カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

マルイナチュラルガーデン黒田、2024年5月開業-無印良品との複合店、旧アピア・キャスパル跡地に

島根県松江市の松江城近くにあったキャスパル跡地に、マルイのショッピングセンター「マルイナチュラルガーデン黒田」が2024年5月に開業する。

松江市内の郊外型大型店の先駆けだったキャスパル

キャスパルは1981年11月に「松江ショッピングプラザアピア」として開業。開業当初は施設運営を「協同組合松江ショッピングプラザ」が、食品核を地場大手食品スーパー「原徳チェーン」が担う営業形態を採っていたが、2004年1月に原徳が民事再生法を申請し経営破綻したため、同年9月をもって一時閉店した。
その後、2006年3月に原徳の後継企業「フーズマーケットホック」が全館を賃借したことでキャスパルとして再開業した。

松江タウンスクエア キャスパル。

キャスパルは、松江市内の郊外型ショッピングセンターの先駆的存在であった旧アピアと同様に集客力を維持したが、建物の老朽化を背景に賃貸借契約満了にあわせて2021年4月18日をもって閉店となった。

異例の出店届出取り下げを乗り越え新店建設

キャスパル跡地は山陰地盤の地場大手スーパー「サンインマルイ」が、2023年10月を目処に商業施設「(仮称)マルイナチュラルガーデン黒田」(建物2棟、店舗面積6,226㎡)の開店をめざす方針を示していたが、地盤の軟弱性を背景に大規模小売店舗立地法に基づく届出を取り下げていた。
その後、施設規模の縮小をともなう計画見直しを進めたうえで、2023年7月に再度届出を実施。新施設の建設が進められていた。

マルイと無印良品の複合店舗に

マルイナチュラルガーデン黒田の建物は店舗面積は5,358㎡。
大型食品スーパー「マルイ黒田店」と大型ライフスタイルストア「無印良品」を核とする複合店舗となる。

マルイナチュラルガーデン黒田

住所:島根県松江市黒田町418

関連記事:一畑百貨店、2024年1月14日閉店・廃業へ-島根県唯一の百貨店
関連記事:シャミネ米子、2023年7月29日開業-新・米子駅ビル完成、南北自由通路も
関連記事:マックスバリュJU米子高島屋店、2022年6月18日開店ーマックスバリュ鳥取1号店、デパ地下に

関連記事:松江タウンスクエア・キャスパル、2021年4月18日閉館-旧アピア、40年の歴史に幕

ベイシアFoods Park名古屋みなと店、2024年2月16日新装開店-カインズモール名古屋みなとに愛知県内初の同社新業態

愛知県名古屋市港区の名古屋臨海高速鉄道あおなみ線稲永駅前にあるベイシアグループ系複合商業施設「カインズモール名古屋みなと」に、同社系大型食品スーパー「ベイシアFoods Park名古屋みなと店」が2024年2月16日に新装開店した。

名古屋初のカインズモール

カインズモール名古屋みなとは2005年3月に開業。敷地面積は56,546㎡、売場面積は22,919㎡。
開店当初は同社系県内旗艦店「カインズホーム スーパーホームセンター名古屋みなと店(現カインズ名古屋みなと店)」(地上2階建/17,306㎡)と同社系総合スーパー「ベイシアフードセンター名古屋みなと店」(鉄骨造平屋建/売場面積5,613㎡)を核とする商業施設であり、両店舗ともに専門店として飲食サービス系店舗を導入するなど「集客力のアップと買上点数の向上という相乗効果を生み出すモール」をめざした。

ベイシア名古屋みなと店、県内初の新業態に

ベイシアFoods Park名古屋みなと店では愛知県内初となる新業態として、鮮魚部門では店舗近郊の名古屋市場や三河湾直送の生魚、惣菜部門の「名古屋めしコーナー」では味噌カツ弁当や手羽先など、グロサリーでは地元有名食品メーカー「寿がきや食品」商品や銘菓・地酒を取扱うなど、名古屋市周辺の産品を拡充する。また、同業態他店舗同様に「フライバイキング」「カレーバイキング」を導入、フローズンコーナーを約2倍のに拡大するなど時短需要に対応する。

