北欧トーキョー、2022年2月28日までに全店閉店-小田急HOKUO首都圏撤退、一部はドンクに

小田急電鉄の完全子会社「北欧トーキョー」(本社:神奈川県厚木市)が首都圏で展開するベーカリー「HOKUO」全39店舗が、2022年2月28日までに閉店する。

HOKUO the Garden。(東京都新宿区)

北海道の老舗ベーカリーとの合弁だった北欧

北欧は1979年12月に北海道札幌市で創業。1980年代には合弁による地域子会社を相次ぎ設立するなど、全国各地に「HOKUO」ブランドを冠したベーカリーを展開した。
1990年1月には自社工場と博物館を併設した旗艦店「北欧館本店」を出店、バブル崩壊後も宅配事業の強化といった多角化路線を継続したが、道内経済の冷え込みや競争激化により経営破綻した。2021年12月現在、道内直営店を経営する「北欧STプラン」(札幌市内1店舗)や宅配ベーカリーを展開する「北欧SSプラン」(北海道・東北9事業所)などが残るが、いずれも資本関係の結びつきはない。

東北~北陸甲信越に幅広く展開した「マルシャン北欧」(本社:新潟県長岡市)の店舗。

北欧トーキョーは、1988年12月に北欧と小田急グループの合弁により創業。自社沿線の駅構内や商業施設に限らず、JR東日本や東京メトロ系の施設にも店舗を展開していた。
北海道の北欧との資本提携解消後、2010年5月にはグループの小売会社「小田急商事」(小田急OXなど運営)から「小田急電鉄」の子会社に移行。2014年9月の新本社(新神奈川工場)操業開始後は、カフェ新業態「HOKUO the Garden」の立ち上げや事業エリアの拡大といった積極投資をおこなっていた。
しかし、2019年度に40億円台だった売上はコロナ禍により20億円台に激減。「事業環境の変化もあり全店舗を閉店することになった」という。

10店のみ「DONQ」に-大半の店舗は閉店

小田急電鉄は、北欧の全店閉店発表に合わせて大手ベーカリー「ドンク(DONQ)」(本社:神戸市東灘区)と「業務提携に関する基本協定書」を締結。北欧トーキョーが首都圏で展開する「HOKUO」全39店のうち10店をドンクに譲渡する方針を2021年12月21日に発表した。小田急電鉄とドンクはこの業務提携締結により、飲食関連事業や商業施設内の店舗開発等における連携を図るとしており、これら10店は2022年春ごろ「DONQ」として営業を再開する見込みだ。
その一方、北欧トーキョーの本社工場や譲渡対象外となった29店舗の行く末については、1月時点では発表されていない。

北欧トーキョーの店頭にて12月23日に掲示された事業譲渡告知。

北欧トーキョーは、2021年12月23日に「諸般の事情により最終営業日が変更となる場合がある」と発表しており、ドンクへの譲渡対象店舗を含め、首都圏の「HOKUO」屋号の店舗は2月末まで徐々に姿を消すとみられる。

ドンクへの譲渡対象となった「HUKUO」
  • HOKUO OX経堂店
  • HOKUO 千歳船橋店
  • HOKUO 祖師ヶ谷大蔵店
  • HOKUO 新百合ヶ丘店
  • HOKUO 相模大野店
  • HOKUO 海老名店
  • HOKUO 本厚木ミロード店
  • HOKUO 伊勢原店
  • HOKUO 中央林間店
  • HOKUO 湘南台店

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