カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

鮮選寿司Peak Galleria、2022年4月29日開店-ドンキの寿司店、2号店は「回りません」

香港・ケーブルカーPeak Tram「The Peak Tower」駅近くの商業施設「Peak Galleria(山頂廣場)」にパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH、ドンキ)の回転寿司2号店となる「鮮選寿司 Peak Galleria」が、2021年10月29日午前11時(香港時間)に開店する。

鮮選寿司Peak Galleriaの看板、エスカレーターのデザイン

山頂に開業した山頂広場、ドンキ系の店舗が出店中

鮮選寿司が出店するPeak Gallria(山頂廣場)は1993年2月5日に開店、ビクトリアギャップの頂上に出店。アジア初のケーブルカーであるPeak Tramの終着駅が近くに位置するなど周辺は香港有数の観光地としても知られている。
施設は香港の不動産開発業者の恒隆地産が管理しており地上4階建て、1階にはバスターミナルがある。ドンキのディスカウント新業態である「情熱笑店」など計23店舗が出店している。

店外の様子

「鮮選寿司」はもう寿司を回転させません!

鮮選寿司が出店するのは施設の2階部分で店舗面積は181㎡、112席の客席を備える。2021年10月にOP Mallに開店した1号店に次ぐ2号店目となる出店である。1号店出店時には回転寿司としていたが、その構造上寿司のネタの鮮度が落ちてしまうという問題が発生。それを受け2号店である同店では回転寿司を取り止め、特急レーンを導入、注文を受けてから寿司を握り、特急レーンで客席まで届けるスタイルに変更するとしている。また、1号店でも同様の変更を予定している。
ネタ、シャリに関しては1号店と同様に様々なネタを鮮度が高い状態で提供、シャリは引き続き香港の自社精米所で精米した「北海道産ななつぼし」を使用するなど、1号店で好評だったものをそのまま2号店でも使用する形となった。
それに加え、同店のみの独自メニューも導入、生本まぐろ食べ比べセットや伊勢海老セットなどここでしか食べられない限定メニューも取り揃えた。

客席の様子

1号店の反省活かした2号店、更なる店舗展開なるか?

2号店となる同店では1号店での経験を活かし、回転寿司の取り止め特急レーン主体とするなど1号店とは大きく異なった店舗となった。
ドンキは東南アジア諸国への出店戦略を進めており、香港での経験を活かすかたちで、香港以外への国・地域への寿司店展開も期待される。

鮮選寿司Peak Galleria

所在地:No. 112-113,1st floor,The Peak Galleria,118 Peak Road, The Peak, Hong Kong
香港 山頂道 118號 山頂廣場 1F 112-113
営業時間:11:00~22:00(最終オーダー受付 21:15)

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ニトリ目黒通り店、2022年4月27日開店-目黒消防署横にオフィス併設型の旗艦店、アトレ店は閉店

東京都目黒区の東京都道312号線(目黒通り)沿い、東京消防庁目黒消防署そばに、ニトリの大型家具インテリア専門店「ニトリ目黒通り店」が2022年4月27日に開店する。

都内ニトリ最大級、IT・デジタル子会社も併設

ニトリ目黒通り店は旧中央三井信託銀行(旧三井信託銀行)グループオフィス跡地に出店するもので、建物は地上6階建で営業フロアは2~4階、敷地面積は約3,914㎡、売場面積は約6,512㎡、延床面積は約14,181㎡。土地建物は自社所有となる。
目黒通り店はニトリグループとしては世界824店舗目、国内728店舗目。同店は赤羽店(7,020㎡)や大田大鳥居店(6,939㎡)に匹敵する「都内ニトリ最大級の売場面積」(池袋の新店舗は面積未定)の店舗として、1階には駐車場、2~3階にはホームファッション売場、4階には家具売場を展開。 IT・デジタル関連子会社「ニトリデジタルベース」(2022年4月設立)のオフィスを併設するなど、今後の事業戦略を占う店舗となる。

