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プラザモールなかま、2022年4月20日10時開業-先行開店のトライアルと賑わう開業日、イオン跡地もリニューアルへ

福岡県中間市の筑豊電鉄通谷電停近くにあるイオンショッパーズモールなかま店跡に、トライアルを核とするショッピングセンター「プラザモールなかま」が2022年4月20日午前10時に開業した。

旧ショッパーズ西館・モール館、全面刷新

プラザモールなかまは、2021年10月に開業したショッパーズモールなかま西館(1993年12月開業/旧バンドール中間店)と暫定営業中だったモール館(1998年11月開業/旧中間アミューズプラザ21C)を、旧ダイエーグループの総合建設会社「イチケン」協力のもと全面刷新したもの。西館の建物は地上4階建で店舗面積は10,789㎡。モール館の建物は地上5階建で店舗面積は9,138㎡。建物は引続きグリーンプラザ開発が所有する。

ショッパーズモール時代のプラザモールなかま。

西館はトライアルの大型スマートストア

プラザモールなかま西館は、トライアルカンパニーの大型総合ディスカウントストア「メガセンタートライアル中間店」を核に2022年4月13日に先行開業。トライアル中間店は同社スマートストア福岡県内37店舗目として、同社が強みとするAI・IoT機器「リテールAIカメラ」「スマートショッピングカート」「デジタルサイネージ」を導入。各種販促では「大きなサイズのトライアル」「メガトラ」を掲げ、1階では食料品を、2階ではファッション・生活用品・家電製品・カー用品・スポーツレジャー用品・園芸DIY用品を幅広く展開するなど、広大な売場面積を活かした同社最新店舗となった。

モール館は大型テナント中心に

プラザモールなかまモール館1階にはカジュアル衣料品店「マックハウス」を始め、婦人服店「ミルク」、バンダイナムコグループ(ハピネット)のカプセルトイ専門店「ガシャココ」、エスニック雑貨店「アジアンギャラリー」、ニトリの家具インテリア雑貨店「デコホーム」、アウトレット家具店「リバップ」、保険相談カウンター「ほけんの110番」、クリーニング「アクアトリートメント」、GENDA GIGOによる大型アミューズメント施設「セガアリーナ」の9店舗が出店。催事スペースも設けられた。

プラザモールなかまモール館。

モール館2階にはヤマダデンキグループの家電量販店「ベスト電器」やイオングループの100円ショップ「キャンドゥ」、中古PC専門店「パソコン市場」、買取専門店「諭吉っちゃん」、10分ヘアカット専門店「QBハウス」、ヘアカラーサロン「クイックカラー」の6店舗が出店。4~5階のシネマコンプレックス「ユナイテッド・シネマなかま16」も韓国発の体感型映画上映システム「4DX」導入を目玉とする館内リニューアルが行われた。

Can☆Doプラザモールなかま店。

開店当日は大規模なセールや記念品配布も

モール館の開業当日は、午前10時の営業開始にあわせて1階2階フロアと西館接続通路の館内シャッターが一斉に開放。施設関係者や地域住民が見守るなか新たな幕開けとなった。

開店直前のモール館館内。

モール館では会員限定ポイント5倍といった施策に加え、ベスト電器やガシャココでは開店記念品の配布、サービス系店舗では販促チラシやポケットティッシュの配布もあり、一部店舗では記念品の引換を目的とした100人近い長蛇の待機列がみられた。また、トライアルでも開店セール第2弾期間中だったこともあり、スマートショッピングカートでの買物や大容量パック販売を楽しむ客が数多くみられた。

賑わう開業当日。

プラザモールなかま周辺では、旧ショッパーズモールなかま東館(イオンなかま店)跡地や福北ゆたか線中間駅前(中間市岩瀬一丁目)など商業施設の整備が相次いでおり、今後も同様の大型店開業がみられそうだ。

プラザモールなかま

住所:福岡県中間市上蓮花寺3丁目1-1
営業時間:24時間営業(トライアル中間店)

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エキソアレ西神中央、2022年4月1日開業-西神そごう跡、百貨店の歴史引継ぐ「ハイ・カジュアル」な商業施設に

兵庫県神戸市西区の神戸市営地下鉄西神中央駅に直結するセブン&アイHD系の百貨店「そごう西神店(西神そごう)」跡に、双日のショッピングセンター「エキソアレ西神中央」が2022年4月1日に開業した。

暫定営業続けていた西神ニュータウンのそごう跡

そごう西神店は、1990年10月に神戸市交通局が開発する「西神中央駅百貨店ビル(現西神中央駅ショッピングセンター)」を全館賃借するかたちで「西神そごう」として開業。建物は地上6階地下2階建で、延床面積は約30,301㎡。交通局完全子会社の神戸交通振興が所有する。
そごう西神店

開業当初は、旧・そごうグループが30店舗体制をめざし推し進めていた“トリプルそごう計画”の28店舗目として、キャッチコピーに「ハイ・カジュアル主義」を掲げ、1階には東京ディズニーランドとの提携により誕生したからくり時計「イッツ・ア・スモールワールド時計」、5階には神戸市内最大となる「川の流れるレストラン街」、屋上にはメリーゴーランドやエアーサイクルといった大型遊具を備えた遊園地「ファンタジーランド」を導入するなど、神戸市郊外のニュータウンに立地する地域密着志向の店舗ながら非常に豪華な設備を特徴としていた。
その一方、西神そごうはグループの経営悪化や過剰投資が災いとなり、2000年7月に民事再生法適用を申請(経営破綻)。2002年3月には再建の一環として運営体制を変更し、そごう西神店となった。
そごうのシンボルのひとつだった「からくり時計」

