グッドブレスガーデン、2019年11月22日開業-米子高島屋東館をジョイアーバン社が複合施設化、本館も同社運営に

鳥取県米子市中心部にある百貨店「米子高島屋」の東館が、複合施設「グッドブレスガーデン」(GOOD BLESS GARDEN)として生まれ変わり、2019年11月22日に開業する。

米子高島屋・東館。

米子高島屋、東館を「無償譲渡」で再生はかる

米子高島屋は1964年4月に開業。米子高島屋東館(以下、東館)は1994年に開業しており、本館と連絡通路で接続されている。
2館合わせた売場面積は14,980㎡で、建物は日本生命と高島屋が所有する。

米子高島屋。

米子高島屋は山陰唯一の高島屋として広域的な集客がある一方、近年は郊外店との競争に加えて隣接する商業施設「やよいデパート」の閉店もあり、客足が伸び悩んでいた。

やよいデパート。高島屋向かいにあったが現在は平面駐車場。

高島屋では、今後も継続して営業をおこなうために東館を閉鎖し、営業時間を18時までに短縮して効率化を図るとともに、中心市街地活性化のために東館と高島屋第一駐車場(土地含む)を米子市に無償譲渡することを決めた。
2017年に東館は米子高島屋から米子市に無償譲渡され、その後は米子市が公募型プロポーサルを実施。米子市の審査の結果、島根県安来市に本社を置く「トイボックス」が運営をおこなうことが決まり、東館は同社の子会社「ジョイアーバン」によって再生されることとなった。
トイボックスは米子市などでTSUTAYAの運営やライブハウス運営、広告事業などをおこなっている。

トイボックス運営のツタヤとスターバックス(米子市)。
トイボックス米子オフィスも入居する。

「巨大漫画喫茶」核に宿泊施設、飲食店などが出店

米子高島屋東館の新名称は「グッドブレスガーデン」(GOOD BLESS GARDEN)。英語圏でくしゃみした人に言われる「God bless you!」(神の祝福あれ)という台詞からくしゃみを「うわさ」ととらえ、米子の人々、日本全国の人々からうわさされる施設となるよう思いを込めて命名したという。

グッドブレスガーデンのイメージ(出典:ニュースリリース)。

核となるのは、直営の巨大漫画喫茶「まんがミュージアム」で、低層階には飲食街とフィットネスクラブが、高層階には宿泊施設と温浴施設が入居する。
詳しいフロアは以下の通り。なお、テナントの具体的な名称については9月時点では一部のみしか発表されていない。

7階 温浴施設、サウナ
6階 宿泊施設(女性)、岩盤浴、チムジルバン
5階 宿泊施設(男性)、保育園
4階 まんがミュージアム・エステ・マッサージ
3階 まんがミュージアム
2階 フィットネスジム
1階 創作四川中華料理店、カフェ&レストラン

「グッドブレスガーデン」フロア構成。

える・もーる駐車場も改装-試される再生手腕

トイボックスは、高島屋近くにある商店街駐車場「える・もーる駐車場」を取得し「イースティプレイス」(YEASTY PLACE)として運営をおこなうことを発表している。

える・もーる駐車場と米子の街並み。

イースティプレイスは現在と変わらず駐車場として運営されるが、新たに縦幅10メートルの巨大街頭ビジョン「ワイワイビジョン」が設置される。

イースティプレイスのイメージ(出典:ニュースリリース)。

再生が決まった東館であるが、物販施設ではなく「巨大漫画喫茶」と「宿泊施設」が核となるため、連絡通路で接続される高島屋や商店街との相乗効果を実現することができるかどうかは未知数だ。また、米子市中心部には書店が少ないため、トイボックスがFC展開する「ツタヤ」などが出店しないことを残念に思う人もいるであろう。
とくに漫画喫茶については中国地方でも最大級のものになることは確実であり、果たして計画通りに集客できるかどうか、その「再生手腕」が試されることになる。

追記:米子高島屋、ジョイアーバン社の運営に

追記:ジョイアーバン社は米子高島屋の全株式を取得。米子高島屋は2020年3月からジョイアーバンの運営となるが、今後も高島屋のフランチャイズ店舗「米子高島屋」(JU 米子髙島屋)として営業を行う。

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