カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

西友清水店の再開発計画まとまる-閉店から約2年

静岡市葵区の不動産会社「ヨシコン」は、2015年4月に閉店した「西友清水店」(静岡市清水区)の再開発計画を発表した。
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西友清水店。

地元企業が取得-2棟の大型ビルを建設へ

西友清水店は1973年12月に開店。
地上7階、地下1階建てで売場面積は9,919㎡。JR清水駅前の大型店として長年親しまれたが、建物の老朽化と売上の低下により2015年4月に閉店。その後、跡地は地元不動産会社「ヨシコン」が取得、店舗跡の建物を解体していた。

ヨシコンの計画によれば、西友跡には新たに2棟の大型ビルが建設される。
そのうち1棟はビジネスホテルで、完成後に「東横イン」が出店。
もう1棟は分譲マンションで、1階には「マックスバリュ東海」(静岡県長泉町、旧社名・ヤオハンジャパン)が食品スーパーを出店する方針だという。ヤオハンはかつて静鉄新清水駅・清水市役所近くに出店しており、約20年ぶりに清水中心部への再出店を果たす。
それぞれの建物は2017年度中に着工、2018年度中の完成を目指す。なお、西友の駐車場跡にはローソン、眼鏡市場などが建設され、既に営業を開始している。
近年、JR清水駅周辺にはマンションが多く立地するようになっていたものの、西友清水店の閉店後はスーパーマーケットが1つもない状態となっていた。マックスバリュの出店により清水駅前の利便性は大きく向上することになる。
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清水駅前。左側のシダックス(旧マルイ)も解体された。

関連記事:再活用進まぬ西友跡
関連記事:「静岡マルイ」「静岡モディ」11月19日開業
関連記事:西武百貨店沼津店跡地に「ラブライブ!カフェ」開店

KADOKAWA、東所沢に”ポップカルチャーの一大拠点”建設-2020年4月完成目指す

最新の記事はこちら→東所沢が“サブカルの聖地”に!? KADOKAWAが総力を挙げて開発する「ところざわサクラタウン」、その全貌と課題(ハーバービジネスオンライン様提供)

大手出版社「KADOKAWA」は、埼玉県所沢市東所沢和田(武蔵野線東所沢駅近く)の旧所沢浄化センター跡地に、文化施設やホテルなどが集積する再開発施設「ところざわサクラタウン(仮称)」を建設する。IMG_1522ところざわサクラタウン(仮称)。(カドカワ公式サイトより) 

KADOKAWAが手がける大規模再開発
オフィスや工場、文化施設、展示場、ホテルまで

ところざわサクラタウンは、株式会社KADOKAWAと所沢市が取り組む共同プロジェクト「COOL JAPAN FOREST構想」の中心施設として建設される。建築面積は約25,000㎡で、延床面積は約84,000㎡。KADOKAWAの出資見込額は399億円。
施設はKADOKAWAの新オフィス「(仮)所沢キャンパス(イメージパース右側)」と、それに直結する同社の書籍製造・物流工場、一般財団法人角川文化振興財団が建設・運営を手がける公益文化施設「(仮)角川ロックミュージアム(同左側)」を中心に構成。その他にも展示場やホテル、イベント会場、カフェや物販と言った商業店舗などを集積させることで、集客性の高い一大再開発エリアとなる。
建物は2018年2月に着工予定で、2020年4月の完成を目指す。

ロックミュージアムは「クールジャパンの総本山」
ポップカルチャーの一大拠点築く角川グループ

開発の目玉となる角川ロックミュージアムは、図書館・美術館・博物館が一体となった公益文化施設。
プロジェクトの中で「クールジャパンの総本山」と位置付ける同施設では、国内外のポップカルチャーファンに対し、アニメ・ゲームに留まらない日本文化の底力や魅力を発信する。

また、ロックミュージアム隣接地にはKADOKAWAがアニメ・ゲームに関するイベントや「2.5次元舞台」をおこなうイベント会場、アニメやゲームなどポップカルチャーに関する企画展示を行う展示施設、「大好きなコンテンツに囲まれて宿泊するホテル」などを整備。角川文化振興財団運営のロックミュージアムとの連携を図ることで、角川グループが総力を挙げて取り組むポップカルチャーの一大拠点となる。

