カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

有楽町ロフト、2017年6月11日閉店-再開発計画で、ロフトは「ベルビア館」に6月23日出店

東京都千代田区のJR有楽町駅前にある大型雑貨店「有楽町ロフト」が、再開発計画と銀座一丁目の商業施設「銀座ベルビア館」へのロフト新規出店に伴い6月11日で閉店する。

有楽町ロフト。

ロフトの「都心旗艦店」、再開発計画で近く解体か

有楽町ロフトは旧東京都東六号庁舎跡地に開業した商業施設「有楽町インフォス」1階に2011年9月にオープン。
有楽町インフォスはもともと再開発までの暫定利用措置として1998年5月に開館した「宝塚1000days劇場」として利用されていた建物を再活用したもので、全体の売場面積は6,617㎡、そのうちロフトの営業面積は約2,500㎡を占める。なお、ロフトが出店する場所には当初はソフマップが出店していた。
有楽町ロフトは、ロフトとしては渋谷、池袋などと並ぶ旗艦店に位置付けられており、同じくインフォスに入居する「無印良品 有楽町」と一体化したライフスタイル提案型の売場が特徴的だった。
なお、有楽町インフォスを含む有楽町駅周辺地区(旧都庁舎跡地)は東京都と民間による都市再生プロジェクトの対象地区となっており、2017年度中の都市計画決定を予定している。
そのため、再開発のために近い将来解体される可能性が高く、無印良品も近く閉館するものとみられる。

銀座ベルビア館に「銀座ロフト」として移転オープンへ

6月11日の有楽町ロフト閉館後、ロフトは6月下旬(追記:23日開店と発表)に銀座一丁目駅前の商業施設「銀座ベルビア館」の3階〜6階に「銀座ロフト」を出店する。
銀座並木通りに面する銀座ベルビア館は三井不動産が運営する都市型商業テナントビルで、2007年4月に開店。売場面積は4,819㎡で、現在は複数のファッションブランドや飲食店が出店している。

写真追加:銀座ロフト。

外部リンク:有楽町ロフト
関連記事:GINZA SIX、2017年4月20日開業-銀座松坂屋跡で「脱百貨店」かかげる「新百貨店」
関連記事:プランタン銀座、営業最終日賑わう-大晦日で閉店、3月から「マロニエゲート」に

ライフつつじヶ丘店、4月2日閉店-旧・忠実屋、クロスガーデン調布に移転で

調布市つつじヶ丘駅前のスーパー「ライフつつじヶ丘店」が店舗移転のため4月2日に閉店した。
 ライフつつじヶ丘店。

忠実屋跡地の総合スーパー、地下のセリアは営業継続

ライフつつじヶ丘店は上層階にマンションが併設される「つつじヶ丘佐佐木ビル」の低層部分(地上1階〜地上3階)に1994年開店。売場面積は3790㎡、うちライフは2,689㎡。
1969年3月の開店当初は大手総合スーパー「忠実屋」の6号店となる「忠実屋名店センターつつじヶ丘店」が出店していたが、忠実屋はダイエーとの経営統合を目前にした1993年に撤退。その後はライフの直営総合スーパーが1階~3階に、100円ショップ「セリア」の都内最大となる店舗が地下1階に出店した。
なお、地下1階の「セリア」はライフの閉店後も営業を継続するほか、上層階のマンションも利用されていることから、今後は改装して新たなテナントを誘致する可能性もある。
地下1階のセリアは営業を継続する。

ライフは「クロスガーデン調布」に移転

ライフは、調布市柴崎に4月28日開業予定の商業施設「クロスガーデン調布」に後継店舗となる食品スーパーを出店する。
クロスガーデン調布はオリックスが運営する近隣型ショッピングセンターで、つつじヶ丘駅から西に1kmほど離れた甲州街道沿いの「調布スポーツセンター」跡地に開業する。