そごう西神店では、2002年の運営会社再編を機に「「自分」発見専門館」を掲げ、売場の最適化を目的とした全面リニューアルを実施。2009年8月の運営会社再編後はそごう神戸店の分店(そごう神戸店西神館)とすることで、経営効率の改善を図った。なお、2016年10月にはセブン&アイHDとH2Oリテイリング(阪急阪神百貨店)による資本業務提携の一環として、西神店を含む関西3店舗(そごう神戸店・西武高槻店)をH2O運営に移行する方針があったが、2017年8月に西神店の運営移行を白紙化。2019年10月には西神店を除く関西2店舗が「阪急百貨店」ブランドに移行したため、西神店は「そごう・西武としては関西唯一の店舗」「そごうの屋号を冠する関西唯一の店舗」となった。
そごう神戸店は神戸阪急となった

これにあわせ、そごう西神店は2019年9月に1階食品フロアの大規模なリニューアルを実施したが、同年10月に一転して閉店の方針を発表、改装から1年満たない2020年8月31日をもって約30年の歴史に幕をおろした。なお、施設を所有する神戸交通振興はそごう閉店に先駆けて、2020年4月に後継事業者公募を開始、同年7月に双日を優先交渉権者に選定し、同年11月から1階食品フロアと5階飲食店街の営業再開(臨時開業)を順次進めていた。

デパイチに新たなアクセント加えて再生

エキソアレ西神中央の営業フロアはそごう時代と同等の地上1階~5階で延床面積は約30,301㎡。運営業務は双日から委託を受けたプライムプレイス(東京建物グループ)が担う。
施設名称の「エキ」は西神中央駅に、「ソアレ」は太陽(ルーマニア語)に由来するもので、コンセプトに「日常にある上質な暮らし」を掲げ、百貨店が積み重ねた歴史や地域住民のライフスタイル向上を意識した専門店約60店舗が出店する。
営業フロアのうち、1階には関西地盤の高級食品スーパー「パントリー(大近)」や洋菓子銘店「モロゾフ」「ゴンチャロフ」「ケーニヒスクローネ」「アンリ・シャルパンティエ」、和菓子銘店「宗家 源吉兆庵・満果惣」「文明堂」といったそごう1階食品館エブリデイ(デパイチ)時代からのブランドが引続き営業するほか、「ゴディバ」「御座候」「RF1(Green gourmet)」がそごう閉店から約1年半ぶりに再出店、輸入食品グロサリー「ピープルズ」や沖縄県外への多店舗化を進めるアイスクリーム「ブルーシールアイスクリーム」が新規出店する。

エキソアレ西神中央
(西神中央駅ショッピングセンター)

2階には「無印良品」や美容と健康に強みをもつドラッグストア「AINZ&TULPE」、アダストリアの生活提案型衣料・雑貨店「LAKOLE」といった7店舗が出店。 LAKOLEは「国内最大級の店舗」(237坪)として従来からの生活雑貨・アパレル分野をフルラインナップで展開するほか、アダストリアグループ初となるセルフレジの導入や新カテゴリ(ペット・フィットネス分野)の先行導入、店舗限定商品の拡充といった実験的な取組みを打ち出す。

LAKOLEエキソアレ西神中央

3階には大型家具インテリア雑貨店「ニトリ」がワンフロアに出店。4階には精文館書店のBOOK&CAFE「TSUTAYA BOOKSTORE」「LE GARAGE/ohagi3(ル・ガラージュwithおはぎさん)」や100円ショップ「ダイソー」、「POLA」といった5店舗が出店。

DAISO西神中央

TSUTAYAでは従来からの「多彩なライフスタイル提案」を掲げた書籍・雑誌フロアに加え、文具・雑貨フロアを中心に食雑貨を幅広く展開。店内各所に「成城石井Selection」コーナーを配置するほか、和洋菓子やレトルト食品・調味料売場の集積を進めるなど、一般的な都市型グロサリー専門店に匹敵するような異色な店舗づくりを打ち出した。

食雑貨を前面に押し出したTSUTAYA BOOKSTORE

5階には紀伊國屋書店跡の地場総合進学塾「若松塾」、飲食店街の地場中国料理レストラン「金龍閣」、地産地消和食レストラン「旬菜みやこ」といった12店舗が出店。エスカレーターホールでは、双日が源流企業とする戦前の総合商社「鈴木商店」の栄枯盛衰(伝説性と悲劇性)とその後の各種産業への貢献を取り上げた展示を行うほか、そごう時代からの噴水設備は円柱の休憩所として再整備する。

日本一の総合商社だった鈴木商店

鐘の音が祝うリニューアル開業

エキソアレ西神中央開業当日の午前9時30分からはオープニングセレモニーが開催された。式典には施設所有者の神戸市・OMこうべ関係者、施設運営者の双日・プライムプレイス関係者、地元議員などが参加し、双日が源流企業とする鈴木商店の歴史とエキソアレ開業による貢献、地元神戸市をホームタウンとするJ1サッカークラブ「ヴィッセル神戸」とのスポンサー契約締結といった内容が語られた。

エキソアレ西神中央のオープニングセレモニー

式典はヴィッセル神戸のマスコットキャラクター「モーヴィ」の登場やテープカットにより盛り上がりをみせ、営業開始時刻となる午前10時を知らせるからくり時計の鐘の音が施設の開業を華々しく彩った。
開業当日は春休み期間であり、施設・専門店各店ともに福袋や特価商品を打ち出したため、制服を着た学生からファミリー、高齢者まで幅広い年齢層により賑わいをみせた。

鐘の音が鳴り響く午前10時

神戸市は以前より、2022年2月の西区役所庁舎移転や今回の西神中央駅ショッピングセンター(エキソアレ西神中央)リニューアルなど、神戸市営地下鉄の起終点駅である西神中央駅一帯の再整備を進めている。
2022年秋には複合文化施設(西神中央ホール)の整備を、2023年春には駅前広場・バスロータリーの整備を、同年秋には隣接するショッピングセンター「プレンティ」(ダイエーイオンフードスタイル・KOHYOなど出店)のリニューアルを迎える予定であり、これらの取組みが人口減少が続く神戸市の起爆剤となるか今後も注目が集まりそうだ。

