鳥取大丸、2022年8月31日19時閉店-72年の歴史に一旦幕、最終日は後継「丸由」に向けた式典も

鳥取県鳥取市の鳥取駅前にある大丸松坂屋百貨店系の地場百貨店「鳥取大丸」が2022年8月31日午後7時をもって閉店した。

最終日の鳥取大丸。

山陰初の百貨店、原点回帰で「大丸」としての歴史に幕

鳥取大丸は、1937年2月に地場老舗呉服店「由谷呉服店」を前身にもつ百貨店「丸由百貨店(まるゆ百貨店)」として設立・創業。
戦後は1949年12月に関西地盤の大手百貨店「大丸」(現大丸松坂屋百貨店)と資本業務提携を締結し現在の店名に改称、1975年に現店舗(地上5階地下2階建、店舗面積11,973㎡、黒川紀章設計)への移転増床を実施したが、郊外型店との競合もあり業績が低迷した。
経営体質改善のため、鳥取大丸は2018年7月に「日の丸グループ」と「山陰合同銀行」系列のファンドが出資する新会社に運営を移行したが、2022年5月には大丸松坂屋とのライセンス契約満了のため「丸由百貨店(まるゆう/OYOU)」への商号変更を発表。
2022年8月31日をもって鳥取大丸としての72年の歴史に幕をおろすこととなった。

大丸閉店当日は記念式典、インスタライブでの配信も

鳥取大丸閉店当日の8月31日は台風11号の接近により天候が悪化。店内は昼過ぎまで客数もまばらであったが、営業終了時刻までに次第に増加。断続的な降雨のなか、閉店式典会場のバードハットや歴史展開催中の5階 TOTTORI PLAY’S(トットリプレイス)では、鳥取大丸最後の日を惜しみ、その姿を見届ける地元の買物客や学生であふれかえった。

最終日の鳥取大丸。

19時過ぎに行われた閉店式典では、岡周一鳥取大丸社長を始め売場各部門のスタッフが玄関前に登場。岡周一社長は「5月の商号変更発表後は「残念だ」というお声もいただきましたが、それ以上に励ましの言葉や期待の言葉を頂戴致しました。」「鳥取で暮らしておられる多くの皆様とともに新しい百貨店を目指してまいります。」とコメントし、鳥取大丸時代から続く関係各所への御礼と丸由への引続きの支援、ご愛顧を求めた。

鳥取大丸の閉店式典。

鳥取大丸、わずか3日で新百貨店「丸由」へ

鳥取県内では同店と同じく、日の丸グループ出資による百貨店「米子大丸」も営業していたが、天満屋への事業譲渡と郊外移転のため1990年をもって閉店しており、これで山陰から「大丸」が消滅することとなった。
鳥取大丸は、9月3日には新商号「丸由百貨店」としての営業を開始する。

丸由百貨店(旧鳥取大丸)

住所:鳥取県鳥取市今町2丁目151
営業時間:午前10時~午後7時(2022年9月3日開業予定)

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