ニトリ目黒通り店。

目黒駅のニトリは閉店、ロードサイドに実質移転

ニトリは2017年3月に「ニトリ アトレ目黒店」(2,300㎡)を開店していたが、目黒通り店の開店に先駆け、2021年11月7日をもってアトレ目黒店を閉店していた。アトレ目黒店はJR東日本グループ系商業施設内初となる店舗として、駅利用者や地域住民を主要顧客に定め需要の取込みを図っていたが、目黒通り店は目黒駅徒歩20分(バス5分)ほどの距離にあり、アトレ時代とは毛色が大きく異なる店舗となった。

ニトリ目黒通り店

住所:東京都目黒区下目黒6丁目1番18号
営業時間:午前11時~午後8時(平日)
営業時間:午前10時~午後8時(土日祝)
※4月27日~5月9日まで営業時間「午前10時~午後8時」に変更

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ドン・キホーテ別府店、2022年12月開店-別府タワー近くのボウリング場→パチンコ店跡に

大分県別府市中心部の別府タワー近くに、ディスカウントストア「ドン・キホーテ別府店(仮称)」が2022年12月ごろ開店する。
追記:12月13日開店を発表→詳しくはこちら

ドン・キホーテ別府店。

別府市中心部の「錦水園」跡地、ドンキに

ドン・キホーテ別府店が出店するのは、的ヶ浜温泉の南側にあるパチンコ店「ユーコーラッキー」(本社:福岡県久留米市)の跡。
この場所には永年「杉乃井ホテル」系列のボウリング場「錦水園」があったが、杉乃井の経営難により閉店。その後、別のパチンコ店を経てユーコーラッキーとなり、2021年5月に閉店していた。

ユーコーラッキー南的ヶ浜店。

ドン・キホーテは大分県で3店目、別府市では初出店。建物は地上5階建て、売場は1階のみ。別棟として2階建ての事務棟・社宅棟を併設する。建物はユーコーラッキーグループが所有を続ける。
店舗面積は2,001㎡で、生鮮品を扱うかどうかなどについては4月時点では発表されていない。

ドン・キホーテ別府店

住所:大分県別府市南的ヶ浜6-20
営業時間:未定

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ルビットタウン刈谷、2022年4月15日開業-イトーヨーカドー跡、バロー核に無印良品など出店

愛知県刈谷市に、バローが運営するショッピングセンター「ルビットタウン刈谷」が2022年4月15日に開業する。

ルビットタウン刈谷。

2021年に閉店していたエルシティ・ヨーカドー跡

ルビットタウン刈谷の前身となる「エルシティ/イトーヨーカドー刈谷店」はJR東海道線「逢妻駅」から北東1㎞にあり、1979年11月に開業。地下1階、地上2階建で店舗面積は10281㎡。核店舗のイトーヨーカドー刈谷店はそのうち5808㎡を占め、地下1階と地上1階に入居していた。

イトーヨーカドー刈谷店。

ヨーカドーのほかに同じく核店舗の「エディオンエルシティ刈谷店」のほか、「ダイソー」「カーブス」など20店ほどの専門店が入居していたが、2021年9月5日に閉店していた。

3店目のルビットタウン、無印良品など出店

ルビットタウンはバローが運営するショッピングセンターで、刈谷は中津川、高山に続く3店舗目。
1階はスーパーマーケット「バロー」を核に「マツモトキヨシ」などが、2階には「無印良品」「JINS」などが出店。また、3階の「エディオン」「ダイソー」はイトーヨーカドー時代からの継続出店となる。

ルビットタウン刈谷・館内イメージ。

館内もリニューアルに合わせて改装されており、ブラウン管からのリサイクル素材のタイルを使用するなど、環境に配慮したという。

ルビットタウン刈谷

住所:愛知県刈谷市高倉町2-601
営業時間:10時~20時(日曜日は9時30分~20時)(バロー)

