イオンビッグ、マックスバリュ南東北を2024年3月1日吸収合併-「マックスバリュ」冠するザ・ビッグ専業子会社消滅

イオングループの「イオンビッグ」(本社:名古屋市中村区)と「マックスバリュ南東北」(本社:仙台市青葉区)は2023年9月26日に合併契約を締結し、2024年3月1日を目処に経営統合することを発表した。

イオンビッグ、ますますビッグに

イオンビッグは、2011年8月21日にグループ持株会社「イオン」100%出資の完全子会社として名古屋市中村区で設立。
同社の設立はイオンによる「DS事業をグループの新たな成長戦略の柱」と位置づける方針に基づくものであり、設立に際して総合スーパー事業会社「イオンリテール」が展開していた北関東・中部・近畿エリアの総合ディスカウントストア業態21店舗(ザ・ビッグなど)を承継した。
並行して、同社は設立直後より「イオンスーパーセンター」「メガマート」を「ザ・ビッグ」に一本化する業態転換を開始。2014年1月には関東・中部・近畿のザ・ビッグ運営に特化した事業会社となった。

イオンビッグ運営のザ・ビッグエクストラ平群店。
(奈良県生駒郡平群町)

マックスバリュ南東北は、2010年2月にイオンリテールのマックスバリュ事業本部南東北営業部を母体として設立。
設立当初は東北2県・関東1県(宮城県・福島県・栃木県)の「マックスバリュ」「ザ・ビッグ」を展開していたが、2011年10月に那須店を閉店し栃木県から撤退。2015年7月までに同社運営マックスバリュ全店舗をザ・ビッグに転換したため、社名にマックスバリュを冠するにもかかわらず、同社運営店舗全てがザ・ビッグとなった。

「マックスバリュ」冠するザ・ビッグ事業専業会社消滅

イオングループは、イオンリテールの総合スーパー事業会社化とマックスバリュ(以下MV)の地域密着体制構築を目的として、2010年1月にリテール運営のMVをイオン100%出資の地域子会社6社(北東北・南東北・関東・中京・長野・北陸)に分割する機構改革を実施した。
MV地域子会社6社のうち「MV北陸」は石川県・富山県・新潟県の食品スーパー事業会社として存続、「MV関東」はイオン系スーパー2社(マルエツ・カスミ)と経営統合、「MV北東北」「MV中京」は近隣の地域子会社と合併するかたちで2021年5月現在もMVを運営している。一方「MV南東北」「MV長野」はディスカウント志向を強め、2015年までにザ・ビッグのみを運営する会社となった。

MV長野が運営していたザ・ビッグ。(長野県大町市)
同社が運営するジャスコからの転換1号店だった。

イオンビッグは2019年9月の「MV東海」「MV中部」の経営統合に先駆け、同年6月に東海運営のザ・ビッグ35店舗、同年7月に中部運営のザ・ビッグ13店舗を吸収分割により譲受するなど、東海地方のザ・ビッグ運営会社を一本化。2021年6月にはMV長野を吸収合併したため、グループ唯一のザ・ビッグ専業地域子会社となったMV南東北との統合を含むさらなる再編に注目が集まっていた。

ザ・ビッグ運営会社は7社に

イオンビッグによるMV南東北の吸収合併により、2024年3月以降日本国内でザ・ビッグを展開する企業は「イオンビッグ」「イオンリテール」「イオン北海道」「イオン東北」「MV西日本」「イオン九州」「イオン琉球」の7社となる。

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