Beisia Foods Park 名古屋みなと店。

関連記事:イオン今池店、2024年2月29日閉店-名古屋市街地にある築55年の旧ダイエー、建替えの方針
関連記事:COLORS.366 NAGOYA、2023年10月31日開業-名古屋市が所有する納屋橋・堀川沿いの物件、食とエンタメの複合施設に
関連記事:キラキラドンキ 近鉄パッセ店、2023年6月2日開店-名駅・近鉄百貨店にドンキ初出店
関連記事:メイチカ、2023年3月閉店-名古屋駅地下街の1つ、中央新幹線工事に伴う設備更新で
関連記事:名鉄レジャック、2023年3月31日閉館-名駅前にあるメルサの複合施設、契約満了と老朽化で再開発へ
関連記事:マルエイガレリア、2022年3月31日開業-旧丸栄百貨店跡、食中心テナントで賑わい見せた開業日
関連記事:栄町ビル、2021年9月30日閉館-名古屋中心部の複合商業ビル、興和が再開発へ
関連記事:MEGAドン・キホーテUNY納屋橋店、2020年3月24日開店-テラッセ納屋橋の「ラ・フーズコア」「ドンキ」跡に

関連記事:イオンモール名古屋みなと、2021年2月28日閉店-TOHOシネマズは11月先行閉館

佐賀玉屋本館、2024年6月閉店-建替え・複合ビル化、2026年末完成めざし着工へ

京都府京都市の不動産会社「さくら」傘下の百貨店「佐賀玉屋」は、本館(新館含む)の建物を建て替えるため、2024年6月末に一旦閉店することを発表した。建て替え中は、南館のみで営業を続け、将来的には南館も閉店・建て替えする。

建て替えを発表した佐賀玉屋本館。

創業約220年、2023年に不動産会社傘下となった佐賀玉屋

ここまでの経緯はこちら

佐賀玉屋新本館、低層を百貨店・高層階をシティホテルに

店舗の建て替えは、2024年2月15日に「さくら」社長で佐賀玉屋の新会長に就任・浅井政則氏、創業家で相談役(佐賀玉屋の前社長)の田中丸雅夫氏などが行った記者会見で発表されたもの。
発表によると、佐賀玉屋本館(新館含む)は2024年6月末に閉店。その後、建物を解体。2025年6月に新たな建物を着工するという。
新店舗は10階建て。1階から4階までが百貨店、5階から10階をシティホテルとする計画で、2026年12月の開業をめざす。
南館は、新たな本館の完成後に解体・再開発するとしている。

佐賀玉屋南館。本館建て替え完成後に再開発される。

佐賀玉屋は郊外型ショッピングセンターや福岡県内の商業施設との競合により売り上げが大きく減少していた。厳しい商環境のなか、どのような新時代の百貨店づくりをおこなっていくのかが注目される。

関連記事:佐賀玉屋、京都の不動産会社への経営譲渡を2023年12月発表-建替え含めた経営再建へ
関連記事:佐賀玉屋レストラン街、2023年8月27日全店閉店-南館7階、後継店舗は未定
関連記事:西友佐賀店、2018年3月31日閉店-JR佐賀駅前唯一のスーパー、市が取得方針
関連記事:コムボックス佐賀駅前、2020年6月20日開業-西友跡地、Aコープなど出店

S東美浜町店、2024年2月29日閉店-地場老舗総合スーパー本店、旧長崎松竹会館建替えで

長崎県長崎市浜町にある老舗総合スーパー「S東美浜町店」が2024年2月29日をもって閉店する。

長崎浜町を代表する老舗総合スーパー

東美は1947年6月に雨合羽店「佐々木商店」を前身とする衣料雑貨美術品店「東洋美装店」として設立。1966年10月に本店を現在の「長崎松竹会館(当時)」に移転、屋号を東洋美装店の略称である「東美」に改めた。