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イオン仙台晩翠通店、2022年4月13日開店-東北地方整備局二日町庁舎跡地のプラウドタワーに

宮城県仙台市青葉区の仙台市営地下鉄北四番丁駅・勾当台公園駅近く、野村不動産のマンションを核とする大型複合施設「プラウドタワー仙台晩翠通セントラル」に、イオン東北(本社:秋田市)の食品スーパー「イオン仙台晩翠通店」が2022年4月13日午前9時に開店した。

イオン仙台晩翠通店。

東北地方整備局庁舎跡地に複合再開発ビル

プラウドタワー仙台晩翠通は「国土交通省東北地方整備局二日町庁舎」(2015年11月閉館)跡地に整備されたもので、建物は2棟(サウス&セントラル)。サウスタワーは2021年2月竣工で地上19階建、敷地面積は約1,491㎡。住居スペースの総戸数は99戸。セントラルタワーは2022年1月竣工で地上24階地下1階建、敷地面積約3,608㎡。住居スペースの総戸数は258戸。
セントラルタワー低層商業フロアには、イオン仙台晩翠通店に加えて、2022年5月までに仙台市青葉区広瀬町で営業していた歯科「丸森歯科医院」と仙台市泉区の医療法人ならの杜たんぽぽクリニックによる内科分院「たんぽぽクリニック晩翠通」が開院する。

イオン仙台晩翠通店のフロアマップ。

都市型店舗ながら弁当惣菜強化、医薬品拡充も

イオン仙台晩翠通店の営業フロアは1~2階で売場面積は約960㎡。同店の開店により宮城県内のイオンは28店舗体制、仙台市内のイオンは18店舗体制となる。(イオンスタイル・イオンエクスプレス含む)

イオン仙台晩翠通店のフロアデザイン。

同店はコンセプトに「いつも暮らしのすぐそばに」を掲げ、1階フロアでは生鮮3品・弁当惣菜や加工食品・日配品・リカーなどを展開。イオン東北による東北産鮮魚使用冷凍惣菜パック「にぎわい東北フローズンフィッシュミールキット」(2021年3月販売開始)やグループによる一流料理人監修食品PB「トップバリュプロのひと品シリーズ」(2021年10月販売開始)といった時短・簡便商品、少量目ラベル商品「少しがいいね」、仙台市中心部のイオン小型店としては珍しい店内加工の和洋中惣菜を導入するなど幅広いニーズの取込みを図る。
また、2階フロアでは直営の「イオン薬局」に加えて日用雑貨品や美容・衛生健康用品などを展開。イオン薬局では、全国の医療機関からの処方箋に対応する取組みに加えて、スマホによる調剤予約・連絡サービスや電子版お薬手帳を提供。ヘルスケアコーナーでは健康相談サービスを提供する。

コロナ時代にマッチしたサービスも

イオン仙台晩翠通店では「リアルとデジタルを融合した楽しいお買物体験」を掲げ、ネットで同店販売商品を注文可能な「イオン東北ネットスーパー」に加えて、同店店頭での購入に対応した地域密着型即日発送サービス「コメットさん」(生活支援物流提供)や同店店頭貸出用のスマホ・買物客自身のスマホで商品をスキャンしながら買物・非対面支払可能な「どこでもレジ レジゴー」を導入するなど、コロナ禍に適したサービスを提案することで差別化を図る。

イオン仙台晩翠通店

住所:宮城県仙台市青葉区二日町9番23-1号
営業時間:午前9時~午後10時(イオン薬局除く)

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中銀カプセルタワービル、2022年4月12日解体開始-跡地は未定、カプセルは各地で保存へ

東京都中央区の都営地下鉄汐留駅近くにある「中銀カプセルタワービル」の解体が2022年4月12日に開始された。

解体開始後の中銀カプセルタワービル。(2022年4月12日撮影)