エキソアレ西神中央(西神中央駅ショッピングセンター)

住所:兵庫県神戸市西区糀台5丁目9-4
営業時間:午前10時~午後8時(一部店舗除く)

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マルエイガレリア、2022年3月31日開業-旧丸栄百貨店跡、食中心テナントで賑わい見せた開業日

愛知県名古屋市中区栄の百貨店「丸栄(丸榮)」本館跡地に、暫定施設として複合商業施設「マルエイガレリア」が2022年3月31日に開業した。

マルエイガレリア。

400年以上の歴史が再び動き始めた丸栄

マルエイガレリアの前身である丸栄百貨店は1943年の企業整備令に伴う百貨店統合による十一屋と三ツ星の合併により生まれた。そのうち、十一屋は1615年に創業した「十一屋呉服店」を起源に持つ。
1953年の増築で誕生した村野藤吾設計の本館は、日本建築学会賞を受賞するなど、名建築として評価された。プリンセス大通側の外壁に描かれたモザイク壁画やエレベーター扉に描かれた東郷青児の絵画なども有名だった。

営業最終日の丸栄本館。

丸栄は経営不振により、2008年に製薬(コルゲンコーワ)などで知られる大手商社「興和」(名古屋市)と業務資本提携を締結。しかし、2017年2月期決算では3期連続の赤字を記録するなど慢性的な業績不振からは抜け出せず、2017年7月に興和の完全子会社入りしたのち2018年6月に閉店、将来的に近隣施設との一体的な再開発を目指すことが発表された。
マルエイガレリアはこの再開発までの「中継ぎ施設」となる。

閉店後の丸栄。

マルエイガレリアの開業により、栄では、約3年半ぶりに「丸栄」の名前が復活。呉服店開業から407年にも及ぶ長き歴史が再び動き始めた。

食中心の店舗に名古屋最大「無印良品」も

マルエイガレリアは3階建ての建物で、店舗面積は7784㎡。大和ハウスグループの大和ハウスリアリティマネジメントが運営する。
営業初日となった3月31日は、1階・2階のみと暫定開業となったものの、夜まで多くの客で賑わいを見せた。
建物は小さくなったものの、外壁には東海エリア最大級の大型LEDビジョンが設置され、team lab制作の永遠に変化する映像が映し出されている。

マルエイガレリアの大型LEDビジョン。
「営業最終日の丸栄本館」と同アングル。

1階には、食を中心としたテナントが多く出店。
核店舗は大阪発祥のスーパー「パントリー」が名古屋初出店で、自然にこだわった食材を数多く揃える。
「丸栄」が運営する新業態飲食店「KW THE KITCHEN WONDERLAND」では、カフェとレストランが併設され、自家製麺を使った自慢のパスタや、オリジナルのスイーツを楽しむことができる。

パントリー。


KW THE KITCHEN WONDERLAND。

手作りおはぎ専門店「ohagi3」の新業態店舗「ohagi3 FLAGSHIP SAKAE」はohagi3初のイートインがメインの店舗として出店。新商品を揃え、ロゴデザインも一新された。

ohagi3 FLAGSHIP SAKAE。

2階には、名古屋市内最大の売り場面積を誇る「無印良品」が出店する。
なお、隣接する商業ビル「栄スカイル」にも無印良品は出店しているが、そちらも営業を継続している。

無印良品。

3階は「レストランフロア」とし、5月26日にオープンする予定。ぐるなびプロデュースのフードホール「WYE」や高級焼肉店「叙々苑」などのテナントが出店する。

2階と3階を結ぶエスカレータの掲示。

地下鉄連絡口には「丸栄の名建築」の一部を展示

マルエイガレリアと隣接する地下街「サカエチカ」を結ぶ地下街連絡口には、丸栄百貨店のモザイクタイル壁画の一部が展示されるほか、丸栄百貨店時代に設置されたステンドグラスも継承された。

展示されているモザイクタイル壁画の一部。
「営業最終日の丸栄本館」の写真にあるタイル部分の一部。


丸栄百貨店のステンドグラスも継承。

将来的には「栄町ビル」などと一体開発へ

マルエイガレリアは、近い将来2021年に閉館した商業ビル「栄町ビル」とともに一体開発される計画が予定されている。そのため、マルエイガレリアは再開発までの暫定施設となる。

閉館した栄町ビル。

マルエイガレリアは今後10年ほどで解体・再開発する可能性が高く、隣接する「スカイル/メルサ」などを含めた周辺地域の今後にも大きな注目が集まっている。

マルエイガレリア

住所:愛知県名古屋市中区栄三丁目3番地1号
営業時間:10時~21時(パントリー)

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T-FACE、2022年3月25日リニューアル開業-豊田そごう・松坂屋跡、成城石井など出店で賑わった新装初日

愛知県豊田市の名鉄三河線豊田市駅・愛知環状鉄道新豊田駅前にある豊田市駅西口再開発ビル「豊田駅西ファッションビル t-FACE」のうち、2021年9月まで「松坂屋豊田店」が出店していた「t-FACE A館」1階から6階の全面改装が完了し、2022年3月23日にプレオープン・25日にグランドオープンした。

新装なったt-face。

「豊田そごう」開業から34年目の全面リニューアル

松坂屋豊田店の前身である「豊田そごう」は豊田市駅西口市街地再開発ビル「t-FACE」の核店舗として1988年10月に開店。t-FACE全館の店舗面積は39,477㎡。そごうは2000年7月のそごう経営破綻により営業面積が縮小されたのち2000年12月に閉店し、その後はt-FACE専門店街が増床された。

