つがる市立図書館、イオン内に2016年7月29日開館-イオンモールつがる柏、ショッピングでの相乗効果狙う

青森県つがる市の大型ショッピングセンター「イオンモールつがる柏」に「つがる市立図書館」が2016年7月29日に開館した。
p1040480-1
イオンモールつがる柏。

イオンモール1号店、地域社会の中心に

イオンモールつがる柏はイオンモール株式会社がはじめて手がけたショッピングセンターとして1992年に開業(当時名称はイオン柏ショッピングセンター、愛称はWADONA)。現在の売場面積は45,800㎡。
津軽地域を代表する郊外型ショッピングセンターであるとともに、つがる市で最大の雇用施設であり、さらに地域の祭り・イベントの会場として度々利用されるほか、館内につがる市役所の出張所が設けられているなど、地域社会に無くてはならない存在となっている。

つがる市初の大型図書館、市役所出張所も併設に

2005年にイオンモールの立地する柏村など5町村の合併によって誕生したつがる市にはこれまで本格的な図書館が存在せず、「つがる市総合計画」にて図書館の新設が検討されてきた。
そこで白羽の矢が立ったのが、つがる地域の「中心地」として機能していたイオンモールであった。
2015年12月には、つがる市とつがる市教育委員会の検討の結果、イオンモール内への図書館設置が正式に決定。2016年7月29日に開館する運びとなった。
また、図書館の隣接スペースには同日に「つがる市役所つがる出張所」が移転開設された。つがる出張所は以前からイオンモール内にあったが、今回の移転リニューアルにより設備も刷新され、使い易い出張所として生まれ変わった。
p1040459
つがる市役所つがる出張所。

広域からの利用見込む-家賃は年2,500万円

つがる市立図書館は、イオンモールつがる柏別館「シネマヴィレッジ8」の1階部分に入居する。図書館部分の面積は1,606㎡で、蔵書数は約8万冊。
館内は木目を多用とした落ち着いた空間で、回遊性に優れたレイアウトが特徴となっている。
p1040446-1
つがる市立図書館エントランス。

図書館の指定管理者は株式会社図書館流通センター(TRC)。
つがる市はTRCに対し、初年度は4,600万円、2017年度から2020年度までは毎年5,000万円を上限とした指定管理料を支払うとともに、イオンへの賃料として毎年2,500万円を支払う。
P1040452回遊性に優れたレイアウトの図書館内。

エントランスにはカフェ「タリーズコーヒー イオンモールつがる市立図書館店」が併設され、借りた本を読みながらコーヒーを飲むブックカフェ形式での利用が可能となっている。
なお、本館のフードコート内には既に「タリーズコーヒー イオンモールつがる柏店」が存在するため、同モールでのタリーズは2店体制となる。
P1040458エントランスに出店したタリーズコーヒー。
同モールではフードコート内に次ぐ2店舗目。

「図書館」「市役所出張所」で集客力に期待かけるイオン

イオンモールつがる柏の近隣には、ライバル店舗である「エルムの街」(イトーヨーカドー五所川原店、売場面積38,942㎡)がある。
p1040534
エルムの街。

青森県では県内在住者に対し「青森県内図書館共通利用券」を発行しており、この券を提示すれば県内全ての図書館を利用することができる。そのため、つがる市立図書館は津軽地域の広い範囲からの利用が見込まれるとともに、イオン側としては競合する商業施設と差別化を行うことで、ショッピングでの相乗効果も期待しているであろう。

外部リンク:イオンモールつがる柏
外部リンク:つがる市立図書館
関連記事:多賀城駅前に市立”ツタヤ図書館”-真価問われるツタヤ図書館事業

このエントリーをはてなブックマークに追加