プロジェクトにCCCや西武も参画、運営ノウハウ投入あるか

今回のCOOL JAPAN FOREST構想にあたっては、レンタル大手のTSUTAYAなどを手がけるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)社長の増田宗昭氏や西武HD(西武鉄道グループ)社長の後藤高志氏ら9名が、ロックミュージアムなど施設の具体的内容を検討するアドバイザリーボードとして参画している。
現状、CCCや西武HDは「アドバイザリーボード」としてのみの参画であるものの、サクラタウンの運営に際して、全国3箇所(2017年1月現在)の図書館で指定管理者として「ツタヤ図書館」を展開するCCCや西武鉄道の駅ビル運営を行う西武HDによる施設運営のノウハウ投入がなされる可能性もあり、今後の計画が注目される。
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CCCが運営する宮城県・多賀城市立図書館。

ニュースリリース:KADOKAWAによる新規プロジェクトに関するお知らせ(カドカワ公式サイト)
外部リンク:COOL JAPAN FOREST 構想(所沢市公式サイト)
関連記事:西武百貨店所沢店、11月23日リニューアル-食品売場拡大、「ビール工房」新設
関連記事:西武HD、所沢駅に新駅ビル-2020年完成目指す
関連記事:多賀城駅前に市立”ツタヤ図書館”-真価問われるツタヤ図書館事業

イトーヨーカドー東習志野店、物流倉庫に-2017年2月26日閉店

野村不動産は、2月26日に閉店する「イトーヨーカドー東習志野店」(習志野市)の跡地を再開発し、倉庫として活用すると発表した。
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イトーヨーカドー東習志野店。
(トップリート投資法人公式サイトより)

イトーヨーカドー東習志野店、商戦の果て倉庫に

イトーヨーカドー東習志野店は1994年11月に開店。
陸上自衛隊習志野駐屯地南側に立地し、店舗は1~4階、売場面積は16,389㎡。イトーヨーカドーはそのうち12,023㎡を占める。
鉄道駅から遠いうえに、近隣にはイオンタウン東習志野などがあり、競合が激しいことから閉店に至ったと考えられる。テナントとしては、ライトオン、ときわ書房、ダイソー、スタジオアリスなどが入居しているが、閉店に伴い、テナントも全てが撤退する予定となっている。

野村不動産の高機能物流倉庫「ランドポート」に

現在、イトーヨーカドー東習志野店の建物はトップリート投資法人が所有し、野村不動産傘下の野村不動産マスターファンド投資法人が運営を受託している。野村不動産は建物を取得後に解体し、物流施設「ランドポート東習志野」を建築する方針。
ランドポート(Land port)は野村不動産が展開する大規模高機能型物流倉庫で、2017年現在、関東・中部・近畿に合わせて12ヶ所が展開されている。

外部リンク:野村不動産・野村不動産マスターファンド投資法人 商業施設から物流施設への建替え ~賃貸バリューチェーンの進化~(野村不動産HD)
関連記事:イトーヨーカドー、新浦安店・東習志野店を2017年中に閉店へ
関連記事:西友津田沼パルコ店、2017年1月31日閉店-津田沼パルコB館地階 

“新”東京都立多摩図書館、2017年1月29日移転開館-国内最大の「公立雑誌図書館」、西国分寺に

立川市錦町の「東京都立多摩図書館」が1月29日に国分寺市泉町に移転開館する。
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新・都立多摩図書館。

公立最大規模の雑誌所蔵数誇る図書館、移転・増床に

現在の都立多摩図書館は1987年に八王子、立川、青梅の都立図書館3館を統合したうえで立川市に開館。
日本の公立図書館としては最大規模となる約17,000タイトルの雑誌を所蔵し、そのうち534タイトルの雑誌を直接閲覧出来るサービス「東京マガジンバンク」が好評を博した。
しかし、建物の老朽化や収蔵能力の拡大のため、国分寺市西国分寺駅付近の都有地への移転が決定し、2016年12月19日をもって立川での開館を終了していた。
都立多摩図書館紹介下版
図書館は西国分寺駅付近に移転する。

直接閲覧可能な雑誌は大幅増、こども向け資料も充実

国分寺市に移転開館する新たな都立多摩図書館では、全体の所蔵容量は従来の103万冊から285万冊に、開架冊数も3万8千冊から10万1千冊へと増加。

さらに、目玉の「東京マガジンバンク」で直接閲覧可能な雑誌は534タイトルから計6,000タイトルへと大幅に拡大。書庫には週刊誌から学術誌まで幅広いジャンルの雑誌約6,600タイトルを集めた「創刊号コレクション」を設けるなど、日本一充実した雑誌専門サービスを展開する。img_1505閲覧可能タイトルが大幅に拡大する東京マガジンバンク。

