イオンビッグ、マックスバリュ長野を2021年6月1日吸収合併-イオンのディスカウント運営会社、さらなる再編も?

イオングループの「イオンビッグ」(本社:名古屋市中村区)は、同じくイオングループの「マックスバリュ長野」(本社:長野県松本市)を2021年6月1日に吸収合併する。
(以下、マックスバリュ=MV)

マックスバリュ長野運営のザ・ビッグ信濃大町店。
(旧・信州ジャスコ新大町店/転換1号店/長野県大町市)

イオンビッグ、さらにビッグに

「イオンビッグ」は2011年8月21日に設立。設立にあわせてイオンリテール運営の総合ディスカウントストア(北関東・中部・近畿エリアのザ・ビッグなど21店舗、すべて本州)を承継した。
同社は設立直後より「イオンスーパーセンター」「メガマート」をディスカウントスーパー「ザ・ビッグ」に一本化する業態転換を開始。2014年1月には関東・中部・近畿のザ・ビッグ運営に特化した事業会社となった。

イオンビッグ運営のザ・ビッグエクストラ平群店。
(奈良県生駒郡平群町)

「MV長野」は2009年12月4日に設立。2010年2月にイオンリテールから長野県内の中小型総合スーパー(中小規模のジャスコ4店舗)と食品スーパー(MV全店舗)を承継し事業を本格的に開始した。
同社は消費者の節約志向の高まりなどにより設立直後の2010年6月より「ジャスコ」「マックスバリュ」を、長野県内初出店の「ザ・ビッグ」に一本化する業態転換を開始。2011年8月にイオンリテールから新たに承継したメガマート信州池田店の業態転換を経て、2014年10月には長野県内のザ・ビッグ運営に特化した事業会社となったため、2021年時点では「全店舗がザ・ビッグの店舗」となっていた。

マックスバリュ長野のザ・ビッグ。(長野県大町市)
同社が運営するジャスコからの転換1号店だった。

イオンのディスカウント、さらなる再編も?

イオングループは、イオンリテールの総合スーパー事業会社化とMVの地域密着体制構築を目的として、2010年1月にリテール運営のMVをイオン100%出資の地域子会社6社(北東北・南東北・関東・中京・長野・北陸)に分割する機構改革を実施した。
MV地域子会社6社のうち「MV北陸」は石川県・富山県・新潟県の食品スーパー事業会社として存続、「MV関東」はイオン系スーパー2社(マルエツ・カスミ)と経営統合、「MV北東北」「MV中京」は近隣の地域子会社と合併するかたちで2021年5月現在もMVを運営している。一方「MV南東北」「MV長野」はディスカウント志向を強め、2015年までにザ・ビッグのみを運営する会社となった。

イオンビッグは2019年9月に行われたMV東海・MV中部の経営統合に先駆け、同年6月に東海運営のザ・ビッグ35店舗、同年7月に中部運営のザ・ビッグ13店舗を吸収分割により譲受するなど、東海地方のザ・ビッグ運営会社を統合するかたちで経営規模の拡大を図っている。

イオンビッグによる「MV長野」の吸収合併と同様、スケールメリットを活かした価格訴求の強化を目的として、ディスカウント事業会社のさらなる再編が行われる可能性が高いと見込まれる。

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