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東急百貨店東横店跡、2020年4月からイベント空間「渋谷エキスポ」に【中止】-1月9日から特別展示も

東急百貨店は、再開発のため閉店する東京都渋谷区の「東急百貨店東横店」跡の一部を、2020年4月1日から解体までのあいだイベントスペース「渋谷エキスポ」として活用することを発表した。
追記:新型コロナウイルス感染拡大のため休止。

閉店セールをおこなっている東急東横店。

再開発のため閉館する東急東横店

東急百貨店東横店は1934年11月に東京初の本格的ターミナル百貨店「東横百貨店」(のちの東館)として開業。1951年には改装により「東横のれん街」と屋上ロープウェイ「ひばり号」を新設した。のちにロープウェイは撤去されている。
さらに、1954年に玉電ビルに増床するかたちで劇場「東横ホール」(1985年閉館)を目玉とした西館を、1966年に南館を開業させ、合併した白木屋の改名に合わせて1967年に「東急百貨店東横店」となった。
その後、渋谷駅再開発のため2013年3月に東館を閉館。そして、2020年3月31日には全館を閉鎖することを発表していた。

東急百貨店東横店南館。

なお、渋谷駅チカの東急百貨店の売場としては、2012年に渋谷ヒカリエに「ShinQs」(シンクス)が、2013年には渋谷マークシティに「東急のれん街」が、2019年には渋谷スクランブルスクエアに「東急フードショーエッジ」「+Q(プラスク)」などが開業している。

東横店、解体まで「イベントスペース+食品+飲食街」に

東急東横店の売場跡を活用する「渋谷エキスポ」は4月1日から順次開業。
全店舗が出そろう7月1日から9月13日までを「コア期間」とし、限定の物販、文化・情報発信系の催事、食イベントなどを展開する計画。
また、渋谷エキスポとともに東横店地階食品売場「東急フードショー」、9階レストラン街も当面のあいだ営業を継続する。

1月9日から閉店まで特別展示を実施

1月9日からは東横店全館で閉店セール「85年分の総力結集売りつくし」を開催。
同時開催されている「東横デパートの思ひ出展」では地階と5階で閉店を記念した特別展示を実施。
過去に屋上で運行されていたロープウェイ「ひばり号」の模型や開店時からの写真、広告などが展示されている。

ひばり号の展示。

また、1月31日からはツイッター上で「『85年分の東横総決算』でGetした『戦利品』をハッシュタグでTweetして、プレゼントをもらおう!」キャンペーンも開催されている。
応募にはツイッターで@TOKYU_DEPT_ty をフォローし、#東横デパート閉めるってよ #東横デパート戦利品を付けて購入品をツイートすれば応募完了となる(2月13日まで)。

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ラ・フーズコア納屋橋店、2020年2月16日閉店-テラッセ納屋橋の高級スーパー、ドンキに転換

愛知県名古屋市中区栄のテラッセ納屋橋2階に出店する「パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH、旧・ドン・キホーテHD)」の高級食品スーパー「ラ・フーズコア納屋橋店」が、2019年2月16日午後6時をもって閉店する。

テラッセ納屋橋。

ユニーの最高級食品スーパー業態「ラ・フーズコア」

ラ・フーズコア納屋橋店は2017年9月に、納屋橋東第一種市街地再開発事業の一環として建設された「テラッセ納屋橋」の商業・業務棟2階に開店。営業面積は約2,000㎡。
ユニーの既存高級食品スーパー業態「ピアゴ ラ・フーズコア」とは異なる「上質な食材にこだわり、適量・ぜいたくをテーマにした新型食品スーパー」として、名古屋市中心部に在住する単身世帯、高所得者層に対応した売場を展開。
既存業態でもみられるバイヤー厳選商品群「La SELECTION」に加え、生鮮専門業者「お肉の専門店スギモト」「魚力」、テスコムの真空スムージー専門店「“gokusen極鮮”ジュースバー」を導入するなど、同社の名古屋都心部における旗艦店ともいえる店舗であった。

ラ・フーズコアテラッセ納屋橋。

その後、2019年11月にはPPIHグループのディスカウントストア「ドン・キホーテ納屋橋店」がテラッセ納屋橋3階のカインズStyle Factory跡に開店したが、ドンキと売場を統合せずに従来通り営業を継続していた。

