JR大垣駅前の「ヤナゲン百貨店B館」が老朽化のため8月20日を以て閉館する。
ヤナゲン百貨店。手前からA館、B館、C館。
創業107年の老舗百貨店、かつては3館体制だった
ヤナゲンは1910年に柳源呉服店として創業。1966年に百貨店化した。かつては「ヤナゲン百貨店」(A、B、C館の3館体制、約22,000㎡)とインテリア専門店「FAL」(旧岐大ホームセンター)、スーパーの「ヤナゲンストアー」を擁していたが、債務超過に陥り2000年には大垣共立銀行管理となり、2005年には大手スーパー「平和堂」の傘下となるとともにC館を閉鎖した。B館1階の食品売場は平和堂傘下となった2005年に大規模改装を行ない、百貨店らしいクオリティにするとともに、スーパーならではの日常使いと両立した売場へと生まれ変わっている。
2016年には新社員としてロボット「ペッパー」を採用している。
ヤナゲンB館、8月20日完全閉館-後継ビル入居も断念
ヤナゲンB館は1970年に建設されたもの。6階建てで売場面積は7,619㎡。
閉館は、老朽化にともない耐震性が確保できないことが大きいという。
今後、B館の跡地は売却され、マンションが建設される予定。
当初はB館跡地に建設されるマンションの下層階に食品売場を入店させる計画もあったものの、売場面積が確保できる見込みがないために断念することになったという。
B館のうち、2階から6階は今夏までに順次閉鎖されており、8月20日の1階食品売場の閉鎖により、B館は完全に閉館することになる。
閉館を告知する看板。
ヤナゲンA館、8月24日までにリニューアル
8月21日以降、ヤナゲン百貨店は1989年11月に開業したA館(7階建て、売場面積7,853㎡)のみでの営業となる。
すでにB館の2階~6階までにあった売場(子供服売場など)の殆どはA館に移転済み。
A館1階は8月24日まで改装を行ない、B館1階で販売していた食品のうち、一部は本館であるA館1階で販売するほか、銘菓・銘店コーナーはこれまで通りA館1階で継続する。
なお、1階には大垣共立銀行と化粧品売場などが出店しており、売場面積が確保できないため、生鮮食品や総菜、日常雑貨の販売は限られたもののみとなるという。
ヤナゲン百貨店A館。
1館体制でコンパクトかつ買い回りしやすい店となった一方で、集客力があった食品売場が大幅に縮小されたヤナゲン百貨店。
大垣駅周辺では再開発が進んでおり、街中居住者も増える見込みであるという明るいニュースもありながら、今後は食品売場閉鎖で失った集客力を挽回できるのか、正念場である。
ヤナゲンの向かいで行われている再開発。奥は大垣駅。
ヤナゲンB館1階からA館1階に移転する店舗
- ヤナゲン特選食品館(8月24日~)
- 丸忠果物店(8月23日~)
- フラワーショップ菊之屋(8月23日~)
- チケットぴあ(8月19日~)
外部リンク:ヤナゲン大垣本店