クロスガーデン調布。(オリックス公式サイトより)

ニュースリリース:都会感と緑が融合する居心地の良い地域密着型商業施設『クロスガーデン調布』2017年4月28日グランドオープン(オリックス公式サイト)
外部リンク:つつじヶ丘店 | 首都圏 | 株式会社ライフコーポレーション
関連記事:ココリア多摩センター、3月20日の三越閉館で専門店街拡大-多くのテナントが営業継続へ

関連記事:イーアス高尾、6月22日開業-八王子最大級のショッピングセンターに

アニメイトAKIBAカルチャーズZONE、2017年3月31日閉店-跡地に「らしんばん」旗艦店、4月28日開店

東京都千代田区外神田一丁目の複合商業施設「AKIBAカルチャーズZONE」1階に出店する「アニメイトAKIBAカルチャーズZONE店」が3月31日に閉店した。

AKIBAカルチャーズZONE。

カルチャーズZONEのアニメイト、近隣店と統合へ

アニメイトAKIBAカルチャーズZONE店は2014年10月に開店。
  一方、2016年7月には近隣に女性向け商品特化型のアニメイト大型店「AKIBAガールズステーション」が開店している。
そのため、アニメイトAKIBAカルチャーズZONE店は近隣のアニメイト秋葉原店、アニメイトAKIBAガールズステーションに店舗統合され、3月31日に閉店することになった。

跡地に「らしんばん」出店-同社旗艦店に

アニメイトAKIBAカルチャーズZONE店の跡地には、現在アニメイトAKIBAカルチャーズZONE2階に出店している中古アニメグッズ販売店「らしんばん秋葉原店新館」がフロアを拡大し、4月28日にオープンする。
らしんばん秋葉原店新館はこれまでの約2倍の売場面積となり、複数館体制の池袋店に次ぐ同社有数の規模の店舗となる。
リニューアルオープン時には開店記念フェアの開催も予定されている。

館内外には「らしんばん」の増床告知が掲出されている。

追記:らしんばん全店で記念イベントを開催

追記:らしんばん秋葉原店新館では4月28日よりオープニング記念セールを開催するほか、らしんばん全店で4月28日から一会計につき1,000円以上購入すると「ななろば華先生のクリアファイル」をプレゼント。また、秋葉原店新館ではさらに一会計につき3,000円以上購入すると特製VRゴーグルがプレゼントされる。(いずれも先着数量限定)
このほか、秋葉原店新館では、4月28日(金)と5月5日(日)にコスプレイヤーのこよみさんが一日店長に就任し、こよみさんの名刺配布会やじゃんけん大会も実施される。

外部リンク:らしんばん秋葉原店新館
関連記事:アニメイト、秋葉原に”女性向け”大型旗艦店-2016年7月開店

関連記事:ラオックス秋葉原アソビットシティ、3月31日閉店-かつての「日本最大のホビー専門店」

KITTE名古屋、2017年4月1日グランドオープン-「名古屋駅バスターミナル」開業に合わせて

2016年6月にオープンした愛知県名古屋市のJR名古屋駅に直結する「KITTE名古屋」が、2017年4月1日の「名古屋駅バスターミナル」の開業に合わせて全館グランドオープンを迎えた。

 KITTE名古屋と名古屋駅バスターミナル。

バスターミナル利用者にも「便利な商業施設」に

KITTE名古屋は2016年6月に日本郵便グループの複合施設「JPタワー名古屋」の商業フロアとして、飲食店、雑貨専門店、コンビニ(JPローソン)、レンタカー窓口など27店舗が先行開業していた。
グランドオープンを迎えた2017年4月1日には、同日供用を開始した「名古屋駅バスターミナル」に面する1階通路沿いに6店舗が新たに出店した。