ラ・フーズコアもドンキ化

PPIHグループは、ラ・フーズコア納屋橋店跡にダブルネーム店舗「MEGAドン・キホーテUNY」を2020年3月下旬に開店する計画を発表しており、ドン・キホーテ納屋橋店も改装に伴い一時休業するものとみられる。
ラ・フーズコア納屋橋店の閉店により、2017年に復活した「ラ・フーズコア」業態の店舗は再び消滅することとなる。(ピアゴ ラ・フーズコアは除く

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ダイエー、光洋を完全子会社化-2020年3月1日に経営統合、「光洋」一転存続へ

イオングループ傘下の大手スーパー「ダイエー」(東京都江東区)は、同じくイオン傘下の食品スーパー「光洋」(大阪府大阪市西区)を2020年3月1日付で完全子会社化する。

ダイエーのイオンフードスタイル by daiei店舗。(神戸市中央区)

イオン傘下として事業再編を進めていたダイエーと光洋

ダイエーは1957年4月に兵庫県神戸市で大栄薬品工業として創業、同年9月に大阪市旭区千林の千林商店街に1号店「主婦の店ダイエー」を開店した。1972年には小売業界最大手となり「ダイエーグループ」の中核企業として一時代を築いたが、1990年代に経営悪化、2004年に産業再生機構傘下、2005年に丸紅傘下、2008年2月にイオン傘下となり、支援企業との連携のもと経営再建を進めていた。
その後、2015年1月にイオンの完全子会社となり、同年6月に食品スーパー新業態「イオンフードスタイル」を展開開始、同年9月に北海道・東海・九州地方の全店舗、2016年3月に本州の大型店29店舗をイオングループ各社に運営移管し、一部店を除いて首都圏・関西圏の食品スーパーに特化した事業会社となった。

ダイエーのイオンフードスタイル店舗。(大阪府藤井寺市)

光洋は1973年に大阪府八尾市のダイエー八尾ショッパーズ店内で鮮魚専門店として創業。高級路線のスーパーとして、成城石井からの商品供給や駅ビルへの出店など積極的な経営を打ち出したが、2007年に創業者一族が株式の大半をイオンに譲渡したことで、イオン傘下となった。
イオン傘下となって以降、2008年にマックスバリュ西日本の関西15店舗を承継、2015年にピーコックストア(旧・大丸ピーコック)の関西全店舗を承継するなど、関西圏の食品スーパー事業中核企業となった。

光洋の店舗。(大阪市東淀川区)

光洋、ダイエーの完全子会社として一転存続へ

イオン・ダイエー・光洋の3社は2018年10月に「近畿エリアの統合に向けた「基本合意書」」を締結、経営統合の方式に関する協議を進めていた。
ダイエーと光洋の両社は当初、ダイエーを吸収合併存続会社、光洋を吸収合併消滅会社とする経営統合方式を発表しており、2019年3月にダイエーが山陽マルナカの関西14店舗、光洋がマックスバリュ西日本の兵庫県内8店舗を承継する事業再編を経営統合に先駆け実施していたが、「地域での経営基盤の確立と統合による効果の最大化を、確実かつ迅速に実現するためには、ダイエーが光洋を完全子会社化し、一体となった事業運営をスタートさせることが最善」との考えから、ダイエーの完全子会社として光洋が存続することとなった。

光洋はダイエー子会社として存続。

両社は今回の経営統合により、共同仕入による商品原価低減、資材や備品の共同調達によるコスト削減、物流センターの共同利用による配送効率や運営効率の改善、本社における重複業務や機能の統廃合による効率改善、両社の強みの融合による既存店の改装や、店舗業務効率の改善などを図るとしている。

紛らわしかった関西のイオン系食品スーパー、ほぼ一本化

ジャスコ発祥の地のひとつである関西地方では、兵庫県姫路市発祥の「マックスバリュ西日本(旧・ウエルマート)」、MV西日本から滋賀県内の店舗を譲受した「マックスバリュ中部」、大丸松坂屋百貨店系列のスーパーとして創業した「ピーコックストア(旧・大丸ピーコック)」、一時期は神戸市への本社移転を検討していた「山陽マルナカ」など、複数のイオン系食品スーパー運営会社が重複する地域に存在しており、同一の屋号(マックスバリュ)を掲げながら、店舗によって利用可能なサービスが異なるなど、顧客の利便性が損なわれる事態が長らく続いていた。

