イオン東北、イオンスーパーセンターと2025年3月経営統合へ-2023年9月基本合意、東北で経営効率化めざす

イオングループの東北地方地域子会社「イオン東北」「イオンスーパーセンター」は、2023年9月4日に経営統合に向けた協議を開始し基本合意書を締結、2025年3月を目処に統合完了をめざす方針を発表した。

イオンスーパーセンター(本社:岩手県盛岡市)。

年々大きくなるイオン東北

イオン東北(本社:秋田市)は、2020年3月の「マックスバリュ東北」(本社:秋田市)と「イオンリテール東北カンパニー」(本社:仙台市青葉区)の経営統合により発足。

イオン東北の「イオン仙台店」。

同社は当初、マックスバリュ東北がリテール東北カンパニーの“食品事業”を会社分割(吸収分割)し発足したため、総合スーパー「イオン」「イオンスタイル」店舗内の食品部門と非食品部門(衣料・住居余暇・H&BC)が別会社という非効率かつ来店客の利便性を損なう状態となっていたが、2021年9月にイオン東北がイオンリテールの東北事業本部を再度統合することで経営体制の一本化を実現。同年11月にはイオンタウン能代の核店舗としてイオンスタイル能代東を開店するなど、新店出店と既存店のリニューアルを継続的に打ち出している。

イオン東北の「イオンエクスプレス仙台上杉店」。
同社が社内カンパニー時代から展開する仙台市街地の小型店。

年々小さくなるイオンスーパーセンター

イオンスーパーセンター(本社:岩手県盛岡市)は2005年11月に設立。
イオンは2005年10月当時、スーパーセンターを「次代を担う主力業態のひとつ」と位置付けており、同社直営13店舗のうち半数超の7店舗が集積する東北エリアでの意思決定迅速化や地域密着化を目的として、簡易分割で「東北エリアでの経営に集中する新設会社」を立ち上げることとなった。
同社の「イオンスーパーセンター釜石店」。
イオンタウンの核を担う旗艦店クラスの店舗。

イオンスーパーセンターは、設立から2008年まで年間2~3店舗の新規出店を打ち出していたが、2009年7月以降出店ペースが鈍化。2011年5月には同社初の居抜き物件(ジョイス跡)として美郷店を開店、2012年10月には震災復興の一環として陸前高田衣料館(仮設店舗)を開店、2014年3月にはイオンタウンの核店舗として釜石店(直営売場面積7,636㎡)を開店、同年7月には買いやすい広さの陸前高田店(直営売場面積4,457㎡)、同年10月には既存店よりコンパクトな水沢桜屋敷店(直営売場面積4,642㎡)を開店、2018年9月には食品スーパー級の紫波古館店(直営売場面積1.950㎡)を開店するなど、店舗モデルの見直しを図っていた。
同社の「イオンスーパーセンター陸前高田店」。
陸前高田衣料館を発展解消するかたちで2014年6月に開店した。

イオンスーパーセンターが東北で試行錯誤を続けるなか、イオンビッグやイオン九州といったグループ会社では「イオンスーパーセンター」屋号の店舗を、総合スーパー業態「イオン」や類似のディスカウント業態「ザ・ビッグ」に転換する動きもあり、グループ全体でみればイオンスーパーセンターの減少が続いていた。

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コロナ緩和も価格高騰が重荷、地域密着の効率経営めざす

イオン東北とイオンスーパーセンターの両社が経営統合に向けた協議に至った理由として、新型コロナウイルス感染症位置付け変更(5類移行)による消費支出増加と物価上昇による生活防衛意識の高まり、資源高騰による店舗運営費の高まりといった企業経営を取り巻く環境の変化を理由として挙げている。
両社は東北に本社を置くイオングループの企業として、経営統合により、迅速な意思決定と地域により根差した対応ができる体制への移行をめざすとしている。

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