中銀膠囊塔大樓(Nakagin Capsule Tower)、2022年4月12日拆除開始。日本建築大師黑川紀章設計、「代謝派建築」的代表作。中銀是由來「中銀座」。
膠囊小室被修繕後、捐贈於日本國內外美術館暨博物館。

メタボリズム建築の代表格、50年の歴史に幕

中銀カプセルタワービルは建築家・黒川紀章の設計により1970年に着工、1972年に完成したもの。「中銀」は「中銀座」に由来する。
建物は下層階がオフィス・商業ゾーン(末期はコンビニ「ポプラ」が出店)、ツインタワー部分は140個の居住カプセルで構成。カプセルは老朽化した場合などに交換できるものとされており、都市の新陳代謝に対応する「メタボリズム建築(代謝派建築)」の代表作であったが、実際にはカプセルが交換されることはなかった。

老朽化で解体-多くの人が見守る

解体は老朽化によるもの。解体初日となった4月12日には多くの人が最後の姿を目に収めようと足を止め、偶然通りかかったサラリーマンらが記念撮影する姿も見られた。
都商研の取材に対し、銀座でデザイン関係の仕事をしていたという80代の女性は「青春時代の象徴で一度は住みたいと思っていた」、また、20代の無職男性は「(八戸の)三春屋百貨店の閉店を見届け、乗り換え途中に駆け付けた」と話した。

跡地は未定-一部カプセルは保存へ

解体後の跡地の活用計画などについては、4月時点で未定となっている。

一部カプセルは取り外されて保存される。

一部のカプセルは「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」などの尽力により建物から取り外したのち修復され、世界各地の博物館・美術館などに寄贈・保存されることになる見込みだ。

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マルショク旭店、2022年4月8日開店-旭町店を建替え

広島県広島市南区の広島旭商店街(アイビータウン)に、サンリブグループの食品スーパー「マルショク旭店」が2022年4月8日に開店した。

前身は広島最古のマルショクだった旧旭町店

マルショク旭店の事実上の前身となるサンリブの総合スーパー「マルショク旭町店」は1970年12月に開店。建物は地上2階建で店舗面積は1,390㎡。広島県内で現存する最古のマルショクであった。
マルショク旭町店は開店以来、広島旭商店街(アイビータウン)の商業核として役割を担っていたが、都市計画道路(広島市道霞庚午線)拡張による店舗敷地の一部収用のため、2021年1月17日をもって完全閉店するとしていた。

広島県内20年ぶりの新店、食特化の狭小店舗に

マルショク旭店の建物は平屋建で店舗面積は759㎡。サンリブとしては2000年4月のサンリブ五日市開店以来約20年ぶりとなる広島県内への新規出店であり、旭店の開店により同社は広島県内7店舗体制となる。

マルショク旭店。

旭店は築50年経過していた旧旭町店と異なり食品に特化し、イートインを併設するなど「お買物しやすさにこだわった店内フロア」を提案。テナントとして旧旭町店の化粧品コーナー(資生堂・カネボウ・コーセー)を担っていた「すずらん」が再出店した。

マルショク旭店のフロアマップ。

旭店は旧旭町店と比べ店舗面積が半減したもの、引続きアイビータウンの商業核としての役割を担うとみられる。

マルショク旭店

住所:広島県広島市南区旭1丁目20-18
営業時間:午前9時~午後8時

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高島屋立川店、2023年1月31日閉店-専門店街ビルとして再出発、高島屋S.C.としての運営は継続

東京都立川市のJR立川駅前にある百貨店「高島屋立川店」が、2023年1月31日に閉店する。

高島屋立川店/立川高島屋S.C.