豊田松坂屋・エントランス。右はB館。

松坂屋豊田店は2001年10月25日に「t-FACE A館」に開店。松坂屋の店舗面積は18,000㎡。A館1階から6階まで(+催事場8階)に出店しており、そごうの百貨店面積よりも狭かった。
しかし、業績の悪化などを理由に2021年9月30日を以て閉店し、施設を管理する「豊田まちづくり」によって改装が進められていた。

豊田松坂屋・最終営業日。

成城石井・三越・コーナンなど各階「新コンセプト」に


外壁に設置されたテナント看板。

新装なったt-FACE A館のうち、1階は「デイリーフロア」。
核店舗として高品質な食材を扱うスーパー「成城石井」が出店する。惣菜店を集めたコーナー「おそうざいマルシェ」には、RF1のセレクトショップ「グリーン・グルメ」や、沖縄育ちのアイス専門店「ブルーシール」などが出店する。

デイリーフロアにはイートインコーナーも。


BLUE SEAL ICE。

ベーカリー「ドンク」や「ミニワン」は、松坂屋に引き続き再出店となった。
さらに、4月22日にオープンする食品売り場「T-Marche」には、松坂屋時代に出店していたお肉の専門店「スギモト」や鮮魚店「魚錠」、新たに出店する青果店「カネ井青果」などが出店する予定となっている。

再出店となったドンク。

2階は「上質な立ち寄りフロア」。
核店舗として、名古屋三越のサテライト百貨店「三越 豊田」が4月22日にオープンする。
三越の店舗面積は約1,900㎡。三越店内には、洋菓子「ゴディバ」や、レディースファッション「ウサギオンラインストア」などを始めとした18店舗のテナントが出店する予定。
このほか、松坂屋時代に出店していたカフェ「スターバックス」も出店している。

スターバックス前のウッドデッキ。

3階は「おとなライフスタイルフロア」。
アンタイトルド」や「エムズグレイシー」などの婦人服店のほか、眼鏡店「キクチ」や、靴下などの衣料品「フクスケ コラージュ」などが出店。コスメ・生活雑貨「ハウスオブローゼ」などは松坂屋時代からの再出店となる。

4階は「大型専門店フロア」。
ファストファッションの「coca」、インテリア雑貨の「ニトリ デコホーム」が出店するほか、4月22日には「GU」がオープンする。

coca。


ニトリデコホーム。

5階は「ホームセンター」フロアで「コーナン」が出店する。
コーナンでは、日用品、家電、ペット、園芸、DIY、インテリアなど幅広い商品を取り扱う。

コーナン。

6階は「とよた未来を育むラボ(愛称 Y LAB.)」と題し、なにかが変わるきっかけのフロアをコンセプトとした。
その一環として、コワーキングスペース「Yシェア」や、キッチンスタジオ併設の多目的ホール「Yスタジオ」などの新しいコンセプトのスペースが設けられた。
このほか、書籍の「丸善(MARUZEN)」やハワイのコーヒー「ライオンコーヒー」を提供する喫茶店の「RIC TOKYO」、PCデポの地域連携型新業態店「PCデポ 豊田くらしのデジタル館」などが出店する。

PCデポの新業態「くらしのデジタル館」。

豊田産木材を用いた内装に-そごうの名残も

今回のリニューアルに合わせて、外観は低層部が茶色に塗り直された。

最上階には松坂屋に変わり「t-FACE」のロゴが設置された。

2階の名鉄側入口も大きくリニューアルされ、館内は白系から茶色など暖色系に改装。ここには、香り豊かな豊田市の木材が内外装として多用された。
さらに、1階・2階には立ち寄りやすさと居心地の良さを追求した新たなエントランス(入口)を増設するなど、以前とは少し異なる雰囲気となった。

豊田市産の木が使われた内外装(2階スタバ前)。
プランターの土には松坂屋の廃材を活用したという。

その一方で、館内にはそごう時代の設備が昇降機を中心に継承されており、エレベーターの金色内装の他、扉開閉時に鳴動するチャピー(ピヨピヨ音)、そしてエスカレーターの金色の枠に赤いベルトなど、バブル期に開業したそごう独特の設備が引き続き継承されている。

6階エレベーターホール。


そごう時代のままのエスカレータ。

多くの客で賑わった開業日-式典は4月に実施

開業初日となった3月25日は朝から多くの人が詰めかけた。
開店時は1階および2階の名鉄側入口に分かれて整列するようになっていたが、1階は新たに増設された入口、2階は愛環線の駅側まで長い行列ができた。

朝から多くの客が並んだ。

開店式典などは2階「三越」が開店する4月22日に行われるといい、25日は特に挨拶などはなく開店。それと同時に多くの客が店内へとなだれ込んだ。

午前10時の開店と同時に多くの客が入店した。

ここ数年、松坂屋豊田店・t-feceの近隣には2020年に開業した「ららぽーと東郷」をはじめ2017年に開業した「プライムツリー赤池」、同じく2017年に建替え開業した「イオンスタイル豊田」など郊外型商業施設が相次いで開業しており、集客に陰りが見えつつあった。
今回のリニューアルオープンでは市内に唯一のテナントも数多く出店しており、再び「豊田市の玄関口の顔」として賑わうことが期待される。

t-FACE  豊田市駅西ファッションビル

住所:愛知県豊田市若宮町1-57-1
営業時間:10:00 – 20:00
(ごちそうダイニングは11:00 – 最大23:00)

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東武百貨店船橋店、2021年12月11日リニューアル開業-生鮮・グロサリー売場「FUNABASHIいちばんち市場」開設

千葉県船橋市のJR・東武鉄道船橋駅に直結する百貨店「東武百貨店船橋店」で進められていた全館リニューアル工事が2021年12月11日に完了し、目玉の1つである地下1階の生鮮食品・グロサリー売場が「FUNABASHIいちばんち市場」として同日にリニューアルオープンした。

