JR苫小牧駅前にある「苫小牧駅前プラザegao」(旧ダイエー苫小牧店サンプラザ)を運営する「サンプラザ」の自己破産が正式に決定した。
破産を受け、苫小牧市は建物の取得に乗り出しており、駅から連絡通路で直結という好立地を生かし、公共施設・商業施設などとしての再生を目指す。
苫小牧駅前プラザegao。
(画像提供:北のテッチャンさん)
旧ダイエー苫小牧店、自己破産正式決定
苫小牧駅前プラザegaoは「ダイエー苫小牧店」を核店舗としたショッピングセンター「サンプラザ」として1977年に開店。地上7階、地下1階で、売場面積は約20,000㎡。
苫小牧駅とは連絡通路で直結しており、最盛期にはダイエーに加えて100近いテナントが出店していた。
2005年のダイエー撤退後、2006年からは「苫小牧駅前プラザegao」となり、核店舗として「ラルズマート苫小牧駅前店」(売場面積約2,400㎡)が出店していた。
しかし、2013年に核店舗であったラルズマートやドラッグストア、くまざわ書店などが撤退すると、各フロアでテナント撤退が相次ぎ経営が悪化。2014年には自己破産を申請しており、2016年5月に自己破産が正式決定した。
撤退相次ぐ苫小牧駅前の商業施設
苫小牧市では2005年に苫小牧市沼ノ端地区に「イオンモール苫小牧」が出店して以降、苫小牧駅周辺では、大型店が相次いで撤退。
2005年には「ダイエー苫小牧店」、「丸井今井苫小牧店」が、2010年には「イトーヨーカドー苫小牧店」が、2011年には「ビッグジョイ」(トピア)が、2015年に「トマモール」が、2016年には 駅ビル「苫小牧エスタ」が閉店していた。
そのほか、2010年には長崎屋がディスカウントストアのドン.キホーテに転換、中心市街地から2軒の映画館が撤退するなど、典型的な「商業の郊外化」が進行している。
駅ビル「苫小牧エスタ」も2016年3月に閉館した。
(画像提供:北のテッチャンさん)
市が取得、再生に期待
郊外化に加え、苫小牧駅前プラザegaoの再生を阻んでいたもう1つの理由が地権者・権利者が複雑だということだ。
苫小牧市はageoを一時的に取得して、公共施設や商業施設などとして再生させたいとしている。
地元紙の苫小牧民報によれば、地権者・権利者29人のうち27人との交渉がまとまっているといい、複雑な権利を1つにまとめることで、再活用を推し進めたい考えだ。