名古屋駅バスターミナルに面した通路。6店が新規出店。

11箇所のバス停を集約した名古屋駅バスターミナル

名古屋駅バスターミナル」は名古屋駅付近の11箇所のバス停を集約するもので、JRゲートタワーとJPタワーの間に開設。
18バースの乗降場を備え、名古屋市営バス、JR東海バスが乗り入れる。

名古屋駅バスターミナル内。


位置図。一般路線バスを中心に多くの路線が乗り入れる。
(名古屋市交通局ウェブサイトより)

惣菜からお花屋さんまで・・・開店初日をレポート

今回、バスターミナルの開業に合わせて新規出店したのは老舗和菓子店「青柳総本家」、バロー運営の弁当・惣菜専門店「デリカキッチン」、キッシュ専門店「ベベのおそうざい」、純米酒専門店「YATA/中村屋」、蜂蜜専門店「杉養蜂園」、フラワーショップ「日比谷花壇」の6店舗。
弁当・惣菜専門店の「デリカキッチン」は岐阜県のスーパー「バロー」の惣菜部門子会社「中部フーズ」が手掛ける都市型の新業態店。オーソドックスな弁当・惣菜から名古屋名物“味噌カツ”まで豊富な商品を取り揃え、オフィス客やバスターミナル利用者の幅広いニーズに応える。
また、百貨店・駅ビル向け業態で先行するユニーグループの「カネ美食品」を意識したような高級感を演出する陳列手法も見られ、今後の多店舗展開にも期待がかかる。

バローグループの都市型新業態「デリカキッチン」。

ベベのおそうざい キッシュ専門店」は、丸栄百貨店などでも営業する洋惣菜店「べべのおそうざい」の名物“キッシュロレーヌ”を前面に打ち出した新業態。初日はオープン記念セット商品の販売や積極的なチラシ配布、キッシュの試食が行われた。
また、1879年創業の老舗和菓子店「青柳総本家」では、これまで守山直営店のみの販売だった“ひとくち生ういろう”を常設販売するとともに、イートインでの限定スイーツの提供も行う。

青柳総本家KITTE名古屋店。

フラワーギフトショップ「日比谷花壇」では、制服を身にまとった“Pepperくん”が“看板ロボット”として買物客にお薦めの花を紹介する。初日は開店記念としてピンク色のガーベラの配布も行われた。

日比谷花壇の看板ロボットとして働くPepperくん。

超高層ビルの建設相次ぐ名駅

名古屋駅周辺ではKITTE名古屋(JPタワー名古屋)の全面開業後も、JR名古屋駅ビル「JRゲートタワー」(4月開業)、ささしまライブ24地区の複合施設「グローバルゲート」(10月開業)と言ったビルの開業を控える。
また、3月には名鉄名古屋駅を中心とする南北400mの超高層ビル建設計画も発表されるなど、名古屋駅周辺の再開発に市民の熱視線が注がれている。

名鉄名古屋駅の再開発イメージ。(名鉄公式サイトより)

外部リンク:KITTE名古屋
ニュースリリース:名鉄  名古屋駅地区再開発  全体計画(名古屋鉄道公式サイト)
外部リンク:名古屋駅バスターミナルのご案内
関連記事:KITTE名古屋、6月17日開業-JPタワー名古屋に

イトーヨーカドー春日部店、期間限定で「サトーココノカドー」に-4月9日から16日まで

東武鉄道・春日部駅前の総合スーパー「イトーヨーカドー春日部店」が4月9日から期間限定で人気アニメ「クレヨンしんちゃん」内に登場するデパート「サトーココノカドー」に変身するゾ〜。

イトーヨーカドー春日部店。

野原家御用達のデパート「サトーココノカドー」

イトーヨーカドー春日部店は、春日部市を舞台とする人気アニメ「クレヨンしんちゃん」内で登場するデパート「サトーココノカドー」のモデルとなった店舗と言われており、作中では食品売場でしんのすけが母みさえにチョコビをねだるシーンなどが象徴的に描かれている。作中に登場するサトーココノカドー。(春日部市公式サイトより)

