岡山市民会館・岡山芸術創造劇場、2023年夏開館-千日前商店街に、路面電車の延伸も

岡山県岡山市の中心商店街である表町商店街エリアの南にある「千日前商店街」(岡山市北区)に、新たな岡山市民会館岡山芸術創造劇場(仮称)」が2023年夏の開業をめざして建設されている。
市民会館が立地する千日前商店街では建設に先駆けて2020年初めにイメージの一新を図るためアーケードを撤去。さらに、近い将来、新たな市民会館前を走る国道250号線東山通りには岡山電気軌道路面電車の新路線を開通させる計画も発表されている。

アーケード撤去前の岡山千日前商店街。
写真左奥が再開発エリア。

かつて賑わった岡山千日前、再び「演劇」の町に

千日前商店街はかつて映画館や劇場が集積しており多くの人で賑わったが、現在の表町商店街の中心や路面電車の電停から外れた場所にあり、約60年に亘って商店街の顔であった人気店「福福饅頭」も2019年3月に閉店するなど賑わいが失われつつあった。
特に、中心商店街の逆側にあたる商店街の南側では空き店舗が目立っていたため、再開発が検討されていた。

千日前商店街・福福饅頭前。

新たな市民会館「岡山芸術創造劇場(仮称)」が建設されているのは、この千日前商店街の南側・東山通り沿い。

岡山市による岡山芸術創造劇場(仮称)イメージ。

「岡山芸術創造劇場(仮称)」は地上6階、地下2階建て。延べ床面積1万9,700㎡で総工費は約235億円。大ホールは1750席、中ホールは800席規模で、立体駐車場や防災設備なども備える。
当初は2022年中の開館を目指していたが、工事の都合などから開館は2023年夏になる見込みだという。
なお、現在の岡山市民会館・市民ホールは老朽化しているため閉館する方針を発表している。

館内イメージ。

また、岡山芸術創造劇場に隣接してマンションを核にオフィスなどが入居する高層棟が設けられる。

路面電車も延伸-千日前は「電停前の商店街」に

千日前商店街では市民会館の進出を前に2020年はじめまでに老朽化したアーケードの撤去が行われた。近年、商店街内ではアジアン食堂「アジア市民会館」が開店するなど、市民会館の開業に期待する動きが高まっている。
さらに、岡山市は市内で路面電車を運行する岡山電気軌道と協力し、市民会館周辺の城下筋~国道250号線東山通りに路面電車の新路線を開通させる計画を発表している。

岡山電気軌道の路面電車。

新路線が建設されるのは、岡山電気軌道清輝橋線の大雲寺前電停と東山線西大寺町電停のあいだ、約600メートル。この区間を単線で結び、岡電が環状運転をおこなう計画だという。岡山市の総事業費は約9億円。軌道は札幌市電都心線でみられるような線路を歩道の片方に寄せるサイドリザベーション形式となり、市民会館前には電停が設けられる。

路線概要(グーグルマップに加筆)。

なお、新路線の開通は2023年の市民会館開館には間に合わないとみられる。

新たに路面電車の線路が敷かれる城下筋。
(2021年現在、右側にはマンションとラムーが立地)

近年、千日前商店街は人通りが少ない状況であったが、新たな市民会館と路面電車の新路線延伸に向けて、大きく姿を変える可能性もあろう。

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