大阪府豊中市の千里中央駅前に直結しており、2019年5月に大部分が閉館した複合商業施設「千里セルシー」が、再開発へ向けて2025年8月20日以降に解体される。
千里セルシー跡。(2019年5月)
千里ニュータウンの象徴だったセルシー
千里セルシーは1972年11月にフジタ傘下の「千里レジャーセンター」により娯楽系テナント主体の複合商業施設として開業。
兵感じには阪急阪神HD傘下の「阪急阪神ビルマネジメント」が管理運営を行っていた。建物は地上6階地下1階建で、延床面積は約45,305㎡。
総合スーパー「ダイエー千里中央店」を核に、ゲームセンター「こどものくに」(ハローズガーデン)、スポーツクラブ「ルネサンス」、映画館「千里セルシーシアター」など100以上の専門店が出店していた。
全館営業当時の千里セルシー。(2017年4月)
「セルシー広場」では数多くの芸能人、アーティストによるライブイベントが開催されており「イベントの聖地」として全国的に知られるなど、永年に亘って大阪北部の娯楽拠点として親しまれていた。
2018年の地震を経て閉館していたセルシー
千里セルシーは開業から半世紀近く経過。2013年には老朽化により耐震性不足が発覚したため、2016年からは運営事業者と入居テナントとの間で契約更新にかかわるトラブルも起きた。
2016年頃からテナントの撤退が相次いでいた。(2017年4月)
そうしたなか、2018年6月には大阪地震が発生。地震の影響により上層階(3~6階)を全面閉鎖することとなった。これにあわせ低層階も核店舗だった「ダイエー千里中央店」など大半のテナントが閉店もしくは休業状態となり、2019年5月31日までにほとんどのテナントが撤退することとなった。
大阪地震以降ながらく休業中だったダイエー。(2019年5月)
大部分が閉鎖されたのちもパチンコ店などが2022年5月まで営業を続けたが、現在は全館閉鎖状態となっている。
2022年まで営業を続けたパチンコ店。(2019年5月)
「阪急百貨店」「阪急ホテル」とともに再開発へ
千里中央エリアでは、2024年8月に大阪府豊中市より再開発計画が示され、千里セルシーは隣接しており同じく阪急阪神HD傘下の「千里阪急」、「千里阪急ホテル」とともに近い将来再開発がおこなわれる方針が示された。
千里セルシーの解体は建物への掲示で明らかになったもの。
2025年8月20日以降に解体され、せんちゅうパルとの共用通路も封鎖される。一方で、千里阪急や阪急ホテルの閉館時期は未定となっている。
阪急阪神HDによると、延床面積10万㎡級の大型再開発が見込まれるとされているが、具体的な計画は未定であり、再開発がすべて完成するまでにはまだ長い時間がかかることになるとみられる。
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