カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

読売ジャイアンツ、稲城に新ファーム球場を建設-商業機能を備えた複合施設に

プロ野球「読売巨人軍」は、稲城市の南山東部地区に新たなファーム球場を中心とする複合施設「TOKYO GIANTS TOWN」(仮称)を新設すると発表した。2021年3月末に着工予定で、2023年末の完成を目指す。
imageTOKYO GIANTS TOWN(仮)のイメージ図。

商業施設も併設の「ボールパーク」

「TOKYO GIANTS TOWN」は、現在の読売ジャイアンツ球場(川崎市多摩区)に隣接し、近年宅地開発の進む稲城市南山東部地区の一角に建設される。
新ファーム球場では、天然芝の観客席やテラス席、デッキ席と言った一軍球場さながらの多様な客席を整備。さらに、球場に隣接して商業施設を併設することで、野球場と都民の憩いの場としての機能が融和した、総合的な「ボールパーク」づくりを目指す。
image新ファーム球場には一軍球場さながらの客席が整備される。

なお、新球場の完成後、現在ファーム球場として使用されている読売ジャイアンツ球場は、主に3軍チームのグラウンドとして使用する予定となっている。
(画像は公式サイトより)

外部リンク:読売巨人軍・ファーム球場の新設と「TOKYO GIANTS TOWN」構想について(読売巨人軍公式サイト)

イオン江北店、食品売場を「ザ・ビッグ」転換-近隣の「旬鮮市場」統合・閉店で

マックスバリュ九州は佐賀県江北町の総合スーパー「イオン江北店」館内に食品ディスカウントストア「ザ・ビッグ」を11月30日に開店させる。
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イオン江北店(看板更新前)。

九州初となる総合スーパー内ディスカウントストア

イオン江北店は1993年開業。平屋建てで、本館の売場面積8,900㎡(イオン直営売場は7,162㎡)。
売場の大半を占めるイオン九州直営の総合スーパーと、婦人服「タツミヤ」、100円ショップ「ダイソー」、ゲームコーナー「ゆうゆうパーク」など13の専門店で構成される。
国道34号線に面した位置に出店しており、近隣のホームセンター「ホームワイド」(イオン九州運営)とともにJR肥前山口駅周辺の商業ゾーンを形成している。
本州ではイオン石和店(山梨県笛吹市、旧・石和サティ)の食品売場にザ・ビッグを導入する例などがあったが、九州では初の事例となる。

近隣の旬鮮市場は閉鎖、相次ぐ業態転換でブランド消滅か

イオン江北店のリニューアルに合わせ、近隣でマックスバリュ九州が営業していた食品スーパー「さが旬鮮市場 江北店」が11月26日をもって閉店する。
さが旬鮮市場は佐賀県地場中堅スーパー「クリエイト」が運営していたが、2013年にマックスバリュ九州の子会社になり、その後吸収合併されて「ザ・ビッグ」への業態転換が進められていた。
しかし、イオンにザ・ビッグが出店することから、旬鮮市場江北店の業態転換は行わず、そのまま閉店する形となった。
江北店の閉店により、「旬鮮市場」はみやき町の中原店のみとなり、いずれ商号は消滅するとみられる。

外部リンク:イオン江北店公式ホームページ
外部リンク:~くらしに便利、毎日来ていただける店をめざして~イオン江北店11月30日(水)リニューアルオープン(イオン九州)
外部リンク:イオン江北店11月30日(火)リニューアルオープン(マックスバリュ九州)
外部リンク:イオングループの食品ディスカウントストア「ザ・ビッグ江北店」オープン(マックスバリュ九州)

東急グループ、「渋谷ストリーム」「渋谷キャスト」の概要を発表-渋谷川も復活へ

東京急行電鉄と東急不動産は、渋谷駅周辺で計画されている大規模再開発のうち、2017年春開業予定の「渋谷宮下町計画」と2018年秋開業予定の「渋谷駅南街区プロジェクト」の概要を発表した。
image渋谷駅周辺の大規模再開発。
今回発表されたのは⑤の宮下町と②の渋谷駅南街区。

宮下町アパート跡地の複合施設「渋谷キャスト」
-1階には東急ストアなどが出店へ

宮下公園にほど近い都営宮下町アパート跡地を再開発する「渋谷宮下町計画」では、地下2階、地上16階建ての複合施設「渋谷キャスト」が2017年春に開業する。
image渋谷キャスト。

