カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

マルナカ屋島店、2017年1月31日閉店

香川県高松市高松町のJR屋島駅近くにあるイオン系の総合スーパー「マルナカ屋島店」が、1月31日午後6時をもって閉店した。
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最終営業日を迎えたマルナカ屋島店。

古高松・屋島を代表する老舗スーパー、41年の歴史に幕

マルナカ屋島店は1976年7月開店。地上4階建てで、売場面積は3,644㎡。建物はマルナカが所有している。
JR高徳線屋島駅ちかくの旧国道11号(県道155号線)沿いに立地し、高松市のベッドタウンとして発展した古高松(屋島)地区を代表する老舗総合スーパーだった。
しかし、開店から41年が経過し、建物の老朽化が進んでいたことが閉店に繋がったものと思われる。

かつては仮面ライダーの舞台にも

営業最終日は1階食品売場、2階ファッション・生活雑貨売場のみの営業となった。以前はテナントとして3階に「宮脇書店」などが営業していたほか、3階には寝具売場などがあった。
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入口に掲示された閉店のお知らせ。

また、マルナカ屋島店は「仮面ライダーブラックRX」34話(1989年放送、テレビ朝日系/瀬戸内海放送)のロケ地としても知られており、特撮ファンからの閉店を惜しむ声も聞かれた。
2017年2月現在、店舗跡地の活用方法などは明らかになっていない。

 外部リンク:マルナカ公式サイト
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イトーヨーカドー上大岡店、3月20日閉店-デニーズ日本1号店も歴史に幕

横浜市港南区の上大岡駅近くにあるショッピングセンター「イトーヨーカドー上大岡店」が2017年3月20日をもって閉店する。
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イトーヨーカドー上大岡店。

デニーズ日本1号店が出店、ヨーカドーとともに閉店か

イトーヨーカドー上大岡店は1974年4月開業。京急本線上大岡駅から南に徒歩10分ほどの住宅地に出店する。
建物は3階建てで、売場は1~2階、3階は事務所と駐車場になっている。建物はイトーヨーカドーが所有し、売場面積は16,146㎡。そのうちイトーヨーカドーが9,535㎡を占める。
このうち、イトーヨーカドーゾーンには2014年10月には100円ショップ「ダイソー」が、2015年10月には紳士服チェーン店「洋服の青山」が出店するなど、近年は大型専門店を導入することで効率化を推し進めていた。

また、イトーヨーカドー上大岡店の1階には、イトーヨーカドー開店時からアメリカ発祥のファミリーレストラン「デニーズ」の日本1号店である「デニーズ上大岡店」が出店していることでも知られるが、こちらもイトーヨーカドーの閉店に合わせて歴史に幕を下ろす可能性が高い。
imageデニーズ日本1号店が出店。

1999年には上大岡店の約1km北に日揮が運営するショッピングセンター「イトーヨーカドー横浜別所店・ジョイフルガーデンシティ」(売場面積13,059㎡)が開業しており、上大岡のヨーカドーは2店体制となっていた。
上大岡店の周囲には住宅団地が多くあるものの、他スーパーとの競合に加えて自社競合もあり、さらに建物が築43年と老朽化が進んでいたことも閉店の一因であると思われる。

閉店セール、2月1日より開催

イトーヨーカドー上大岡店では、2月1日より閉店セールが開催される。
店舗跡地の活用方法などについては、2月時点ではまだ発表されていない。

外部リンク:イトーヨーカドー上大岡店
関連記事:イトーヨーカドー秦野店、2017年3月閉店
関連記事:イトーヨーカドー厚木店、2017年2月閉店
関連記事:イトーヨーカドー、1号店の千住店など閉店へ-来春までに20店舗

イズミヤ・エスカード牛久店、2月1日閉店-イズミヤ、検見川浜店も閉店で関東撤退へ

JR牛久駅西口の複合商業ビル「エスカード牛久」の核店舗「イズミヤ牛久店」が2月1日で閉店する。
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イズミヤ牛久店・エスカード牛久。

