大手ドラッグストア「クスリのアオキHD」は、東北地場大手食品スーパー「伏見屋」と伏見屋系事業会社「本間物産」「トップマート」「LogiPlanning 仙台」が展開する「スーパーマーケット46 店舗及びその他付随する資産」を譲受する事業譲渡契約を2024年12月5日開催の取締役会で決議した。
取締役会決議により、クスリのアオキHDは伏見屋系46店舗を2025年2月28日付で譲受する。
東北地場食品スーパー再生の立役者だった伏見屋
伏見屋は1995年に設立。設立当初は祖業の酒類販売に特化した会社であったが、2008年2月に北海道地場大手流通グループのカウボーイから東北地方子会社「本間物産(マルホンカウボーイ)」を買収したことを機に、食品スーパー再生事業を本格化。
2009年4月にはシグマゲイン(旧中川無線電機/ナカヌキヤ)から仙台地場食品スーパー「サンマリ」を買収、2010年4月にはフレッセイから栃木地場食品スーパー「フレール」を買収、2011年7月に仙台地場食品スーパー「モリヤ」を系列化、2012年3月には首都圏地場食品スーパー「トップマート」「三河屋」を系列化するなど、東日本全域にグループ店舗網を拡大した。
その後も東北地場食品スーパーの積極的な買収や運営会社再編、新業態の開発、販売施策の共通化を打ち出していた。
マルホンカウボーイ三川店。(山形県東田川郡三川町)
伏見屋の2024年3月期売上高は163億6900万円、経常利益は1億8500万円。
本間物産の2023年9月期売上高187億7600万円、経常利益は4400万円。
トップマートの2024年4月期売上高59億9900万円、経常利益はマイナス1億8300万円。
LogiPlanning仙台の2024年3月期売上高は1億1700万円、経常利益300万円。
クスリのアオキ史上最大の食品スーパー買収に
クスリのアオキHDは2020年6月のナルックス(本社:石川県金沢市)完全子会社化を皮切りに、同年10月にフクヤ(本社:京都府宮津市)を子会社化するなど、生鮮強化と未進出地域の解消を目的として、全国各地の地場食品スーパーを傘下に収め、自社のドラッグストア「クスリのアオキ」への業態転換を終えている。
同社は直近では2024年8月に千葉内房地場「木村屋(スーパーガッツ)」を吸収合併、同年9月には愛媛地場大手「ママイ(フレッシュバリュー)」を吸収合併、香川地場中堅「四季食彩館ムーミー」の店舗を取得したが、伏見屋系46店舗の取得は同社史上最大の食品スーパーを対象としたM&Aとなる。
クスリのアオキに転換した店舗の一部では、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)の取扱いが維持されているもの、買収対象となった店舗ブランドは原則として消滅しており、東北地方を中心に根付いたブランドも姿を消すこととなりそうだ。
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