岩手県盛岡市に本社を置く地場百貨店「川徳」が展開する郊外型百貨店「アネックスカワトク」が2025年8月18日に閉店する。
修道院跡地に生まれた盛岡初の郊外型百貨店
アネックスカワトクは、1989年10月に「旧盛岡ドミニカン修道院」跡地に開業。百貨店棟の建物は地上3階建、専門店棟(緑ヶ丘アスティ)は地上4階建で敷地面積は11,962㎡、店舗面積は9,803㎡。
アネックスカワトク。(撮影:アイビスさん)
同施設は「カワトクグループ初の郊外型ショッピングセンター」として、コンセプトを「私の生活気象台」として「盛岡市の新興住宅地である緑が丘地区」の発展を掲げ、川徳の百貨店直営フロアを核に専門店20店舗超を展開。
2004年3月には家電量販店「ベスト電器」(1,500㎡)、2012年2月には手芸用品店「クラフトハートトーカイ」を導入するなど段階的に専門店フロアを拡大。2025年2月現在は、高級食品スーパー「北野エース」を食品核に、生鮮専門店「九州屋」「魚きん」「いわちく」、ドラッグストア「マツモトキヨシ」、ファッションブランド「COMME CA ISM」「element of SIMPLE LIFE」「McGREGOR」、家電量販店「ヤマダデンキ」、100円ショップ「Watts with」など40店舗ほどを展開する。
なお、盛岡ドミニカン修道院は1989年10月のアネックスカワトク開業に先駆けて4km北の松園に移転、看板商品の焼菓子は2005年以降段階的に川徳や地場社会福祉法人が製造販売を継承もしくは復刻するかたちで取り扱いを継続している。
菜園の本店に経営資源集中、跡地活用は現時点で未定
アネックスカワトクは盛岡北部有数の規模の大型店であるが、盛岡市菜園の川徳菜園本店「パルクアベニュー・カワトク店」への経営資源集中を理由に「2025年8月18日(月)をもって営業を終了する判断」に至ったとしている。
川徳百貨店はかつて岩手県内や青森県八戸市にサテライト店舗やスーパーマーケットなど複数の店舗を展開していたものの、店舗はパルクアベニュー・カワトク(菜園本店)と別館のキューブⅡのみとなる。
同社はアネックスカワトクの跡地活用に関して「現時点では未定」としている。
一方で、跡地の活用に向けた動きがみられているといい、盛岡郊外の成熟した住宅地にふさわしい新店舗が期待される。
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