棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(1)-雪の最終営業日

北海道函館市の函館駅前にある百貨店「棒二森屋」が2019年1月31日に閉店し、150年の歴史に幕をおろした。

閉店セールをおこなう棒二森屋。

2人の九州移民が造った「駅前の顔」、150年の歴史に幕

森屋は大分県出身の渡辺熊四郎が「金森森屋洋物店」として1869年12月に創業、棒二は佐賀県出身で近江商人をルーツに持つ荻野儀平が「棒二荻野呉服店」として1882年に創業した。有名観光地として知られる「金森赤レンガ倉庫」はもともと金森森屋の関連企業のものであった。森屋は渡辺が勤めていた長崎の問屋の屋号に由来する。
この両社は1936年に合併、「棒二森屋」となり、1937年に現店舗の本館を建設している。設計者は地元出身の建築家・明石信道。

棒二森屋本館。1937年築。

本館はのちに増築され、戦後一時は三越と提携関係にあったが、1981年にダイエーが資本参加。
1982年に専門店を多く導入した新館「アネックス館」が完成し、現在の姿となった。新館の設計者も地元出身の建築家・明石信道。全館を合わせた売場面積は22,153㎡。
近年の年商は最盛期の約2割ほどだったという。

賑わう最終日

閉店日となった1月31日は開店前から行列ができ、店員の「大変お待たせしました」の言葉とともに店内へとなだれ込んだ。
当日は朝から雪となったため、遠方から来店した客が勢い余って店頭で転ぶ姿も見られたほどだった。
7階の「レストラン和家」の横では棒二森屋と函館の街の歴史を振り返る「さよなら、棒二森屋」展が開催された。レストランは混雑し列も生まれていた。

さよなら、棒二森屋展。


現店舗の建設初期の写真、周辺地域の写真などが飾られた。


夕方になると商品は少なくなった。特に、函館から姿を消す大手ベーカリー「ドンク」などでは行列が生じるようになった。
閉店時間が近付くにつれて、本館1階では記念式典の準備が始められ、閉店時間を迎えた18時には会場に買物客から寄せられた「メッセージボード」が設置された。

商品が少なくなった店内。

大勢の函館市民が館内にあふれるなか、18時15分には3人兄弟の迷子が発生するハプニングもあったが、すぐ見つかり館内に暖かい拍手が巻き起こった。

メッセージボード前が式典会場となった。

18時30分からは閉店記念式典が開催、蛍の光の生演奏が披露されるなど、150年の歴史の集大成にふさわしいものとなった。
店長の挨拶の後、従業員による案内のもと、買物客が玄関に案内され、シャッターが降ろされた。

店員による挨拶。

18時54分、テーマソングが流れるなか、棒二森屋は大勢の函館市民に見送られながら150年の歴史に幕を下ろした。
(撮影:1月27日~1月31日)

旧アネックス館、改装へ-2月8日開業

棒二森屋本館は老朽化により耐震性が低いことが発表されており、建物は解体される見込みだ。
ダイエーの親会社であるイオンは再開発をおこない、マンションや宿泊施設等を核とした建物に建て替えたい意向を発表している。
一方で、旧アネックス館、パーキング館は当面のあいだ営業を継続する予定。当面はファッションビルとして営業し、再開発の進展状況を見て数年後(2022年以降)に閉館するとみられる。建物は中合が所有を継続するが「棒二森屋商品券」などは利用できない。

アネックス館(手前)は営業を継続する。

旧アネックス館は2月8日から順次開業。移転・新規出店する店舗の一部は2月20日前後の開業になるという。パーキング館は3月に営業を再開する。

アネックス館のテナント一覧などはこちら(続き記事)

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