北京市朝陽区のショッピングンセンター「イトーヨーカドー新十里堡店」が2016年10月31日に閉店する。
(華堂商場在華首店「北京新十里堡店」、10月31日關門)
イトーヨーカドー新十里堡店。
(百度ストリートビューより)
「北京のヨーカドー本店」閉店に
イトーヨーカドー(伊藤洋華堂)新十里堡店はイトーヨーカドー北京市1号店「伊藤洋華堂十里堡店」として、現地企業との合弁により1998年に開店。外資の大手流通企業としては北京初進出となり、話題を呼んだ。
現在は複合施設「新城市広場」の核店舗で、2010年1月には大規模増床を行い、売場面積は24,203㎡となった。北京市のイトーヨーカドーのなかでは最大の店舗で、現地法人の本社も置かれている。
テナントとしては、ユニクロ、ハニーズ、サイゼリヤ、マクドナルドなどが出店している。
店舗では9月中から閉店セールを実施中で、10月26日に上層階から順次閉鎖する。
また、跡地は「新城市広場」の管理企業が改装を行なう方針だという。
新城市広場全体(イトーヨーカドーHPより)。
セブンアイの総合スーパー閉店、北京でも相次ぐ
近年、イトーヨーカドーは北京市の総合スーパーを相次いで閉店させており、ここ数年間でイトーヨーカドー望京店、北苑店、西直門店、右安門店、大興店を閉店。北京市内で最も新しいイトーヨーカドー食品館三里屯店(2013年開店)は大型ショッピングセンターの核店舗でありながら食品のみを扱う店舗となっている。
11月以降、北京市のイトーヨーカドーはアジア大会村店、豊台北路路店、食品館三里屯店の3店舗のみとなる。
急速な消費変化への対応難しく
北京市では、不動産バブルによる家賃の急激な高騰により、イトーヨーカドー以外の大型商業施設でも、国内資本・外資を問わず閉店が相次いでいる。
また、日系スーパーは消費性向の移り変わりに追いついていないという指摘もある。北京市のイトーヨーカドーでは、近年若年層や家族連れをターゲットとした改装を行ない、集客力が大きく増したものの、若者や子供は購買力が低く、大きな売上には結びつかなかったという。
一方で、イトーヨーカドーの食品売場や、成都市など地方のイトーヨーカドー大型店舗、セブンイレブン事業は比較的好調だという。
セブンアンドアイホールディングスでは中国のコンビニ事業や、イトーヨーカドー食品館の出店を拡大したい思惑もあろうが、外資規制などで上手くいかないという現状もあると考えられる。
外部リンク:華堂商城 Ito Yokado
(参考記事:北京商報(北京市))