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堂島ホテル、解体・再開発へ-堂島ロール発祥の地、32年の歴史に幕

三菱UFJリースグループ、片山工業グループ、リシェス・マネジメントの3社は、大阪市中心部のシティホテル「堂島ホテル」(大阪市北区)跡の再開発を行うことを8月2日に発表した。
 堂島ホテル。

堂島ホテル、解体へ-再開発後も「ホテル」検討

堂島ホテルは日本都市企画が運営するビジネスホテルとして1984年に開業。長期休業を伴う大規模改築を経て1994年にシティホテル「インターナショナル堂島ホテル」としてリニューアルした。
リニューアル後は堂島の街に相応しい重厚感ある現在の姿となったが、過剰投資や業績不振により1999年に当時の運営会社が経営破綻。その後も施設所有者の相次ぐ変更に伴い、2001年には「マークスGホテル大阪」、2003年には「アンビエント堂島ホテル」と幾度も改称されるなど、紆余曲折を経た。
2006年には「堂島ホテル」に再改称され、世界一の朝食と称される「bills」、NY発のベーカリー「ドミニクアンセル」を国内に誘致したことで知られる「トランジットジェネラルオフィス」による施設のブランディング、リノベーションを実施。加えて、堂島ホテルで販売されていたロールケーキが元となった「堂島ロール」のメディア露出もあり、全国的な知名度を誇る高級シティホテルとして名を馳せることとなった。
その一方で、イメージ戦略の成功とは裏腹に、度重なる改装に伴う建物の老朽化もあり経営再建の目途は依然として立たず、外資系ファンドへの売却を経て、2016年12月27日をもって再び閉館するに至っていた。

堂島ホテル跡を取得した3社は、建物を再活用せずに解体する予定。
跡地は再開発をおこない、2020年の開業を目指して客室数約300室程度の宿泊主体型アップスケールホテルを建設するとしており、「堂島ホテル」が新たな建物での再出発を図る可能性も高い。

外部リンク:大阪堂島ホテル再開発事業への取り組み – 三菱UFJリース
外部リンク:堂島ホテル再開発事業への取り組みに関するお知らせ – 片山工業株式会社
外部リンク:  当社連結子会社リシェス・マネジメント株式会社による大阪堂島ホテル再開発事業への取り組みについて(開示事項の経過)
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姫路モノレールのレール、8月7日より販売開始-大将軍駅から切り出し

老朽化のため2016年8月以降解体工事が進む「姫路モノレール大将軍駅」のカットレールが「甦る姫路モノレール 幻の大将軍駅使用レール」として8月7日から販売されることになった。
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大将軍駅が入居していた公団高尾アパート(解体済)。

大将軍駅のレールを使用

姫路モノレールは1966年に姫路駅-手柄山駅間で開通。
しかし、利用者数の低迷により1974年に運行休止、1979年に廃止となった。
大将軍駅が入居していた公団高尾アパートは高度経済成長期を象徴する斬新な建築として注目を集め、解体直前の2016年8月には見学会が実施されていた。(詳細は前記事

今回販売されるカットレールはAタイプ(450個限定10,000円、メッキ処理、切断幅2cm、桐箱入り)、Bタイプ(1,550個限定5,500円、アクリル塗装、切断幅3cm、紙箱入り)の2種類。
レールにはシリアルナンバーが刻印され、表面研磨、塗装が施される。さらに、大将軍駅の駅銘板を再現したステンレス銘板や記念冊子が付属する。

幻の大将軍駅使用レール見本(姫路市サイトより)

8月1日より特設サイトや往復葉書での購入受付が行われており、8月7日からは手柄山交流ステーション事務所(旧・手柄山駅)での販売(Bタイプ限定50個)や、レール加工を担当したオハラ工芸での店頭受取も行われる。

外部リンク:姫路モノレール 記念レール販売
外部リンク:姫路市|姫路モノレールの記念レール販売について
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姫路フォーラス跡、不動産会社が購入へ

