流通大手「セブン&アイホールディングス」(東京都千代田区)は「そごう・西武」5店舗の閉店と2店舗の規模縮小を発表した。
川口そごう。
そごう・西武、店舗網大幅縮小へ
「西武大津店」(滋賀県大津市)、「西武岡崎店」(愛知県岡崎市)、「そごう徳島店」(徳島県徳島市)、「そごう西神店」(兵庫県神戸市西区)は2020年8月末までに閉店。「そごう川口店」(埼玉県川口市)は2021年2月末までに閉店する。
西武大津ショッピングセンター。
このほかロフトなどが出店する「西武福井店」(福井県福井市)の新館、「西武秋田店」(秋田県秋田市)の別館的存在であるフォンテ秋田地下1階「ザ・ガーデン自由が丘・西武秋田店」も2021年2月に閉店する。
なお、福井西武の新館高層階は多くがテナントであるため、テナントは残留する可能性もあろう。
セブンアイ傘下後、近年続く閉店-改装も一部に留まる
そごう・西武はセブンアンドアイホールディングス傘下になって以降、近年はとくに店舗の閉鎖・譲渡を加速させているが、閉店した店舗のなかには他社では閉店しなかったと思われる店舗、立地を考えるとセブンアイが都心店並みの資金を投入してフロアやテナント構成を見直す、ファッションビル的なテナントを導入するなどといった抜本的な店舗改革を行なえば十分黒字化できた可能性のある店舗も少なくない。
今回閉店する店舗は築年数が比較的浅い物件も少なくないものの百貨店業態の終了などではなく完全閉店であるとみられ、地域への影響が甚大である一方、それぞれについての後継店舗などについては一切発表されていない。
2016年に閉店したそごう柏店。閉店が相次いでいる。
今回の閉店により、そごうは創業地である関西からは完全撤退となり、引き継ぐ企業が無ければ川口市、岡崎市、大津市、徳島市からは百貨店が消滅する。
また徳島県については、日本で唯一の百貨店が1店舗も存在しない県となる。百貨店が存在しない県、また百貨店が存在しない県庁所在地ができるのは1976年(滋賀県、大津西武が開店)以降は初めてのこととなる。
旧そごう神戸店。10月より阪急が経営を引き継いだ。
セブンアイは併せて2022年度末までに約3,000人の人員を削減することを発表したほか、イトーヨーカドーの大量閉店も示唆している。
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