大阪府大阪市北区の大阪駅・ノースゲートビルディング西館「ルクアイーレ」(LUCUA1100)地下2階にあるジェイアール西日本伊勢丹(本社:京都市下京区)のデパ地下フロア「イセタン フードホール」が2017年1月26日に閉店した。
これにより、ルクアイーレからいわゆる”デパ地下”が消滅した。
賑わう営業最終日のイセタンフードホール。
開店から人気の高かった食品売場、惜しまれつつ閉店
イセタン フードホールはJR大阪三越伊勢丹地下2階食品フロアを引き継ぐかたちで2015年4月に開業。
三越伊勢丹として開業した当初は東京の店舗を多く取り入れ「伊勢丹らしい」デパ地下だったが、ルクアイーレへ改装された際には、梅田初進出となる高品質スーパー「北野エース」、素材専門店「富澤商店」を新たに導入。飲食店・イートインも、「和酒空間TASHINAMI」、「銀座天一」に加え、「燻製バルOSAKA」、「堂島カレー」、「姫路 竹善」の麺料理店が新規出店、ジャンル面・価格面双方において充実が図られた。 また、「大阪産(おおさかもん)」認定商品の取扱拡充や、大阪・天満の中華バル「黒龍天神樓」、上新庄の「オーサムベーカリー」を入店させるなど、伊勢丹らしい東京の銘店に加えて地元銘店も重視した売場に生まれ変わっていた。
さらに、閉店時間を競合百貨店より30分~1時間程度長い午後9時として仕事帰り客の獲得にも成功。自社カード会員ラウンジなどを改装して開業した飲食街・バルフロア「バルチカ」とともに大きな集客力があった。
しかし、この「バルチカ」は、運営が軌道に乗ると週末を中心に大きな混雑を見せるようになった。その結果、食品売場は改装から僅か2年でバルチカの更なる増床をおこなうため閉店するに至ったという。
「東京の伊勢丹」ならでは、大阪・関西から撤退する店舗も
イセタンフードホールの営業最終日となった1月26日には、関西から全面撤退となるベーカリー「ジョアン」や、ヒレカツ弁当の特価販売を実施した「とんかつ和幸」では長蛇の列が発生。ワインや惣菜、グラスなどを販売する「ヴァン・コラージュ」では入場制限も行われた。
生鮮食品売場は夕方前にはほとんどが売り切れ、ギフト解体商品も陳列数分で姿を消すなど、大きな賑わいをみせた。
賑わう最終日、ヴァンコラージュ(写真左側)では入場制限も。
大阪唯一の店舗として営業していた銀座天一では、店員に近隣店舗の情報を聞く客も見られるなど、「東京の伊勢丹」を売りに関西・大阪唯一の銘店が多かった同店ならではの光景があった。
商品の大半が夕方には売り切れた生鮮食品コーナー。
伊勢丹ギフトサロンも閉店-バルチカ増床へ
イセタンフードホールの閉店後は以前の記事で紹介した通り、2017年秋から2018年春にかけて、好調な飲食街「バルチカ」の拡張を中心とした改装をおこない、新たな専門店ゾーンに生まれ変わる予定だ。
飲食街「バルチカ」は増床される。
イセタンフードホールが営業していた地下2階フロアではJR西日本伊勢丹によるインフォメーションカウンター、商品券・ギフトサロンも営業していたが、今回のフードホール営業終了に合わせて業務を終了。直営売場を縮小しつつも「百貨店業態」を維持してきたルクアイーレであったが、今後は百貨店とは言い難い構成になる。
梅田における三越伊勢丹のギフト拠点は、三越大阪ギフトサロン(11階)のみとなる。
外部リンク:isetan Food Hall イセタン フードホール食料品
外部リンク:イセタンフードホールギフトサロン
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