春日部市のクレしんコラボで、ロゴも変更

春日部市では2016年11月から2017年4月までクレヨンしんちゃんとのコラボ企画「オラのマチ・春日部にくれば〜」を実施しており、東武鉄道でもラッピング電車を運行中だ。

東武鉄道クレヨンしんちゃんラッピングトレイン。

そして、コラボ企画のフィナーレを飾るプロジェクトの一つとしてイトーヨーカドー春日部店が、作中で登場する「サトーココノカドー春日部店」として期間限定でオープンすることとなった。
今回の企画に合わせ、店舗ロゴが「イトーヨーカドー/Ito Yokado」から「サトーココノカドー/Sato Kokonokado」に変更される。公式発表されたサトーココノカドーのロゴ(春日部市公式サイトより)

期間は4月9日から4月16日の8日間。
4月9日朝10時半からは「サトーココノカドー」の開店セレモニーが行われる予定となっている。
※エイプリルフール企画ではありません(念のため)
エイプリルフールはこちら

ニュースリリース:「オラのマチ・春日部にくれば〜」フィナーレ 平成29年4月8日(土曜日)から開始(春日部市公式サイト)
外部リンク:イトーヨーカドー春日部店
関連記事:西武春日部店、2016年2月に閉店へ
関連記事:匠大塚、西武百貨店春日部店跡に旗艦店-6月29日開店

ファッション誌「KERA!」紙媒体、2017年6月号で休刊-原宿系ファッション誌の代表格、デジタル版に移行

ジェイ・インターナショナル社が発行する原宿系ファッション誌の代表的存在「KERA!」が2017年6月号(4月15日発売)を以て休刊し、デジタル版のみの発行に移行する。

KERA!5月号。表紙は生駒里奈。(公式サイトより)

原宿系トレンドの発信役、ファッション店も展開する「KERA」

KERA!は1998年に創刊。「青文字系」と言われる原宿系ファッション誌の代表的存在で、原宿ならではの「カワイイ系ファッション」のトレンドを牽引し続けてきた。
また、ゴシックロリータなどのサブカル系ファッション・トレンドや、ヴィジュアル系バンド、女性アイドルグループ、アニメやコスプレに焦点を当てる記事も多く、「原宿系カルチャー」の旗振り役としても知られていた。
専属モデル・読者モデルには、きゃりーぱみゅぱみゅ、椎名ぴかりん、春奈るな、北出菜奈、佐藤すみれ、相沢梨紗など、歌手やアイドルとして活動している人も多い。
また、出版社が全国のファッションビルに実店舗「KERA!ショップ」を出店・運営していることも特徴で、北は札幌市から南は大分市まで、全国12都市(2017年2月現在)に出店、ネット通販サイトも運営している。

KERA!SHOP MARIA札幌店。
(札幌店が出店するファッションビル「丸ヨ池内」の公式サイトより)

しかし、インターネットで手軽に情報を得られる時代となって雑誌業界は厳しさを増しており、特にメインターゲットとなる世代の「デジタル移行」は顕著であるため、紙媒体からデジタルへの移行を決めたと考えられる。
デジタルマガジン版「KERA!」の第1号は2017年5月16日に創刊する予定。
なお「KERA!ショップ」の運営は今後も継続するとみられる。

外部リンク:リアルなファッションマガジン「KERA/ケラ!」
外部リンク:KERA!ショップ
関連記事:JR原宿駅を橋上駅舎化-2020年までに

ラオックス秋葉原アソビットシティ、2017年3月31日閉店-かつての「日本最大のホビー専門店」

免税家電店「ラオックス」は、秋葉原で長年親しまれてきたホビー専門店「秋葉原アソビットシティ」(Aso Bit City、東京都千代田区)を3月31日に閉店させる。