東武百貨店船橋店。

船橋市唯一の地域密着型百貨店

東武百貨店船橋店は1977年10月7 日に開業。東武野田線(アーバンパークライン)船橋駅ビルも兼ねる建物は地下2階、地上8階建てで、売場面積は35,876㎡。
地域・沿線のお客さまの『マイストア』になりたい」をコンセプトに、2018年2月の西武船橋店の閉店以降は、船橋市唯一の地域密着型百貨店として営業している。

18年ぶり改装、「いちばんち市場」の由来は魚市場

改装の目玉は地下1階食品売場に「FUNABASHIいちばんち市場」を開設したこと。2003年以来、18年ぶりの改装となった。
「FUNABASHIいちばんち市場」の由来は、かつて船橋駅前にあった民営魚市場と、市街地にあった11の民営青果市場が生鮮食品の流通の拠点となっていたことを踏まえ、現在船橋駅前に店舗を構える同店が、かつての市場のように地域・沿線に暮らす人々の毎日の食卓を豊かに彩る場であり続けたいという思いから名付けたもの。また、売場の位置である「1番地」から「いちば(市場)」や「ちば(千葉)」、「いちばん(ナンバーワン)」などの語呂あわせで「いちばんち」と平仮名で表記したという。

「いちばんち市場」のサイン。

「地域密着」「ワンストップ」「ストレスフリー」掲げる

FUNABASHIいちばんち市場は「地域密着」「ワンストップ」「ストレスフリー」という3つのキーワードを掲げており、コンセプトは「高品質な商品を楽しく買い物できる場所」。

フロア構成。

まず「地域密着」の面では、千葉県や船橋市にゆかりのある商品が強化された。例として、グロサリー専門店「北野エース」では、食品メーカー「セゾンファクトリー」の船橋にんじんドレッシングや、海苔専門店「森傳」の海苔、煎餅専門店「森山清次兵衛」の煎餅などを展開。他にも千葉県関連商品には「We  LOVE千葉」のポップを貼るなど、県産品アピールを前面に出している。

船橋にんじんドレッシング。

他にも、青果専門店「船橋丸あ商店」では、地元船橋産の小松菜やほうれん草、かぶを強化展開し、精肉専門店「スギモト」では、恋する豚研究所の豚肉を展開するなど、生鮮・グロサリー共に充実した品揃えになっている。

船橋産のほうれん草と小松菜。

また、店舗内装には船橋市在住のイラストレーター小倉正巳氏のグラフィックを採用。1階1番地側の階段には同氏のグラフィックによるフォトスポットも登場し、売場に温かい印象を与えていた。

階段に設置されたフォトスポット。

ワンストップ」の面では、今までの青果・精肉・鮮魚・グロサリーに加え、新たに惣菜専門店「いい菜&ゼストプラス」が出店。さらに「北野エース」による酒コーナーの新設、全国銘菓選の移設により、1ヶ所で食料品全般をまとめて購入できる非常に利便性の高い売場が誕生した。

北野エース。

さらに、鮮魚・精肉売場では店舗の入れ替えも実施。鮮度の高い魚介類を全国から取りそろえた鮮魚専門店「魚力」と、千葉県初出店の精肉専門店「スギモト」が12月9日に先行オープン。同店は同社の店舗では関東最大級のスケールで登場した。

お肉の専門店スギモト。

ストレスフリー」の面では、以前は6台だったレジを10台に増強。更に、メイン通路を2400mmから2700mmに拡張し、より多くの顧客が利用しやすい売場に生まれ変わった。
この他にも、スーパーメイトの抗菌・抗ウイルス加工のカートとカゴを百貨店で初導入し、耐久性・防汚性の高いセラミックタイルを採用することにより、より清潔で安心・安全に買い物できる売場にもなっている。

多くの買い物客でごった返した開業初日

グランドオープン初日となった12月11日は、休日ということもあり、10時の開店と同時に老若男女問わず幅広い客が訪れ、歩行が困難になるくらいの混雑ぶりとなった。
とくに鮮魚専門店「魚力」は開店2,3時間後も周辺がごった返した状態が続くほどの人気であった。更に惣菜・菓子などの売場も協賛セールを行っており、こちらも人気を博していた。

人でごった返す売場。

上層階も「地域密着型」へリニューアルが進む

東武百貨店船橋店では、地階以外においても2020年より全館でフロア刷新を進めており、新規オープンしたテナント、リニューアルしたテナントが多数存在している。
ここでは主な改装・リニューアル内容、新規出店店舗などを紹介する。

7階

全国の名店のラーメンが月替わりで食べられる飲食店「諸国ラーメン紀行」が2021年3月にオープン。

6階

書籍「旭屋書店」が5階から移設し、文具売場も新設し2020年11月20日にリニューアルオープン。
これに合わせ、紳士雑貨売場やイージーオーダースーツ売場、アウトドアウェア「エーグル」も2020年9月にリニューアルオープン。更に、旅行用品の「エース」も地階より移設した。

旭屋書店。


紳士雑貨売場。

5階

ファストファッションの「ユニクロ」が2021年3月12日、大型靴店「ABCマート」が2021年4月24日、子供写真館「スタジオマリオ」が2021年7月16日にそれぞれオープンした。
これに合わせ、子供服「メゾピアノ」「メゾピアノJr」「ポンポネットJr」「クレードスコープ」「センスオブワンダー」、茶道具売場、印章「平安堂」、和雑貨「鳩居堂」、メガネ「JINS」も2020年秋にリニューアルオープンした。

イトーヨーカドーより移転したユニクロ。

4階

婦人服・生活雑貨「ローラアシュレイ」が2021年2月13日にオープン。タオル・パジャマ「ファビュラスタイル」が2020年9月17日にオープン。
他にも、地下1階から介護用品の「カインドウェア」、パジャマの「荒川」「ワコールらくらくパートナー」、婦人服の「生き活き倶楽部」が2021年7月に移設。
また、婦人服の「クレッシェント」「詩仙堂」「デシグアル」「銀座花菱」「KBファー」や、ゴルフウェアの「アダバッド」「ピッコーネ」もリニューアルオープンしている。

