盛岡バスセンター、2016年9月30日閉鎖-盛岡市、跡地に複合施設検討

岩手県盛岡市中ノ橋通の「盛岡バスセンター」が、老朽化のため2016年9月30日をもって閉鎖される。
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盛岡バスセンター。

バスターミナルの「お手本」-かつては屋上遊園地も 

盛岡バスセンターは「自動車ターミナル法適用第1号」の路線バスターミナルとして1960年開業。建物は3階建て、敷地面積は約2,800㎡で、岩手県交通や岩手県北自動車を中心に、岩手県内外へのバス路線の発着拠点として長らく機能してきた。
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くの字型が特徴的なバスターミナル。

バスセンター内には複数の商店が入居。開業当時は屋上に植物園や遊園地などが入った「盛岡バスセンターテーマパーク」が存在、バスの利用者のみならず地域住民からも愛されていた。また、近年はモダンな「昭和レトロ」の建物としても注目を集め、盛岡の観光スポットの一つともなっていた。
しかし、建物は既に築50年以上が経過しており、老朽化のため2016年3月には解体の方針が示されるに至っていた。
P1040812バスセンター内には昔懐かしの商店が立ち並んでいた。
多くの店舗は、閉館より一足先に閉店している。

市がバスセンターを核に再開発へ-存続を望む声も

現在の盛岡バスセンターの閉鎖後は、バスの発着所は隣接する駐車場内に設けられることになる。
バスセンターの建物の解体は年内にも開始され、跡地は盛岡市が取得後、再開発に着手する。
盛岡市は再開発計画について、新バスターミナルを整備するとともに「地域のにぎわいを産む複合施設」の建設を2020年度を目処に目指すとしている。
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バスセンター閉鎖後は当面隣接する駐車場がバス発着所となる。

建替え後は新しいバスセンターになり、利便性が向上する一方で、盛岡の昭和時代の象徴の1つであるバスセンターの取り壊しに反対する市民も多く、また近隣の岩手銀行赤レンガ館(1911年築)とともにレトロスポットして観光開発を行うべきだという声もあり、バスセンターの存続を訴える市民団体が盛岡市に対して建物の保存などを働きかけている。

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