秋葉原アソビットシティ。

かつて「日本最大のホビー専門店」だった

アソビットシティは2002年10月に当時中堅家電量販店であった「ラオックス」が運営するホビー専門店として「T-ZONE秋葉原本店」「ミナミムセン」の跡(現在はドンキホーテ秋葉原店・AKB48劇場などが出店するビル)に開業。その後、ドンキホーテの出店などに伴い、現在の場所に移転オープンした。
開業当時は日本最大級のホビー専門店であり、ゲーム、模型、プラモデル、フィギュアなどを販売。その後は中野、豊洲にも出店した。
2009年にラオックスが中国・蘇寧電器の傘下となったあとは秋葉原店のみとなったが、同店主催のアイドルイベントやゲーム発売記念イベントなどの開催も継続されるなど、近年まで多くの集客力があった。
また、2012年にはキャナルシティ博多(福岡市博多区)にも出店し、2店舗体制となっていた。

ホビー専門店から免税品中心へ-客離れから再起できず

しかし「爆買い」ブームに乗るように2015年7月に「ホビー系免税店」としての改装をおこなうと、 多くのフロアがラオックス本館と同様の中国人向け家電・宝飾品売場に衣替えするなどしたため、 これまで主要客層であった日本客が大幅に減ってしまい、「免税店」とも「ホビー店」とも言えないどっちつかずのスタンスから集客に苦戦している印象があった。
2017年1月に全面改装をおこない再びホビー店としての再出発を図ったものの、売場は3フロアのみに。いったん離れた客を取り戻すことは難しく、閉店することに至ったと思われる。
秋葉原アソビットシティの閉店により、「アソビットシティ」はラオックスキャナルシティ博多店のなかに設置された店舗のみとなるが、こちらも当初とは異なり外国人客向け中心の商品構成となっており、ラオックスキャナルシティ博多店の改装とともに姿を消す可能性もある。

多くのイベントの”思い出”残して「あっけない幕切れ」

アソビットシティは長年に亘って趣都・秋葉原を牽引してきた大型店舗の1つであり、多くの家電量販店のホビー販売拡大のきっかけになった店舗でもあった。近年まで多くの集客力があり、同店主催のイベントに参加した思い出のある人も多いであろう。

最末期にはラブライブ!に力が入れられたが、1階は化粧品というチグハグさ。

閉店告知も店舗閉鎖の直前というドタバタ具合で、こうした経営の迷走による「あっけない幕切れ」は非常に残念なことである。

外部リンク:ラオックス秋葉原アソビットシティ店
関連記事:アニメイト、秋葉原に”女性向け”大型旗艦店-2016年7月開店
関連記事:JR秋葉原駅で「ご注文はアトレですか??」開催

イオン甲子園店、2017年5月閉店-旧プランタン百貨店・ダイエー甲子園店、競合増加で経営不振に

西宮市甲子園のショッピングセンター「イオン甲子園店」が2017年5月31日に閉店する。
追記:商品売場のみ6月以降も営業継続する。詳しくはこちら。
イオン甲子園店。

元・プランタン百貨店→ダイエー甲子園店

イオン甲子園店は1993年6月にダイエー系百貨店「プランタン甲子園」として開業。1995年にはダイエー直営の総合スーパー「ダイエー甲子園店」に業態転換し、ダイエーがイオンに買収されたのちの2016年3月からは「イオン甲子園店」として営業している。

スーパーらしからぬ造りの店舗だった。

建物は地下2階、地上6階建てで、商業施設面積は約29,000㎡。
プロ野球・阪神タイガースの本拠地で春夏には高校野球も行われる「阪神甲子園球場」の最寄り店舗ということもあり、試合開催日には多くの観戦客で売場が混雑することで知られていた。

