神奈川県横須賀市の百貨店「さいか屋横須賀店」が、2021年2月21日の一時閉店後、愛称に「さいか屋横須賀ショッピングプラザ(SAIKAYA YOKOSUKA SHOPPING PLAZA)」を冠し、2021年3月6日にリニューアル開業する。
さいか屋横須賀店。
さいか屋の本店、閉店から一転「営業継続」に
さいか屋は1867年に浦賀で創業。1872年の横須賀移転を機に「雜賀屋呉服店」、1928年の百貨店化を機に「雑賀屋(さいか屋)」に改称。神奈川県内を中心に百貨店やファッションビルを多店舗展開することとなった。
さいか屋横須賀店は、同社の創業店として店舗建物4館と立体駐車場を備えていたが、経営悪化を発端とした2009年8月の事業再生ADR申請にともない、2010年5月に老朽化が進む本館(大通り館)を閉鎖。新館下層階に百貨店機能を集約し、上層階に大型専門店(ユザワヤ・サカゼンなど)を導入する店舗の抜本的な構造改革に乗り出した。
その後、2020年5月に競争激化を背景に現店舗を閉店、後継店としてサテライト店を開設する方針を発表した。
9月からは「閉店大感謝セール」を行っている。
しかし、2020年12月には当初の発表から一転、一時閉店を経て現店舗で営業を継続する方針を発表した。
百貨店業態で営業、専門店も多くが存続-「接種場」も
さいか屋横須賀店は営業再開に合わせ、愛称に「さいか屋横須賀ショッピングプラザ(SAIKAYA YOKOSUKA SHOPPING PLAZA)」を冠し、テーマを「地域の方々から期待される百貨店としてのステイタスやランドマークとしての役割を意識した品揃え」「デイリー商材の充実」とする店舗に刷新する。
さいか屋横須賀ショッピングプラザ。
地下1階食料品売場では、従来からの生鮮3品・惣菜売場に加えて、お肉屋さんのお惣菜「肉処大和」、鎌倉の紫いもアイスクリーム・コロッケ店「鎌倉いも吉館」を導入。
1階銘菓売場(菓匠街)では、ベルギー王室御用達チョコレートブランド「レオニダス」を導入するなど、エリア最大級の品揃えを維持。上層階のサービスカウンター(商品券売場など)を1階に移設、お中元・お歳暮コーナーを開設可能なシーズンスペース(催事場)を新設することで「ワンストップギフトコーナー」を構築する。また、高品質食品スーパー「成城石井」も営業継続する。
1階ワンストップギフトコーナー。
2階では婦人服・靴・ハンドバッグに加え、宝飾品売場を移設。
3階では婦人服に加え、寝具やキッチン用品売場をコンパクトに展開。上層階のアウトドア専門店「好日山荘」が館内移転する。
4階は上層階の紳士服店「サカゼン」が館内移転、専門店のフロアとなる。
さいか屋横須賀ショッピングプラザのフロアガイド。
また、南館の学生服売場や中国料理店、外商拠点なども従来どおり存続する。
5階・6階は、当面のあいだ横須賀市の「新型コロナワクチン集団接種会場」が入居する。なお、集団接種会場としては「横須賀アリーナ」も使用される。
追記:さいか屋では「ワクチン接種者」に特別割引を実施する予定。
ローコスト化図るも大きく変わらない店舗・体制に
さいか屋横須賀店では「ローコストオペレーションでの営業体制の確立」を目的に、従業員を多能工化(マルチタスク化・マルチスキル化)、営業時間を“一直勤務体制可能な水準”に短縮、新たに定休日を導入するとしているが、営業時間は30分の短縮(2021年2月時点比)、定休日は月1回(繁忙期除く)に留まっている。
また、さいか屋が「エリアオンリーワンブランド」と称する有力専門店(成城石井・サカゼン・好日山荘)も存続するなど、地域住民の営業継続を望む声を反映したかなりの、今までと大きく変わらない店舗として生まれ変わることとなった。
さいか屋横須賀ショッピングプラザ
住所:神奈川県横須賀市大滝町1−13
営業時間:10時~18時
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