立川高島屋、2018年より専門店の導入を進めていた

高島屋立川店は1970年6月に開業。当時は米軍立川基地の返還が決まったばかりであり、市の大きな成長が見込まれるなかの開店であった。現店舗は1995年3月に新築移転したもので、売場は地上9階・地下1階、店舗面積は31,121㎡。
高島屋立川店はすぐ近くに伊勢丹とグランデュオ百貨店(阪急とJRの合弁)があり、重複ブランドも少なくなかった。
そのため、2015年からは流山おおたかの森などを手掛ける高島屋子会社「東神開発」の管理・運営による店舗のリニューアルを進め、2018年10月には「立川高島屋S.C.(高島屋ショッピングセンター)」としてニトリなどの大型専門店が出店。百貨店直営売場は3階以下の下層階のみとなっていた。

高島屋が運営する専門店街に-百貨店、53年で閉幕

高島屋立川店の売場は2023年3月で閉店し、百貨店としては53年の歴史に幕を下ろす見込み。一方で高島屋は「立川高島屋S.C.」としての運営は続けるとしており、高島屋の売場跡には新たなテナントが導入され、高島屋が運営する専門店街ビルとしての再出店を図ることとなる。

立川高島屋S.C.エントランス。

集客力があった食品売場を含め、新たなテナントの概要などについては4月時点で発表されていない。
高島屋は「東神開発が培ってきた商業施設運営やテナント誘致のノウハウを最大限に活用し館の魅力を最大化していく」としており、今後2023年秋のリニューアルオープンをめざして工事が進められる。

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プラザモールなかま、2022年4月20日開業-旧ダイエー・イオン跡、トライアル中間店を核に刷新

福岡県中間市の筑豊電鉄通谷電停近くにあるイオンショッパーズモールなかま店跡に、トライアルを核とするショッピングセンター「プラザモールなかま」が2022年4月20日に開業する。

北九州都市圏全域から客を集めたショッパーズ

プラザモールなかまの前身となるダイエー「ショッパーズモールなかま」は、1978年9月に総合スーパー「ダイエー中間店」(後の東館)として開店。1993年12月にはダイエーの大型ディスカウントストア「バンドール中間店」(後の西館)、1998年11月には大型アミューズメント施設(AMC・SEGA)を核とする専門店街「中間アミューズプラザ21C」(後のモール館)が相次ぎ開店し「ショッパーズモール中間」となった。モール形成当初の建物は3棟で敷地面積は53,581㎡、店舗面積は35,492㎡(東館15,565㎡、西館10,789㎡、モール館9,138㎡)、延床面積は84,021㎡。東館はダイエー、西館・モール館はグリーンプラザ開発が所有していた。

ダイエーなかま店。

ショッパーズモールは1998年当時、ダイエーグループの九州における旗艦店を核に日本最大のスクリーン数を誇るシネマコンプレックスを併設していたこともあり、地元のみならず北九州都市圏全域から客を集めた。その後も2002年3月にはダイエーが直営フロアを東館に集約し専門店フロアを拡大、2012年3月にはダイエー主導で東館・モール館のリニューアルを実施、同年7月には地元主導で西館のリニューアルを実施するなど、地域随一の大型店として存在感を示し続けたが、施設間競争の激化もあり近年は空きフロアが顕著となった。2015年9月には東館のダイエーがイオングループの運営会社再編により「イオンなかま店」に転換したが、老朽化を理由に2021年9月をもって閉店していた。

ショッパーズモールなかまの西館と東館。

イオン九州は、2021年9月の閉店後に西館の建替えを行い、2022年秋を目処に再出店する方針を示していたが、跡地の一部は平面駐車場となった。 

国内最大級のトライアルを新たな核に

プラザモールなかまは、旧ショッパーズモールなかま西館(2021年10月閉館)とモール館(暫定営業中)跡を刷新するもので、建物は引続きグリーンプラザ開発が所有する。

