上新電機、大阪日本橋店舗の再編を2020年10月25日開始-建替え・統廃合で全3館体制に

大手家電量販店「上新電機」(本社:大阪市浪速区)は、大阪日本橋エリア6店舗を2店舗に集約し、2店舗を1つの都市型店舗として建替リニューアルすることを2020年9月28日に発表した。
店舗の統廃合は10月25日から段階的に行われる。

日本橋の雄「ジョーシン」、日本橋で新たな挑戦

上新電機は1948年5月にパーツ販売店「上新電気商会」として創業。現法人は1950年2月に設立、1958年4月に現在の社名となった。同社は1976年11月の日本橋本店出店を機に大型店の出店を本格化、地場大手流通グループや地場家電量販店との業務提携により、日本橋から全国チェーンへと規模を拡大した。
しかし、1990年代以降はロードサイド型家電量販店との競争が激化したほかビック・ヨドバシの大阪市中心部進出や有力FCの脱退も重なり、店舗網を三大都市圏と北陸甲信越・山形県に縮小した。

2000年代の日本橋では家電店の撤退が相次いだ。

2000年代からは「唯一の関西資本の家電量販店」を謳い、店舗の積極的なスクラップ&ビルドや阪神タイガースとのスポンサー契約を打ち出すなど、同社の地盤である日本橋を中心とした関西への経営資源集中を推し進めている。
今回の大阪日本橋エリア店舗統廃合は、「旧耐震基準により建設された店舗の改善措置」「建て替え・耐震補強工事」を理由とする。
具体的には、大阪日本橋エリア6店舗を「ジョーシン日本橋店(現・J&Pテクノランド)」「ジョーシンスーパーキッズランド本店」2店舗に集約、「ジョーシン日本橋1ばん館」「ジョーシンディスクピア日本橋店」を1つの都市型店舗「ジョーシン(仮称)新日本橋1ばん館」として建替えリニューアルする。

同社最古の大型店「キッズランド」は耐震補強で存続

ジョーシンスーパーキッズランド本店は、1976年11月に上新電機の大型店1号店「ジョーシン日本橋本店」として開店。営業フロアは1~5階、店舗面積は1,571㎡。
日本最大級の模型の大型専門店」を謳い、鉄道模型やラジコン、プラモデルを中心とした商品構成を特徴としていたが、耐震補強・改装工事のため2020年10月12日をもって一部休業。
キャラクター館の売場を引継ぐ形で11月28日に再開店する予定となっている。

ジョーシンスーパーキッズランド本店。

J&Pはパソコン専門店から総合家電量販店に転換

ジョーシンJ&Pテクノランドは、1981年10月に「J&P」として開店。営業フロアは1~5階、店舗面積は3,578㎡。開店以来、同社が全国展開していたパソコン専門店ブランドの本店としての役割を担っていたが、2020年11月1日をもって閉店。同社の家電量販店「ジョーシン日本橋店」として11月7日に再開店することとなった。

キャラクター館(旧・ガンダムズ)は閉店

ジョーシンスーパーキッズランドキャラクター館は、1982年10月に上新電機が「森弥電気商会」の店舗を引継ぐ形で開店。店舗面積は1,021㎡。
上新電機グループ最小規模の家電量販店「ジョーシン日本橋もりや館」(運営:森弥電気商会)を経て、2000年には上新電機直営の音楽・映像・テレビゲームソフト専門店「ディスクピアゲームデポ」として業態転換したが、ディスクピア日本橋店本館との統廃合のため2004年をもって閉店。
2004年7月には同社のサンライズ・創通公認ガンダムグッズ専門店「ガンダムズ日本橋店」(近隣から移転)として業態転換、2010年3月のリニューアルで現在の店名となった。

ジョーシンスーパーキッズランドキャラクター館。

外壁に施された巨大な「ガンダム」は、大阪日本橋のシンボルのひとつとなっていたが、スーパーキッズランド本店1階への移転・統廃合のため、2020年11月23日をもって閉店することとなった。

日本橋1ばん館・ディスクピアは建替えて1館に

ジョーシン日本橋1ばん館は1979年10月に開店。営業フロアは1~6階、店舗面積は2,698㎡。同社大阪日本橋エリアの店舗としてはスーパーキッズランド本店に次ぐ歴史があるが、新・日本橋店(現・J&P)への移転統廃合のため、6階アウトレットフロアを2020年9月27日に閉鎖、残る全フロアを11月3日に閉鎖する。
日本橋1ばん館の建物は閉店後は解体、跡地には「立体駐車場および事務所棟」が建設される予定。
ジョーシンディスクピア日本橋店は1986年10月に開店。音楽・映像館の営業フロアは1~6階、テレビゲーム館の営業フロアは1~2階、店舗面積は2,037㎡。
2000年代にはヨドバシカメラとの業務提携店舗「カメラのエキサイト日本橋店」跡に売場を拡張し、同社最大規模となる音楽・映像・テレビゲームソフト専門店となったが、新・日本橋店(現・J&P)1階への移転・統廃合のため2020年10月25日をもって閉店することとなった。
ディスクピア日本橋店は、同社が展開する大阪日本橋エリアの他店舗と異なり、複数棟の建物を1店舗(2館)として扱う複雑な構造となっている。そのため、同店閉店後は解体、跡地には新たな都市型店舗「(仮称)新日本橋1ばん館」が建設される予定となっている。

ジョーシンディスクピア本店(手前)と日本橋1ばん館(奥)。
1つの都市型店舗となる。

(仮称)新日本橋店1ばん館について同社は、高級オーディオや音楽・映像ソフト、ハイスペック自作PCに加え、EC事業との連携・リユースビジネス活性化の拠点機能をも併せ持つ店舗として刷新する方針を示しているが、新店舗の開店時期など詳細は未定という。

上新電機の大阪日本橋店舗「最盛期の1割」に

上新電機は1990年代、グループ会社の店舗をあわせて大阪日本橋エリアに20店舗ほどを展開していたが、2000年代から小規模店舗の閉鎖、商品カテゴリが重複する店舗の統廃合を行うなど、分散する店舗の集約を進めていた。
2020年4月の同社免税店旗艦店「ジョーシンスーパーでんでんランド」閉店後は、大阪日本橋エリア6店舗体制となっていたが、今回の店舗統廃合により「ジョーシンスーパーキッズランドキャラクター館」を閉店、建替えのため「ジョーシン日本橋1ばん館」「ジョーシンディスクピア日本橋店」を一時閉店するため、店舗数は「最盛期の1割」となる2店舗に減少。
統廃合完了後は「日本橋本店(現・J&P)」、「日本橋1ばん館(ディスクピア跡地)」、「スーパーキッズランド本店」の3店舗体制とする計画となっている。

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