イズミヤ、関東撤退へ

イズミヤ牛久店はJR牛久駅前の複合商業施設「エスカード牛久」の核店舗。
1987年3月開店で、イズミヤは1階から4階にかけて出店している。売場面積は13,720㎡。そのうち11,491㎡をイズミヤが占める。
イズミヤの関東初出店という記念すべき店舗だったが、イズミヤは「H2Oリテイリング」(阪急阪神東宝グループ)傘下となったことで経営資源を関西地方に集中させる方針を発表。2016年には中国地方から撤退したほか、牛久店を2月1日に閉店させたあとは「イズミヤ検見川浜店」(千葉市、1991年開店)を5月に閉店させる方針で、関東地方から完全撤退する。
今後、イズミヤの関西地方以外の店舗は宮崎店(宮崎市)と中国・蘇州市の店舗のみとなる。
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2015年に閉店したイズミヤ小山店。

牛久駅前唯一の大型店-新規テナント誘致へ

牛久市は稀勢の里関の出身地であることでも有名であるが、イズミヤとエスカード専門店街では、稀勢の里関の優勝記念垂れ幕などを2013年から用意しており、この垂れ幕は閉店を前にした2017年初場所の優勝によりようやく日の目を見ることになったという。
牛久駅前にはかつて西友も出店していたが現在は撤退しており、イズミヤ牛久店は牛久駅前唯一の大型スーパーとなっていた。
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手前はエスカード牛久、奥に見えるのは旧・西友牛久店。

牛久市は、買い物難民対策などから当面イズミヤの区分所有床を賃貸し、2019年度に購入する方針を発表した。今後、エスカードを運営する第三セクター「牛久都市開発」と牛久市はスーパーマーケットなど新規出店テナントの誘致を行う。

なお、イズミヤ内に出店するテナントは2月1日までに閉店するものの、エスカード専門店街(1~2階)の多くの店舗や、館内に入居する公共施設はイズミヤ閉店後も営業・運営を継続するという。
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稀勢の里関の旗が飾られた吹き抜け。

外部リンク:イズミヤ
外部リンク:エスカード牛久
関連記事:土浦駅ビル「ペルチ」、テナント撤退相次ぐ-1月には11店撤退、「観光施設転用」も視野 
関連記事:長崎屋・MEGAドン・キホーテ八千代16号バイパス店、11月19日開店-イズミヤ八千代店跡で新たな総合スーパー像を描く 
関連記事: ロブレイズミヤ小山店、2015年8月31日閉店

ジョイス仙台松森店、2017年2月19日閉店-ジョイス、進出4年半で宮城県から撤退

流通大手「アークス」(札幌市)傘下でCGCグループに加盟する「ベルジョイス」(岩手県盛岡市)は、仙台市泉区松森の食品スーパー「ジョイス仙台松森店」を2017年2月19日に閉店させる。
これにより、ジョイスは宮城県から完全撤退することになる。
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ジョイス仙台松森店。

ジョイス、宮城県から撤退-僅か4年半で

ジョイスは岩手県を中心に秋田、青森、宮城の4県に出店する食品スーパー。2012年よりアークスの完全子会社となり、2016年3月からは同じくアークス傘下の食品スーパー「ベルプラス」を吸収合併し、社名を「ベルジョイス」に改めた。
仙台松森店は宮城県初進出として2012年10月にオープン。売場面積は1,799㎡。
しかし、進出から僅か4年半で撤退することとなってしまった。

「岩手資本アピール」するも知名度不足響いたか

ジョイスでは、岩手県雫石町の「小岩井農場」ブランドの乳製品や、盛岡市民のソウルフードとも言われる「福田パン」の常設販売コーナーが設けられるなど、「岩手県のスーパーならでは」の品揃えを特徴としていた。
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店内に設けられた福田パンコーナー。

