025年8月19日付で「諸般の事情」を理由に同年9月30日をもって閉店する方針を発表、約14年間の営業に幕をおろすこととなった。

マルエイ近見店(同社公式より)。

移動スーパー「とくし丸」はマルショクに移籍

マルエイ近見店では閉店にともない、同社が販売パートナーとの契約に基づき運行する移動スーパー「とくし丸2号車」を徒歩圏内のサンリブ系食品スーパー「マルショク近見店」に移籍、同契約に基づき運行する移動スーパー「とくし丸4号車」をサンリブ系ディスカウント食品スーパー「リブホール白藤店」に移籍するとしている。
マルエイ管轄とくし丸の移籍により、熊本市内買物不便地域での移動スーパー2両の運行は従来通り維持となったが、2025年9月時点において店舗の跡地活用に関して明らかとなっていない。

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