建替構想もあり売場集約進めていた

S東美が入居する複合商業施設「TG浜町ビル(旧長崎松竹会館)」の建物は地上8階地下1階建で店舗面積は㎡。地場建設会社の谷川建設が所有する。
S東美は開業当初、大手百貨店系仕入機構に加盟するなど百貨店に近い業態であったが、1968年3月の食品スーパー子会社「エスマート」設立後はチェーンストア志向を徐々に高め、総合スーパーへの業態転換を進めた。同店は長崎市中心部を代表する大型店のひとつとして専門店比率を高めるなど存在感を保ち続けたが、施設老朽化による建替構想を背景として、2023年2月にヤマダデンキ系家電量販店「ベスト電器S東美店」を閉店、直営衣料雑貨フロアの大部分を2階に移設集約するなど営業規模を縮小していた。
また、東美運営フロア以外でも2023年9月に九州地場大手複合カフェ「フリースペース」(西九州メディア運営、現在は浜町店1店舗のみ)が近隣に移転するなど専門店の撤退がみられていた。 
S東美。(2022年当時)

東美・スタバ・ミスドも後継店出店は現時点未定

都商研によるTG浜町ビル(旧長崎松竹会館)入居店舗への取材によると「2023年秋には解体が決まっていた」とのこと。
東美はTG浜町ビル内に本社を置いているが、施設建替えにともない移転する予定。なお、S東美を始め、スターバックスコーヒーやミスタードーナツなど入居専門店の多くは2024年2月時点において浜町での後継店出店の方針を明らかにしていない。

関連記事:長崎マリオットホテル、2024年1月16日開業-JR九州グループ運営、マリオット九州初進出
関連記事:アミュプラザ長崎新館、2023年11月10日開業-JR長崎駅ビル増床部分に86の専門店、本館も開業以来最大の全面刷新
関連記事:ファンスクエア新大工町、2022年11月19日開業-長崎玉屋を建替え、ライオンズタワー下層に玉屋・ジョイフルサンなど出店
関連記事:長崎西洋館、2023年5月閉館-長崎電気軌道運営、路面電車資料館も入居する商業ビル

関連記事:プラットモール長崎、2021年10月29日開業-長崎西洋館となりにJR西日本系モール

ジョイフルサン木鉢店、2024年2月29日閉店-改装相次ぎ打ち出していた木鉢唯一の大型店

長崎県長崎市のながさき女神大橋道路木鉢IC近くにある穴吹興産系の長崎地場スーパー「ジョイフルサン木鉢店」が2024年2月29日をもって閉店する。

地域に親しまれた木鉢唯一の大型店

ジョイフルサン木鉢店は、1996年10月に「木鉢ショッピングプラザ」の核店舗として開店。店舗面積は1,226㎡。
近年は店舗内外装のリニューアルに加え、日用消耗品を中心に厳選した100円ショップ「キャンドゥセレクト」やヤマト運輸系宅配便ロッカー「PUDO」を導入するなど、店舗3km圏内に同業が存在しない木鉢地域唯一の大型店として、施設の利便性向上に向けた取組みを継続的に実施。開店以来、地域の食を支える店舗として親しまれていた。
ジョイフルサン木鉢店。(同社公式より)

ジョイフルサンは穴吹興産(あなぶきグループ)傘下となって以来、長崎玉屋建替再開発ビルへの店舗看板に「J’s GARDEN Marche」を冠する新コンセプト店舗「ジョイフルサン新大工町ファンスクエア店」の開店や地産地消・有機食品を中心とした新業態「ジェイズガーデンマルシェ城山店」の開店、老朽店舗の建替リニューアルや無人販売事業の拡大など、意欲的ともいえる攻めの戦略を採っている。
同社は2024年2月現在、木鉢店閉店後の活用策などについて明らかにしていないが、長崎での次の一手に期待したい。

