四国地方地場流通大手「フジ」(愛媛県松山市)と「イオン」(千葉市美浜区)は資本業務提携を2018年10月12日に締結した。
イオンは2019年2月末を目処に、フジの発行済株式総数の最大15.0%を取得、フジは同年3月を目処に「マックスバリュ西日本」(広島市南区)の株を取得する。
両社は2021年以降、事業連合体として売上高1兆円達成を目標にさらなる「関係の深化」を検討しているという。
フジ最大の店舗である「エミフル松前」(愛媛県松前町)。
長年のライバルだった「フジ」と「イオン」
フジは1967年10月、愛媛県宇和島市に1号店「フジ宇和島店」を出店。2017年に50周年を迎え、ロゴマークを一新していた。
2018年現在、大型ショッピングセンター「エミフルMASAKI」「フジグラン」、食品スーパー「フジ」、ディスカウント「ZY」を四国4県、広島県、山口県に96店舗を展開する。
また、子会社を通じて愛媛県内で「スーパーABC」4店舗、広島県内で「ピュアークック」10店舗を展開する。
フジグラン緑井(広島市安佐南区)
フジはもともと1946年創業、1950年設立の広島市の繊維卸問屋「十和織物株式会社」(法人格としては現「ヨンドシーHD」、宝飾品大手の「4℃」。卸業は4℃傘下の「アスティ」が引き継ぐ)をルーツに持っており、フジは2018年現在も4℃の筆頭株主となっている。
フジ宇和島店(現在は建替工事中)
ユニー、イズミヤと提携していたフジ
フジは2009年以降、流通大手「ユニー」(愛知県名古屋市)「イズミヤ」(大阪市西成区)とPB商品「スタイルワン」を共同開発するなど提携関係にあった。
しかし、2014年にイズミヤが「H2Oリテイリング」(阪急阪神百貨店)と経営統合、2016年にユニーが「ファミリーマート」と経営統合し、2018年10月にディスカウント「ドン・キホーテ」への売却が決定したことで関係が希薄化していた。
具体的協議は今後-岡田会長「イオンに加わって欲しい」
両社による今回の業務提携により、商品や店舗資材の共同調達、中国・四国地域限定PB商品の共同開発、店舗のリニューアル、物流・プロセスセンター・オフィス業務の統合、各種カードの共同利用などが行われる予定。
業務提携の具体的な方針及び内容は、今後協議するという。
マルナカの店舗(写真はマルナカイオンタウン宇多津店)
イオングループは10月10日、「中国・四国エリアにおける市場シェアNO.1のリージョナルSM企業」を目的に、2019年3月を目処にマックスバリュ西日本(広島市)とマルナカ(香川県高松市)、山陽マルナカ(岡山市南区)の経営統合を発表。
イオンの岡田元也社長は、この3社の統合にフジも加わってほしいと述べたとされている。
将来的には、フジのイオンまたはマックスバリュ西日本との経営統合、もしくはイオンによる子会社化も予想される。
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