1階にはショッピングエリアが設けられ、東急ストアの展開する小型スーパーや、レストラン、ファッション雑貨店など、「“日々”のライフスタイルを彩る」3店舗が出店する。
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東急ストアの小型店が出店するショッピングエリア

1階の一部と2階はシェアオフィス、2階から12階は事務所となる。
13階から16階には80戸の都市型賃貸住宅「渋谷キャスト アパートメント」が入居し、かつての都営宮下町アパートが担っていた住宅機能を復活させる。また、このアパートには「クリエイター向け」の部屋も設けられるという。

旧東横線渋谷駅跡地の超高層複合ビル「渋谷ストリーム」
-ホテル、ライブハウスも入居

「かまぼこ駅舎」として親しまれた旧東急東横線渋谷駅とその周辺を再開発する「渋谷駅南街区プロジェクト」では、高さ180mの超高層複合ビル「渋谷ストリーム」が2018年秋に開業予定。
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渋谷ストリーム。

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東横線渋谷駅跡。手前には駅跡の鉄橋が残る。
タワークレーンの場所に「渋谷ストリーム」が建設される。
ちなみに欅坂46「サイレントマジョリティー」のPV撮影に使われた工事現場でもある。

1階から3階は店舗面積約3,000㎡の商業施設が入居。1階は渋谷川沿いでゆったりと時を過ごせる水辺空間、2階は路面感覚の店舗が軒を連ねるストリート、3階は会話を楽しむ大人たちの溜まり場と、それぞれ特色あるフロアコンセプトを抱える。
image商業施設イメージ。

4階には、コワーキングスペースとスモールオフィスで構成されるインキュベーションオフィス、新たなワークスタイルとしての自転車通勤をサポートするサイクルカフェ、多目的広場が設置される。
9階から13階は客室数約180室のシティホテルが入居。運営者は株式会社東急ホテルズを予定している。
14階から35階はオフィスとなる。また、ビルに隣接してスタンディング700人のホール(ライブハウス)を建設。ライブイベントだけでなく新商品発表会やファッションショーにも最適なホールとなる。

暗渠の渋谷川、再整備で「渋谷の新しいオアシス」に

また、現在は暗渠となっている渋谷川が、水景施設の整備によって開渠となって復活する。渋谷川上空には川のせせらぎが感じられる2つの広場を整備し、様々なイベントを行うという。
こちらも、渋谷の新しいオアシスとして人気を呼びそうだ。
image復活する渋谷川。

追記:核テナントとしてGoogle日本法人が進出する。詳しくは下リンク。

Google日本法人、「渋谷ストリーム」のオフィス全床に2019年移転-9年ぶりの渋谷復帰

(完成予想図は東急グループプレスリリースより)
外部リンク:渋谷駅周辺地区における再開発事業の進捗について(東京急行電鉄)
関連記事:「東急プラザ渋谷」跡、再開発起工-2019年度完成予定
関連記事:新・渋谷駅ビル東棟に屋上展望台-2019年完成予定
関連記事:渋谷マルイで「ご注文はOIOIですか??」開催-サブカル系コンテンツに注力する丸井

JR北海道、3路線を廃止する方針-日高本線、夕張線に続き

JR北海道が、新たに赤字3路線の廃止協議に入ることを決めたことが分かった。
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廃止方針区間の主力車両であるキハ40形。

廃止方針の路線、いずれも輸送密度200人以下

今回、沿線自治体などとの廃止協議に入る方針が発表されたのは、札沼線(学園都市線)の北海道医療大学-新十津川間根室本線富良野-新得間留萌本線深川-留萌間
3区間はいずれも1日の輸送密度が200人/kmを下回り、大きな赤字を出していたほか、根室本線の同区間に関しては、2016年夏の台風被害により一部が不通となっている。
また、留萌本線ではほぼ平行するかたちで深川留萌自動車道の建設が進んでいる。