ローラアシュレイ。

1階

化粧品「アヴェダ」が2021年2月26日にオープン。
他にも、2021年6月24日に化粧品「ファンケル」、ハンドバッグ「マザーハウス」が2021年7月29日に、婦人靴売場や「銀座ヨシノヤ」が2021年春にリニューアルオープン。
また、免税カウンターお買い上げ品一時預かり所遺失物拾得承り所が2021年春に地下1階から移設されている。

売場が2倍になったマザーハウス。

地下1階

ドラッグストア「マツモトキヨシ」が2021年5月30日に、洋菓子の「ベルプラージュ」が2020年9月にそれぞれオープンした。
この他にも、海苔・茶・佃煮売場やカタログギフト売場も2021年春にリニューアルオープンしている。

マツモトキヨシ。

全館の「地域密着」強化で生き残りを図る

東武百貨店船橋店では、今回のリニューアルに先駆けて2017年のビックカメラを導入。それ以来、生活に必要なものがワンストップで購入できる場所をコンセプトにフロア刷新を続けてきた。
今回の改装では、同店の強みの一つである食品部門がさらに強化され、日常的な利便性が大いに向上した。
新型コロナの影響や競合店との競争の中で、今後どれだけ地域・沿線住民の支持を得られる店舗を作ることができるかが同店の生き残るキーワードになるであろう。

「FUNABASHIいちばんち市場」テナント概要
  • 木更津 厚生水産(塩干・魚惣菜)
  • 魚力(鮮魚)
  • 船橋 丸あ商店(青果)
  • 九州屋(青果)
  • 北野エース(グロサリー)
  • 人形町今半(精肉)
  • お肉の専門店スギモト(精肉)
  • いい菜&ゼストプラス(惣菜)
  • 全国銘菓選
東武百貨店船橋店 FUNABASHIいちばんち市場

住所:千葉県船橋市本町7-1-1 地下1階
営業時間:10時~20時(FUNABASHIいちばんち市場)
※営業時間は各階・売場で異なる。

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JR九州×呪術廻戦、2022年2月下旬まで開催-ラッピング列車や目玉企画の特急も

JR九州(本社:福岡市博多区)は、アニメ「呪術廻戦」とのコラボキャンペーンを2021年12月1日から開始。コラボの“目玉企画”として、1日限りの特急「呪術廻戦(JUJUTSU KAISEN)」を12月4日に運行した。

特急「呪術廻戦(JUJUTSU KAISEN)」。
883系はアニメ、885系は劇場版ビジュアルが採用されたという。

1日限りの特急と同じラッピングを施した車両は2022年2月下旬まで運行、コラボは同年2月28日まで開催される予定。

呪術テーマの注目作品

呪術廻戦は2018年に週刊少年ジャンプで連載開始。呪術高等専門学校(呪術高専)を舞台に呪術師が呪霊を祓うストーリーが話題を集め、2020年10月にはTBS(MBS)系全国ネットでアニメ化。同時期のジャンプ連載作品「鬼滅の刃」に匹敵する注目作品として一大ムーブメントを引き起こしている。

映画化にあわせ九州全域でコラボ展開

コラボキャンペーンは呪術廻戦の前日譚を映画化した「劇場版 呪術廻戦 0」(12月24日公開予定)に合わせたもの。コラボの一環として、11月24日からは「885系かもめ・ソニック」、12月1日からは「883系ソニック」を活かしたラッピングトレインの運行を開始。(博多~長崎/博多~大分・佐伯間)
加えて、GPSチェックインによるデジタルスタンプラリーやARアプリ(COCOAR)によるAR記念撮影、D&S列車(デザイン&ストーリー列車)へのリアルスタンプ設置といった企画を実施している。

4日には特急「呪術廻戦」運行、記念式典も

今回のコラボキャンペーンを記念して、12月4日には1日限りの特急「呪術廻戦(JUJUTSU KAISEN)」(博多~長崎/1往復)を運行。運行に先駆け、午前10時から博多駅ではJR九州上符友則営業部長、鐘ヶ江理恵博多駅長らが参加する「特急「呪術廻戦」出発式」が行われた。

特急「呪術廻戦」出発式。

式典では1日限りの特急を“目玉企画”としてアピール。JR九州担当者は「(東宝との調整を経て)イメージ以上のものが仕上がって本当によかった。」「このプロジェクトを通して、列車や駅を色々な方にご利用いただきまして、九州のいろいろな所にお出かけいただいて、地域を元気にできれば。」、東宝映像事業部担当者は「集英社やmappa、委員会各社と大きなプロジェクトにしたいと考えていたが想像を超える勢いで感慨深い。」「呪術廻戦号のようにいいスタートをきりたい。」と期待を寄せた。

いいスタートをきった特急「呪術廻戦」。

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ラオックス BEAUTY AIRPORT自由が丘店、2021年12月3日開店-LaOX「アジアコスメ専門」新業態

東京都世田谷区の九品仏川緑道沿い、東急東横線・大井町線自由が丘駅(目黒区)近くに、ラオックスのアジアコスメ専門店「LAOX BEAUTY AIRPORT自由が丘店」が2021年12月3日に開店する。LAOX BEAUTY AIRPORT自由が丘店。

ラオックスの新業態1号店、自由が丘に

店舗は自由が丘南口徒歩1分に立地するビルの1階に入居。売場面積は約112㎡。韓国コスメ83ブランドを中心に、中国コスメ9ブランド・タイコスメ5ブランド・台湾コスメ3ブランドの計100ブランド、1200アイテムを品揃えする。
店舗のコンセプトは「空港」で、「アジアコスメとの新しい出会いがあり、美への旅立ちがある場所」を表現。内装は韓国のデザインハウスに依頼したという。店内の様子。空港をイメージした内装となっている。