関西の旧大丸ピーコックは光洋が運営する。

関西地方(滋賀県を除く)では、2019年3月にマックスバリュの事業会社を光洋に集約しており、関西のイオン系食品スーパー事業会社はダイエー及び完全子会社の光洋にほぼ一本化されることとなった。

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イオンタウン茨木太田、2021年春開業-東芝大阪工場跡地、専門店約60店舗が出店

大阪府茨木市の東芝大阪工場跡に、イオングループのショッピングセンター「イオンタウン茨木太田」が2021年春に開業する。

イオンタウン茨木太田。

東芝工場跡「茨木スマートコミュニティ構想」の商業核に

イオンタウン茨木太田の建物は地上2階建、敷地面積は約29,852㎡、総賃貸面積は約14,500㎡、延床面積は27,000㎡。同社の関西旗艦店「イオンタウン姫路」に匹敵する規模となる。
イオンタウンは、茨木市が東芝大阪工場(東芝茨木工場)跡地で推進する官民一体複合開発プロジェクト「茨木スマートコミュニティ構想」(敷地面積約185,000㎡)の商業核としての役割を担うもので、テナントとして食品スーパードラッグストア飲食店など約60店舗が出店する。

イオンタウン茨木太田。

完成に近付く「茨木スマートコミュニティ」

茨木市は茨木スマートコミュニティ構想において「住宅・商業・文教・医療福祉」の集積を目指すとしており、再開発エリア近隣では既に「JR総持寺駅」が2018年3月に開業。再開発エリア内では「文教」の核として追手門学院の「追手門学院大学茨木総持寺キャンパス」「追手門学院中学校・高等学校(茨木安威から移転)」が2019年4月に開校、関西最大級のデータセンター「NTTコミュニケーションズ大阪第7データセンター」が2019年12月に稼働を開始している。
並行して「住宅」の核として、三井不動産グループと野村不動産による大規模新築分譲マンション「茨木ICO CITY」(2棟地上14階475戸)の開発も進められるなど、茨木市が目指す4要素のうち2要素の集積を実現している。
商業」の核であるイオンタウンの進出により、茨木スマートコミュニティは医療福祉を除く施設の集積を達成したこととなる。

追記:ダイエーが出店

追記:核店舗はダイエーの「イオンフードスタイル茨木太田店」となる。

イオンタウン茨木太田

住所:大阪府茨木市城の前町600番27

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ミスタードーナツ箕面ショップ、2020年1月27日リニューアル-ミスド1号店、創業50周年を記念した店舗に

大阪府箕面市の阪急箕面駅近くに立地する「ミスタードーナツ箕面ショップ(0001)」が、日本における「ミスタードーナツ創業の日」に合わせて、2020年1月27日午前10時にリニューアルオープンする。

ミスタードーナツ箕面ショップ(リニューアル後の店舗)。

日本にドーナツ文化を普及させた「ミスタードーナツ」

ミスタードーナツは、1970年に清掃業大手「ダスキン」創業者の鈴木清一氏が米国ミスタードーナツと事業提携契約を締結、1971年に大阪府箕面市の総合スーパー「ダイエー箕面店」(2001年5月閉店)敷地内に1号店を開店し日本市場に進出。2020年現在もダスキン(ミスタードーナツ事業本部)が事業展開を行っている。
同社は1992年に雲呑麺・点心など中華メニュー「ミスター飲茶」を取扱開始、2003年には新食感ドーナツ「ポン・デ・リング」を販売開始するなど、日本独自の商品展開や営業施策を積極的に推し進めることで、ドーナツの普及に大きな役割を果たし業界最大手となった。
2019年3月時点の店舗数は日本国内1,007拠点、台湾・東南アジア6,191拠点。(店舗はダスキン管轄エリアのみ、米国ミスドはダンキンドーナツに転換)

ミスタードーナツ箕面ショップ(初代店舗、ダイエー箕面店)。

創業50年を記念して創業当時の店舗デザインを再現

現在のミスタードーナツ箕面ショップは、2004年2月にダイエー箕面店跡地再開発の一環として建設されたマンションの1階に開店。
再開店以来、ミスド1号店として「0001」の銘板や旧店舗時代の写真を展示するなど、ミスドファンの聖地となっている。また、2016年6月にはストロベリーコーンズとの業務提携により「ナポリの窯」ブランドのピザを取扱開始、ドーナツの宅配にも対応する新業態に転換していた。
今回の改装は、ダスキンによる「ミスタードーナツ事業創業50周年」を記念したもので、店舗デザインを創業当時の店舗をイメージした「」「オレンジ」を基調とした仕様に変更、店舗限定商品として創業当時のメニュー11品目を数量限定で展開する。
(改装当日は60個限定、販売個数は日毎に異なる)