10路線についても地元の支援求めるー道内路線の大部分

さらに、JR北海道では1日の輸送密度が2000人/kmを下回る宗谷本線の北部(稚内-名寄)、根室本線の末端部(花咲線)、釧網本線など10路線についても「単独では存続することが困難」として、地元自治体などに対して費用負担を求めていきたいとしている。
今後廃止される可能性の高い3路線、今後廃止協議に入る3路線、単独では存続が困難とされる10路線を合わせると、JR北海道の全路線の半分以上にも達する。

規模縮小続くJR北海道、公共交通維持には公的支援必須に

JR北海道では、これ以外にも1994年5月に上砂川支線を、1995年9月に深名線を、2014年5月に江差線を廃止(一部は並行在来線として2016年3月に廃止)。急速な合理化を推し進めているものの、近年も毎年約300~400億円前後の赤字を出しており、北海道新幹線の新函館北斗開業に伴う2016年3月25日のダイヤ改正においても、合理化のために普通列車79本を減便、8駅を廃止、無人駅も大幅に増やしていた。
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2016年12月に廃止される留萌本線末端部(増毛駅)。

今後、JR北海道は2016年12月に留萌本線のうち増毛-留萌間を廃止することを決めている。
また、石勝線夕張支線は地元自治体(夕張市)が廃止を容認する動きを見せているほか、日高本線のうち鵡川-様似間も地元自治体との廃止協議中であるという報道がなされている。

関連記事:JR日高本線の大部分、廃止協議へ-災害により長期不通
関連記事:JR夕張支線の廃止、夕張市が容認する方針へ

関連記事:留萌本線・留萌-増毛、12月4日の運行を以て廃線に

マルキョウ、西鉄との資本提携解消へ

九州大手の地場スーパー「マルキョウ」(福岡県大野城市)は10月21日に大手私鉄「西日本鉄道」(福岡市中央区)との資本提携を解消すると発表した。
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マルキョウ雑餉隈本店(福岡市博多区)。

福岡の老舗スーパー連合、3年で幕

マルキョウは1964年に福岡市雑餉隈(ざっしょのくま)で創業。現在は福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県に展開している。
近年はスーパーセンターやディスカウントドラッグストアとの競合から売上が減少傾向にあったため、2013年に「にしてつストア」「スピナ」を展開する西鉄ストア(1969年創業)との提携を発表。西鉄ストアの親会社である西日本鉄道がマルキョウの発行株式の10%を保有する資本・業務提携を締結していた。

西鉄沿線の店舗網に強みを持つ西鉄ストア。(福岡市南区)

西鉄グループは2006年に新日本製鐵傘下の食品スーパー「スピナ」(北九州市)を、2011年に食品スーパー、酒販店を展開する「あんくるふじや」(佐賀市)を買収するなど小売事業の強化を推し進めていた。
8月には福岡県岡垣町のスーパー大栄(現在はイズミ傘下)跡地に出店するなど、店舗網の拡大を進めている。

西鉄との関係はどうなる?共同仕入れなどは当面継続予定

マルキョウは7月、「丸久」(山口県防府市)、「マルミヤストア」(大分県佐伯市)を傘下に持つ共同持株会社「リテールパートナーズ」との経営統合を発表しており、西日本鉄道との資本・業務提携の今後に注目が集まっていた。
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リテールパートナーズの店舗(マルミヤストア、JR別府駅1階)。

今回の資本提携解消により、西日本鉄道は保有するマルキョウ株全株(1,568,000株)を、リテールパートナーズに売却する予定。
一方で、マルキョウは資本提携解消以降も、当面は営業支援・共同仕入れ面で西日本鉄道との業務提携を継続する方針を発表している。

関連記事:マルキョウ、リテールパートナーズ(丸久・マルミヤストア)と経営統合へ
外部リンク:資本提携の解消及び業務提携の継続、株式の売出し並びに主要株主の異動に関するお知らせ(マルキョウ)
外部リンク:株式会社リテールパートナーズと株式会社マルキョウとの経営統合に関する経営統合契約及び株式交換の締結に関するお知らせ(マルキョウ)
外部リンク:マルキョウ
外部リンク:リテールパートナーズ

JR日高本線の大部分、廃止協議へ-災害により長期不通

JR北海道の「日高本線」(苫小牧-様似、146km)の大部分である鵡川-様似間(116km)について、JR北海道が沿線自治体の7町とバス転換を前提に協議を進めている。(10月25日更新)
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日高本線(苫小牧駅、撮影:北のテッチャンさん)。