しかし、店舗周辺にはイオンのディスカウントストア「ザ・ビッグ仙台八乙女店」や、食品スーパー「みやぎ生協南光台店」、「ヤマザワ南光台店」など知名度の高いライバル店が多数存在し、「宮城唯一のジョイス」であった仙台松森店の知名度不足は否めず、結果として僅か4年半弱での撤退となってしまった。なお、宮城県内のアークス傘下のスーパーは「ジョイス」以外にも「ビッグハウス」、「ベルプラス」などがあり、今後は「ジョイス」としての出店が行われない可能性もある。
現時点では店舗跡の活用方法は決まっていないという。IMG_1589
ジョイスからほど近いザ・ビッグ仙台八乙女店。

外部リンク:ジョイス仙台松森店(ベルジョイス公式サイト)
関連記事:泉中央セルバテラス、11月11日開業-「食」中心の30店舗が集結
関連記事:西友仙台泉店、2016年9月閉店-スケート聖地も存続危機

ソフマップ梅田店・ソフマップ水戸駅店、2017年1月31日閉店

ビックカメラ傘下の家電量販店「ソフマップ」は、大阪府大阪市北区の「ソフマップ梅田店」、茨城県水戸市の「ソフマップ水戸駅店」を1月31日に閉店させる。
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ソフマップ梅田店。

JR高架下開発の一環で出店したソフマップ梅田店

ソフマップ梅田店」は2000年11月に、JR大阪駅高架下(現・アルビ大阪西館)に出店した「ソフマップギガストア梅田」が前身。
梅田初出店で、DTM専門フロア「クリエイターズランド」の開設など、西日本地区の旗艦店「日本橋店・ザウルス」と遜色ない専門性を高めたフロア構成が特徴だった。
2005年9月には高架下商業施設リニューアルに伴い開業した飲食店街「梅三小路」に縮小移転。得意とするPCソフト販売や中古商品取扱い強化により、競合する大型家電量販店「ヨドバシカメラ」との差別化を図ったが、難波・日本橋地区に出店する自社大型店舗やビックカメラとの競合に加え、アウトドア専門店が集積したアルビ大阪西館、飲食店メインの梅三小路との客層と合わなかったことから撤退に至ったと見られる。
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ソフマップ梅田店が出店する梅三小路。

ソフマップ梅田店撤退後、予約商品の受取やアフターサービスは日本橋店・ザウルスが担当する。梅三小路のソフマップ跡の活用方法は現時点では発表されていない。

ビックカメラ内に出店するソフマップ水戸駅店

ソフマップ水戸駅店」は2011年6月、茨城県初の店舗としてJR水戸駅ビル「エクセルみなみ」のビックカメラ水戸店4階に出店した「アキバ☆ソフマップ水戸駅店」が前身。
中古商品、TV・PCゲーム、アニメグッズ販売買取に特化した店舗モデルが特徴で、生活家電やAV機器、時計、トラベル用品などを取り扱うビックカメラと販売商品のある程度の棲み分けが行われていた。しかし「ソフマップならでは」の個性を出すことができず、閉店することになった。
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ソフマップ水戸駅店が出店するエクセルみなみ。

ソフマップ水戸駅店撤退後、予約商品の受取やアフターサービスはビックカメラが担当する。ソフマップ跡はビックカメラがフロアを活用するとみられる。

ソフマップ梅田店
外部リンク:店舗情報 梅田店 | sofmap.com
関連記事:ルクア・伊勢丹食品館「フードホール」、営業最終日賑わう-1月26日で閉店に 

ソフマップ水戸駅店
外部リンク:店舗情報 ソフマップ水戸駅店 | sofmap.com
外部リンク:ビックカメラ水戸駅店
関連記事:水戸オーパ、2017年3月開店-ヤマダ電機LABI水戸跡