ホームカット(税抜110円)。

ミスタードーナツ箕面ショップ

住所:大阪府箕面市箕面6丁目1番30
営業時間:午前9時~午後9時
※1月27日のみ午前10時~午後9時

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大沼山形本店、2020年1月26日閉店-27日に破産申請、320年の歴史に幕

山形県山形市の百貨店「大沼」が2020年1月27日に山形地裁に破産を申請し、営業を停止する方針であることが分かった。
同店の通常営業は1月26日が最後になったとみられる。

大沼山形本店。

山形の老舗、320年の歴史に幕

大沼は1700年に創業。1950年に百貨店となった。
1970年には支店として米沢店、1971年には酒田店を出店し、経営規模を拡大した(酒田店は酒田大火により移転、その後ダイエーに譲渡され閉店)。
2020年現在、大沼は山形本店、米沢サテライト(旧・米沢店1階)、新庄ショップの3店を展開していた。

大沼米沢店。現在は1階のみで営業。

同社はイオンモールなど郊外店との競争に加えて、仙山線や高速バスの頻発・高速化により利便性が向上した仙台市中心部の大型百貨店(仙台三越、藤崎)との競争にも晒されるようになったほか、耐震補強・店舗改装に多額の資金が必要になることから、2017年に企業再生ファンド「マイルストーンターンアラウンドマネジメント(以下、MTM)」の傘下となった。
その後はMTMのもとで米沢店の改装などが行われたものの、計画されていた資金が投入されず本店の改装・耐震化などができない状態であるとして、2019年3月からは大沼の幹部ら9人が立ち上げた「大沼投資組合」の経営となり、2019年8月には米沢店を1階のみに縮小した。
今後は集客力を上げるために本店の改装をおこなう方針を示しており、2019年11月にはその一環として閉店時間を19時までに延長したばかりだった。この間、2年間で4度も社長が交代している。
なお、MTM社が関わった大型商業施設の閉店は2年間で3店目となる。

山形県の百貨店、酒田市の清水屋のみに

破産申請の方針は山形県内の複数メディアが報じたもの。朝には店頭に「破産」を知らせる貼り紙が掲出された。
山形県ではイオングループとなっていた十字屋山形店2018年1月に閉店。山形市は全国で唯一の「百貨店が存在しない県庁所在地」となる(なお、徳島市、大津市からも2020年中に百貨店が消えることが決まっている)。
なお、山形市には、商業ビル「山交ビル(旧・ダイエー山形店、ヤマザワが核店舗)」に小型百貨店「仙台三越MIプラザ山形店」が、近隣の商業ビル「az」に同じく小型百貨店「藤崎山形店」(本店:仙台市)が出店しており、今後はこの2店が同市の百貨店需要を満たすこととなる。

十字屋山形店。

今後、県内に残る百貨店は「マリーン5清水屋」(酒田市、日本百貨店協会未加盟)のみとなる。

清水屋。

大沼の百貨店共通商品券の還付などについては今後発表されるとみられる。破産した場合、共通商品券は使えなくなる。
一方で消費者保護制度があるため、還付手続の開始が官報等により公示されたのち所定の手続きを経たうえで還付を受けることができ、通常は額面の大半が戻ってくることとなる。

大沼・破産告示書。


大沼友の会・百貨店共通商品券について。


買物券・商品の返還について。
現地写真提供:Amerefineさん

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クロサキメイト専門店街、2020年1月24日破産申請-4月30日閉店

福岡県北九州市八幡西区のJR黒崎駅に直結する商業施設「クロサキメイト」を運営する第3セクター企業「メイト黒崎」(北九州市は約0.4パーセント出資)が2020年1月24日に東京地裁に破産を申し立て、財産の保全管理命令を受けたこと、それに伴い、専門店街を4月30日に閉鎖することを発表した。
追記:新型コロナウイルスの影響で4月8日に閉館したとみられる。井筒屋は8月17日に閉館する。