浦和パルコに「ヤオコー」、2017年11月22日開店-大丸百貨店跡に

さいたま市浦和区のJR浦和駅前にあるファッションビル「浦和パルコ」にスーパーマーケットの「ヤオコー」(川越市)が2017年11月下旬に出店する。
追記:グランドオープンは11月22日となった。
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浦和パルコ。

ヤオコー、大丸跡に出店-新規テナント導入も

ヤオコーが出店するのは、地階の大丸百貨店跡。
大丸は浦和パルコの開店とともに出店したが、2015年11月に浦和駅併設のショッピングセンター「アトレ浦和」開店により経営不振となっていた。アトレ浦和は2018年春に増床予定であり、大丸松坂屋は今後の集客増が見込めないとして閉店に至ったものと思われる。なお、旧・大丸部分以外のテナントの多くは営業を継続しているが、100円ショップキャンドゥは大丸内への出店であったために閉店している。
また、浦和パルコ自体もアトレに対抗するべく2017年春に改装を実施、新たにニトリデコホームなどを導入している。
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アトレ浦和。

ヤオコーが出店する大丸跡の売場面積は4,587㎡。
店舗名は「ヤオコー浦和パルコ店」で、地階にはヤオコーのスーパーマーケットのほか、カフェ「タリーズコーヒー」、スイーツ「銀座コージーコーナー」、そのほかグロサリー、生活雑貨等の専門店14店舗が新規出店し、100円ショップ「キャンドゥ」など既存の3店とともに11月末のリニューアルオープンを目指す。

外部リンク:浦和PARCO 地下1階 食品ゾーン大型改装についてのお知らせ
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セブンアイ、そごう神戸店・西武高槻店をH2Oグループに10月譲渡-旧「イズミヤ」のアセットマネジメントに

流通大手「セブン&アイHD」傘下の百貨店「そごう・西武」は、「そごう神戸店」、「西武百貨店高槻店」(オーロラモール高槻、旧・西武高槻ショッピングセンター)の百貨店事業、資産、土地・建物をH2Oリテイリング(阪急阪神百貨店)傘下の不動産事業会社「H2Oアセットマネジメント」(旧・イズミヤ)に譲渡することで8月3日に最終合意した。

そごう神戸店(神戸市中央区)。

「イズミヤ」を起源とする会社に

今回2店舗の譲渡を受ける「H2Oアセットマネジメント」はもともと1952年に関西地盤の大手総合スーパー「イズミヤ」として設立された会社。
2016年のH2Oリテイリングとの経営統合を機に、スーパーマーケット運営事業を新会社(現・イズミヤ)に移管、現社名に商号を変更したのち、イズミヤ店舗などの不動産の管理運営、開発を目的とする事業会社に業種転換していた。

西武百貨店高槻店・オーロラモール高槻(大阪府高槻市)。
関西スーパー、ロフトなどがテナント出店。

10月から新体制-当面は屋号・業態を維持

そごう・西武はそごう神戸店、西武百貨店高槻店の権利を新会社「神高管理」に移管し、新会社の株式をH2Oアセットマネジメントに譲渡、10月1日から新体制での経営となる。売却額は非公表。なお、当初譲渡予定であった「そごう西神店」(西神そごう)は対象から外された。
 一方で、今のところ阪急阪神百貨店との連携施策、建替計画、業態転換などは発表されておらず、2店舗は当面のあいだ従来通りの屋号のまま営業を継続する見込みだ。

外部リンク:株式会社そごう・西武のそごう神戸店及び西武高槻店に関する事業の譲受についての契約書締結のお知らせ(H2O)
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そごうオーロラモールジュンヌ、2018年3月までに全館リニューアル-「コト発想」の体験型に

JR千葉駅前にある「そごう千葉店」(千葉そごう)の別館「オーロラモール ジュンヌ」(ジュンヌ館)が、“コト発想”の体験型専門店館として2017年9月kら2018年3月にかけて全面リニューアルされる。