関連記事:佐世保玉屋、穴吹系スーパー「ジョイフルサン」と提携-売場転換で2024年中リニューアル、建替えへの布石か
関連記事:長崎マリオットホテル、2024年1月16日開業-JR九州グループ運営、マリオット九州初進出
関連記事:アミュプラザ長崎新館、2023年11月10日開業-JR長崎駅ビル増床部分に86の専門店、本館も開業以来最大の全面刷新
関連記事:ファンスクエア新大工町、2022年11月19日開業-長崎玉屋を建替え、ライオンズタワー下層に玉屋・ジョイフルサンなど出店
関連記事:長崎西洋館、2023年5月閉館-長崎電気軌道運営、路面電車資料館も入居する商業ビル

関連記事:プラットモール長崎、2021年10月29日開業-長崎西洋館となりにJR西日本系モール

ヤオコー横浜天神橋店、2024年2月20日開店-フードストアあおき跡に

神奈川県横浜市南区の国道16号線沿いにあるフードストアあおき横浜天神橋店跡に、首都圏地場大手食品スーパー「ヤオコー横浜天神橋店」が2024年2月20日午前9時に開店する。

横浜天神橋のフードストアあおき跡

フードストアあおき横浜天神橋店は、2012年7月に同社神奈川県内1号店として開店。建物は店舗面積は1,286㎡。
横浜天神橋店はキャッチフレーズに「食文化のパラダイス」を掲げる同社店舗として、創業地である静岡・伊豆半島のご当地商品やバイヤー厳選商品の取扱い、自動演奏ピアノを打ち出すなど高級路線の食品スーパーとして知られていたが、2022年8月に近隣の横浜都岡店とともに閉店。神奈川県内から全面撤退していた。

地域一番の冷惣菜を始め「インストア加工」訴求

ヤオコー横浜天神橋店は、フードストアあおき時代の建物を全面改修し開店するもので、敷地面積は約3,134㎡、店舗面積は約1,515㎡、延床面積は約7,384㎡。
ストアコンセプトに「『美味しさ』『楽しさ』を『固定と変化』で伝え豊かな食生活を提供するお店」を掲げ、野菜に関しては高糖度・機能性・調理用トマト、果物に関してはカットフルーツ、鮮魚に関しては天然魚を軸とした刺身や厚切り・大型パック商品、精肉に関しては曜日に応じた和牛中心の焼肉用商品を強化。デリカに関して冷惣菜「CREATIVE Y’s DELI」や鉄板商品、インストアベーカリーなど店内加工の強みを活かした商品を展開するとしている。

ヤオコー横浜天神橋店。

ヤオコー横浜天神橋店

住所:〒232-0042 神奈川県横浜市南区堀ノ内町1丁目102番地1 
営業時間:午前9時~午後9時45分

関連記事:ビエラ蒔田、2022年10月20日開業-横浜市旧南区総合庁舎跡地、JR西日本主導「ライフ」核の複合商業施設
関連記事:イオン天王町ショッピングセンター、2022年10月18日開業-ニチイ・サティ跡、「体験型ライフスタイル旗艦店」に
関連記事:ライブゲート瀬谷・イオンスタイル横浜瀬谷、2021年9月22日開店-相鉄瀬谷駅前再開発、イオンとミニストップ同居
関連記事:サミットストア上星川店、2020年2月22日開店-相鉄上星川駅近く、トノックス跡地に

ホームワイド若松店、2024年2月20日閉店-イオン若松ショッピングセンターの準核店舗、わずか2年で

福岡県北九州市若松区のJR筑豊本線(若松線)二島駅近く、イオン九州が展開する商業施設「イオン若松ショッピングセンター」の1階にある同社直営ホームセンター「ホームワイド若松店」が2024年2月20日をもって閉店する。

ホームワイド約8年ぶりの新店舗だった

ホームワイド若松店は、2022年3月にイオン若松ショッピングセンター専門店街1階の大部分を直営化するかたちで開店。売場面積は約6,870㎡で、2013年11月の小郡店以来約8年ぶりのホームワイド新店舗であった。(派生業態や既存業態の再転換は除く)
若松店はコンセプトに「暮らしに癒しと楽しさの提案」を掲げ、イオン若松専門店街のエンクローズドモール部分にペット用品・アウトドア用品・園芸用品を中心とした「ライフ館(本館)」、増床棟セリア・リバップ跡に衣料・DIY用品を中心とした「ワーク館(別館)」を展開した。

