別府タワー、2021年3月に新会社が購入-市内の不動産会社の運営に

大分県別府市のトキハ別府店近くにある観光タワー「別府タワー」が、2021年3月に別府市内の不動産会社に売却された。

別府タワー。

東京タワーの兄だった別府タワー

別府タワーは1957年に別府市内で開催された博覧会に合わせて「別府観光センターテレビ塔」として開業。高さは約100メートルで、名古屋テレビ塔・通天閣・さっぽろテレビ塔・東京タワー・博多ポートタワーを設計した「塔博士」である内藤多仲氏が3番目に設計したタワーで、東京タワーの兄貴分でもあった。しかし、テレビ塔としての運用はなされず、観光タワーとして営業することとなった。

タワーからの眺め。

1988年には、当時スポンサーであったナショナルからの広告契約が切られるのに合わせ、日本鉄塔系から大分県内でパチンコ店「タイホー」などを運営する「大鵬レジャー産業」が買収、同グループの運営となった。その後、広告は「朝日ソーラー」「アサヒビール」と変化した。
また、避雷針の交換により、高さは約90メートルとなった。

アートイベント「別府タワー地蔵」。

3月現在、別府タワーの館内にはカフェバーやカラオケ店などが入居。公式キャラクターとして「別府三太郎」と「別府タワーちゃん」も活躍している。

別府タワーちゃん(「Vクリエイト」公式より)。

一方で、新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年には1階の主要テナントであった「おおいた温泉座(サラヴィオ化粧品・サラビオ温泉微生物研究所)」などが閉店していた。

別府市内の不動産会社が買収、運営継続へ

今回、別府タワーを買収するのは別府市内に本社を置く「開世通商」。同社は傘下のカイセイプロパティーズなどと共に大分県内を中心に各地に不動産を所有。また、商店街の空き店舗活用や、観光施設の運営・再生事業(別府アートミュージアム、稲積水中鍾乳洞など)もおこなっている。

開世グループが所有するセブンイレブン。
商店街の空きスペースを活用しての出店。

地元メディアによると、買収額は約5億円。別府タワーは同社の傘下となり、今後は一部リニューアルをおこないながら運営を続けるものとみられる。

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