また、児童書や中高生向けの本、子供の読書等に関する研究書などを約22万冊所蔵する「児童・青少年資料サービス」も展開。閲覧室では児童書の最新1年分約4,500冊を直接閲覧出来る選書コーナーも設置する。img_1506児童書・青少年資料サービスの閲覧室では厳選の4,500冊を直接閲覧出来る。

なお、都立図書館では他館も含めて基本的に個人への資料貸出は行っておらず、閲覧のみとなるため注意が必要である。
※地図、内装画像は都立図書館公式サイトより

ニュースリリース:「都立多摩図書館国分寺市に移転OPEN!」(東京都教育委員会公式サイト)
外部リンク:新多摩図書館のへや(都立図書館公式サイト)
関連記事:セレオ国分寺、11月25日リニューアル-国分寺初の成城石井が出店
関連記事:イオンモールつがる柏に「つがる市立図書館」開館-ショッピングでの相乗効果狙う
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成都イトーヨーカドー眉山店、1月12日開業-眉山市初出店

イトーヨーカドーの子会社である「成都イトーヨーカ堂」(成都伊藤洋華堂有限公司、四川省成都市)は、四川省眉山市に「イトーヨーカドー眉山店」を2017年1月12日に開業させ、成都市外に初出店を果たした。
(成都伊藤洋华堂眉山店、2017年1月12日开业。)
【写真は公式サイトに掲載され次第、掲載いたします】
イトーヨーカドー眉山店。

好調の成都イトーヨーカドー、成都市外にも出店へ

成都イトーヨーカ堂は成都市の誘致により1997年11月に1号店を出店。2017年1月現在は成都市に6店舗を展開している。
イトーヨーカドーは北京市内にも出店しているが、競争の激しい北京市内では苦戦を強いられている一方で、経済成長の続く成都市においては比較的好調を維持。イトーヨーカドーは四川省の小売業で上位となっているほか、旗艦店の双楠店はイトーヨーカドー全店のなかでも5本の指に入る売上となっている。
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成都市1号店の春熙店。イトーヨーカドーの海外1号店でもある。
(店舗公式ページより)

イトーヨーカドー眉山店は、眉山希望太平洋置業有限公司が運営する複合商業施設「彫像国際広場」の核店舗として出店。イトーヨーカドーの売場は地下1階~地上6階で、営業面積(売場面積)は21,650㎡。彫像国際広場には、このほかに64,000㎡の専門店街を備える。
成都イトーヨーカ堂が成都市外に出店するのはこれが初めて。
眉山市は成都市の南約70kmの距離にあり、「中国泡菜博物館」があるなど漬物が名物の都市。眉山店では、地元からの仕入れを強化するほか、名産品である漬物の品揃えも充実させ、「地域に密着しお客様ニーズにお応えする店づくり」を目指す。
成都イトーヨーカ堂は今後も積極的な出店をおこなう方針で、四川省楽山市にも出店を計画しているほか、食品スーパーの展開も検討しているという。

成都伊藤洋華堂眉山店

眉山市東坂区三蘇路55号
営業時間:9:00~22:00(週末は22:30まで)

外部リンク:中国・成都イトーヨーカ堂7号店 「成都伊藤洋華堂 眉山店」2017年1月12日(木)グランドオープンのお知らせ
外部リンク:成都伊藤洋华堂(中文)
参考記事:成都伊藤洋华堂眉山店明年1月开业 未来将开食品超市(赢商新聞)
関連記事:イトーヨーカドー新十里堡店、2016年10月31日閉店-北京旗艦店

化女沼レジャーランド、再開めざしクラウドファンディング開始-一部を廃墟のまま活用へ

宮城県大崎市にある閉園した遊園地「化女沼レジャーランド」の営業再開を目指したクラウドファンディングが1月10日に開始された。
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化女沼レジャーランド。
(クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」の募集ページより)

話題の廃墟遊園地、再開なるか?

化女沼レジャーランドは1979年に開園。仙台市からも近く、大型ホテルも併設されており、かつては多くの客で賑わったというものの、経営不振から2001年に閉園していた。
閉園後も多くの遊具が園内に残されており、遊園地の廃墟として様々なテレビ番組や映画のロケ地となったほか、コスプレイベントの会場としても使われるなど、話題となっていた。