災害で2015年1月より不通に

JR日高本線は苫小牧駅から様似駅を結ぶ146kmの路線。
日高本線の沿線では過疎化が進んでおり、JR化後は臨時駅の開設やデュアルモードビークルの試験運行(鉄道に乗り入れることのできるバス、日高線では営業運転を行わず)、快速「優駿浪漫」の運行などといった活性化策が採られたこともあるものの、2015年1月より相次いだ高波被害や2016年夏の台風被害のため各地で路盤や橋梁が流出。2016年10月現在、鵡川-様似間116kmが不通となっており、長期に亘って代替バスでの運行となっている。災害前である2014年度の1日の輸送密度は、僅か298人/kmだった。
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日高本線(GoogleMapを用いて作成)

地元自治体、復旧費用負担に応じず…意見の相違も

沿線自治体や北海道はJR北海道に対して早期の復旧を求めてきたが、日高本線は利用客の減少傾向が大きいうえ、復旧費用に約38億円が必要な状態となっており、JR北海道は沿線自治体に対して一部費用の負担を求めていた。
一方、北海道新聞によると被害が比較的小さい鵡川-日高門別間20kmに関しては、沿線である日高町からの復旧を求める声もあるという。同紙によれば、沿線自治体は復旧費の負担には応じない方針であるというが、苫小牧新報のように「沿線の意見は未だ完全に一致していない」という報道もあり、「早期に廃止」という訳にはいかないと思われる。
いずれにせよ、JR北海道が廃止に向けての協議に入っていることは間違いなく、今後が注視される。
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鉄道代替バス(静内駅、撮影:北のテッチャンさん)。

JR北海道、今後も廃線つづくか

近年、JR北海道では毎年約300~400億円前後の赤字を出しており、北海道新幹線の新函館北斗開業に伴う2016年3月25日のダイヤ改正においても合理化のために普通列車79本を減便、8駅を廃止したほか、無人駅も大幅に増やしていた。
2016年には留萌本線の末端区間の廃止が決まったほか、JR夕張線(石勝線夕張支線)のバス転換を夕張市が容認するなど、各地で廃線・バス転換後を見据えた動きがでてきている。
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廃止が決まっている留萌本線の末端部。

関連記事:JR夕張支線の廃止、夕張市が容認する方針へ
関連記事:苫小牧駅前プラザegao、自己破産-市が取得へ
関連記事:留萌本線・留萌-増毛、12月4日の運行を以て廃線に

イトーヨーカドー厚木店、2017年2月19日閉店

小田急本厚木駅前の総合スーパー「イトーヨーカドー厚木店」が、2017年2月での閉店を検討していることがわかった。
追記:閉店日は2月19日と決定した。
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イトーヨーカドー厚木店。

本厚木駅前の顔、開業41年で老朽化

本厚木駅西口から徒歩5分の距離にあるイトーヨーカドー厚木店は1975年5月開店。地下1階、地上7階建てで、売場面積は13,690㎡。そのうちイトーヨーカドーが11,781㎡を占める。建物は厚木市内の企業が所有する。
イトーヨーカドーは2020年までに不採算等40店舗の閉店を発表しており、同店は近隣のイオン、海老名市の商業施設との競争の激化に加えて開業41年を経過し老朽化も進んでいるため、2017年2月ごろの閉店が検討されることとなったと考えられる。

熾烈な本厚木VS海老名の駅前商業戦争

イトーヨーカドー厚木店は、長崎屋厚木店やダックシティ厚木(ダックシティは現在のさくら野百貨店。厚木店はビブレ→サティ→現・イオン厚木店)、小田急本厚木ミロード、厚木パルコなどとともに本厚木駅前の商業を支えてきた。
しかし、2002年4月に隣接する海老名市・海老名駅前に丸井を核とした大型ショッピングセンター「ビナウォーク」が開業。その煽りを受け、厚木市では長崎屋が2002年に、パルコが2008年に撤退し、本厚木駅前の地盤沈下が進んだ。
本厚木の衰退に危機感を覚えた厚木市はパルコ跡地を買い取り、2014年に複合商業施設「アミューあつぎ」をオープン。
しかし、翌年2015年には海老名駅前に大型ショッピングセンター「ららぽーと海老名」が開業。一方の本厚木駅前では、厚木市も参画するかたちで2016年9月にイオン厚木店の専門店街「ガーデンシティ厚木」が全面リニューアルしている。
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 本厚木駅前。ヨーカドー近辺の商店街。