関連記事:ビックカメラ調布駅前店、2017年秋開店-京王調布駅再開発の核、シネコンも出店
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岐阜センサの解体、2016年12月にはじまる-柳ケ瀬商店街「グランドタマコシ」創業の地

かつての東海地方地場大手スーパー「グランドタマコシ」が運営していた岐阜県岐阜市中心部のファッションビル「岐阜センサ」の解体工事が2016年12月に開始された。
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岐阜センサ。

グランドタマコシ創業の地だった

岐阜センサは岐阜県岐阜市中心部の柳ケ瀬商店街にあったファッションビル。
グランドタマコシは1920年に創業。1965年に柳ケ瀬商店街にスーパーマーケット1号店を出店させており、創業の地にあたる。
グランドタマコシは、岐阜県と愛知県に百貨店・総合スーパー「グランドタマコシ」「タマコシ」、ディスカウントストア「SAM」、ホームセンター「エブリ」などを展開。また、1980年代のDCブランドブームを追い風に1983年3月には総合スーパーのグランドタマコシ岐阜店南館をファッションビル「岐阜センサ」に、1987年に岐阜店北館を「岐阜センサ2」に業態転換させ、「GIFU・YANAGASE・CROSS」をキャッチフレーズとしてファッションビル業にも進出した。
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2館体制の大型ファッションビルだった。

しかし、1988年には岐阜市郊外に大型ショッピングセンター「マーサ21」(ジャスコ岐阜店)が開業。さらに1990年にセンサ隣接地に名鉄系ファッションビル「岐阜メルサ」が開業すると、売場面積の小さい岐阜センサは劣勢となった。
なお、岐阜メルサも2009年に閉店し、現在はドンキホーテなどが営業している。

倒産から13年、空きビル長期化…ようやく解体

その後、グランドタマコシは2004年に民事再生法を申請、倒産。
提携関係にあった大手スーパー「平和堂」(彦根市)が経営支援を決め、店舗の多くは平和堂として営業をおこなうこととなったが、岐阜センサ、グランドタマコシ一宮店は2004年8月~9月にかけて閉店した。
これ以降、岐阜センサの建物は13年間に亘って放置され、空き店舗となっていた。
人通りが減ったアーケード(レンガ通り)は痛みが目立ち、建物には落書きが見られるようになっていた。
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人通りがまばらな柳ケ瀬レンガ通り。

当面は駐車場として活用か

岐阜センサ跡地の活用方法については発表されていないものの、地元紙・中日新聞によると、センサを取得した「テクハン」(京都市)が隣接する長良橋通り(国道256号線)側にある「辻ビル」とともに解体し、当面はコインパーキングとして使用する見込みだという。
岐阜市中心部では、岐阜センサのほかに近鉄百貨店、長崎屋、岐阜パルコなども閉店。空洞化が叫ばれて久しいだけに、今後の有効活用に期待が寄せられている。

関連記事:イトーヨーカドー犬山店、2017年2月閉店-キャスタの核
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丸井郡山店跡に「ダイワロイネットホテル郡山駅前」、2月16日開業-1~3階は商業施設に

JR郡山駅前に「ダイワロイネットホテル郡山駅前」が2月16日にグランドオープンする。
ダイワロイネットホテル郡山駅前。

丸井郡山店閉店から9年、「駅前の顔」ようやく再生

ダイワロイネットホテル郡山駅前は大和ハウス工業グループのビジネスホテルで、ファッションビルの「丸井郡山店」跡に建設されたもの。
丸井郡山店は1975年11月に開店。東北唯一の丸井として親しまれたが2008年2月に閉店。その後も建物は残されていたが、東日本大震災で大規模半壊し、2013年に解体されていた。
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位置図(ロイネットホテル公式サイトより)。

1階から3階は商業施設に-飲食店など出店

ダイワロイネットホテル郡山駅前は13階建て。そのうち、1階から3階までは商業施設となり、開業時には飲食店など9テナントが出店する。
また、4階にはフロントに加えて会議室などを設置。客室は5階~13階となる。このほかに立体駐車場を設ける。