客層は若い女性だけではなく、10代から50代以上の幅広い層を想定。「関心はあるけど店頭のつくりや客層、雰囲気が若者向けで入りにくい」という中高年の顧客でも気軽に入れるような店舗づくりを目指した。
実店舗では日本初上陸となる商品として、タイの「4U2(フォーユーツー)」のアイシャドー・チークなど、韓国の「beplain(ビープレイン)」のスキンケア商品、中国の「joocyee(ジューシー)」の夏禅シリーズ・遊染シリーズ、韓国の「keenonics(キノ二クス)」の美容液・ファンデーションなど、韓国の「Matier(マティエ)」のマルチパレットを揃えている。入ってすぐに、左からbeplain、joocyee、4U2の商品を品揃え。

実店舗でコスメ専門店を開いた理由について、ラオックスは「コスメは使ってみないとわからない。いろいろ発色や使い心地を試して使えるのが実店舗の利点」(広報担当者)と語り、店内には座って試せるタッチアップスペースが設けられている。タッチアップスペースはコックピットをイメージしたという。

ラオックスの2つの新業態、成長なるか

ラオックスは2009年より外国人向けの免税店を展開、中国人観光客の「爆買い」などにより業績を伸ばしていたが、コロナ禍で外国人観光客が激減し苦しい経営状態となっている。打開策として吉祥寺にアジアン食品専門店を2021年11月に開店しており、このアジアコスメ専門店は2つ目の新業態となる。アジアコスメ専門店については「2号店の場所はほぼ決まっている」(ラオックス社長)と言い、順調に進めば2022年1月末から2月あたりに開店するとしている。
2つの新業態でラオックスは再び成長することができるか、この店舗はラオックスの将来を占う試金石となるであろう。取材に応じるラオックス飯田健作社長。

LAOX BEAUTY AIRPORT自由が丘店

住所:東京都世田谷区奥沢5丁目26番12号
営業時間:11時~19時30分

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フラッグクルメ 、2021年11月5日商業フロア開業-旧・久留米岩田屋新館、核テナントは「フードウェイ西鉄久留米駅前店」

福岡県久留米市の西鉄久留米駅前に直結する「千歳プラザ東館」に、複合施設「FLAG KURUME(フラッグ クルメ)」の商業フロアが2021年11月5日に開業した。

フラッグクルメ。

西鉄久留米駅前「岩田屋新館」、リオHDが再生

千歳プラザ東館は、1983年8月に「西鉄久留米駅東口第一種市街地再開発事業」の一環として開業。建物は地上9階地下3階建。
開業以来、地上低層階(1~4階)に百貨店「岩田屋久留米店(久留米岩田屋)」の新館、地上高層階(5階~9階)に地場資本のシティホテル「ハイネスホテル久留米」が核店舗として出店していたが、2019年3月に岩田屋が千歳プラザ東館から撤退したため、地上低層階が空きフロアとなった。(岩田屋久留米店本館は売場集約を経て営業継続中

かつての岩田屋久留米店。

2020年には資産管理会社「リオ・ホールディングス」(本社:東京都千代田区)が岩田屋営業フロア跡の大半を取得し、同年中を目処にオフィスビルとしてリノベーションする方針を発表。2021年3月の改修工事完了を機に「FLAG KURUME」として新たなスタートを切った。

岩田屋とFLAG KURUME。

以後、FLAG KURUMEでは、福岡県の「新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場」(同年9月15日~10月29日)導入など、駅直結という立地を生かした施設運営を行っている。

1階には久留米初の「フードウェイ」

FLAG KURUMEの1階には、地場大手食品スーパー「フードウェイ」(本社:福岡市早良区)の「フードウェイ西鉄久留米駅前店」が出店。
フードウェイ西鉄久留米駅前店。

フードウェイ西鉄久留米駅前店では「生鮮強化型スーパーマーケット」を掲げる同社店舗として、生鮮部門には子会社(ミートインハイマート)の精肉売場「牛蔵」に加え、新横浜プリンスペペ店やサクラマチ店など主力店舗で導入実績のあるチーズの対面販売を導入。あわせて、成城石井PB商品を始めとするこだわりの逸品コーナーを導入するなど、生鮮食品・グロサリーともにこだわりある店舗となった。
フードウェイでは11月8日まで開店記念セールを実施。開業初日は「お肉の福袋」や「焼きそば2割引き」「たこ焼き2割引き」などが人気を集めた。
なお、このほか館内地階に以前より出店している「ダイソー」「京都きもの友禅」「ヒーリングスタジオクローバー」と地下2階駐車場も営業を継続している。

2~4階はテナントとして事務所や学習塾など入居

FLAG KURUMEの2階には通信制高校サポート校「トライ式高等学院久留米キャンパス」と医療介護教室「ニチイ学館福岡校」「ニチイ学館久留米校」「ニチイ学館久留米支店」が入居。3階にはアルミ建材メーカー「YKK AP久留米支店」と地場資本の保険コンサルティング「ほけんのマルシェ(総合保険)」が入居。4階にはSOMPOグループの「損害保険ジャパン久留米支社」「SOMPOひまわり生命保険久留米支社」、就労移行支援事業所「BitPit久留米」が入居するなど、当初の計画通りにオフィスフロアとなった。
2021年11月現時点においても、一部区画は工事中となっているが、2022年春を目処に婦人科・不妊治療クリニックが開院予定であり、久留米の玄関口を代表する施設のひとつとして全面開業が待たれる。

