イオン所沢店、2019年9月30日閉店-旧・ダイエー、38年の歴史に幕

埼玉県所沢市の西武鉄道所沢駅近くに位置する総合スーパー「イオン所沢店」が、2019年9月30日をもって閉店する。

イオン所沢店。

西武のお膝元「所沢」の旧ダイエー、38年の歴史に幕

イオン所沢店は1981年11月に地元不動産会社が建設した「東栄ビル」の核テナント「ダイエー所沢店」として開店。建物は地上7階地下1階建で、店舗面積は24,497㎡。「西武とダイエーどちらが優勝してもセールをする店舗」として知られていた。
開業当初は、建設予定地の一部を西武グループが取得したことで歪な構造となっていたが、1988年10月の増床を機に現在の建物になった。
同店はダイエーが産業再生機構傘下となった翌年2005年2月に不採算店として閉鎖店舗の対象に加えられたものの、同年9月には賃料負担軽減を理由に営業継続が決定、2006年3月には直営売場の集約と有力専門店導入を伴う大規模リニューアルを実施した。

タリーズコーヒーがあるエントランス。

その後、2016年3月にはダイエーの総合スーパー事業撤退の方針に伴い、イオンリテールに店舗運営が移管され、現在の店名に改称した。
なお、新耐震基準に適合しているとみられ、耐震性の無さによる閉店ではない。

約50店舗が出店

2019年6月現在はテナントとして、旧ダイエーグループの婦人服店「ロベリア」「ラ・ジョセフ」、家電量販店「ヤマダ電機 by ベスト電器」、手芸用品店「ユザワヤ」、未来屋書店が運営する「アシーネ」、ホビー用品店「アニメイト」「ホビーステーション」、フレーベル館の絵本専門店「キンダープラッツ」、玉光堂のCD・DVD専門店「バンダレコード」スポーツ用品店「ときわスポーツパシオン」、ゲームコーナー「モーリーファンタジー」、100円ショップ「ダイソー」など50の専門店が出店しており、ショッピングセンターとして運営されている。

アニメイトとダイソー。


ヤマダ電機byベスト電器の看板。

競争激化が深刻な所沢駅前、テナントは何処へ?

所沢駅周辺では2015年に所沢駅前の総合スーパー「西友所沢駅前店」が全館改装と耐震補強を実施、2017年5月からはセブン&アイHD傘下の「西武百貨店所沢店」(西武所沢店)が食品売場(西武食品館)を増床したことを皮切りに全館リニューアルを進めているほか、2018年3月には西武鉄道グループの駅ビル「グランエミオ所沢」が一部開業、2020年夏には第2期開業を控えるなど、競争が激化している。また、イオンのすぐそばには同じくイオングループ(元ダイエーグループ)のマルエツも立地、2017年12月には業務スーパーも出店している。

西友所沢駅前店。

イオン・ダイエー跡地の活用方法については6月時点で発表されていないものの、解体してマンション用地として活用することなどが予想される。
一方で、イオン内には多くのテナントが出店しており、所沢駅前で唯一の店舗も少なくないため、それらの移転先にも注目が集まる。

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