商業エリアは ガラスカーテンウォールで明るい雰囲気。

商業施設部分の出店テナントは以下の通り。
東邦銀行はアティ横にある郡山駅前支店の移転となる。
また、下記の9店舗以外に、空きテナントが2区画あるという。
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商業施設館内のようす。
(大和ハウス工業福島支店ウェブサイトより)

3階
  • 福島県赤十字血液センター
  • first(美容院)
2階
  • 牛たん 利久(牛たん)
  • 和・郡山すが波(割烹)
  • ニャーヴェトナム(ベトナム料理・カレー)
1階
  • 東邦銀行
  • セブンイレブン
  • 魚力寿司
  • ドトールコーヒー
ダイワロイネットホテル郡山駅前

住所:福島県郡山市駅前1−6−10
営業時間:施設により異なる(セブンイレブンは24時間)

外部リンク:ダイワロイネットホテル郡山駅前
外部リンク:ダイワロイネットホテル郡山[建築現場](大和ハウス工業福島支店)
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土浦駅ビル「ペルチ」、テナント撤退相次ぐ-1月には11店撤退、「観光施設転用」も視野

JR土浦駅ビル「ペルチ土浦」のテナント撤退が相次いでいる。
2017年1月には食品売場も閉鎖、営業区画は半分以下・1階は大部分が閉鎖となり、空きフロアを観光施設などに転用する案も生まれている。
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ペルチ土浦。

つくばエクスプレス開業で利用客減、一度は「駅ビル閉鎖」に

ペルチ土浦の前身となる「ウイング土浦」は1983年4月に開業。地上6階、地下1階建、売場面積7,358㎡。
2004年以降はデパ地下テイストの和洋菓子フロア「スイーツガーデン」を設けるなどJR東日本が得意とする「ルミネ」「アトレ」などをお手本とした改装を進めたが、2005年のつくばエクスプレス開通とその沿線開発の進展により、2000年ごろには4万人を超えていたJR土浦駅の乗降客は3万人ほどにまで大幅に減少。
ウイング土浦は2008年7月に閉店してしまった。

イオンが経営に参画、「ペルチ」として再生はかるも…

その後、土浦駅ビルはJR東日本グループとイオンモールとの共同運営により、2009年7月に「ペルチ土浦」として生まれ変わった。当時は折しも2009年5月には「イオンモール土浦」が開業したばかりで、当時はイオンによる駅前地域衰退の危惧を払拭するためでもあったと言われている。
ペルチとは「止まり木」という意味で、当初のキャッチフレーズは「ツチウラ ライフ コンビニエンス」。約60店が出店した。
しかし、当初の計画発表で予定されていた「イオングループが駅の立地特性の中で新たに展開する生活提案型の店舗」は自転車店「イオンサイクルショップ」1店舗に留まり、再びテナントの撤退が相次いだため、2011年12月にはイオンモールが運営から撤退、JR東日本グループのアトレが運営管理者になり、再改装を実施した。

土浦駅改札に面したエントランス。

この改装に合わせて1階に生鮮食品売場「旬鮮市場」が新設され、青果「九州屋」、精肉専門店「ニュー・クイック」、前身のウイング時代に地階食品売場で営業していたスーパー「Tマート」などが出店。2階には銘菓・銘店街が導入されるなど、ウイングの頃のテナント構成に近づいた。また、常磐線史料館を併設した鉄道模型店「ポポンデッタ」、「ヴィレッジヴァンガード」、「未来屋書店」、「100円ショップセリア」なども新たに出店し、一度は賑わいを見せた。
しかし、その後は再びテナントの撤退が相次ぐこととなる。