千葉そごう。手前が本館、奥がジュンヌ館。

ジュンヌ館、開業13年目の全面リニューアル

ジュンヌ館は塚本大千葉ビル(現:ヨドバシカメラ千葉店)から千葉駅前の再開発地区「センシティ」に移転した千葉そごう(新千葉そごう)の別館「コリドーモール」として1993年4月に開業。
その後、西武百貨店との経営統合によるミレニアムリテイリング発足を経て、西武のブランドである「オーロラモール」を冠した「オーロラモールジュンヌ」として2005年10月にリニューアルされた。ジュンヌ館の売場は地下1階〜地上4階で構成され、営業面積は約16,000㎡。
ジュンヌ館はこれまで若者向けファッション専門館(ファッションビル)として営業を続けてきたが、近年の千葉エリアにおける商業環境の変容や顧客の興味関心の変化にともない「コト発想」の体験型専門店館への刷新を迫られることとなったという。
千葉駅前では新たな千葉駅ビル「ペリエ千葉」が建設中であり、その影響を見越した改装でもあろう。

改装告知が掲出されたオーロラモールジュンヌ。

ファッション縮小、「コト消費」全面に-9月に一部開業

今回の改装では、旧来7割の面積を占めていたファッション領域を4割まで縮小し、コト・体験、ビューティー、食、生活雑貨といった領域の面積拡充に当てる。
改装全72区画のうち55区画が9月15日に先行開業し、残りの17区画が2018年3月までに開業する予定となっている。改装前と改装後の変化。(ニュースリリースより)

1階「旬のファッションと食のマルシェ」では、セレクトショップ「ライフストアRoom903」、「キャスキッドソン」といった人気のファッション・雑貨ショップに加えて、千葉県初となるアートキャンディショップ「パパブブレ」など、賑わいと楽しさを生み出す食関連のコンテンツを大胆に導入する。
2階「キレイを創るビューティフロア」では、ダイエットスタジオ「加圧ビューティーテラス」や目元専門サロン「マール」といったサロンのほか、一時預かり専門託児所「ママズスマイル」や商業施設初となる卓球スペースを導入する。
3階「コト消費型体験フロア」では、ミニシアター・ギャラリーを併設する書店「16の小さな専門書店とルームシアター」、タブレットの手順に沿ってプロ並みのスイーツが簡単に楽しく作れるクッキングスタジオ「ホイップ」、ハンドクラフトが気軽に楽しめる「手芸ショップ」など、時間消費型のコンセプトストアをバラエティ豊かに導入する。
4階「上質ライフスタイルストア」では、「アーバンリサーチ」、「フランフラン」といった大型ライフスタイルショップが開業するほか、本館とのブリッジ的な性格を持つ海外ブランドを2018年春にかけて導入する。

店舗レイアウトやロゴなども刷新へ

今回の改装にあたっては、1〜3階の中心部に「エディトリアルエリア」と呼ぶゾーンを設定。放射状に什器を配置することで、吹き抜けから360度を見渡せる斬新なレイアウトととなる。
また「ショッピングwithドリンク」と題し、各フロア内に「止まり木」となるドリンクスペースを設けることで、店内各フロアのカフェ・ジューススタンドで提供する飲み物であれば全て持ち歩きが可能となる。
 施設中央部に設けられる「エディトリアルエリア」。
(ニュースリリースより)

今回のリニューアルにともない、ジュンヌのロゴも六角形を模した新たなデザインへと変更される。
ジュンヌの新ロゴは六角形を模したものに変更となる。
(ニュースリリースより)

外部リンク:コト発想の体験型専門店館に向けてそごう千葉店JUNNU 改装スタート
関連記事:JR千葉駅ビル「ペリエ千葉」、9月7日Ⅱ期先行開業-千葉市初のビームス、東急ハンズなど107店が出店
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新・渋谷駅ビル、名称は「渋谷スクランブルスクエア」に-2019年度Ⅰ期完成予定