西鉄久留米駅前の千歳プラザ、再生なるか

リオ・ホールディングス(リオ・コンサルティング)は、千歳プラザ東館(FLAG KURUME)に隣接する複合商業施設「千歳プラザ西館(ファッションプラザ・リベール)」についても、社会医療法人天神会(本部:福岡県久留米市/古賀病院グループ)と共同で権利の取得を進めている。
千歳プラザ(西館・東館)の権利(一部)を所有する久留米市の第3セクター「久留米都市開発ビル」は、2012年の民事再生計画期間終了後も経営不振が常態化しており、FLAG KURUMEを手掛けるリオ社と天神会が久留米市の債権(土地建物)を譲受するかたちで、一体的に再生を図っていくものとみられる。

FLAG KURUME(フラッグ クルメ)

住所:福岡県久留米市天神町6番地
営業時間:午前9時~午後10時(フードウェイ)

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プラットモール長崎、2021年10月29日開業-長崎西洋館となりにJR西日本系モール

長崎県長崎市の原爆資料館電停前にショッピングセンター「プラットモール長崎」が2021年10月28日にプレオープン、10月29日にグランドオープンする。

プラットモール長崎。

三菱社宅跡、JR西日本系の商業施設に

プラットモール長崎が出店するのは、浜口町電停(当時)前にあった三菱重工の社宅跡地。
プラットモール長崎の建物は5階建て、売場は1階から3階で、延床面積は19,165㎡。運営は「JR西日本プロパティーズ」で、同社による九州初の商業施設となった。

フロア案内。

1階には核店舗として佐世保市に本社を置くスーパーマーケット「エレナ プラっとモール長崎店」(※公式表記)が出店。エレナでは長崎和牛や雲仙うまか鶏など地元産品を充実。Takano Farmのドライフルーツは長崎県唯一の取り扱いとなる。また、店内にはベーカリー「ブレッドハウス」が併設される。

エレナ。

そのほかドラッグストア「ココカラファイン」(調剤併設)、喫茶「コメダ珈琲店」が出店。1階には空きスペースがあるため、今後新規テナントの導入が期待される。

エントランス。

2階・3階にはもう1つの核店舗として「ニトリ」の長崎市1号店が出店する。店舗面積は5,781㎡。ニトリは近隣にある都市型ショッピングモール「みらい長崎ココウォーク」に小型店「デコホーム」業態として出店しているが、長崎市への大型店出店は初となる。

隣接する商業施設「長崎西洋館」との回遊にも期待

プレオープンを迎えた10月28日は多くの人が詰めかけ、とくにエレナでは敷島製パンの饅頭「エレナなごやん」が配られるなど賑わいを見せた。エレナは長崎市中心部には店舗が少ないため、会員カードを作る客も多かった。
隣接する長崎電気軌道の商業ビル「長崎西洋館」では偶然入居店の「寿司半額セール」が行われていたこともあり両店を回遊する客も多かったと思われ、プラットモールの開業は競合テナントが少ない(アパレル店・飲食店街が中心の)長崎西洋館の活性化にも繋がりそうだ。

電停に直結する。

プラットモール長崎

住所:長崎県長崎市川口町70番6
営業時間:9時~22時(エレナ)

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三越徳島、2021年10月15日1期開店-そごう跡・アミコにポップアップSHOP、新テナント出店も相次ぐ

徳島県徳島市のJR徳島駅前にある複合商業ビル「アミコ」にあった百貨店「そごう徳島店(徳島そごう)」跡に、新たな核店舗として三越伊勢丹HDの子会社「高松三越」運営の「三越徳島」が2021年10月15日10時に「高松三越ポップアップショップ」として1期開店した。

高松三越POP UP SHOP。

三越出店に合わせエントランスなど改装したアミコ

高松三越が出店するのは「アミコ東館」のそごう跡のうち2階と5階、合わせて約2,510㎡。10月15日は1期開業として、2階の一部が「高松三越ポップアップストア」として開店を迎えた。

新装されたエントランス。

アミコのエントランスにあったそごうのシンボル「世界の人形時計」は撤去され、正面玄関はガラス張りにリニューアルされた。一方で、10月時点では建物に看板などは設置されておらず、ライオン像も設置されていない。

10月時点では建物には看板などは設置されていない。

そごう跡2階「高松三越ポップアップ」として1期開業

三越の開店日となった15日は朝から10数人が店舗前に並んだ。
開店式典などはなく、10時のアミコ開店とともに三越も開店を迎えた。店内では婦人雑貨、生活雑貨、食品などを販売。まだ一部のみしか完成していないため売場は1,000㎡程度に留まるものの、高級感ある三越らしい内装となっており、久々の「百貨店」はどういったものか見定める客の姿がみられた。

三越徳島・1期開業エリア。

三越徳島では、11月17日よりお歳暮ギフトサロンが開設されるほか、今後2022年春までに2階の残り部分と5階の売場が順次開業する予定としている。

アミコ、三越出店に合わせて新テナントも

アミコではそごう跡に新店舗やポップアップストアの出店が相次いでおり、10月1日には3階に婦人アパレル「INED・7-IDconcept・イッツインターナショナル」が、7階に「徳島新聞カルチャーセンター」が、15日には4階に高級ヴィンテージピアノ店「グランドラグジュアリーサウンド」などが開業したほか、11月中には地階にスイーツコーナーが設けられる予定となっている。

三越に合わせて開店した高級ピアノ店。

これ以外にも「ロフト」「紀伊國屋書店」「無印良品」や屋上遊園地など、そごう閉店後も多くの専門店が営業を継続している。

多くのテナントがそごう時代から営業を続ける。


百貨店テナントが営業を続ける3階。

アミコでは、三越徳島の開業に合わせて10月15日から「秋のアミコスペシャルウィークス」を開催。各店舗でセールやイベントが開催されている。

三越徳島(高松三越 徳島店)
※10月時点では「高松三越POP UP SHOP」

住所:徳島県徳島市寺島本町西1丁目5番地
営業時間:10時~19時

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