遠東百貨店信義A13、2019年12月25日開業-信義地区「12店目」のデパート

台湾・台北市信義区に遠東百貨店(台北市)の新店舗「遠東百貨 信義A13(遠百信義A13)」が、2019年12月25日午前11時(現地時間)に開業した。

Far Eastern Department Store Xinyi A13。

世界有数のデパート密集地に「遠東」も

遠百信義A13は地上14階地下5階建、営業面積は約13,000㎡。
設計は誠品書店などの設計で知られる台北の建築家・姚仁喜氏がおこなった。
信義地区には「統一時代百貨(旧・統一阪急)」、「新光三越」4店舗、「微風南山(アトレ)」、「誠品生活」、「BELLAVITA」、「台北101」、「ATT 4 FUN」など10以上の百貨店・ファッションビルがひしめき合っており、世界でも有数のデパート密集地帯となる。

新光三越・信義新天地、遠東百貨、公主連結(プリコネ):Re。

テーマは「煥然一心」-別館には「Apple Store」

遠東信義店のキャッチフレーズは「煥然一心 Refresh Your Experience」(「煥然一新」にかけたもの)。遠東百貨店は台湾各地にあるが、徒歩圏に既存の百貨店が複数あることから、最新技術の充実に力を入れるなど「智慧型」(スマートタイプ)の百貨店を目指したという。
その象徴的存在であるのが、1階の広場部分(別棟)に出店した「Apple Store」の旗艦店だ(6月に開業済)。信義区のアップルストアは台北101店に続き2店舗目で、遠東百貨の地階にも売場が設けられる。
同店ではオリジナルロゴをあしらった限定商品も販売されている。

開業当日の朝。400人近い買物客が列を作った。

古い街並みを模したレストラン街、シネコンも

本館の建物のうち、地下4階から5階は駐車場、地下1階はオートバイ駐車場となる。
地下3階「淘點新食界」には、遠東系列の生鮮食品スーパー「city’ super」や「辻利茶舗」(暖簾分けである北九州の小倉辻利系)、「ミスタードーナツ」、「アントステラ(ステラおばさん)のクッキー」、「杉養蜂園」、「不二家」など国内外の銘菓銘店が出店するほか、フードコート「美食街」が設けられる。

city’super。


辻利茶舗。

地下2階「美潮裳頻道」には、英国発のカジュアルブランド「極度乾燥(しなさい)」やカナダ発のカジュアルブランド「Roots」、agnes b.(アニエスベー)のカジュアルライン「SPORT b.」、ARMANIのカジュアルライン「A|X ARMANI EXCHANGE」など国内外の高級カジュアルファッションブランドや、大手ドラッグストア「日薬本舗」が出店。高級チョコレートブランド「ゴディバ」もカフェ併設店舗を展開する。

GODIVA CAFE。


極度乾燥(しなさい)。

1階「極緻精品廊」には、「Dior」「クロエ」「GUCCI」などのラグジュアリーブランドや「資生堂」「SK-Ⅱ」などの化粧品ブランド、地元の人気中華・台湾料理店「鼎泰豊」、ニューヨーク発祥のスイーツ店「Lady M」が出店する。鼎泰豊は徒歩圏の新光三越、台北101にも店舗を構えているが、混雑することが多くあった。

鼎泰豊。


LADY M。

2階「輕奢名品閣」には、「Samantha Thavasa」「POLO RALPH LAUREN」など国内外のファッションブランドや宝飾品、香水ブランドが出店する。

Samantha Thavasa。

3階「優雅風尚間」には、ブロックの「レゴ®ショップ」や宝飾品ブランド、カフェが出店する。

LEGO Certified Store。


平溪線をレゴブロックで。

4階「懷舊食光埕」は、台湾の老街(日本統治時代からの古い街並み)をテーマとしたレストラン街「懐旧台湾餐庁街」となり、「度小月」「春水堂」など台湾の人気レストランや「ハーゲンダッツ」のスイーツ店などが出店する。

懐旧台湾餐庁街。天燈の装飾も。

5階は大型玩具量販店「funbox」や子供服・インナー、6階・7階はスポーツ用品など、8階は家電など。7階には「しゃぶ葉」、8階には「SONYストア」も出店する。
9階・14階はレストラン街、10階から13階は「威秀影城」のシネマコンプレックス(12月31日開業)となる。

HOOTERS。

レストラン街のうち、9階は和風居食屋「旭集 和食集錦」が出店。14階は午前2時まで営業となり、アメリカ大手レストラン「フーターズ」、火鍋チェーン「新馬辣Plus+」など7店が出店する。

競争激しい信義地区

信義区はかつて松山区の一部であったが、「信義計画区」と呼ばれる再開発計画にともない1990年に松山区から分区。1994年には台北市庁舎が移転し、その後は三越、誠品書店、バスターミナルなどが相次ぎ開業。2004年には台湾のランドマークとなる台北101が開業すると、台湾随一の商業地区へと成長を遂げた。
遠東は台湾大手の百貨店でありながら信義地区では最後発となった。それゆえ、今後はより個性的な店づくりがと求められることとなる。
世界中の資本が集まる競争激しい信義において、地元で永年親しまれる遠東がどれだけ顧客を集め、地域の人々に無くてはならない店となることができるのかが注目される。

遠東百貨 信義A13

住所(地址):台北市信義區松仁路58號
営業時間:11時~22時
4階レストラン街:24時まで
14階レストラン街:26時まで

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