台湾の大手食品スーパー「全聯福利中心(PX-MART)」(台北市中山区)は、台湾と中国に展開する総合スーパー「大潤發(RT-MART)」(台北市中山区)を2022年中に合併する。
大潤發の店舗。
全聯、スーパーセンターなど展開の「大潤發」買収
全聯福利中心を運営する「全聯實業股份有限公司(全聯實業)」は1998年10月に半官半民企業(公務員生協)「中華民国消費合作社全國聯合社」から68店舗を引き継ぐかたちで設立。2003年には台湾最大手のスーパーとなった。
その後、日系スーパー「台湾サミット」や「台湾松青(台湾フレッセイ)」などを合併することで急成長。2019年には総店舗数が1000店舗を超えた。全聯は2009年に「オール日本スーパーマーケット協会(AJS)」に加盟し、AJSのPB商品「生活良好(くらし良好)」を導入。AJSのスーパーでは最大の店舗数となっている。
全聯福利中心の店内。
一方の大潤發は1996年に紡績業を発祥とする「潤泰グループ」により設立。フランスの大手スーパー「Auchan(オーシャングループ)」との共同出資で、台湾全土に郊外型ショッピングセンター、総合スーパー、スーパーセンターなど22店舗(2021年12月時点)を展開する。
1997年には中国に1号店を出店したが、現在中国法人はアリババグループなどの傘下となっており、全聯と合併する訳ではない。
「ショッピングセンター」のノウハウを手に入れる全聯
全聯福利中心は、2022年中に115億NTドル(約460億円)を投じて大潤發を買収。全ての従業員は雇用を継続する。地元紙の報道によると、電子マネー(PXPAY)などについても統合される見込み。
全聯福利中心は、都市部の小型食品スーパーが中心である一方、大潤發は先述したように郊外型ショッピングセンター、総合スーパー、スーパーセンターも展開する。
全聯は多層店であっても食品以外はテナントであることが多い。
全聯は大潤發との経営統合によって、これまで数店舗のみ(多くは買収店)であった多層型大型店の経営ノウハウを手に入れることとなり、台湾スーパー最大手の座をより強固なものにしたといえよう。
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