タイガース協賛セールが行われる館内。

ダイエー時代末期からの業績不振抜け出せず閉店へ

イオン甲子園店の閉店の一番の要因は、ダイエー時代からの業績不振を脱せなかったことだという。
もともと同店はかつてはダイエーのなかでも全国屈指の売上を誇る旗艦店として知られており、現在も甲子園で試合が開催される際は混雑することで知られているが、2004年には甲子園球場南東側に三井不動産の大型商業施設「ららぽーと甲子園」(売場面積53,000㎡、核店舗:イトーヨーカドー)が、2008年には西宮スタジアム跡地に「阪急西宮ガーデンズ」(売場面積107,000㎡、核店舗:西宮阪急)が開業するなど、周辺では大型店同士での競争が激化。
さらに、近隣の食品スーパーとの競争においても、高級路線の「いかり」や低価格路線の「業務スーパー」(神戸物産)といった店舗と比べると特徴に乏しく、普段使いのスーパーとしての訴求力に課題を抱えていた印象は否めなかった。

施設の今後は三菱地所の手に-マークイズなど運営

イオン甲子園店の閉店に伴い、不動産大手の三菱地所が同施設の信託受益権を取得しており、同社が閉店後の施設の活用方法を決めていくと見られる。
なお、三菱地所は国内各地でショッピングセンター「マークイズ」を運営し、直近ではプロ野球・福岡ソフトバンクホークスの本拠地「福岡ヤフオク!ドーム」に隣接していた商業施設「ホークスタウンモール」跡地での出店を予定している。福岡ドーム隣接地に建設予定のマークイズ。(三菱地所公式サイトより)

福岡ドームと甲子園、奇しくもどちらもプロ野球本拠地球場の隣接地の開発を手がけることになった三菱地所は、「虎党の聖地」をどう作り変えていくのであろうか。

追記:商品売場のみ6月以降も営業継続する。詳しくはこちら。

外部リンク:イオン甲子園店
関連記事:ダイエー、3月30日までに110店舗の「イオン化」完了-9県のみで展開するローカルスーパーに
関連記事:三菱地所、ホークスタウン跡に「MARK IS」出店へ-ZEPP福岡も復活

イトーヨーカドー平店、2020年までに閉店へ-老朽化で、所有者は建替え目指す

福島県いわき市のJRいわき駅近くにある総合スーパー「イトーヨーカドー平店」が2020年までに閉店し、地域のコミュニティ機能などを持った新店舗に建て替えられる見通しであることがわかった。

イトーヨーカドー平店。

追記(2020年):2021年2月前後の閉店を見込む。

浜通り唯一のヨーカドー、築46年の「古参店」

イトーヨーカドー平店は1971年に開業、1993年に増築。
建物は地上5階建て、店舗面積は14,452㎡で、イトーヨーカドーと真砂不動産(いわき市)が所有している。
テナントとしては、ファストフードの「ポッポ」、「マクドナルド」、100円ショップ「ダイソー」などが出店している。
また、2013年からはいわき市内を中心とした郊外の買い物困難地域や、震災からの復興地域を対象に、4トントラックによる移動販売「イトーヨーカドー安心お届け便」を行っていることも特徴だ。

平店を拠点に行っているヨーカドーの移動販売。(富岡町のさくらモールとみおかにて)

老朽化で複合商業施設に建替え目指す-2020年までに

福島県浜通り地方唯一のイトーヨーカドー店舗として高い拠点性を持つ平店だが、最初に建てられた部分が築約46年と老朽化しており、さらに2011年に発生した東日本大震災による損傷も問題視されていたという。

「古さ」を感じずにはいられない店舗の裏側。

3月24日に国の認定を受けたいわき市中心市街地活性化基本計画によると、平店の一部を所有者する真砂不動産は2020年までに現在の店舗を閉店し、その後はイトーヨーカドーを核に子育てや地域のコミュニティ機能を持った複合商業施設へのリニューアル(建て替え)を目指すという。
なお現在、イトーヨーカドーは総合スーパー業の不振により店舗網を縮小しつつあるものの、福島県ではセブン&アイグループのスーパー「ヨークベニマル」(郡山市)もドミナント展開されており、そのため新施設には何らかのかたちでセブン&アイグループの店舗が出店する可能性も高いであろう。