黒崎井筒屋・クロサキメイト。

かつては黒崎そごうとジャスコだった

クロサキメイトは1979年10月に、百貨店「黒崎そごう」と総合スーパー「ジャスコ黒崎店」を核に開業。建物は地上7階建、店舗面積は39,100㎡。
北九州の副都心・黒崎のファッションを牽引する大型商業施設であったが、1990年9月にジャスコから業態転換したイオングループのファッションビル「黒崎フォーラス」が1999年2月に撤退、黒崎そごうも経営破綻により2000年12月をもって廃業。その後、北九州財界の支援を受け、2001年10月に井筒屋(近隣から移転)とメイト専門店街(旧・メイトエンポリアム)を核とする商業施設へのリニューアルを実施した。

クロサキメイトの食品売場はイオン系のレッドキャベツ。

2009年10月には高層階にコールセンター「富士通コミュニケーションズ北九州黒崎サポートセンター」を誘致、並行して井筒屋の賃料引き下げを実施するなど、商業施設としての維持、活性化に向けた取組みを進めていた。

井筒屋縮小に加えて多額の耐震化費用も一因か

クロサキメイトの核店舗である井筒屋は2016年に、子供服・玩具売場を中心に売場を刷新、大型雑貨店「無印良品」と靴量販店「ABC-MART」、積文館書店の複合書店「ブックセンタークエスト」を導入するリニューアルを実施したが、経営悪化により2018年7月に黒崎店の閉鎖を発表
その後一転、同年12月に売場を低層階(1~3階)に集約し営業継続、高層階(4~7階)を丸紅リアルエステートマネジメントにより専門店街として再生する方針に転換した。
しかし、井筒屋が2019年8月1日に縮小営業を開始した一方、メイト黒崎が井筒屋から運営移管した4階の一部と7階飲食店街を除き、2020年1月現在も閉鎖フロアへの新規テナントの入居見込みが立たない状況が続いていた。

テナントの撤退も続く。

また、同館は1979年に竣工したため耐震化工事が必要な状態であり、2020年中に工事がおこなわれる予定であったが、屋上広告塔屋の撤去など以外の工事は行われていないようであった。
耐震化とそれに伴う改装には10億円を超える費用がかかるとみられ、資金調達の目処が立たない状況であったと思われる。

井筒屋跡。

クロサキメイトは4月30日閉館-井筒屋は未定

クロサキメイトの運営会社であるメイト黒崎は、4月末での専門店街閉鎖を発表するとともに「クロサキメイト閉館後の施設解体再開発、このクロサキメイトの地が、黒崎地域の経済活性化に再び貢献できるよう、保全管理人の下で地域自治体を含む関係者と協議の上、同ビルの売却・再開発を含むあらゆる方策を検討して参る予定」としている。入居する黒崎井筒屋については、1月24日時点で今後の処遇は発表されていない。

関連記事:黒崎井筒屋、営業継続へ-閉店から一転、売場縮小で
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外部リンク:クロサキメイト閉店及び破産手続開始申立てのお知らせ

フジ、ニチエーを2020年3月2日に完全子会社化-福山地盤のスーパー、フジ傘下に

四国地方地場流通大手「フジ」(愛媛県松山市)は、広島県備後地方地盤の中堅食品スーパー「ニチエー」(広島県福山市)を会社分割により、2020年3月2日をもって完全子会社化する。

ニチエーの店舗(松永店)。

ニチエー、2017年には広島市内進出を果たしていた

ニチエーは1959年3月に広島県福山市今津町で「松永主婦の店」として創業。1962年5月に現法人を設立、1970年2月に現在の社名に改称した。2020年1月現在は「ニチエー」「フードガーデンニチエー」「フードグランニチエー」の屋号で11店舗を展開。直近事業年度の売上高は90億1900万円。
同社は2002年以降、既存店の新ブランド(フードガーデン)化を開始。2016年3月には高級路線の新業態1号店「フードグランニチエー三成店」を出店、2017年4月には広島駅南口の「広島エディオン蔦屋書店」に広島市内初となる「フードグランニチエーEKICITY広島店」を出店するなど、店舗の近代化を推し進めていた。