一部を廃墟のまま活用めざす

今回の計画では、営業再開に必要な約5億円のうち不足している1億2000万円をクラウドファンディングで募集する。クラウドファンディングは6000円から応募でき、企業向けの土地リース(テナント出店)プランや、ネーミングライツプランも用意されている。もし実現できなかった場合、資金は返還される。
営業再開した際には、園内の温泉を活用するほか、新たな店舗なども誘致しつつ、園内の一部を「廃墟地域」として廃墟のまま保存・活用する予定で、廃墟となった同園を再開させることで「東北の復興の象徴」として地域の活性化に貢献したい考えだという。
詳しくは募集ページ「宮城の化女沼レジャーランドを購入し日本唯一の廃墟テーマパークをオープン」(CAMPFIRE)を参照のこと。

関連記事:マルカン百貨店、リノベで再活用決定-大食堂はマルカン運営も
関連記事:筑波西武跡の再活用に向けたクラウドファンディング開始-オフィスビル化目指す
関連記事:動画で話題の「湯~園地」、2017年7月開園-別府ラクテンチ、まずは期間限定で 

オールドネイビー、2017年1月22日に日本撤退-GAP姉妹ブランド、全店閉鎖に

米アパレル大手「GAP」の姉妹ブランド「オールドネイビー」(OLD NAVY)が2017年1月22日を以て日本から完全撤退する。
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オールドネイビーの店舗。

進出から僅か4年で撤退に

オールドネイビーは2012年にダイバーシティ東京に日本初出店。日本のみならずアメリカ国外への初出店であった。
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ダイバーシティ東京。

キャッチフレーズは「世界一楽しいファッションストア」で、GAPと同じく「アメカジ」をテーマにした店舗でありながらGAPよりも低価格帯であるために話題を呼び、その後は全国のイオンモールなどに出店、53店舗を展開した。
しかし、米GAP本体の営業不振を受け、僅か4年での日本撤退となってしまった。

すでに入り込む余地が少なかった日本市場

オールドネイビーは「低価格」を売りにしていたが、その低価格ゆえにGAPよりも利益率が低かったと考えられる。
そのうえ、日本国内にはすでに「GU」や「ライトオン」など競合する業態の店舗が広く展開され、それらの店舗のほうがオールドネイビーよりも取り扱い品目に幅があり日本人に合った品揃えをおこなっているといえる。そのため、日本市場ではオールドネイビーが入り込む余地が少なく、覇権を握ることができなかったのが撤退の大きな要因だったのではないだろうか。
一方で、GAPグループのメインブランド「GAP」も日本国内で好調であるとは言えず、セールを頻発するという状態が続いており、起死回生の動きは見えていない。

外部リンク:Old Navy:Japan 
関連記事:クリスピークリームの撤退続く
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立飛、立川にアリーナ建設へー立川最大級、2017年秋完成予定

立川市で不動産開発を手がける立飛ホールディングスは、同市泉町の多摩都市モノレール立飛駅前に「アリーナ立川立飛(仮称)」を建設すると発表した。
img_1390アリーナ立川立飛(仮称)のイメージ。(画像は立飛HD公式サイトより)

立川最大級のアリーナ誕生へ-3,000人級

アリーナ立川立飛(仮)は多摩都市モノレール立飛駅西側の敷地に建設。建物は鉄骨地上2階建てで、延床面積は約5,989㎡。観客収容人数は3,000人級を想定しており、2016年に開幕したプロバスケットボールリーグ・Bリーグ(旧bjリーグ)2部の試合会場としての使用も想定する。
アリーナは2017年春に着工し、同年秋の完成を目指す。

立飛、IKEA隣には音楽ホールやホテルも建設予定

アリーナを開発する立飛HDは、立川飛行場(陸軍飛行場)周辺で航空機の製造をしていた立飛企業と新立川航空機を前身とする。
1970年代に戦後米軍が接収していた飛行場や同社の製造所などが返還されると、航空機製造から不動産業に転換。2015年には三井不動産と共同で開発を手がけたショッピングセンター「ららぽーと立川立飛」が立飛駅東側に開業した。
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立飛HDが開発したららぽーと立川立飛。

さらに同社は昭和記念公園の東隣にある旧国有地において、音楽ホールやホテル、オフィスビルなどの大規模開発を計画している。
音楽ホールは大型家具店「IKEA立川」の南側に立地し、ポピュラー音楽など各種コンサートの公演を想定する。客席数は最大2,500席を計画しており、多摩地区の音楽ホールとしてはトップクラスのものとなる予定。
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音楽ホールなどの建設計画がある旧国有地。

また、ホテルは100室未満の小規模なものとなり、オフィスビルにはカフェ・レストランのほかサービス系のテナントの出店を想定する。
いずれの施設も2018年2月までに着工し、東京オリンピック開催前までの完成を目指す。