外部リンク:イトーヨーカドー平店
外部リンク:いわき市中心市街地活性化基本計画の認定について(いわき市公式サイト)
関連記事:小名浜名店街・タウンモールリスポ、2018年1月閉館-老朽化で、イオン開業も影響か
関連記事: イオンモールいわき小名浜、8月着工-2018年夏開業目指す「防災拠点モール」

エスパル仙台東館、6月1日増床オープン-目玉は東北初の「成城石井」

以前の記事はこちら:エスパル仙台東館3月18日開店-東急ハンズ、東北初店舗

JR仙台駅ビル「エスパル仙台」を運営する仙台ターミナルビル株式会社は、2016年3月に開業した「東館」を6月1日に増床オープンさせることを発表した。
エスパル仙台東館。

ホテルメトロポリタン下層階に17店舗が集結

エスパル仙台東館は2016年3月、仙台駅東西自由通路の拡幅に伴いオープン。
建物(既存部)は地下1階、地上6階建てで、店舗面積は10,300㎡。
今回の増床部分は6月19日に開業する「ホテルメトロポリタン仙台イースト」の下層階に位置し、店舗面積は約1,300㎡。
増床部分のコンセプトは「East Communication&Daily Market」で東北初出店テナントを含む17店舗(ATM除く)が集結する。
増床部分。

なお、今回の東館増床によりエスパル仙台全館(本館、東館既存部、東館増床部、エスパルⅡ)の総売場面積は32,119㎡、総専門店数は331店舗に拡大し、日本有数の規模の大型駅ビルとなる。

「成城石井」などが東北初出店、楽天ショップも

東口駅前広場に直結する増床部分1階には海老ワンタン麺が人気の地元ラーメン店「本竃」、プロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスのオフィシャルショップ「楽天イーグルス グッズショップ」、地元媒体社等との連携により宮城の情報発信機能も備えるカフェ「タリーズコーヒー コミュシティ」、本格ナポリピッツァを味わえるスポーツバー「ダンボ ピザファクトリー」の4店舗がオープンする。
1階は東口駅前広場に直結する。

増床部分2階は「青の葉デイリーマーケット」と名付け、高級スーパー「成城石井」や和食屋の本格的な味が気軽に楽しめる「だし茶漬け えん」が東北初出店。その他、ドラッグストア「トモズ」、和惣菜「杜のこんだて 鐘崎」、寿司「浪花 古市庵」など13店舗が出店する。

2階には成城石井など13店舗が出店する。

エスパル仙台東館・増床部分出店テナント一覧

1階

  • 本竃(ラーメン)
  • タリーズコーヒー コミュシティ(カフェ)
  • 楽天イーグルス グッズショップ(東北楽天オフィシャルショップ)
  • ダンボ ピザ ファクトリー(スポーツバー&ダイニング)

2階 青の葉デイリーマーケット

  • グリーングルメ(惣菜)
  • 銀座 縁(焼鳥・惣菜・うなぎ)
  • 第一楼(中華惣菜)
  • カンナムキンパ(韓国惣菜)
  • フロ プレステージュ(だし茶漬け・おにぎり)
  • だし茶漬け えん(だし茶漬け、おにぎり)
  • デリフランス ル・コントワール(ベーカリー)
  • 農家イタリアン 米屋十米衛(イタリア惣菜)
  • 杜のこんだて 鐘崎(和惣菜)
  • 浪花 古市庵(寿司)
  • 大江戸とんかつ かつ匠(揚げ物惣菜)
  • 成城石井(グロサリー)
  • トモズ(ドラッグストア)

2階 ATM

  • セブン銀行
  • ゆうちょ銀行

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