メガセンタートライアル中間店。

西館には大手ディスカウントストア「メガセンタートライアル中間店」(4月13日先行開業)が施設の核店舗として新規出店。モール館には暫定営業中のゲームセンター「セガアリーナなかま」と映画館「ユナイテッドシネマなかま16」に加えて、1階にカジュアル衣料品店「マックハウス」とアウトレット家具店「リバップ」が再出店、ニトリのインテリア雑貨店「ニトリデコホーム」が新規出店。2階にはヤマダデンキの家電量販店「ベスト電器」と100円ショップ「キャンドゥ」が再出店、ヘアカット専門店「QBハウス」、美容室「クイックカラーQ」が4月20日前後にかけて順次新規出店するなど、大型専門店主体の施設となった。

プラザモールなかま

住所:福岡県中間市上蓮花寺3丁目1-1
営業時間:24時間(メガセンタートライアル)

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やまき三春屋、2022年4月10日午後6時半閉店-品切れ相次ぐ最終営業日、呉服店時代から約500年の歴史に幕

青森県八戸市の百貨店「三春屋(やまき三春屋)」が2022年4月10日18時30分をもって閉店し、百貨店としての約52年の歴史に幕を下ろした。

最終営業日の三春屋。

長らく「ダイエー」の傘下だった

三春屋は、室町時代に創業した福島発祥の呉服店「三春屋呉服店」を前身にもつ衣料品店として1953年3月に法人化。1970年の八戸地場百貨店「丸美屋」買収を機に百貨店となった。同社は百貨店化を機に八戸本店の建替えや系列会社(ヤマニ三春屋)を通した岩手県内への出店など多角化に舵を切ったが、1985年には系列会社の再建支援により親密な関係となった大手スーパー「ダイエー」傘下となった。その後、三春屋は1995年にダイエーの完全子会社に、2005年にはダイエーグループの百貨店「中合」による運営になった。
2019年11月には不動産・商業コンサルタント「やまき」が中合から買収するかたちで、完全子会社「やまき三春屋」による運営に移行した。

やまきが再生に携わったアクア木更津。
(旧木更津そごう・現スパークルシティ木更津)

三春屋の現店舗はダイエー傘下となった1985年11月に開業したもので、建物は地上5階・地下1階建、売場面積は約15,574㎡、延床面積は約25,140㎡。八戸市中心部最大の商業施設(さくら野百貨店八戸店は15,227㎡)で、同時期に開業したファッションビル「ヴィアノヴァ」(1985年9月開業)と1階部分で直結、一体的な商空間を形成していた。

「脱百貨店」で改装中だったが…新会社、突然の閉店

三春屋は、やまきグループとなった直後の2020年2月から改装開始、同年5月21日にはやまきグループのLSSPによる会員制ラグジュアリーサロン・バーチャルショップ「三春屋Myサロン」を5階に開設する予定であった。
しかし、新型コロナ感染拡大を理由にサロン開設を含むリニューアルを一時凍結。2021年2月には中合出身の山川武氏が社長を退任し、やまき出身の土谷与志晴氏が社長に就任した。

「改装前の売りつくし」を掲げていた三春屋。

これにあわせ、三春屋は新たなコンセプトとして「デジタルハイブリッド百貨店」を掲げ、2021年3月に「近未来の百貨店に生まれ変わるための三春屋全館閉店セール」を開始。同年8月には百貨店フロアの低層集約と専門店の誘致に加えて直営食品売場の廃止と従業員の解雇を打ち出したが、同年9月にはリニューアル再延期(同年秋→2022年3月30日)と直営食品売場の一転存続、解雇の一部撤回(再雇用)を改めて打ち出すなど、朝令暮改といえる営業状況となった。その後も工事に進展はなく、2022年3月4日には突然の完全閉店方針を発表、同年4月10日をもって歴史に幕を下ろすこととなった。