ニュースリリース:立飛グループが「(仮称)アリーナ立川立飛」建設を計画(立飛HD公式サイト)
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ザ・ガーデン自由が丘吉祥寺パルコ店、2017年1月9日閉店-「酪王」販路拡大に貢献、競争激化で撤退に

吉祥寺パルコ(東京都武蔵野市)地下1階に出店する高品質食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘吉祥寺パルコ店」が2017年1月9日に閉店する。
ザ・ガーデン自由が丘吉祥寺パルコ店。

吉祥寺のザ・ガーデン、16年の歴史に幕
-アトレから移転するも1年足らずで撤退

ザ・ガーデン自由が丘は2001年にJR東日本グループが運営する駅ビル「吉祥寺ロンロン」(現:アトレ吉祥寺)本館の食品核店舗として開店。
生鮮食品を取扱う大型店舗で、定番ともいえる人気の輸入食品に加えて地元・吉祥寺北町のベーカリーショップ「aoi」のパンを販売するなど豊富な品揃えで人気を集め、吉祥寺ロンロンのリニューアル・アトレへの改称時(2010年)には増床。同店は福島発の人気飲料「酪王乳業・酪王カフェオレ」を他店に先駆けて販売開始したことでも知られており、酪王の販路拡大にも大きな役割を果たした。
その後、アトレの改装にともない、2016年1月31日にアトレから撤退。2月27日からは吉祥寺パルコ地下1階に移転して営業を再開した。吉祥寺パルコ。

吉祥寺パルコ地下1階にて営業するインテリア雑貨専門店「B-COMPANY」も1月15日での閉店を予定しており、フロア全体の改装も予想される。

高級スーパーの進出相次ぐ吉祥寺

吉祥寺駅周辺には紀ノ国屋(JR東日本系)、三浦屋(イオン・いなげや系)、成城石井などの高級スーパーが7店舗もあり(2017年1月現在)、高級スーパー激戦区となっている。
ザ・ガーデンのパルコ移転直後には、「紀ノ国屋」が新業態「デイリーテーブル紀ノ国屋」を、「明治屋」が東急百貨店吉祥寺店地下1階にグロサリー専門店をが新規出店しており、2016年7月には京王吉祥寺駅ビル「キラリナ京王吉祥寺」の地階で営業していた京王百貨店プロデュースのデパ地下フロア「Food parc(フードパルク)」が京王ストアの高品質食品スーパー「キッチンコート」に業態転換するなど、相次ぐ新店舗の参入で競争は激化していた。
今回のザ・ガーデン撤退もこの競争の激化が影響していると考えられ、パルコが今後新たなスーパーを誘致するのかは未知数である。

外部リンク:吉祥寺パルコ店 – ザ・ガーデン自由が丘
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三越伊勢丹、さらに5店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-対象は合わせて9店舗に

三越伊勢丹グループが、経営不振となっている「丸井今井本店」「札幌三越」(札幌市)、「新潟伊勢丹」「新潟三越」(新潟市)、「静岡伊勢丹」(静岡市)の5店舗について、売場面積の縮小や、百貨店としての閉店・業態転換などを検討していることが分かった。
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丸井今井札幌本店。

店舗改革、対象は9店舗に

これらを報じた読売新聞によると、この動きは三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長に対する取材によって明らかにされたもの。
特に、丸井今井と札幌三越、新潟伊勢丹と新潟三越については、グループ内で同一商圏の取り合いが起きており、非効率だったという。
このほか、三越伊勢丹では2016年11月8日に行われた中間決算の記者会見で、経営不振となっている「伊勢丹松戸店」(千葉県松戸市)、「伊勢丹府中店」(東京都府中市)、「広島三越」(広島市)、「松山三越」(松山市)の4店舗についても同様の措置を取ることを発表していた。
これらの店舗の今後については、2017年9月までに具体的な改善策をまとめるという。
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広島三越。

「完全閉鎖」でなく、縮小・業態転換・譲渡など目指す

なお、大西洋社長は2016年11月に行われた記者会見のなかで「業績低迷が続く店舗は、閉鎖を前提とせず、売り場面積の縮小やほかの企業と提携した開発などを検討し、収益力の改善を図っていきたい」としている。

そのため、いずれの店舗も建物全体を完全閉鎖する訳ではなく、直営売場面積の縮小、ファッションビル・専門店ビルへの転換、他社への売却などを目指していく方針であると考えられ、「完全閉鎖」を避けて「百貨店業態のみにとらわれることなく、時代に合わせるかたちで店舗の存続へ向けた抜本的改革をおこなう」という明るい動きであると捉えることもできる。
(追加情報があり次第、更新いたします)

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