クスリのアオキ、ママイを2024年9月1日吸収合併-業績低迷続く愛媛地場大手、フレッシュバリューのアオキ化で再生めざす

大手ドラッグストア「クスリのアオキ」(本社:石川県白山市)は、グループの愛媛地場大手食品スーパー「ママイ」(クスリのアオキHD連結子会社/本社:愛媛県四国中央市)を2024年9月1日付で吸収合併する。

愛媛地場大手食品スーパー、年商は最盛期の「1/4」に

ママイは、1976年2月に愛媛県川之江市(現四国中央市)のニチレイ系冷凍食品製造会社「伊勢丸食品」を母体とする食品商社「伊勢丸商事」として設立。
設立当初は「ママイ」ブランドでの店舗展開を行っていたが、1994年にEDLP型新業態「エムツー」、1995年にはバリューグループ系新業態「バリュー」、1998年に現在の主力業態「フレッシュバリュー」を立ち上げるなど、業態開発を積極化。
2000年8月にはマイカル松山サティ跡の「銀天街GET!」、2006年5月にはダイエー南松山店跡の「ジョープラ」に食品核として進出するなど、店舗網の拡大と売場面積の大型化を図り、最盛期となる2005年8月期には売上高290億円を記録した。
一方、その後の同社の業績は競合他社との競争激化を背景に低迷が続いており、2018年11月には香川県から撤退、2023年8月期には売上高86億5400万円を記録するなど、最盛期の「1/4」ほどに落ち込んでいた。

アオキに吸収合併、フレッシュバリュー消滅か?

ママイの親会社である「伊勢丸ホールディングス」は、2024年3月1日にママイ株式の33.4%を大手ドラッグストア「クスリのアオキHD」に譲渡し、アオキ主導で「ママイを当社グループ(=アオキ)に迎えるための準備」となる既存店改装計画の策定に取組んでいた。
ママイ運営店舗は、クスリのアオキ傘下入り発表時点で15店舗存在したが、3月15日に4店舗(三島店・大生院店・今治本町店・松山店)が業態転換のため閉店、2店舗(土居店・新居浜店)が完全閉店となるなど事業規模の縮小が続いていた。

ママイフレッシュバリュー。(愛媛県新居浜市)

クスリのアオキHDは2020年6月のナルックス(本社:石川県金沢市)完全子会社化を皮切りに、同年10月にフクヤ(本社:京都府宮津市)を子会社化するなど、全国各地の地場食品スーパーを傘下に収め、自社のドラッグストア「クスリのアオキ」への業態転換を進めている。
クスリのアオキに転換した店舗の一部では、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)の取扱いが維持されているもの、買収対象となった店舗ブランドは原則として消滅しており、1998年に誕生したフレッシュバリューのブランドも姿を消すこととなりそうだ。

クスリのアオキの生鮮取扱店舗。(京都府舞鶴市)
鮮魚精肉はプロセスセンター方式に移行、惣菜は全廃した。

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