11店舗が閉店に-案内所も閉鎖

2017年1月中に閉店することになったのは、以下の店舗。

  • 旬鮮市場(Tマート、九州屋、ニュークイック、魚のサントー)
  • 3COINS
  • スタジオプリモ
  • ポポンデッタwith常磐線ギャラリー
  • アントステラ(ステラおばさんのクッキー)
  • とんかつ和幸
  • たごさく
  • 日本一
  • ペルチインフォメーションカウンター(案内所)

ほとんどが契約(5年間)の満了による撤退で、跡地の利用は決まっていないという。これらの閉店により、ペルチ土浦は半分以上が空き店舗となり、総テナント数は20店舗台となってしまった。
土浦駅前では1997年に開店した再開発ビル「ウララ」(イトーヨーカドー)が2011年に閉店、2013年には市役所に転用されるなど空洞化が深刻であるものの、ウララ(市役所)内にはイオングループの食品スーパー「カスミ」、100円ショップ「ダイソー」などが出店しているため、ペルチの食品売場閉鎖により土浦駅周辺から食品スーパーが無くなる訳ではない。
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駅とも直結されるウララビルは市役所に転用された。

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同じく土浦駅前にある旧・マルイ土浦店。
パチンコ店などが入居する雑居ビルとなっている。

サイクリングロード(旧・筑波鉄道)の「観光拠点施設」に?

ペルチ土浦では今後の具体的な改装計画を発表していないものの、茨城県と土浦市はペルチ内にサイクリングロード「つくば霞ケ浦りんりんロード」(一部は旧・筑波鉄道跡)の発着・観光拠点、自転車レンタル場などを設置することを検討しており、計画がまとまり次第、国に対して補助金を申請する予定だという。
さらに、地元紙・茨城新聞の報道によれば、ペルチの上層階をサイクリング客向けの宿泊施設、スパ併設のリゾート施設などに改装する案もあるといい、もし計画が実現すれば、ペルチ土浦はその姿を大きく変えることになる。

外部リンク:perch tsuchiura :: ペルチ土浦(アトレ)
関連記事:筑波西武跡の再活用に向けたクラウドファンディング開始-オフィスビル化目指す
関連記事: 土浦市役所、商業ビル「ウララ」に移転

ルクア・伊勢丹食品館「フードホール」、営業最終日賑わう-2017年1月26日で閉店に

大阪府大阪市北区の大阪駅・ノースゲートビルディング西館「ルクアイーレ」(LUCUA1100)地下2階にあるジェイアール西日本伊勢丹(本社:京都市下京区)のデパ地下フロア「イセタン フードホール」が2017年1月26日に閉店した。
これにより、ルクアイーレからいわゆる”デパ地下”が消滅した。
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賑わう営業最終日のイセタンフードホール。

開店から人気の高かった食品売場、惜しまれつつ閉店

イセタン フードホールはJR大阪三越伊勢丹地下2階食品フロアを引き継ぐかたちで2015年4月に開業。
三越伊勢丹として開業した当初は東京の店舗を多く取り入れ「伊勢丹らしい」デパ地下だったが、ルクアイーレへ改装された際には、梅田初進出となる高品質スーパー「北野エース」、素材専門店「富澤商店」を新たに導入。飲食店・イートインも、「和酒空間TASHINAMI」、「銀座天一」に加え、「燻製バルOSAKA」、「堂島カレー」、「姫路 竹善」の麺料理店が新規出店、ジャンル面・価格面双方において充実が図られた。 また、「大阪産(おおさかもん)」認定商品の取扱拡充や、大阪・天満の中華バル「黒龍天神樓」、上新庄の「オーサムベーカリー」を入店させるなど、伊勢丹らしい東京の銘店に加えて地元銘店も重視した売場に生まれ変わっていた。
さらに、閉店時間を競合百貨店より30分~1時間程度長い午後9時として仕事帰り客の獲得にも成功。自社カード会員ラウンジなどを改装して開業した飲食街・バルフロア「バルチカ」とともに大きな集客力があった。
しかし、この「バルチカ」は、運営が軌道に乗ると週末を中心に大きな混雑を見せるようになった。その結果、食品売場は改装から僅か2年でバルチカの更なる増床をおこなうため閉店するに至ったという。