2022年に全館新装開業したイオン若松ショッピングセンター。

また、ホームワイド若松店では、ミレニアル世代のファミリーを意識した「ライフスタイル型ホームセンター」として、直営専門店「PetWide(ペットワイド)」「SunGarden(サンガーデン)」や福岡初となるキャプテンスタッグ公認アウトドア専門サテライトショップ「CAPTAIN STAG STAND」を導入するなど、専門店街2階のイオングループ系アウトドア用品店「スポーツオーソリティアウトドアステージ」や世界的トレーニングジム「ゴールドジム」と歩調をあわせることで施設の客層拡大や差別化を図った。

ホームワイド若松店。

一方、イオン若松ショッピングセンターでは、2023年5月にホームワイドと同時期に開店したスポーツオーソリティアウトドアステージが閉店、同年10月には韓国食材・物産店「イエスマート」「イエスマートビューティ」が親会社の破産申請の影響を受けて閉店するなど、改装の目玉だった大型専門店のが相次ぐ消滅により一転して苦境に立たされることとなった。

新装開業からわずか2年で再び大規模リニューアルへ

イオン若松ショッピングセンターでは、2023年5月に東京・新大久保発祥の韓国チキン店「gamaro chicken(カマロチキン)」を同業イエスチキン跡に導入、同年12月には「西松屋」をスポーツオーソリティ跡に導入するなど、コロナ禍で伸長したDIY・アウトドア用品・海外産品を中心とした営業施策の一部見直しを進めている。
今回、専門店街1階の大部分を占めるホームワイドを閉店(ワンラブがコンセ店舗として営業するペットワイド除く)することで、時流に沿った施設として再び再活性化を図る狙いがあるとみられる。

関連記事:イエスマート、2023年10月20日倒産・破産申請-大手韓国食材店、親会社の免税店「永山」倒産で
関連記事:イオン若松ショッピングセンター、2022年3月までにリニューアル開業-「ホームワイド」準核に韓国スーパー「イエスマート」など出店

関連記事:ビバモール赤間、2021年3月9日全面開業-旧・ゆめタウン宗像、ビバホームのアウトドア新業態「キャンプギア」1号店を併設
関連記事:スーパービバホーム八代店、2020年9月3日開店-熊本初出店、イオン八代ショッピングセンターの大部分に
関連記事:ホームワイドプロ高城店、2020年9月10日開店-ホームワイド「プロ向け」新業態
関連記事:イオン九州、2019年10月までにイオンスーパーセンターから撤退-イオン大木店の業態転換で

ハローデイ若松店、2024年2月20日閉店-JR若松駅ベイサイドモールの核担う古参店、施設開業から27年で

福岡県北九州市若松区のJR九州グループ系商業施設「ベイサイドモール」の核店舗「ハローデイ若松店」が2024年2月20日をもって閉店する。

若松駅再開発で生まれた「ベイサイドモール」

ベイサイドモールは1996年7月に開業。建物は平屋建で店舗面積は1,936㎡。2024年2月現在はJR九州ビルマネジメントが「若松ベイサイド商業施設」として管理運営を担っている。
同施設は旧若松駅操車場跡地再開発(久岐の浜ニュータウン)と一体的に整備された施設であり、開業当初は「ハローデイ」を食品核にドラッグストア「サンキュードラッグ」や複合書店「白石書店」、眼鏡店「眼鏡の松田(ビジョンメガネ)」、酒販店「ロビンフッド」など、北九州地場大手チェーンが多数立ち並んでいた。
若松駅周辺ではベイサイドモールの開業以後、複合商業施設「ベイサイドプラザ若松」(核店舗:サンリブ若松)の開業や商店街再整備、道路拡幅など、市街地再活性化に向けた取組みがみられたが、洞海湾を挟み対岸に位置する小倉北区・戸畑区の大型店や若松北湊の新興ロードサイド型店舗(サンリブグループ・大黒天物産・コスモス・ヤマダデンキ)への買物客流出もあり、依然として衰退が続いている。