東京急行電鉄、東日本旅客鉄道、東京地下鉄の3社は、8月1日に渋谷駅に建設中の超高層ビル「渋谷駅街区開発計画Ⅰ期東棟(仮)」(渋谷駅ビル東棟)の施設名称を「渋谷スクランブルスクエア(SHIBUYA SCRAMBLE SQUARE)」に決定し、オフィスおよび商業施設のリーシングを開始したことを発表した。

建設中の渋谷スクランブルスクエア。

新ランドマーク「渋谷スクランブルスクエア」-新ロゴも発表

渋谷駅ビル東棟はヒカリエから明治通りを挟んだ向かい側に建設中の地上47階・地下7階建て・高さ230mの超高層ビルで、東京急行電鉄株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、東京地下鉄株式会社の3社が共同出資する「渋谷スクランブルスクエア株式会社」が運営。2019年度中の完成を目指して工事が進められている。
今回発表された「渋谷スクランブルスクエア」の名称には、多様な人々を渋谷の街に惹きつけ、混じり合うことにより、渋谷の中心からムーブメントを発信し、新たな文化を生み出すステージにしたいという想いが込められているというが、もちろんビル近くにある「スクランブル交差点」から着想を得たものであろう。
また、合わせて「」をモチーフにしたロゴマークも発表された。

ロゴマーク。

商業施設・オフィス、全館完成時には各7万㎡もの規模

渋谷スクランブルスクエアの館内は、下層階は商業施設、中層部は産業交流施設、高層部はオフィス、最上階は屋上庭園となる。
そのうち、商業施設は地下2階~地上14階。第Ⅰ期(東棟)部分の売場面積は約30,000㎡で、2027年度予定の第Ⅱ期(中央棟・西棟)完成時には合計で約70,000㎡もの規模となる。

商業施設の館内イメージ。

商業施設のコンセプトは「ASOVIVA」で、憧れやワクワク感を求めてさまざまな人々が集まり、「情報鮮度」「本物・本質」「共感・つながり」を具現化する、日本一楽しくて、ハレな「遊び場」を作るとしている。なお、下層階の一部には駅機能も設けられる。
また、オフィスは、総賃貸面積約73,000㎡で、基準階(最大約870坪)は渋谷最大級の広さを誇る。

全館完成時の構成(ニュースリリースより)。

最上階は高さ230メートルの「屋上庭園」

目玉施設であるビル最上階(48階)に設けられる予定の展望台は高さ230m、面積約3,000㎡。
渋谷スクランブル交差点やハチ公前広場を見下せるほか、晴れた日には富士山まで見渡すことができ、「渋谷の新名所」となりそうだ。
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スクランブルスクエア屋上展望台イメージ。

外部リンク:渋谷駅街区開発計画の施設名称が「渋谷スクランブルスクエア」に決定 オフィス・商業施設のリーシングを開始
関連記事:新・渋谷駅ビル東棟に屋上展望台-2019年完成予定
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星野リゾート、日本政策投資銀と新たな宿泊業支援ファンド設立-141億円規模、耐震課題の施設など支援

温泉リゾートホテル・旅館大手の「星野リゾート」(長野県軽井沢町)は、日本政策投資銀行と共同で宿泊業支援のための新たなファンドを7月31日に設立した。

星野リゾート・星のや東京(千代田区)。

「星野リゾート」主導、全国の宿泊施設を支援

今回立ち上げたファンドは総額141億円もの規模で、ファンドの運用期間は10年間。大手都市銀行なども出資する。
星野リゾートと日本政策投資銀行は2015年にも同様のファンドを立ち上げていたが、総額20億円規模であり、資金が足りないために新たなファンドの立ち上げに至ったという。