イトーヨーカドー厚木店跡地の活用方法は、10月現在発表されていない。
40年以上にわたって市民の消費を支えたヨーカドーの撤退により、本厚木駅前のさらなる地盤沈下が懸念されるなか、アミューやガーデンシティのような厚木市による「テコ入れ」は再びなされるのか、注目が集まる。

追記:建物は老朽化しているため解体されるという。

関連記事:イトーヨーカドー、1号店の千住店など閉店へ-来春までに20店舗
関連記事:イトーヨーカドー・ザ・プライス東松山店、10月30日閉店
関連記事:イトーヨーカドー川越店、10月30日閉店-本川越駅前、ヨーカドー都外本格進出1号店
外部リンク:イトーヨーカドー厚木店

イオンモール座間、2018年春開業-神奈川県最大のイオンモールに

座間市広野台の日産座間工場跡地に「イオンモール座間」が着工した。
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神奈川県最大規模のイオン誕生へ

イオンモール座間は、かつて日産の基幹工場であった神奈川県道50号線沿いの「日産自動車座間工場」跡地に出店。神奈川県のイオンモールとしては、大和に次ぎ2店舗目となる。
敷地面積約58,000㎡、延床面積約112,000㎡、総賃貸面積約50,000㎡。神奈川県内でイオンモールが運営するショッピングセンターの中では最大の売場面積となる。
店舗棟は地上3階建てで、地上5階建の立体駐車場棟も併設する。
開業は2018年春ごろを予定しており、開発コンセプトは「SMART“ZAMA LIFE”WITH AEON」。ショッピングにコト・コキ消費のコンテンツを加えた新たなライフスタイル提案を目指すとしている。
(画像は公式サイトより)

関連記事:イトーヨーカドー厚木店、2017年2月閉店へ
関連記事:
ららぽーと湘南平塚、10月6日開業 
プレスリリース:「(仮称)イオンモール座間」の開発計画について

ゆめタウン江津、2017年5月開業-「グリーンモール」経営再建で

流通大手のイズミ(広島市東区)が、島根県江津市中心部のショッピングセンター「ショッピングタウン・グリーンモール」の経営権を取得し、2017年夏に「ゆめタウン江津」としてリニューアルオープンさせる。
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グリーンモール(公式サイトより)。

江津市の一番店、経営再建へ-イズミヤ撤退方針も一因か

グリーンモールは1981年10月に開店。
地元企業が共同出資する「協同組合グリーンモール」によって運営されており、キャッチフレーズは「地域愛情一番店」。開業以来江津市の地域一番店として営業を行ってきた。
JR江津駅や江津市役所そばの中心市街地に位置し、店舗規模は売場面積10,077㎡、3階建て、2016年9月期の年商は約35 億円。商品供給などの面では、関西大手のスーパー「イズミヤ」(大阪市西成区)との提携を行っており、近年はイズミヤの親会社である阪急百貨店のギフト商品の取り扱いも行っていた。
しかし、近年は建物の老朽化に加えて、集客に有利となる大手テナントがほとんど入居していないために苦戦を強いられていたほか、提携先のイズミヤも中国地方からの撤退方針を表明。地域経済活性化支援機構の下で経営再建を行うこととなった。
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館内のようす(公式フェイスブックより)。

イズミが地元企業と共同で経営再建、ゆめタウン化へ

今後、イズミは地元・江津市の建設業者「今井産業」と共同出資でグリーンモールの新運営会社を設立。2017年夏までに全館を改装し、名称を「ゆめタウン江津」に改める。
食品売場、衣料品売場をイズミ直営とするとともに、新規テナントを導入することで、グリーンモールの経営再建を図りたい考えだという。
なお、今後はイズミ商品券、ゆめかポイントなどを導入する予定だが、グリーンモールの商品券やポイントカードの利用も当面続ける方針だという。
今回の新規出店により、島根県のイズミ店舗はゆめタウン5店、ゆめマート2店の計7店舗となる。