無念の閉店、品切れ相次ぐも賑わう営業最終日に

三春屋は全館閉店セールを1年超続けており、三春屋の縮小に先駆けさくら野百貨店八戸店に移転したテナントもあったため、1階2階4階5階フロアの約半分、3階フロアの全域が閉鎖状態にあるなど、営業フロア・取扱商品数ともに減少傾向にあった。
しかしながら、閉店当日の地階ではプロジェクトおおわに(大鰐町地域交流センター鰐come)による「大鰐フェア」といった催事企画や惣菜テナントによる特売、1~2階ではブランド衣料やバッグの均一セール、4階ではブランドランドセルの80%OFFセールや手芸専門店での30%OFFセール、5階レストランでは最大半額セールといった取組みもあり、開店直後から賑わいをみせた。また、食品売場では三春屋やテナントによるギフト箱・トレーの販売、買物客による鮮魚売場での記念撮影会といった光景がみられた。

30年の歴史に幕を下ろすパブロ三春屋店。
盛岡や秋田にも店を構えるが八戸への再出店の予定はない。

閉店時刻迫る18時過ぎには地階食品売場の営業を終了し、18時25分までに買物客の送り出しを終えた。閉店時刻の18時30分からは正面玄関前に経営陣や従業員が登場、三春屋に対する想いやコメントとして「今ここにいらっしゃる皆様、今ここにいらっしゃらなくても三春屋でお買いものしていただいた皆様、我々にとって皆様が宝物、誇りです。」「一旦閉店すること本当に申し訳なく思う、誠に申し訳なく思う。」と語られ、閉店式典参加者全員による御礼ののち、大手老舗百貨店を上回るという「“永禄年間”から続く歴史の継承」に一旦幕をおろした。
閉店式典中は咽び泣く買物客や百貨店化当初の三春屋について話題にする買物客もおり、三春屋ロスは大きそうだ。

百貨店化から52年の歴史に幕を下ろした。

やまき三春屋の今後について、現時点であくまで「ゼロベース」としているが、式典では「改めてこのかたちに戻してこれるように本当に夢見て」と締めくくるなど、将来的な復活に含みをもたせたコメントを残している。
一方で、突然の閉店により移転先が決まらなかったテナントや、再就職先が決まらなかった従業員は少なくないとみられる。
三春屋の建物は、さくら野百貨店八戸店(1968年6月開業)やチーノはちのへ(1980年11月開業・解体予定)といった近隣大型店と比較しても新しく、百貨店各社が課題とする建物の老朽化や耐震性不足との縁もなかったため、八戸市民や三春屋利用者の要望に応えることができるような施設としての復活に期待したい。

一部店舗はさくら野やヴィアノヴァに移転、制服取扱いも

三春屋に入居していたテナントのうち、オーガニックコスメブランド「HOUSE OF ROSE(ハウスオブローゼ)」、日本製ニットを中心としたブランドのLサイズライン「JEANRENE PLUS(ジャンルネプリュ)」、ワールド系の婦人服「アンタイトル」、地元とんかつ店「とんかつ宮政」、魚惣菜店「焼魚舗神戸うおひで」はさくら野百貨店八戸店に移転、「呉服の三松」はヴィアノヴァに移転、「らーめんふぁくとりーのすけ」は市内中心部への移転の方針を明らかにするなど、残存するテナントの多くが八戸市内で存続する見込みとなった。
また、三春屋が取扱っていた高校制服は、2022年3月4日からさくら野百貨店八戸店もしくはイオン八戸田向店に移行。三春屋OMCカードの新規発行は2022年3月8日をもって終了、閉店後は標準のOMCカードに移行する。(発行済のカードはそのまま使用可能)

さくら野八戸店に移転するテナント一覧
  • HOUSE OF ROSE(ハウスオブローゼ)
  • JEANRENE PLUS(ジャンルネプリュ)
  • アンタイトル
  • とんかつ宮政
  • 焼魚舗神戸うおひで
ヴィアノヴァに移転するテナント一覧
  • 呉服の三松

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