「東京の伊勢丹」ならでは、大阪・関西から撤退する店舗も

イセタンフードホールの営業最終日となった1月26日には、関西から全面撤退となるベーカリー「ジョアン」や、ヒレカツ弁当の特価販売を実施した「とんかつ和幸」では長蛇の列が発生。ワインや惣菜、グラスなどを販売する「ヴァン・コラージュ」では入場制限も行われた。
生鮮食品売場は夕方前にはほとんどが売り切れ、ギフト解体商品も陳列数分で姿を消すなど、大きな賑わいをみせた。
賑わう最終日、ヴァンコラージュ(写真左側)では入場制限も。

大阪唯一の店舗として営業していた銀座天一では、店員に近隣店舗の情報を聞く客も見られるなど、「東京の伊勢丹」を売りに関西・大阪唯一の銘店が多かった同店ならではの光景があった。

商品の大半が夕方には売り切れた生鮮食品コーナー。

伊勢丹ギフトサロンも閉店-バルチカ増床へ

イセタンフードホールの閉店後は以前の記事で紹介した通り、2017年秋から2018年春にかけて、好調な飲食街「バルチカ」の拡張を中心とした改装をおこない、新たな専門店ゾーンに生まれ変わる予定だ。
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飲食街「バルチカ」は増床される。

イセタンフードホールが営業していた地下2階フロアではJR西日本伊勢丹によるインフォメーションカウンター、商品券・ギフトサロンも営業していたが、今回のフードホール営業終了に合わせて業務を終了。直営売場を縮小しつつも「百貨店業態」を維持してきたルクアイーレであったが、今後は百貨店とは言い難い構成になる。
梅田における三越伊勢丹のギフト拠点は、三越大阪ギフトサロン(11階)のみとなる。

外部リンク:isetan Food Hall イセタン フードホール食料品
外部リンク:イセタンフードホールギフトサロン
関連記事:三越伊勢丹、さらに5店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-対象は合わせて9店舗に
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SAPPORO雪ミクWAON、2月13日発売-WAON×初音ミク、初コラボ

イオン北海道とマックスバリュ北海道は、新たな「ご当地WAONカード」として「SAPPORO雪ミクWAON」を2017年2月13日より発売する。
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SAPPORO雪ミクWAON。
(MV北海道プレスリリースより)

WAON、初音ミクと初コラボ!

「SAPPORO雪ミクWAON」は、イオングループが全国で発行しているご当地WAONの1つで、札幌市との「さっぽろまちづくりパートナー協定」に基づくもの。利用金額の一部が札幌市の文化芸術振興支援に活用される。札幌市のご当地WAONとしては2種類目となる。
デザインはKEI氏による雪ミクが表面に描かれたもので、裏面にも雪のデザインがあしらわれる。

「SAPPORO雪ミクWAON」の発行手数料は1枚300円。2月13日からは道内のイオングループの店舗、WAONに加盟するビックカメラグループの店舗でも販売され、通常のWAONカードと同様に全国のWAON加盟店で利用することができる。
また、「第68回 さっぽろ雪まつり」の開催にあわせ、2月6日より大通会場、つどーむ会場、新千歳空港内「雪ミク スカイタウン」において先行販売を実施する。

外部リンク:札幌市のご当地WAONが新たに誕生!「SAPPORO雪ミクWAON」の発行を開始します(マックスバリュ北海道)
外部リンク:【その他(お知らせ)】「SAPPORO*雪ミクWAON」発売決定!札幌市への寄付につながります♪(piapro)
関連記事:艦隊これくしょん×三越、11月23日抜錨
関連記事:渋谷マルイで「ご注文はOIOIですか??」開催-サブカル系コンテンツに注力する丸井