佐世保玉屋、穴吹系スーパー「ジョイフルサン」と提携-売場転換で2024年中リニューアル、建替えへの布石か

長崎県佐世保市にある小型百貨店「佐世保玉屋」が、穴吹興産系の長崎地場スーパー「ジョイフルサン」との提携により、現在の売場の大部分を順次ジョイフルサン運営に転換するため2024年中にリニューアルする方針であることが、都商研の取材で明らかになった。

佐世保玉屋。

耐震不足が発覚、事業を縮小している佐世保玉屋

佐世保玉屋は1894年に佐賀県小城市牛津町を発祥とする卸問屋「⽥中丸善蔵商店佐世保出張所」として開業。1905年に「田中丸呉服店佐世保支店」に改称、1920年にグループ初となる百貨店「玉屋」に業態転換、1941年の分社化を機に現在の「佐世保玉屋」となった。
2009年の現社長就任以降は、長崎玉屋の建て替え(2022年にマンションのワンフロアで営業再開)に加えて長崎県と福岡県に高級アパレル店を出店、その一方でサテライト店や系列スーパーを閉店するなど経営再建を図った。

閉店したマルタマ住吉店。(長崎市)

しかし、佐世保本店は築年数が高く耐震不足となっていることが発覚。その後も建て替え計画が進まず、佐世保市に対する耐震診断結果報告についても度重なる遅延が続き、市より警告を受けていた。
そうしたなか、2020年には屋上遊園地・レストランを含む4階以上を閉鎖、2022年には贈答部門を縮小、同年8月には基幹システム入替えを理由に友の会「玉屋おたのしみ会」の新規募集及び会員更新を終了、2023年に入ると物産展など百貨店催事の開催縮小、6月にはレジシステム移行を理由に「タマヤマイティーポイント」を終了、同年9月には3階を閉鎖・営業階を2フロアに集約するなど、経費削減に向けた「事業縮小」「売場縮小」が進んでいた。

空きフロアとなった5階(撮影:文鉄・お札とコインの資料館)。

現在の建物は地上9階建て、全館の店舗面積13,363㎡(現在、実質3,000㎡程度)、延床面積20,120㎡。
現在の売場(営業フロア)は1階(おもに食品・化粧品)・2階(おもに婦人服・紳士服・子供服・寝装具)のみで、殆どのフロアは空き床となっている。(直営駐車場なし)
2014年に約100億円、2018年に約60億円ほどあった売り上げは、2021年には約28億円に激減。その後の営業規模の縮小により、2023年は更に大きく下がっているとみられる。

穴吹系のジョイフルサン、長崎市では玉屋と共同出店

玉屋と提携する老舗スーパー「ジョイフルサン」(本社:長崎市、旧アサヒショッパーズ)は、事業再生のため2016年2月に穴吹興産(あなぶきグループ)とスポンサー契約を締結。穴吹興産の地域子会社「あなぶき興産九州(当時)」が、同年5月にジョイフルサンの事業承継先となる新会社「ジョイフルサンアルファ」を設立し、同年9月よりあなぶきグループとなっている。

ジョイフルサンJ’s GARDEN Marche城山店。(旧ママのセンター)

ジョイフルサンアルファは、2019年7月に旗艦店「ジョイフルサン住吉店(旧ジョイフルサンショッピングプラザ)」を、敷地一部を穴吹興産のマンションにするかたちで建て替えたほか、他店ではマンション下層階への無人スーパー出店なども実施。2019年には地場スーパー「ママのセンター」を買収するなど、グループの資金力とノウハウを活かして経営規模を拡大している。
さらに2022年11月には長崎玉屋の建て替え再開発事業(大京グループなど主導)による「新大工町地区第一種市街地再開発事業」の中核施設「新大工町ファンスクエア」1階に「ジョイフルサン新大工町ファンスクエア店」を出店。同建物の2階には小型百貨店として佐世保玉屋の支店「長崎玉屋」が再出店している。

佐世保玉屋、食品をジョイフルサン化-建替えの布石?

佐世保玉屋では、2023年8月に3階売場を閉鎖、2023年秋より「ジョイフルサンアルファ」との提携を開始。関係者によると「すでにジョイフルサンが仕入搬入を行っている」といい、2023年12月時点で「ジョイフルサン佐世保玉屋店」として、食品の仕入搬入やジョイフルサンブランドの惣菜取扱いが始まっている。

玉屋食品売場。ジョイフルサンに転換される。

関係者への取材によると、今後「徐々にジョイフルサンの売場が増える」としており、従来外部の生鮮専門店(青果など)が担っていた部門や仕入搬入業務を段階的にジョイフルサンに移行することで、佐世保玉屋の「ジョイフルサン化」を進める。佐世保玉屋の直営売場は建物1階の一部と2階のみになる見込みだが、現在ある一部総菜・銘店(サンドイッチ等)などは継続するとみられる。
開店130年を迎える佐世保玉屋。今後、建て替え・再開発においても、新大工町ファンスクエアで共同出店する「あなぶきグループ(穴吹興産・ジョイフルサンアルファ)」の協力を仰ぐことで、百貨店事業の継続をめざす可能性もあろう。
(協力:株式会社ジョイフルサンアルファ)

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佐世保玉屋改装にともなう閉店一覧(2023年)
1階
  • フレッシュフルーツまえかわ(果物):11月30日閉店 
  • フレッシュフルーツまえかわジューススタンド:11月26日閉店
  • ゲラン(化粧品):2022年11月末閉店
  • コダマ健康食品:2023年春頃閉店
    →トゥインクル西沢に移転
  • 直営生洋菓子売場:閉店
    →長崎玉屋に移転
  • イエスマート(韓国食品):売り切りのち10月頃閉店
2階
  • トゥモローランド(婦人服):7月31日閉店
  • ギャル・リー・ヴィー(婦人服):7月31日閉店
  • リトルハウス(輸入子供服・自主編集) :3月末閉店
    →長崎玉屋に移転
  • ミスターミニット(靴鍵修理):2022年10月31日閉店
  • ボーネルンド(知育玩具):8月頃?閉店
  • Lim(リム・家具インテリア):8月頃?閉店
3階(2023年8月で閉鎖・4階以上は2020年に閉鎖)
  • ハナエモリ(婦人服): 6月30日閉店
  • モラビト&オースチンリード(婦人服):2月28日閉店
  • 詩仙堂(婦人服):3月31日閉店
  • ラピールブランシュ(婦人服):3月31日閉店
  • マダムジョコンダ(婦人服):3月31日閉店
  • カーペット売場:3月31日閉店
  • ハウスオブローゼ(化粧品)2月28日閉店
    →させぼ五番街(エレナ)に移転
  • ワコール(婦人肌着):2月28日閉店
    →させぼ五番街(エレナ)に移転
  • 東京ソワール(婦人フォーマルウェア):8月頃?閉店
  • カーテン売場:8月頃?閉店

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