追記:グランドオープンは5月2日に

追記:「ゆめタウン江津」は5月2日にグランドオープンする。
ABC-MART、モスバーガー、眼鏡市場、時計TIME TIMEなどが出店、総専門店数は約30店舗となる。

※画像は公式サイト・公式フェイスブックより。

外部リンク:当社連結子会社の取得および新規出店に関するお知らせ(イズミ)
関連記事:イズミヤ津高店、8月21日閉店-イズミヤ、中国地方撤退へ
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関連記事:マルシェリーズ木次、3月9日開店-イズミヤサンチェリヴァ跡

中三百貨店、MiK傘下で経営再建へ-2016年10月6日発表

経営再建中の百貨店「中三」(青森県青森市)が、2016年10月6日に北東北を中心に飲食店事業などを手がける「MiK」の傘下となることが発表された。p1040665中三青森本店。

青森の呉服系百貨店、かつては北東北3県で展開

中三は1896年、五所川原市に呉服店として創業。
1950年に株式会社化、1962年には中三弘前店を開業。百貨店としての営業を本格的にスタートさせた。
その後、1974年にはJR青森駅前に青森店(1981年に本店化)、1981年には盛岡・川徳旧店跡に盛岡店二戸店(1983年閉店)を開業させるなど、北東北の主要都市の中心市街地に積極的に進出した。
1997年には秋田市御所野ニュータウンの「イオン秋田ショッピングセンター(現:イオンモール秋田)」に郊外型百貨店となる秋田店を出店し、当時画期的であった総合スーパーと百貨店の2核1モール体制を築いた。
imageかつて中三が出店していたイオンモール秋田。

また、同年に中三創業の地である五所川原市に開業した地元主導型ショッピングセンター「エルムの街」では、テナントとしての出店こそなかったものの、計画段階において当時の中三・中村伸太郎会長が「市外への消費人口流出を阻止するための一大プロジェクト」と位置づけ、のちに運営に関わることとなる地元商店主達に対し積極的に勉強会などを開いていた。

業績不振で閉店相次ぎ、2011年には震災の影響で倒産

しかし、中村会長が開業に携わったエルムの街が順調に業績を伸ばす一方で、中心市街地の五所川原店は業績不振に陥り、2006年に閉店。中村会長が提唱した五所川原市外への消費人口流出は免れたものの、集客を奪われた創業店が店をたたむという皮肉な結果を招いた。その後、イオンモール秋田に出店していた秋田店も業績不振のため2008年に閉店した。
さらに、2011年3月11日に発生した東日本大震災の3日後の3月14日に盛岡店で地震の影響とみられるガス爆発が発生。年商の約3割を占めていた同店が営業休止に陥ったことは、兼ねてより経営状況が悪化していた同社にとっては致命傷となった。青森店、弘前店も震災の影響で売上が落ち込み、3月30日に民事再生法の適用を青森地裁に申請・受理され、中三は倒産した。
p1040784旧盛岡店は現在、複合商業施設「ななっく」となっている。

「MiK」傘下で本格再建へ

中三百貨店は2011年4月14日に民事再生手続きを開始。日本百貨店協会は退会となり、百貨店としての地位は失った。その後、7月29日には投資ファンド「フェニックス・キャピタル」とスポンサー契約を締結し、同社の子会社となった。
経営再建に当たって、中三は盛岡店の閉店と青森・弘前両店への経営資源の集中、弘前店の改装を進めた。
2015年2月には再建手続きが終了し、中三は新たな支援企業を模索していた。p1040572中三弘前店。百貨店としては非常に前衛的なデザイン。

新たな支援企業となる「MiK」は、青森市に本社を置き、北海道・東北地方などで「カプリチョーザ」をFC運営しているほか、北海道・北東北を中心に飲食店や八甲田温泉などでのホテル運営など、多岐に渡る事業を行っている。
MiKはフェニックス・キャピタルからの株式譲渡契約をすでに済ませており、今後は中三を完全子会社する。これにより、中三は本格再建への道を歩むこととなる。
なお、完全子会社化後も「中三」の屋号は維持され、青森・弘前の両店も継続して営業する。

関連記事:アウガ・ショッピングフロア、2017年3月末閉館へ-経営問題で市長辞任、混迷深まる活用方法
関連記事:イオンモールつがる柏に「つがる市立図書館」開館-ショッピングでの相乗効果狙う
外部リンク:中三