フードグランの店舗(エキシティ広島店)。

フジ傘下入り後も屋号・店名は変わらず

フジは従来、広島地盤の地場食品スーパー「ピュアークック」を引き継ぐ形で2012年11月に設立した「フジマート」(フジ100%出資)を通して、2019年3月に廃業した三和ストアーの一部店舗を取得、フジ運営の小型店舗(フジ洋光台店、ZY東雲店)を運営移管し、小商圏対応地域密着型スーパー13店舗を展開していた。
しかし、今回フジはニチエーと同名の新会社(フジ100%出資)を設立し、ニチエー全11店舗及び関連施設に関わる資産・負債と各種契約及び従業員を承継するスキームで事業一式を取得、ニチエーの社名及び屋号を存続させることを発表した。

ニチエーの社是。

フジは「今後も、地域に根差した営業活動を通じ、お客さまの支持を得られるよう努めてまいります。」とコメントしており、今後も当面、従来と同様の屋号、店舗形態が維持されるものとみられる。
(撮影:だいにちさん廣丸さん

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メルペイ、Origamiを2020年2月に子会社化-「オリガミペイ」は「メルペイ」に統合

フリマアプリや電子決済サービスを展開する「メルカリ」(本社:東京都港区・六本木ヒルズ森タワー18階)は、子会社で電子決済サービスを展開する「メルペイ」が、電子決済サービス「オリガミペイ」(Origami Pay)を展開する「オリガミ」(Oigami、本社:東京都港区・六本木ヒルズ森タワー31階)の全株式を2020年2月に取得することを発表した。

両社が本社を構える六本木ヒルズ森タワー。

地方展開に力を入れたオリガミペイ

オリガミ(Origami)は2012年2月に設立、2013年4月にサービス開始。2016年5月に「Origami Pay」の名称で電子決済サービスに本格参入した。「折り紙」の名称は「海外に知られている日本らしい名称」として採用したという。
2018年9月には「信金中央金庫」(信用金庫)と資本業務提携。
日本独自の電子決済サービスとして、地方や中小事業者のキャッシュレス環境の整備推進にも深く関わっていることで知られる。

メルカリとともに成長したメルペイ

一方のメルペイはメルカリの子会社として2017年11月に設立されていた。
当然ながら大手フリマサイト「メルカリ」と深く関わりがあり、メルカリの売上金を決済に利用できることも特徴で、そのためメルカリの成長とともに利用者数を増やしていた。

オリガミペイはメルペイに統合

今後、オリガミは2月25日にメルペイに全株式を譲渡。今後、オリガミはメルカリグループ(メルカリの孫会社)となる。
また、オリガミペイはメルペイにサービス統合されることになる。

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サボイ豊里味道館、2020年2月20日閉店-旧・豊里センター、57年の歴史に幕

大阪府大阪市東淀川区の大阪メトロ(旧・大阪市営地下鉄)今里筋線だいどう豊里駅前に立地する「サボイ豊里味道館」が、2020年2月20日をもって閉店する。

サボイ豊里味道館。

だいどう豊里の駅チカ「サボイ」

サボイ豊里味道館の前身となる市場「豊里センター」は1964年4月に開業。1992年5月に大阪地盤の地場中堅食品スーパー「サボイ(現・サーブ)」の食品スーパーを中心とする店舗に業態転換した。
サボイは長らく、近隣の豊里三番街(ライフ豊里店)とともに地域の商業核としての役割を担っており、2006年12月の今里筋線開業後は、だいどう豊里駅に最も近い食品スーパーとなった。
しかし、2015年4月に京都地盤の大手食品スーパーであるフレスコが、東淀川区内初となる店舗「フレスコ豊里店」(24時間営業)を至近距離に出店するなど、競争が激化したため閉店を決定したものとみられる。

サボイ豊里味道館閉店のご案内。

スーパー激戦区「上新庄」4年ぶりのスーパー撤退

サボイ豊里味道館が立地する上新庄エリアでの食品スーパー閉店は、2015年12月の「コーヨー上新庄店」閉店以来4年ぶりとなる。
その一方、上新庄エリアは「ライフ」「フレスコ」を始め、「イズミヤ」「平和堂」「関西スーパー」など10店舗を超える総合スーパー・食品スーパーがしのぎを削る大阪市内有数の商業激戦区であるため、サボイ撤退が地域に与える影響は軽微とみられる。
2020年2月現在、サボイ豊里味道館の跡地活用については未定となっている。

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