専門店撤退相次ぐベイサイドモール、食品核ハローデイも

ベイサイドモールは2018年1月の「白石書店S-PAL若松」閉店解体後、サンキュードラッグの閉店(若松桜町店への事実上の統廃合)やauショップの隣接地(旧くじら館)移転、ロビンフッド・ビジョンメガネの完全閉店が生じており、開業当初からの店舗はハローデイ1店舗を残すのみであった。
また、ハローデイ若松店も積極的なスクラップ&ビルドが目立つ同社店舗としては貫店(1986年11月開店)に次ぐ古参店であり、店舗面積も673㎡と狭小、顕著な設備投資もみられなかった。

ハローデイ若松店。

2024年2月現在、施設を管理運営するJR九州ビルマネジメントは施設跡の活用方法を発表しておらず、ハローデイも若松区内への後継店出店計画を打ち出していないため、若松区内在住の施設利用者からは「駅のハローデイ古いけね」「サンリブやラ・ムーがあるから困らん」と諦めに近い声が多数聞かれている。JR九州には地元の失望感を拭い去る若松の活性化に結び付くような後継店の誘致に期待したい。

ベイサイドモール若松専門店棟。

関連記事:サンリブマルショク二島店、2023年10月31日閉店-奥洞海駅前の超小型総合スーパー、43年の歴史に幕
関連記事:イオン若松ショッピングセンター、2022年3月までにリニューアル開業-「ホームワイド」準核に韓国スーパー「イエスマート」など出店
関連記事:サンリブ、ベスト電器FCから2020年1月31日撤退-高須店の閉店で
関連記事:フォレオひびきの、2019年9月27日全面開業-完成から1年半、「グッデイ」「万惣アルゾ」を核にようやく開業

フクハラハピネスマート春採店、2024年2月18日開店-アークス福原の新業態、全面刷新でサンドラッグ対策めざす

北海道釧路市で地場大手流通グループ「アークス」(本社:札幌市中央区)の地域子会社「福原」(本社:北海道帯広市)が展開する食品スーパー「フクハラ春採店」跡に、同社の新業態1号店「ハピネスマート春採店」が2023年2月18日午前9時に開店した。

春採のフクハラ、老朽化が深刻だった

フクハラ春採店は1989年開店で建物は平屋建、店舗面積は789㎡。
春採店は開店当初、地域唯一の大型食品スーパーであったが、1995年には釧路市民生協系食品スーパー「コープ春採店(コープさっぽろ春採店を経て2023年10月閉店)」が、2003年にはイオングループ系食品スーパー「マックスバリュ春採店(現ザ・ビッグ春採店)」が開店するなど競争が激化。店舗建物も青果フロアを中心に雨漏りが続くなど老朽化が顕著であり、売場什器も雨漏りに対応した変則的な配置となっていた。
そのため、フクハラ春採店では2024年2月1日に「売り場改装」を発表、2月6日午後6時をもって一時閉店していた。

小商圏型新業態でサンドラッグ対策へ

ハピネスマート春採店は、福原による新業態1号店となる。
ハピネスマートではチラシを廃止し、毎日お求めやすい価格の提供を打ち出すEDLP型の営業に移行。青果コーナーではカット野菜、水産・食肉コーナーでは長期保存可能な真空冷凍食品や急速冷凍商品、デリカコーナーでは食べきりサイズの和惣菜を拡充するなど、少人数世帯向けの店舗づくりを打ち出す。

2023年当時のフクハラ春採店。
既存の店舗建物を活かしつつ新業態となる。

店舗近隣では2023年10月に道内大手生協系食品スーパー「コープさっぽろ春採店」(旧釧路市民生協運営店舗)が閉店したもの、2024年2月22日には店舗跡に大手ドラッグストア「サンドラッグ春採店」が開店を予定している。
サンドラッグ春採店では青果・精肉・冷凍食品・酒類の取扱いも予定しているため、リニューアルによる集客力維持を狙いがあるとみられる。