星野リゾートが買収した花菱ホテル(別府市)。
ホテルの売却理由は「耐震化資金の確保」であった。

耐震化すすめる宿泊施設、次々と「大手傘下」に

東日本大震災を受けて2013年に施行された「改正耐震改修促進法」では、建物の早期耐震化を促すため、自治体が1981年以前の旧耐震基準で建てられた大規模建築物の耐震診断結果と耐震化計画をまとめて公表することが義務付けられており、2016年からは各自治体で結果の公表がおこなわれている。
そのため全国の宿泊施設では耐震補強の動きが活発化しているが、こうした宿泊施設の耐震化においては、できるだけ客室窓からの展望を損なわずに耐震補強をおこなう必要があり、公共施設などで良く見られるような「窓を小さくする」「窓に筋交いを入れる」といった標準的な耐震化工事よりも費用が高額になってしまうことが多い。ましてや、全館を休業しての耐震補強ともなると、休館中は収入がゼロになることは避けられず、体力的に厳しいと感じる企業が多くあった。
近年、星野リゾートでは、そうした全国各地の老朽化した観光宿泊施設をグループに取り込み、耐震改修とともに施設の全面刷新をおこない、全体の魅力を高めた上で営業再開させることにより営業規模の拡大を図っている。
大江戸温泉物語(江東区)なども同様に老朽化した観光宿泊施設を買収する動きを見せており、こうした大手ホテルチェーンや投資ファンドによる中小資本のホテルの買収・グループ化や経営支援の動きは今後も続くものと思われる。

外部リンク:星野リゾートと㈱日本政策投資銀行による 共同運営ファンド組成について -支援対象・規模を拡充、2号ファンドの組成で合意-(ニュースリリース)
関連記事:インターコンチネンタルホテル、別府に進出へ-2019年目途に

グループ統合決めた「マルショク・サンリブグループ」-その将来像は

9月1日での経営統合を発表した九州流通の雄「マルショク・サンリブグループ」の中核企業「サンリブ」と「マルショク」。
サンリブ社への取材により、統合の背景と、マルショク・サンリブグループの将来像が明らかになってきた。
追記:閉店店舗などを一部追加更新しました。

サンリブの本店である「サンリブシティ小倉」(北九州市)。

九州流通の雄「マルショク・サンリブグループ」

 「マルショク」は1947年に別府市で創業。1950年に別府市と下関市でスーパーマーケットの展開を開始し、各地に「広島丸食」「宮崎丸食」などのグループ会社を設けるかたちで営業エリアを拡大した。「株式会社サンリブ」は、1955年に設立された「北九州丸食」、1951年に設立された「下関丸食」などを起源とする。
その後、各社は経営統合をすすめ、1998年に「サンリブ」と「マルショク」に集約された。現在、グループ店舗数は九州各地から広島県まで約160店、年商は2,081億3,500万円(2017年2月期)。2017年には創業70周年を迎えた。 

かつて本店であったマルショク流川通り店(別府市)。
総合スーパーであったが2016年に建替えられた。

合併は単独で生き抜くための「経営基盤の強化」

今回マルショク・サンリブグループがグループ再編に至った一番の理由は、流通企業同士のM&Aが進むなかで「地場スーパーマーケットとして競争に勝ち抜いていくためには両社の財務・人材等の経営資源を一本化し、経営基盤の強化を図ることが何より重要であると考えたため」だとしている。
とくに、マルショク社では熊本地震で熊本市のショッピングセンター・総合スーパー3店舗が倒壊したほか、熊本県内や別府市内の多くの店舗が被災。熊本地区では売り上げを大きく減らしていたと考えられ、経営への影響が心配されていた。

熊本地震で倒壊したマルショクサンリブ健軍(熊本市)。
大幅に規模を縮小、8月3日に「マルショク健軍店」として営業再開した。

M&Aなどおこなわず-あくまでも「単独で生き残る」

グループの経営統合を図る一方で、サンリブ社は都商研の取材に対して「(九州他社ではM&Aによる経営規模の拡大を図る動きがあるが)そのような他者を合併することによる経営規模の拡大は考えていない」と答えている。マルショク・サンリブグループはあくまでも「単独で戦う」としており、近いうちに経営規模や営業エリアなどが大きく変わることはないと思われる。 

