大手ドラッグストア「クスリのアオキHD」は、奈良地場ディスカウント食品スーパー「スーパーヨシムラ」「ハッスル」全株式を取得することを2024年12月5日開催の取締役会で決議した。
取締役会決議により、クスリのアオキHDはヨシムラグループ2社を2025年2月28日付で吸収合併する。
奈良の個性派ディスカウント、近年は営業赤字だった
スーパーヨシムラは1977年7月に設立。売上高は36億6300万円で営業赤字は2100万円(2024年2月期)。
ハッスルは1990年2月に設立。売上高は15億7600万円で営業赤字は1100万円(2024年6月期)。
ヨシムラグループは設立当初、奈良地場食品スーパーであったが、2000年代初頭より大型家電量販店「和光デンキ天理とくとく世界館(和光ヤマダ電機天理店)」や総合スーパー「ライフ郡山泉原店」への居抜きによる多店舗化を開始。「卸値市場」を掲げた地場有力ディスカウント食品スーパーとしての地位を築いている。
ハッスル高野口。
ヨシムラグループは、2022年10月には同社旗艦店「ハッスル3天理」(5,899㎡)に大手菓子店「お菓子のデパートよしや(吉寿屋)」最大級となる新業態(660㎡)を導入するなど、同業大手ディスカウントとの差別化や広域集客につながる個性的な取組みを打ち出していた。
一方、グループ2社は老朽店舗を数多く抱えており、近年は営業赤字の状態にあった。
ハッスル3天理。
ヨシムラ・ハッスル、クスリのアオキに
クスリのアオキHDは2020年6月のナルックス(本社:石川県金沢市)完全子会社化を皮切りに、同年10月にフクヤ(本社:京都府宮津市)を子会社化、2024年9月には愛媛地場大手「ママイ(フレッシュバリュー)」を吸収合併、香川地場中堅「四季食彩館ムーミー」の店舗を取得するなど、生鮮強化と未進出地域の解消を目的に全国各地の地場食品スーパーを傘下に収めている。
クスリのアオキHDは系列化した店舗を自社ドラッグストア「クスリのアオキ」に順次転換しており、奈良県を中心に親しまれた個性派ディスカウント食品スーパーのブランドは姿を消す見込みだ。
(写真は同社公式より)
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