2023年10月に閉店したコープさっぽろ春採店。
2024年2月22日にサンドラッグ春採店となる。

フクハラハピネスマート春採店

住所:北海道釧路市春採6丁目2番43号
営業時間:午前10時~午後8時

関連記事:コープさっぽろ春採店、2023年10月31日閉店-春採湖近くの旧釧路市民生協系スーパー、売上減少で
関連記事:フクハラ長崎屋店、2023年9月30日閉店-帯広駅南口ビルの食品核、他専門店も多くが撤退に
関連記事:サンバード長崎屋帯広店、2024年3月閉店-長崎屋直営売場は2023年7月31日閉鎖
関連記事:藤丸百貨店、2023年1月31日閉店-創業122年の老舗、「再生」に望みを繋いだ最終営業日

関連記事:藤丸百貨店、2023年1月閉店-帯広・十勝エリア唯一の百貨店
関連記事:プラザ。いちまる清水店、2021年8月31日閉店-十勝の大手スーパーだった「いちまる」全店消滅
関連記事:イトーヨーカドー釧路店、2019年1月20日閉店
関連記事:道東で「WAON」による路線バス運賃支払い、2018年5月開始-帯広・釧路など、「全国初」取り組みも

とりせん松原店、2024年2月17日開店-パチンコ&スロットオータ館林店跡地に新コンセプト2号店

群馬県館林市の国道354号線沿いに地場大手食品スーパー「とりせん松原店」が2024年2月17日午前9時に開店した。

ほっこりするとりせん

とりせん館林松原店は、2022年9月に閉店した東海地方地盤の大手パチンコ店「パチンコ&スロットオータ館林店」跡地に開店するもので、建物は平屋建、総敷地面積は10,587㎡、売場面積は2,082㎡。
同店はとりせんの館林市ドミナント戦略の一環として同社既存3店舗の商圏対象外であった市東部・板倉町・明和町方面からの広域集客を図る。

とりせん松原店。

また、店舗建物は「2021年にオープンした佐野西店で採用した新デザインを更に磨き上げた店舗」として、デザインコンセプトを「集うみんながほっこりするお店(新コンセプト2号店)」に設定。青果売場では地場野菜コーナーを設置、鮮魚売場では全国有名漁港水揚げ商品の取扱いと注文に応じた調理に対応、精肉売場では地元館林の黒毛和牛「谷津牛」を始めとするバイヤー厳選こだわり商品を提供する。
このほか、惣菜売場を始めとする各コーナーでは地場惣菜や地場メーカー商品を積極的に展開。宅配便ロッカー「PUDOステーション」「AmazonHubロッカー」や無線Wi-Fi付きイートインコーナー、AI自動清掃・除菌ロボット、太陽光パネル発電、リサイクルステーションといった設備を完備する。

ほっこりする新コンセプト。

とりせん松原店

住所:群馬県館林市松原三丁目19-4 
営業時間:午前9時~午後9時30分

関連記事:ロヂャース加須店、2024年1月24日開店-島忠ホームセンター跡、食品ディスカウントスーパーに
関連記事:イオンスタイル南栗橋、2022年5月28日開業-東武南栗橋駅前「ブリッジライフプラットフォーム」街びらきに合わせて
関連記事:イオン東鷲宮店、2022年4月10日閉店-旧ダイエー、パルモール専門店街の一部テナントは営業継続
関連記事:あかやまJOY、2020年7月30日開業-イトーヨーカドー古河店跡、TAIRAYAは9月開店

関連記事:加須カタクラパーク・イトーヨーカドー加須店、2021年1月11日閉店
関連記事:ドン・キホーテUNY大桑店、2019年10月1日開店-埼玉県内初となるダブルネーム店舗、加須市のピアゴ跡に