九州ではスーパー同士の大型経営統合の動きが進む。
マルキョウ・マルミヤ・丸久・新鮮市場・中央フードなどは、丸久・マルミヤが取材する「リテールパートナーズ」傘下に経営統合されている。
(マルキョウの本店である雑餉隈店、福岡市)

閉鎖は10店前後か―閉鎖店舗の主な要因は「老朽化」

今後、サンリブエリアではマルショク天籟寺店(北九州市戸畑区、GMS、建替え方針)、サンリブ瀬高(みやま市、GMS)、マルショク焼山店(呉市)など5店舗、マルショクエリアではサンリブ日田(日田市、GMS)、サンリブ四日市(宇佐市、GMS)、マルショク西大分店(大分市、SM)マルショク羽田店(大分市、SM)など数店舗の閉店をおこなう予定だ。一方で、 これらの閉店は合併に伴う店舗整理ではないという。
このうち、サンリブ日田などはかねてより耐震性の不足が指摘されており、今回閉店が判明している店舗の多くが昭和時代に建築された老朽店舗であることから、各店舗が閉店に至った主たる理由は「老朽化、もしくはそれに伴う耐震性不足」であると考えられる。

8月末に閉店するマルショクサンリブ日田。老朽化が著しかった。
JR日田駅前に立地し、跡地に出店を検討する大型店もあるという

全面改装は最低18店舗―マルショクエリアの旗艦店中心 

今回の合併にともない、店舗の改装も進められる。
売場の全面改装はマルショクエリアの旗艦店・総合スーパーを中心に、マルショク東中津店(中津市・旧スーパーなかの→アパンダ、SM、7月末改装済み)、マルショク関の江店(別府市、GMS、9月改装)、マルショク餅ヶ浜店(別府市・旧寿屋、GMS、8月末改装)、マルショク判田店(大分市、GMS、9月改装)、マルショク加納店(宮崎市清武町、SM・NSC、6~7月改装済み)など、少なくとも18店舗以上で実施されるという。とくにマルショク社の店舗は老朽化が進行しているものが多く、消費者にとっては嬉しい知らせである。
このうち、加納店は7月に改装が終わっており、売場を全面刷新するとともに100円ショップなどを新たに導入。また、8月改装予定の餅ヶ浜店では新たに別棟が建設され、ジョイフル系列の和食店「喜楽や」が出店する。

隣接して別棟の建設が進む餅ヶ浜店。8月中旬から店舗も改装される。
近隣にマックスバリュが出店、劣勢となっていたが巻き返しを図る。

マルショクエリアでは大型の空き床がある店舗が多く、サンリブ中津、マルショク亀川店などワンフロア全てが空き床という店舗もあるが、こうした場所への新規テナント導入も期待される。
また、サンリブでは2015年より大手ファーストフード店「ファーストキッチン」のFC展開をおこなっているが、同店のマルショクエリア(現在は未出店地域)への新規出店もあるであろう。
サンリブエリアにおいても、サンリブ府中(府中町)、サンリブ木屋瀬(北九州市八幡西区)、サンリブ古賀(古賀市)などで売場の全面改装をおこなう予定だ。

マルショク餅ヶ浜店(改装後)。

 今後の新規出店は「NSC中心」-店舗の建て替えも

また、サンリブでは今後、老朽店舗の建て替えとともに新規出店も進めるという。
今後の新規出店については、サンリブエリアを中心に最低3店舗以上を計画しているといい、今後の新店はNSC(近隣型の中規模ショッピングセンター)が中心になるという。近年、サンリブでは5,000㎡前後の中規模ショッピングセンターの出店を進めており、今後の同社の新店舗もそうしたものになると考えられる。
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NSC業態での出店が続くサンリブ。
2016年4月に開店したサンリブきふね(北九州市)にはTSUTAYA、マツキヨなども出店する。

