福岡地場大手ドラッグストア「大賀薬局」(本社:福岡市博多区)は産業競争力強化法に基づく事業再編計画認定を2025年9月30日に受けた。同社は事業再編計画に基づき、持株会社「オーガホールディングス」に2025年10月1日に移行した。
ドゲンジャーズ生み出した福岡地場大手ドラッグストア
大賀薬局は1902年に現在の福岡県筑紫野市二日市で「大賀商店」として創業、1927年に現在の福岡市中央区天神に食料品/薬品店を開店、1949年11月の西鉄街店開店(天神コアを経て現在のONE FUKUOKA BLDG.)にあわせて法人化した。
同社は1976年6月の天神コア開業にあわせて輸入雑貨店「木馬館」1号店を開店(2020年7月VIOROに移転)し、福岡市中心部の西鉄系商業施設を中心に多店舗展開するなど業容を拡大。1990年代からは福岡都市圏でのドミナント深耕を図りつつ、2015年6月には沖縄地場同業「グリーンドラッグ」を買収するなど九州全域に郊外型ドラッグストアを展開することとなった。
2019年10月には大賀崇浩同社代表取締役社長による「薬剤戦師 オーガマン」がSNSで話題となり、2020年4月より同社主導の特撮TV番組「ドゲンジャーズ」が首都圏を含む幅広い地域で放送に至るなど、九州を代表するローカルヒーローを生み出したドラッグストアとして高い知名度を誇っている。
九州を本拠とする独立系ドラッグストア各社のなかでは「コスモス薬品」(2025年5月期の売上高:1兆113億9,000万円)、「ナチュラルHD」(2025年3月期の売上高:3,118億円/ドラモリ単体売上高2,127億円)に次ぐ業界3位、2024年9月期の売上高は346億5,800万円となっている。
2024年からは動物強化、持株会社化で不動産強化
大賀薬局による持株会社体制移行は、オーガHDが「事業会社の支援とガバナンスを強化」「中長期的な視点でグループ全体の最適化」を担い、各事業会社が「意思決定の階層を簡素化し、現場で迅速に判断・実行できる体制」「変化する市場に素早く対応し、新たな付加価値の創出と持続的な成長」をめざすため。
大賀薬局西鉄福岡駅店。
大賀薬局は2025年6月30日付で持株会社体制の要となる新会社「オーガホールディングス」を設立し、同年10月1日付で新会社に大賀薬局の経営管理事業及び不動産管理事業を移転、2026年4月1日付で新会社に系列不動産会社「大賀ビル」を吸収合併することで不動産事業強化を図る。
大賀薬局都府楼南店。
また、2029年に向けたビジョン「One Health Leading Company(ワンヘルス リーディングカンパニー)」実現に向けた取組みの一環として、2024年12月に日本唯一の動物専門調剤「わんにゃん薬局」に出資、2025年2月に福岡県小郡市の動物病院「藤野動物病院」運営会社を事業承継するなど、動物関連への業容拡大を進める。
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