一畑百貨店、2024年1月14日閉店・廃業へ-島根県唯一の百貨店

島根県松江市のJR松江駅前に本店を置く電鉄系百貨店「一畑百貨店」が、2024年1月14日に閉店する。

一畑百貨店松江本店。

三越と提携、山陰を代表する百貨店だった

一畑百貨店は三越との提携により一畑電鉄(一畑電車)の直営百貨店として1958年に創業(のち一畑百貨店松江本店)、のちに子会社化された。
初代松江店は松江城下の松江市殿町に店舗を構えた。1964年には支店として電鉄出雲市駅前に一畑百貨店出雲店を出店。三越グループからの商品供給もあり、三越の専売ブランドやレストラン「銀座ライオン」を導入するなどして絶大な人気を集めた。

1998年に閉店した一畑百貨店旧松江本店新館。(山陰中央ビル)

殿町の店舗は1982年に新館を建設して2館体制となったが、1998年4月にJR松江駅前にあった山陰ジャスコ松江店・ピノ専門店街(1982年築、食品はみしまや)の跡を全面改装して駅前に移転した。
なお、徒歩圏には当時から大型ショッピングセンター「松江サティ」(1994年開業、現「イオン松江ショッピングセンター」)があった。
また、出雲店も2000年に建替えをおこない、ツインリーブスホテル一畑の1階・2階に再出店した。
このほか、出雲空港(グループ他企業に移管)、大田市、浜田市などにも小規模店を構えていた。

一畑百貨店出雲店。

出雲店は2019年に一旦閉店、2021年にゆめタウン出雲1階に再出店したが、2022年に閉店。また、近年は松江店でもレストランの閉店や子供服の大幅縮小など経営規模の縮小がおこなわれていたほか、出雲空港売店を一畑グループの他企業へと移管していた。
松江店は地上6階・地下1階、店舗面積は13,824㎡だった。
松江本店は築41年が経過しており、建物の老朽化も課題となっていたと思われる。

島根県から百貨店消滅、最寄は米子

複数の地元メディアによると、廃業は新型コロナ禍などによる業績悪化のため。従業員は一畑グループ他企業への就職を斡旋するとしている。
一畑百貨店の廃業により、島根県からは百貨店が消滅する。
今後、いわゆるデパコスなど百貨店向け商品を購入するには、鳥取県米子市にあるJU米子高島屋や米子しんまち天満屋などに行く必要がある。

JU米子高島屋。(地元企業のFC店)

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