一方、マルショク社では、現在熊本地震で倒壊した3店舗の再建が行われている。この再建は「熊本県中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」に基づく「グループ補助金」を活用して行われているもので、すでにマルショク子飼店(旧サンリブ子飼)が5月に営業を再開済み。
8月3日にはマルショク健軍店(旧サンリブ健軍)が、9月~10月ごろにはサンリブしみず(旧サンリブ清水)が開店する予定だ。
これらはいずれも以前の店舗より大きく規模を縮小しており、特に大型ショッピングセンターであったサンリブ清水の平屋化を残念に思う住民は多いという。こうした店舗規模の大幅な縮小は、今後のマルショクの方向性を示すかたちとなった。

旧サンリブ清水。平屋化され、2017年秋に営業再開予定だ。

食品部門、子会社運営に―「地域の品揃え」を維持

このほか、今回の合併を前にマルショク子会社であった「大分総菜」を「サークルフーズ」と改称し、マルショクエリアの生鮮品・惣菜を中心とした食品売場の大部分の運営を移管することを発表している。

「サークルフーズ」への移管告知。

マルショクエリアでは、直営の生鮮品(とくに鮮魚)の質の良さには定評があった。生鮮を引き続き現地子会社の運営とすることは、地元商品の品揃えの確保・品質の維持を図りつつ店舗全体や総合スーパー部分のリニューアルを効率的に進めることに寄与すると考えられ、マルショクエリアの生鮮売場の利用客にとってみても喜ばしいことであろう。

鮮度に定評があるマルショク直営の鮮魚売場。

また、サンリブでも今後生鮮食品売場の子会社移管を計画しているといい、各店舗は「建物管理をおこない、衣料品などを販売するサンリブ」+「食品を販売する地域子会社」により運営されることになると考えられる。
さらに、サンリブ社の多くの店舗やマルショク社の一部店舗で好評となっている「成城石井」PBなどこだわりの商品の導入もさらに進むものと思われる。

長年に亘って九州地場最大級の流通グループとして君臨し続けてきたマルショク・サンリブグループ。
創業70周年を迎え、小売店間の競争が激化するなか、すでに改装により集客力を高めた店舗も出て来ており、グループ再編によって経営基盤の強化を図る同社の今後に期待が高まる。

追記:マルショクエリア、多くの店舗で営業時間変更

マルショクエリア(大分、熊本、宮崎など)の多くの店舗では、10月より営業時間が変更されている。
とくに、24時まで営業であった店舗は殆どが営業時間の短縮をおこなっているため、店舗に行く際には注意が必要だ。

マルショクエリアでは多くの店舗で営業時間が変更された。

サンリブ・マルショクの閉鎖店(統合以降)
サンリブ
  • サンリブシーモール
  • マルショク焼山
  • サンリブ瀬高
  • マルショク白銀
  • マルショク金田
マルショク
  • マルショク寒田
  • マルショク羽田
  • マルショク春木
  • マルショク亀川
  • マルショク鶴見
  • マルショク戸次
  • マルショク高田
  • マルショク西大分
  • マルショク春日
  • マルショク羽屋
  • サンリブ日田
  • サンリブ四日市
  • マルショク横手

関連記事:サンリブ、マルショクを9月に合併-グループ経営統合へ
関連記事:
マルショク・サンリブ四日市、2017年10月31日閉店-宇佐四日市商店街の核店舗(マルショク社の店舗)
関連記事:マルショク流川通り店、9月7日開店-マルショク”本店”3年ぶり復活(マルショク社の店舗)
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関連記事:【熊本地震】マルショク、熊本地震でサンリブ3店舗を解体-再開は未定(マルショク社の店舗)
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大洗リゾートアウトレット、まいわい市場・ガルパンギャラリー運営企業が買収

経営不振の「大洗リゾートアウトレット」(茨城県大洗町)を取得した「不動研」(千代田区)が、大洗まいわい市場などを運営する「Oaraiクリエイティブマネジメント」に同アウトレットを売却したことが分かった。

大洗リゾートアウトレット。
(GoogleMapより)

「まいわい市場」運営に-「ガルパン裁判」も取り下げ

「Oaraiクリエイティブマネジメント」は、産直・土産品、水戸ホーリーホックグッズなどを販売する「大洗まいわい市場」(2009年開店)を運営するほか、当地が舞台の1つとなった人気アニメ「ガールズアンドパンツァー」(ガルパン)のグッズを販売する「ガルパンギャラリー」も運営している。
かつては同アウトレットに出店していたものの、前の運営企業である「八ヶ岳モールマネージメント」とのトラブルにより係争中であった。
なお、東京新聞によると、Oaraiクリエイティブマネジメントがアウトレットを買収したことにより、まいわい市場は訴訟を取り下げる方針だという。

「ガルパン裁判」などの経緯、アウトレットの概要はこちら:「大洗リゾートアウトレット、リニューアル目指し売却へ-まいわい市場との「ガルパン裁判」も発覚」

「シーサイドステーション」-市場、ガルパンギャラリー再移転

Oaraiクリエイティブマネジメントの買収にともない、施設は「大洗シーサイドステーション」に改名され、今後は「不動研」、「Oaraiクリエイティブマネジメント」とクラウドファンディング会社「Cash Flow Finance」の3社の共同運営となる。現在出店しているテナント(約20店)の営業を継続させつつ、新たなテナントを誘致し、2018年春ごろの全面リニューアルオープンを目指すという。
まいわい市場、ガルパンギャラリーは7月30日を以て仮店舗での営業を休止し、休業を経て8月5日にアウトレット内に再移転する予定となっている。

かつての大洗まいわい市場。8月5日より当地に戻ってくる。
(GoogleMapより)

外部リンク:大洗リゾートアウトレット
外部リンク:大洗まいわい市場
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「SWIMMER」「chocoholic」、2018年1月までに全店閉店・ブランド終了-30年の歴史に幕

株式会社白鳳(渋谷区)が展開する人気雑貨ブランド「SWIMMERスイマー)」 「chocoholicチョコホリック)」が2018年1月末までに終了し、全店舗閉店することが分かった。

SWIMMERの店舗。

「青文字系」「ゆめかわいい」雑貨の代表格、歴史に幕

「SWIMMER」は1987年に目黒区代官山で誕生。シンボルは「りんご王子」で、コンセプトは「ノスタルジックキューティ」。企画・デザイン・生産のすべてを自社で行っていたという。 きゃりーぱみゅぱみゅさんなども愛用していたことで知られ、手頃な価格帯ということもあり「ゆめかわいい」系雑貨店の代表格として人気を集めていた。2014年には代官山の本店を閉店させた一方、近年は各地のファッションビルに加えてショッピングセンターなどにも出店範囲を広げていた。
また、「chocoholic」は、SWIMMERの「お姉さんブランド」として1999年に誕生。SWIMMERと同じく、レトロな「アメリカノスタルジック」をテーマにした生活雑貨を販売していた。

公式ブログによると、ブランド終了の一番の原因は「仕入れ単価の高騰により、思うようなモノづくりや価格帯の維持が難しくなったこと」。
今後、各店舗は8月より順次閉店していく予定で、オンラインショップは2017年12月に終了する予定だという。

公式ブログより。

SWIMMERでは、ブランド誕生30周年を記念して特製ポシェットが付録となった「SWIMMER 30TH ANNIVERSARY BOOK」(宝島社)が発売されたばかり。今回のブランドの終了を受け、雑誌「spoon.2017年8月号」(プレビジョン)でもSWIMMER特集が組まれるなど、各方面から30年に亘って親しまれたブランドを惜しむ声があがっている。

外部リンク:SWIMMER、chocoholic 終了のお知らせ
外部リンク:SWIMMER ONLINE SHOP
外部リンク:SWIMMER、chocoholic 終了のお知らせ
外部リンク:閉店予定の店舗と最終営業日に関するお知らせ
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